年収1,000万の人がやるべき節税対策とは?損をしないためのテクニック10選!

2023.04.28

年収1,000万円を超えるサラリーマンにとって、税負担は無視できない問題です。しかし、適切な節税対策を講じることで、手元の資金を増やし資産形成につなげることが可能です。
本記事では、年収1,000万円の方におすすめの節税方法を詳しく解説します。
賢い投資を行い、税金対策を進めることで、より充実したライフスタイルを実現しましょう。

 

サラリーマンの節税テクニックについて以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

 

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CONTENTS

年収1,000万円(給与所得者)の手取り額と暮らしの実態

年収1,000万円というと、多くの人が高収入と感じるでしょう。 しかし、実際には税金の負担が大きく、手元に残る額は想像以上に少なくなります。
ここでは、給与所得として年収1,000万円を得ている方の手取り額や、控除される税金の詳細について解説し、年収1,000万円の現実をお伝えします。

年収1,000万円の手取り額は?

給与所得として年収1,000万円を得る人の平均的な手取り額は、約700〜800万円です。
しかし、これは個々の状況により大きく異なります。

扶養家族の人数や条件によって所得控除の額が変動するため、同じ年収であっても手取り額に違いが出るのです。
そのため、年収1,000万円の正確な手取り額を計算するのは難しいといえます。

一般的には、扶養家族が多いほど所得控除が増えるため、手取り額も多くなる傾向です。

 

たとえば、夫婦と16歳以上の子どもを1人扶養する年収1,000万円のケースでは、手取り額は年間約735万円です。
一方、夫婦のみの場合は約725万円とされています。
ただし、これらはあくまで概算であり、同様の家族構成でも手取り額に差が生じる点に注意が必要です。

給与から差し引かれる税金と社会保険料の内訳は?

年収1,000万円の給与所得者は、所得税や住民税、社会保険料を支払わなければなりません。 これらの税金と社会保険料の合計は、年収の約20〜30%にもなる場合があります。
毎月の給与から差し引かれる主な税金と保険料の項目は以下の通りです。

  • ・健康保険料
  • ・介護保険料(40歳以上)
  • ・厚生年金保険料
    ・雇用保険料
    ・所得税
    ・住民税

所得税は、超過累進課税率によって計算されます。 そのため、所得額が増えるにつれて税率も高くなり、年収が高いほど税負担が大きくなる仕組みです。

個人年収1,000万と世帯年収1,000万の違いは?

個人で年収1,000万円と、世帯全体で年収1,000万円では、同じ年収でも税負担に差があります。
日本の所得税は個人ごとに計算されるため、世帯全体ではなく個々の収入に対して税金が課されるためです。

また、所得税は超過累進税率を採用しており、収入が高くなるほど税率も上がります。
例えば、年収1,000万円の個人の所得税率は33%ですが、年収500万円の所得税率は20%です。
このため、年収1,000万円を1人で稼ぐ場合と、2人で500万円ずつ稼ぐ世帯では、税額に差が出ます。

 

たとえば、年収1,000万円を個人で得ている夫婦と子ども1人の家族のケースでは、各種控除を考慮した所得税額は約81万円です。
一方、夫婦それぞれが年収500万円ずつのケースでは、各人の所得税は約16万円で、世帯全体での所得税額は約32万円になります。

あくまで概算ですが、このように個人と世帯で年収1,000万円を得る場合では、税負担に大きな違いがあるのです。

年収1,000万円の生活水準の実態

年収1,000万円を得ると、どのような生活が可能になるのでしょうか。
一般的には経済的に余裕がある生活ができると考えられますが、実際には家族構成や子どもの有無、住む地域、ライフスタイルなどによって大きく状況が変わります。

年収1,000万円でも家計を圧迫する要因は少なくありません。
それには、生活費や教育費、住宅ローンなど、経済的負担を増やすいくつかの理由があります。詳しく見ていきましょう。

税負担が重い

前述の通り、年収が高くなるとそれに応じて支払う税金も増加します。そのため、手取り額が思ったほど増えません。
年収が上がっても家計が厳しいと感じるケースは少なくないでしょう。

公的補助の所得制限

公的な補助には多くの場合、年収による制限が設けられています。
そのため、年収1,000万円以上の人は補助や控除が減額されたり、受けられなくなるケースが少なくありません。
年収による制限で恩恵を受けにくくなる公的補助の例として、児童手当や高等学校等就学支援金制度などがあります。

