開業医必見!クリニックに使える助成金・補助金一覧

2024.07.30

クリニックで使える助成金や補助金には様々な種類があります。

助成金や補助金を上手く活用すれば資金面での負担を抑える効果が期待できます。

制度によって条件や対象者が異なるため、各制度の特徴を押さえた上で、目的や条件に合う制度を選ぶことが大切です。

 

今回はクリニックで使える助成金・補助金を紹介します。

 

会社設立時に利用できる助成金や補助金については以下の記事をご覧ください。

 

 

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CONTENTS

クリニックで使える助成金・補助金

クリニックで使える主な助成金・補助金として、今回は9つの制度を紹介します。

自治体の創業者向け補助金・給付金

多くの自治体では創業者向けの補助金や給付金制度を設けています。創業者向けという名の通り、クリニックの開業時や開業直後に使える制度です。

自治体によって条件や金額が異なるため、クリニックを開業する自治体の案内をご確認ください。

今回は例として自治体による制度3つを紹介します。

【東京都】創業助成事業

都内で創業を予定している、もしくは創業から5年未満の中小企業者等を対象とした制度です。

創業初期に必要な各種経費を助成対象としています。

助成率は助成対象経費の3分の2以内、助成限度額は400万円です。

【東京都杉並区】創業スタートアップ助成事業

杉並区の創業スタートアップ助成事業には以下の2種類があります。

  • ・事業所家賃助成:助成率3分の2、助成限度額30万円(月上限5万円×6ヶ月)
  • ・ホームページ等作成費助成:助成率3分の2、助成限度額20万円

【千葉県千葉市】千葉市創業支援補助金

千葉市内で創業予定、もしくは創業2年以内の事業者を対象とした制度です。

創業からの経過期間のほかにも、以下2つの要件を満たす必要があります。

  • ・特定創業支援等事業のいずれか1つについて全日程を受講済みである
  • ・市内に主たる事業所を設置する。法人の場合はしないに本店を設置する

創業時に必要な経費と事業活動に直接かかわる経費が補助対象です。

補助金の額は補助対象経費の2分の1以内、上限は30万円となります。

事業承継・引継ぎ補助金

事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継を契機に新たな取組等を行う事業者を対象とした補助金制度です。

クリニックを事業承継等によって引き継いだ場合に申請できる可能性があります。

 

事業承継・引継ぎ補助金は補助対象となる取組の内容および経費の種類に応じて3事業に分かれており、それぞれ補助額等が異なります。

 

  • 経営革新枠:補助率3分の2または2分の1以内、補助額100万円~600万円または800万円
  • 専門家活用枠:補助率3分の2または2分の1以内、補助額50万円~600万円
  • 廃業・再チャレンジ枠:補助率3分の2、補助額50万円~150万円
 
詳細は、「事業承継・引継ぎ補助金公式HP」をご覧ください。

医療施設等施設整備費補助金

医療施設等施設整備費補助金は、へき地医療の確保および臨床研修医の研修環境の充実等を目的とした補助金制度です。 一定の要件を満たす診療所や各種施設の整備事業で利用できます。 補助率および下限額は以下の通りです。
  • ・へき地診療所:補助率2分の1、下限額1か所につき1,000千円
  • 過疎地域等特定診療所:補助率2分の1、下限額1か所につき2,500千円
  •  ※改修の場合は1,000千円
  • へき地保健指導所:補助率3分の1、下限額1か所につき1,666千円
  •  ※沖縄県は補助率2分の1、下限2,500千円
  • 研修医のための研修施設:補助率2分の1、下限額1か所につき1,000千円
  • 臨床研修病院:補助率2分の1、下限額1か所につき1,000千円
  • へき地医療拠点病院:補助率2分の1、下限額1か所につき2,500千円
  • 医師臨床研究病院研修医環境整備:補助率3分の1、下限額の定めなし
  • 離島等患者宿泊施設整備事業:補助率3分の1、下限額の定めなし
  • 参加医療機関施設整備事業:補助率3分の1、下限額1か所につき666千円
  • 死亡時画像診断システム整備事業:補助率2分の1、下限額の定めなし
詳細は、厚生労働省「医療施設等施設整備費補助金交付要綱」をご覧ください。

IT導入補助金

IT導入補助金は、経営課題を解決するためのITツール導入を支援する補助金制度です。

クリニックの開業時に限らず、対象事業を実施するタイミングで利用できます。

 

