クリニックや医療法人に顧問税理士は必要? 顧問料の相場まで解説!

2023.03.22

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クリニックや医療法人を始めるにあたって、顧問税理士と契約するかどうかお悩みの人も多いのではないでしょうか。

今回はクリニックや医療法人に顧問税理士は必要であるか、顧問税理士の役割やメリットを挙げながら解説します。

 

税理士の顧問料も紹介していますので、ぜひご覧ください。

以下の記事では、税務関連の中でも特に重要性が高い確定申告と節税対策について解説しています。ぜひこちらもご覧ください。

 

 

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CONTENTS

クリニックや医療法人に顧問税理士は必要なのか

クリニックや医療法人に顧問税理士は必要なのでしょうか。

顧問税理士の役割や契約するメリットなど、顧問税理士との契約を考える上で大切な要素を挙げながら考えていきます。

顧問税理士とは

顧問税理士とは、顧問として継続的な税務サービスの契約をする税理士です。

スポット契約による単発でのサービス提供ではなく、一定期間の継続的なサービスを約束します。

毎月一定額の顧問料を支払い、決算や年末調整などの追加業務が発生するタイミングでは別途報酬も支払うのが一般的です。

 

顧問税理士に依頼できる内容は幅広く、会計・税務関連のさまざまなアドバイスやサポートを受けられます。

顧問税理士の主な仕事内容として、具体的な例をいくつか紹介します。

  • 定期訪問、コンサルティング
     月に1回~半年に1回程度の定期的なタイミングで顧問先に訪問し、会計・税務面での現状や課題などの報告を行います。このタイミングでコンサルティングも行うケースが多いです。近年は対面に限らず、Web会議のケースも増えています。

  • 試算表の作成
     記帳内容をもとに試算表を作成します。昨今は会計ソフトで自動作成できることが多いです。

  • 決算業務
     決算業務は別途報酬が発生するのが一般的です。

  • 税務関連業務
     税務相談・税務代行・税務書類作成といった、税理士の独占業務についても当然対応してもらえます。

なお、顧問税理士に上記すべての業務を依頼しなければならないというわけではありません。

自社で対応できる部分は自社で行い、税務相談や税務代行などの専門分野のみ依頼するケースもあります。

顧問税理士と契約するメリット

クリニックや医療法人において顧問税理士と契約するメリットとして、大きく5つが挙げられます。

いつでも税務に関する相談ができる

税務について疑問や不安が生じたとき、すぐに相談できるのは大きなメリットです。

トラブルが発生してから慌てて税理士を探す必要がなく、問題をタイムリーに解決できます。

自身やスタッフの労力を抑えられる

税務・会計関連の大部分についてサポートを受けられるため、自身およびスタッフの労力を抑えることが可能です。

専門家による正確なサポートを得られる

税理士は税務の専門家であり、確かな知識や経験を有します。

正確で質の高いサポートを得られるため安心です。

会計・税務関連のトラブルのリスクが小さくなる

会計・税務関連は複雑な部分が多いため、専門知識がない人が対応しようとするのは難易度が高く、またトラブルのリスクも高いです。

少しのミスが大きな処罰や信用の失墜につながる恐れもゼロではありません。

 

顧問税理士と契約すればこれらのリスクを小さくできます。

プロである税理士に任せることで、会計処理や税務申告のミスを抑えられるでしょう。

他の医療法人・クリニックの情報を得やすくなる可能性が高い

医療法人やクリニックを運営する上で「他の医療機関ではどうしているのだろう?」と疑問が生じる場面があるかもしれません。

知り合いの医師に聞く・ネットで検索するなどの方法で情報収集もできますが、どうしても信ぴょう性に欠ける部分があるでしょう。また、情報が古い可能性もあります。

 

他の医療法人やクリニックと顧問契約を結ぶ税理士を雇えば、他のクリニック等に関する最新情報を得やすくなることが期待できます。

もちろん内部の深い情報までは得られないものの、医療機関に通じる傾向や動向など、大まかな情報はつかみやすくなるでしょう。

顧問先の医療法人やクリニックの情報を踏まえたアドバイスも期待できます。

顧問税理士は必須?