子どもの教育費が高い

子どもの教育費が高いことも、家計を圧迫する要因の一つです。
教育費が高額になりがちな事例を以下に紹介します。

  • ・高額な習い事をしている
  • ・私立校に通っている
  • ・進学のために一人暮らしをしている

年収1,000万円を得ていても、これらの要因が重なることで経済的に余裕のある暮らしが実現できるとは限りません。

都市部での暮らしのコスト

都市部は地方に比べて、生活費が高くなる傾向があります。
それに応じて都市部の方が給与水準が高く設定されている場合がありますが、出費が多いために必ずしも経済的に余裕のある生活が送れるわけではありません。

年収1,000万円を実現できる職業

年収1,000万円を超える収入を得ることは容易ではありません。
多くの職業では、専門性の高さや責任の重さが求められることが一般的です。

ここでは、年収1,000万円以上の収入が期待できる職業と、年収1,000万円を稼いでいる人の割合について紹介します。

年収1,000万円以上の高収入を狙える職業

年収1,000万円を超える収入が期待できる職業には、以下のようなものがあります。

  • ・スキルと経験豊富なITエンジニア
  • ・大手商社の社員
  • ・医師や弁護士などの士業
  • ・営業職のトップセールスマン
  • ・大手企業の上級管理職
  • ・コンサルタント
  • ・大手不動産会社の総合職
  • ・金融業界の専門家

これらの職業に就くためには、高度な専門知識や豊富な経験が必要です。
また、長期間にわたる専門教育や継続的なスキル向上も求められます。

年収1,000万円以上を稼ぐ人の割合

令和3年のデータによれば、年収1,000万円以上を得ている人は全体の3.5%と、それほど多くはありません。

性別による違いを見てみると、男性で年収1,000万円以上を稼ぐ割合は5.4%に対し、女性は0.8%となっています。

年収1,000万円(個人事業主)の税負担の実態

同じ年収1,000万円であっても、給与所得者と個人事業主では支払う税金の種類や金額に違いがあります。
個人事業主が支払う税金の種類や、給与所得者との手取りや税額の違いについて詳しく見ていきましょう。

個人事業主が支払う税金の種類

個人事業主が税金を計算する際は、オフィスの賃貸料、機材の購入費、交通費など、事業運営に直接関連する経費を差し引いた金額から税額を算出します。

個人事業主が支払う主な税金の種類は以下の通りです。

所得税

所得税は、個人の所得に対して課税される税金です。
この税金は、1年間のすべての所得から所得控除を差し引いた金額に基づいて計算されます。
さらに、2037年までの期間は、所得税額の2.1%に相当する復興特別所得税の納付も必要です。

住民税

住民税は、所得割と均等割の2つを合わせて計算されます。

  • 所得割:前年の所得に基づいて課税される部分
  • 均等割:居住地に応じて定められた定額の部分

このように、住民税は個人の所得状況と居住地によって異なる金額が算出されます。

消費税

消費税は、商品やサービスの取引に対して課税される税金です。

個人事業主は、売上高が一定額を超えた場合消費税の納税義務が生じ、所定の期間内に納税することが求められます。

また、仕入れにかかる消費税は、売上にかかる消費税から控除することが可能です。

個人事業税

個人事業税は、地方税法で定められた「法定業種」に該当する事業に対してかかる税です。
この税金の税率は、業種によって異なるため、事業の内容によって支払う金額が変わります。
特定の業種には優遇措置が設けられている場合もあるため確認しましょう。

給与所得者との手取り額の違いとその理由

給与所得者と個人事業主では支払う税金の種類が異なるため、手取り額にも違いが生じます。
年齢やそれぞれの状況に応じて納税額が変わるため、同じ年収でも手取り額は必ずしも一致しませんが、概算で比較することは可能です。

 

例えば、年収1,000万円の給与所得者の手取り額は約730万円ですが、個人事業主の手取り額は約709万円となります。
この差の主な原因は、以下の通りです。

  • 国民健康保険料が割高
  • 個人事業主は、自身で国民健康保険に加入するため、保険料が高くなる傾向があります。
  •  
  • 消費税や個人事業税の負担
  • これらの税金は、給与所得者が負担しないため、個人事業主には重くのしかかります。

さらに個人事業主の場合、年収に対する経費の割合が高いと、手取り額も減少してしまうのです。

年収1,000万円以上の給与所得者におすすめの節税対策5選

給与所得者は、毎月の給与やボーナスから税金が天引きされていますが、効果的な対策を行うことで納税額を軽減し、手取り収入を増やすことが可能です。

ここでは、年収1,000万円の給与所得者がぜひ実践したい節税対策を5つ紹介します。

各種控除制度を活用する

所得税の負担を最小限に抑えるためには、適用対象となる控除制度を漏れなく活用することが大切です。

 