IT導入補助金には5つの枠があり、同じ枠内でも条件によって補助率や補助額が異なります。

金額の決まり方等は細かく定められているため、詳細は募集要項をご確認ください。

 

  • 通常枠
  • 自社の課題に合ったITツールの導入を支援する枠です。
  •  
  • インボイス枠
  • インボイス制度に対応した会計ソフトや、PC・ハードウェアを導入する事業者を対象とします。
  •  
  • セキュリティ対策推進枠
  • サイバーインシデントのリスク低減策を支援する枠です。
  •  
  • 複数社連携IT導入枠
  • サプライチェーンや商業集積地に属する事業者が、他の事業者と連携してITツールを導入する場合に利用できます。
 
詳細は、「IT導入補助金公式HP」をご覧ください。

ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)

ものづくり補助金は、生産性を向上させるための設備投資等を支援する補助金制度です。 名称に「ものづくり」と入っていますが、製造業等に限らず幅広い業種で利用できます。 支援類型は以下の4種類です。補助率および補助上限額は従業員数等の条件によって異なります。
  • 省力化(オーダーメイド)枠
  • 製品・サービス高付加価値化枠
  •  通常類型と成長分野進出類型(DX・GX)の2つがあります。
  • グローバル枠
詳細は、「ものづくり補助金総合サイト」をご覧ください。

トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金は、一定の理由から就職が困難な求職者を、無期雇用契約への移行を前提に、トライアル雇用を行う場合に利用できる助成金制度です。

クリニックで人材採用をする際に利用できる可能性があります。

 

トライアル雇用助成金は、労働者および雇入れの方法等に関する条件が定められています。

受給額は支給対象者1人につき月額4万円で、支援対象期間は最長3ヶ月です。

 

詳細は、厚生労働省「トライアル雇用助成金」をご覧ください。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、非正規雇用の労働者の正社員化や処遇改善の取組を実施した事業主を対象とする助成金制度です。

すでに雇用している従業員のキャリアアップにつながる取組を実施した際に対象になるため、開業時に利用できる制度ではありません。

助成額はコースによって以下のように異なります。

  • 正社員コース(1人当たり)
  • 正社員化前の雇用形態が有期雇用労働者の場合は計80万円、無期雇用労働者の場合は40万円
  •  
  • 賃金規定等改定コース(1人当たり)
  • 賃金引上げ率3%以上5%未満の場合5万円、5%以上の場合6万5,000円
  •  
  • 賃金規定等共通化コース(1事業所当たり)
  • 60万円
  •  
  • 賞与・退職金制度導入コース(1事業所当たり)
  • いずれかを導入の場合40万円、同時に投入の場合56万8,000円
  •  
  • 社会保険適用時処遇改善コース(1人当たり)
  • 手当等支給メニュー:1年目・2年目の取組40万円、3年目の取組10万円
  • 労働時間延長メニュー:30万円
  •  

※いずれも事業規模が中小企業の場合です。

 

詳細は、厚生労働省「キャリアアップ助成金」をご覧ください。

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金とは、一定の要件を満たすOJTやOFF-JTを実施する事業者が申し込める助成金制度です。

前項で紹介したキャリアアップ助成金と違い、正社員のみを対象としています。

人材開発支援助成金には6つのコースがあり、それぞれ対象者や条件が大きく異なります。

同じコースでも労働者の条件等によっても助成額が異なるため、個々のケースについて確認が必要です。

詳細は、厚生労働省「人材開発支援助成金」をご覧ください。

地域雇用開発助成金

地域雇用開発助成金は、雇用機会が特に不足している地域等で、事業所の設置・整備およびその地域に居住する人の雇入れをする場合に利用できる制度です。

ただ事業所の設置や整備をするのではなく、地域に居住する求職者等の雇い入れに関する計画書を提出する必要もあります。
受給額は設置・整備費用と対象労働者の増加数に応じて決まります。

 

詳細は、厚生労働省「地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース」をご覧ください。

まとめ

一口にクリニックで使える助成金や補助金といっても、制度によって条件が全く異なります。

自身の運営するクリニックで利用できる制度を見つけるためには、まずはどのような制度があるかを知ることが大切です。

 

今回はクリニックで使える助成金・補助金制度として9つの例を紹介しました。

本記事で取り上げたもの以外にも、クリニックで使える可能性がある制度は多数存在します。

制度を上手く活用できるよう、助成金・補助金に関する情報収集を積極的に行いましょう。

 

もし助成金や補助金について気になることがあれば、資金調達に強みを持つ専門家へご相談ください。

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士

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