結論から申し上げると、クリニックや医療法人において顧問税理士は必須というわけではありません。

税務・会計分野について、自身や経理スタッフがすべて対応できるのであれば、顧問税理士と契約しなくても問題ないといえます。

顧問税理士との契約ではなく、税理士のアドバイスやサポートを受けたいタイミングでスポット依頼をするケースもあります。

 

しかし実際のところ、クリニックや医療法人の運営にあたって顧問税理士がいた方が良いのは事実です。

 

その理由として、以下の3つが挙げられます。

  • ・税務や会計分野は専門性が必要なものが多く、自身やスタッフですべて対応するのは容易ではない。トラブルやミスのリスクも高くなる。

  • ・顧問税理士は税務や会計の専門家としてだけでなく、経営のパートナーと呼べる立ち位置になる。他のクリニックや医療法人に関する情報収集ができる・経営のアドバイスがもらえるなどのメリットもある。

  • ・税理士が必要になったタイミングで単発依頼する場合、税理士を探す、都度契約する、状況などを説明するといったトータルでの労力が大きい

顧問税理士が不要と断言できる特別な理由がない限り、顧問税理士と契約するのがおすすめです。

クリニック・医療法人における顧問税理士の選び方

顧問税理士は長期的な付き合いになるため、誰でも良いわけではありません。

クリニック・医療法人における顧問税理士の選び方として、押さえたいポイントを5つ紹介します。

第一印象を重視する

長期的かつ定期的な付き合いが発生するため、相性が悪い税理士との顧問契約は避けるのが無難です。

そのため、第一印象が悪い税理士はおすすめできません。

医療分野に詳しい税理士を選ぶ

一口に税務といっても、業界によって注意するべき事項や制度・法律が異なります。

クリニックや医療法人であれば、医療分野に特化した税理士を選ぶのが安心です。

依頼できる業務範囲を確認する

税理士によって依頼できる範囲が異なるケースがあります。

顧問税理士として依頼できる業務範囲を確認し、自身の理想に合うか検討しましょう。

レスポンスの早さをチェックする

円滑なコミュニケーションが取れるかどうかも非常に重要なポイントです。
質問に対する回答など、レスポンスの早さもチェックしましょう。

料金が明瞭である

料金が明瞭であるか否かもチェックが欠かせないポイントです。

金銭面で不安がある税理士は信頼できるといえません。

料金が不明瞭であったり、相場との違いが大きく且つその理由が不明瞭な税理士は避けた方が良いでしょう。

クリニックや医療法人 税理士の顧問料の相場とは

続いて、税理士の顧問料の相場について紹介します。

 

大前提として、顧問料は依頼する業務内容や事業規模による違いが大きいです。

そのため業界全体の大まかな相場ではなく、業務内容・規模ごとの相場を知る必要があります。

 

また、個人事業主と法人とでは法人の方が顧問料は高くなります

同じ医療分野であっても、個人で経営するクリニックと医療法人では顧問料の相場が大きく異なる点は押さえておきましょう。

 

以上を踏まえた上で、事業規模ごとの月額顧問料や、決算・年末調整などの別途報酬について相場観を紹介します。

 

※今回紹介するのは、顧問税理士に依頼できる業務全般が契約内容に含まれている前提での相場です。

※訪問頻度は四半期に一回と仮定しています。2ヶ月に1回・1ヶ月に1回と訪問頻度が上がることで顧問料がプラス5,000円程度になるのが一般的です。

個人経営クリニックの場合

個人経営クリニックの場合、決算という概念はありません。かわりに所得税の確定申告が必要となります。

そのため毎月一定額の顧問料を支払うだけでなく、確定申告のタイミングで一年分を一括して支払うケースもあります。

ただし年商が一定額を超えると月額顧問料を支払うパターンが多くなります。

年商ごとの大まかな相場観を紹介します。

  • ・年商1,000万円未満: 月10,000円程度 または年10万円前後
  • ・~3,000万円: 月15,000円~ または年10万~15万円
  • ・~1億円: 月20,000円~
  • ・~3億円: 月30,000円
  • ・3億円以上: 月35,000円~

医療法人の場合

前述したように、個人経営クリニックよりも顧問料の相場が高めです。

月額顧問料および決算などの別途報酬の相場を紹介します。

  • ・年商5,000万円未満: 月20,000円~
  • ・~1億円: 月25,000円~
  • ・~3億円: 月40,000円~
  • ・3億円以上: 月50,000円~
  • ・決算報酬: 月額顧問料の4~6か月分程度
  • ・年末調整: 基本料金1万~3万円程度 従業員が10名を超える場合、一人あたり1,000円~3,000円プラスのケースが多い

月額顧問料と決算等の別途報酬を合計した年間の相場として、40万~80万円程度が一つの目安です。

ただし年商や従業員数によっては、年間の税理士報酬が100万円を超えるケースもあります。

 

税理士の顧問料相場はあくまで目安であり、規模によって大きく異なる点を押さえることが大切です。

まとめ

クリニックや医療法人において、顧問税理士との契約は必須ではありません。

しかし、会計・税務分野について自身やスタッフがすべて対応するのは大きな労力が必要となりミスのリスクもあるため、顧問税理士と契約するのがおすすめです。

 

一口に税理士といっても人によって得意分野や対応可能な業界が異なります。

クリニックや医療法人の場合、医療業界に精通した税理士と顧問契約を結ぶのが安心です。

 

弊社BIZARQはクリニックや医療法人の税務について豊富なノウハウを有しております。

医療業界に詳しい税理士をお探しであれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士

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