所得税には、特定の要件を満たすことで所得から一定額を控除できる所得控除という制度があります。

前章の計算例で紹介した基礎控除や給与所得控除も所得控除の一種です。

 

所得控除には基礎控除のように自動で適用されるものもあれば、自己申告をしなければ適用されないものもあります。

 

控除制度の具体例は以下の通りです。

扶養控除

所得税法では、年齢16歳以上の扶養親族がいる場合、所定の条件を満たすことで扶養控除を受けることができます。扶養控除を利用することで税負担を軽減できるため、該当する親族について確認しておきましょう。

配偶者控除・配偶者特別控除

配偶者控除は、所得税法上の控除対象配偶者がいる場合、扶養控除は配偶者以外の控除対象扶養親族がいる場合に受けられます。

保険料控除

生命保険や地震保険、医療保険などの保険料を支払っている場合、総所得から一定額を控除することができます。この保険料控除を受けるためには、会社へ加入している保険会社から送付される証明書の提出が必要です。これにより、会社側で手続きを行ってくれます。

 

ただし、保険料については、1年間で支払った全額が控除されるわけではなく、保険の種類に応じて控除額が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

住宅ローン控除

住宅ローンを利用してマイホームを購入すると、10年間にわたって減税措置を受けることが可能です。対象となるのは土地と建物の両方で、適用条件は異なりますが、新築だけでなく中古物件にも控除が適用されます。給与所得者が住宅ローン控除を受ける際は、初年度に限り確定申告が必要です。

医療費控除・セルフメディケーション税制

医療費控除は、自分や生計を一にする家族・親族のために支出した医療費が一定額を超える場合に活用できます。

セルフメディケーション税制は、ドラッグストアなどで自身が選択・購入した医薬品の合計額が一定額を超える場合に利用できる制度です。

医療費控除とセルフメディケーション税制はどちらか一方の適用しか受けられないため、有利な方を選びましょう。

特定支出控除

給与所得者の仕事に関する支出の自己負担額が一定額を超える場合に適用できる制度です。

転勤に伴う転居費用や仕事に関連する資格の取得費用など、さまざまな費用が該当します。

iDeCoに加入する

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自己資金を積み立てて老後資金を準備するための年金制度で、支払った全額が所得から控除されます。各種控除を差し引いた金額をもとに所得税などが計算されるため、年収が高いほどiDeCoによる節税効果が大きくなる仕組みです。

iDeCoを活用することで、老後の資金を準備しつつ所得を減少させることができ、結果として所得税や住民税の負担を軽減できます。

 

さらに、iDeCoでは運用で得た利益に対しても税金が課されず、受け取る際にも退職金や公的年金と同様の税制が適用されるため、税負担が軽減される可能性があります。

新NISAを始める

2024年から開始した新NISAでは、非課税枠内での株式投資や投資信託の譲渡益および運用益が非課税となります。

支出額が控除対象になるわけではないため、iDeCoよりは節税効果が少なくなりますが、運用益が非課税であるため、一般的な方法で投資を行うよりも節税につながるのです。

 

更に改正により旧NISAの非課税期間の制限が撤廃され、数十年以上の運用が可能となりました。これにより、長期間の運用を行うことで、数百万円以上、場合によっては1,000万円近くの税金を節約できる可能性があります。

ふるさと納税をする

ふるさと納税では、全国の自治体から寄付先を選択し寄付することで、寄付金控除を受けることができます。自己負担額の2,000円を除いた全額が控除対象となり、所得税および住民税が軽減される仕組みです。

また、寄付を行った地方自治体からは、野菜や肉類などの返礼品を受け取ることができるため、多くの人に人気があります。

 

給与所得者がふるさと納税を利用する場合、年間の寄付先が5自治体以下であれば「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が適用され、確定申告を行う必要もありません。

特定の状況下で使える節税対策

株取引で損失が出た場合や、災害や盗難による被害に遭った際には、特定の条件下で節税が可能です。これらの状況では、損失を他の所得と相殺することができ、納税額を減らすことができます。

詳しいケースは以下の通りです。

株取引で損失が出た場合

株取引で発生した損失は、その年の配当所得から相殺することが可能です。もし相殺後に残った損失が利益を上回る場合、翌年から最大3年間にわたり、その損失を繰り越して利益から控除することができる「繰越控除」を利用できます。

 

ただし、特定口座以外の口座での損益の相殺や繰越控除を適用するためには、確定申告が必要です。また、過去の損失について確定申告を行い忘れた場合でも、5年前まで遡って申告することができるため、漏れがないように注意しましょう。

災害や盗難に遭った場合

災害や盗難に遭った場合は、「雑損控除」や「災害減免法に基づく税金の軽減・免除」の利用が可能です。これらの控除を適用することで、損失の一部を税金から差し引くことが可能となり、経済的な負担を軽減できる場合があります。

具体的な要件や手続きについては、事前の確認と必要に応じて専門家への相談がおすすめです。

副業収入がある場合

副業を行っている場合、確定申告が必要となることがあります。この際、青色申告特別控除や家事按分による経費計上を活用することで、納税額を軽減することが可能です。

青色申告を選択すると、最大65万円の控除が適用されるため、特に副業で得た収入がある方にとっては大きな節税効果が期待できます。

配偶者と離婚または死別した場合

配偶者との離婚または死別の際には、寡婦控除を活用することで節税が可能です。

寡婦控除は、シングルマザーを対象にした税制上の優遇措置で、「寡婦」とは夫と死別または離婚後に再婚しておらず、扶養親族や同居する子どもがいる方を指します。

控除額は離別か死別、性別、年収によって異なるため確認が必要です。なお、寡夫控除は令和2年に廃止されています。

控除を受けるための要件は以下の通りです。

 

  • ・控除額27万円を受けられる要件
  • -離別または死別で寡婦となり、扶養親族または合計所得38万円以下の子どもがいる場合
  • -死別によって寡婦となり、本人の所得が500万円以下の場合
  •  
  • ・控除額35万円を受けられる要件
  • -離別または死別で寡婦となり、本人の所得が500万円以下で扶養家族の子どもがいる場合

年収1,000万円以上の個人事業主におすすめの節税対策4選

個人事業主も、適切な手法を活用することで税負担を軽減することが可能です。

給与所得者向け節税対策で解説した方法の他に、個人事業主ならではの対策も存在します。

 

年収1,000万円以上の個人事業主向け、効果的な節税対策は以下の4つです。

青色申告にする

青色申告は、事前の申請手続きと複式簿記での帳簿管理が必要ですが、白色申告よりも大きな控除を受けられるため節税効果が高まります。

白色申告には税制上の優遇措置がほとんどありませんが、青色申告では「青色申告特別控除」として10万円、55万円、最大で65万円の控除を受けることが可能です(適用には条件があります)。

国民年金基金に加入する

国民年金基金は任意で加入できる年金制度で、掛け金を全額所得控除できます。

また、合算6万8000円/月を上限にiDeCoとの併用も可能です。

国民年金基金は老後の資金対策として効果的で、節税面でも大きなメリットがあります。給与所得者と異なり厚生年金がない個人事業主は将来の年金額に対する不安が生じやすいため、これらの制度を活用することで安心と節税効果を同時に得られるでしょう。

事業経費を見直す

経費を見直して課税所得を抑えることで、節税効果を高めることが可能です。

事業の経費として認められる項目は多岐にわたっているため、改めて見直すと、経費計上できる項目が見つかることがあります。申告前には、計上漏れがないかを丁寧に確認し、適切に経費として計上することが大切です。

法人化を検討する

年間所得が1,000万円を超える場合、個人事業主よりも法人化した方が節税につながる可能性があります。

個人事業主では、所得に応じた超過累進課税によって最大45%の税率が適用されますが、法人税は最大で23.2%です。 そのため、所得の額によっては、個人事業主として所得税を支払うよりも、法人化して法人税を支払う方が納税額を抑えられる場合があります。

法人化を検討する目安の所得は800万円以上とされているため、年収1,000万円を超える売上がある場合は法人化した方が節税効果が高いでしょう。

年収1,000万円以上の人におすすめの節税対策は不動産投資

このように、年収1,000万円越えの人向けの節税対策はたくさんありますが、その中でも特におすすめなのが不動産投資です。

不動産投資は税金対策に加えてさまざまなメリットを享受できるため、他の対策と比べても有利です。理由を詳しく解説します。

赤字の損益通算によって所得を削減できる

不動産投資では、思った以上に空室が続くなど予想外の収益ダウンが起こることもあります。

しかし、赤字が出た場合でも損益通算によって課税所得を圧縮できるため、損失の影響を最小限に抑えることができるのです。

損益通算とは、不動産投資で発生した赤字を、給与所得や事業所得などの他の所得から差し引くことを指します。

これにより、全体の所得が下がるため、所得税や住民税の負担を軽減することが可能です。

 

たとえば、給与所得が700万円のサラリーマンが不動産投資で200万円の赤字を出した場合、損益通算を活用して給与所得を500万円に圧縮できます。この結果、税率が下がるだけでなく、税金の支払いも減るということです。

つまり、700万円のままだと23%の所得税率が、500万円に抑えることで20%まで軽減されます。

さらに、減価償却費を計上することで、実際のキャッシュフロー上は赤字でなくとも、会計上では大きな赤字として処理できる場合があり、節税効果をさらに高めることが可能です。

資産形成と節税を同時に実現できる

不動産投資は、節税しつつ資産を着実に築くことができる有効な手段です。特に高い税率が課せられる年収1,000万円以上の高所得者は、課税所得を圧縮することによる節税効果が大きく期待できます。

さらに、不動産投資は長期的な資産形成にも貢献します。優良な物件を購入すれば、安定した家賃収入を得られ、将来的には不動産価値の上昇を見込むことも可能です。これにより、節税をしながら同時に資産価値を高めることができるでしょう。

また、ローンの返済は主に家賃収入から賄うことができるため、自分の資金の持ち出しを最小限に抑えながら資産を増やせるのも大きな魅力です。

 

このように、不動産投資は節税と資産形成の両面から見ても、高所得者にとって有効な手段といえます。

インフレ対策の効果がある

不動産投資は、インフレ対策として資産の価値を保全する手段になります。

インフレが発生すると、一般的に不動産の価値は上昇し、現金の価値は目減りしていく傾向です。これにより、保有資産としての不動産は価値を維持または増加させることが期待されます

 

また、インフレで物価が上がると、家賃もそれに伴って引き上げられるため、収入の増加も見込めるでしょう。

インフレの影響を受けることで、実質的にローン残高の負担感が軽減され、返済が楽になる可能性があります。たとえば、返済金額が固定であっても、家賃が上昇すれば相対的に経済的余裕が生まれるのです。

 

ただし、インフレに伴って不動産投資用ローンの金利が上昇するリスクも存在します。特に変動金利で設定されている場合、金利の変動に敏感に反応し、返済額が増加する可能性があるため注意が必要です。金利上昇による経営の厳しさが懸念される場合は、固定金利でリスクを軽減する選択肢も考えられます。

レバレッジ効果がある

不動産投資では、レバレッジ効果を活用することで、少ない自己資金で効率的に資産を増やすことができます。

レバレッジとは、融資を利用して自己資金だけでは購入できない不動産を手に入れる手法です。

株式投資では通常、自分が保有している資金分しか運用できませんが、不動産投資では自己資金だけに依存することなく、大規模な投資を行うことが可能となります。

 

たとえば、自己資金1,000万円で得られる家賃収入が年間100万円の場合、利回りは10%です。

一方、もし2,000万円の融資を受けて合計3,000万円の不動産に投資し、同じく利回りが10%であれば、年間の収入は300万円に達します。

このように、融資を利用することで、収入額を大幅に増やすことが可能です。

もちろん、ローンの返済があるため、手元に残る金額は多少変動しますが、ローン返済後の不動産の価値には明らかな差が生まれるでしょう。

 

このように、レバレッジ効果を活用することで自己資金以上の金額を運用でき、大きな資産を築きやすくなるのが不動産投資の大きなメリットです。

不動産投資を始める際に知っておきたい注意点5選

不動産投資は高い節税効果と資産運用の両面で魅力的ですが、やり方を誤ると逆に資産を減らしてしまうリスクがあることはきちんと認識しておきましょう。

ここでは、失敗を避けるための注意点を5つ解説します。

物件選びを慎重にする

物件選びは、不動産投資の成功において最も重要な要素の一つです。立地や建物の状態、エリアの将来性、価格などを総合的に考慮し、全力で物件選びに取り組む必要があります。

適切な物件を選定することで、安定した賃料収入や将来的な資産価値の上昇が期待でき、安心して長期的な運用が可能となるのです。

 

しかし、不適切な物件を選んでしまうと、空室率の上昇や賃料の下落、予期しない修繕費用など、さまざまな問題が発生する可能性があります。一度物件を購入してしまうと、その特性を改善するのは非常に難しいです。

たとえば、立地が悪い場合、内装をどれだけ改善しても、その問題は解消されません。また、建物の構造に問題があれば、膨大な費用をかけても完全には解決できないこともあります。

物件選びに失敗すると、その後の努力が投資成果に大きく反映されにくくなってしまうのです。

 

適切な物件を選べれば、その後の不動産オーナーとしての負担が軽減され、投資の成功に向けて大きな一歩を踏み出せます。

物件選びに自信がない方は、専門家のアドバイスを受けるのがおすすめです。

短期利益を期待しすぎない

不動産投資は、短期間で大きな利益を得る手段としては適していません。これは、不動産の流動性が低く、取引コストが高いためです。そのため、短期間での売買によって大きな利益を出すのは現実的ではありません。

 

物件購入時には、不動産取得税や登記費用、仲介手数料などが発生し、初期費用は物件価格の5%から10%程度に達します。これらのコストを回収するだけでも時間がかかるでしょう。

また、不動産価格の変動は通常緩やかであり、短期間での大幅な値上がりは再開発地域など特別な要因がない限り、予測するのは困難です。

 

しかし、長期的な視点で不動産投資に取り組むことで、再現性の高い大きな利益を得ることが可能です。中長期のシミュレーションを綿密に行い、市場の短期的な変動に惑わされず、粘り強く運用を続けることが成功への鍵となります。

詐欺やトラブルに注意する

不動産投資ではさまざまな詐欺が横行しており、巻き込まれると借金だけが残るリスクがあります。

代表的な詐欺は、架空物件詐欺です。これは、実在しない物件や他の人が所有権を持つ物件を偽装して販売する手法で、投資家は多額の資金を失うだけでなく法的トラブルに巻き込まれるリスクがあります。

 

また、収益を過大に表示する過大表示詐欺も代表的な手口です。実際の収益よりも高い家賃収入を設定したり、空室率を低く見積などして投資家を騙します。

 

こうした詐欺に巻き込まれないためには、信頼できる不動産会社を利用し、物件の詳細情報を自分自身で確認することが重要です。契約書の内容も慎重に確認し、疑問があれば専門家に相談することをお勧めします。

また、あまりにも魅力的な話には裏があると考え、冷静に判断する姿勢を持つことが大切です。こうした注意を払うことで、詐欺のリスクを大幅に減らすことができるでしょう。

節税のみを目的としない

不動産投資を単なる節税手段と考えるのは危険です。

確かに、適切な物件を選ぶことで節税効果を得ることは可能ですが、それを主な目的にすると大きな落とし穴に陥る恐れがあります。

例えば、需要の低い物件を選ぶと空室率が上昇し、賃料が下がることで思わぬ損失を被るということが起こり得るのです。こうした状況になると、節税効果以上の損失発生は避けられないでしょう。

 

不動産投資を事業として位置づけ、安定した収益を得ることを目的にすることで、このような失敗のリスクは大幅に軽減できます。

節税はあくまで副次的な効果として捉え、資産運用の性質や将来性を重視した投資判断を行うことが大切です。

不動産投資によくあるリスクに備える

不動産投資は、慎重に物件選びを行っても完全にリスクを排除することはできません。

しかし、事前にリスク対策を講じることで、致命的な事態を避けることが可能です。

 

代表的なリスクとしては、物件価格が下がる「物件価格下落リスク」、収入が減少する「家賃下落リスク」、ローン返済負担が増す「金利上昇リスク」、そして建物に損害が生じる「災害リスク」などがあります。

これらのリスクは、適切な対策を講じることで軽減することが可能です。

例えば、資産価値が落ちにくい需要の高いエリアの物件を選ぶことや、複数の物件に分散投資することが考えられます。

さらに、現金に余裕を持たせておくと、予想外の出費が発生したり空室続きで家賃収入が一時的に途絶えた際にも安心して対応できるでしょう。

 

このように、リスク対策を施しておくことで、不測の事態に直面しても心構えを持って対処できるようになります。

まとめ

年収1,000万円を超える方にとって、重い税負担を減らすための節税対策は必須です。

 

特に、不動産投資がその一環として注目されていますが、これはあくまで選択肢の一つに過ぎません。税制を理解し、自身の状況に合った方法を選ぶことが重要です。

また、適切な物件選びやリスク管理が必要であり、専門家のアドバイスを受けることで、効果的な節税が可能となります。計画的なアプローチによって税負担を軽減することで、将来的な資産形成にもつなげていけるでしょう。

 

年収1,000万円以上の方は、積極的に情報を収集し、適切な節税戦略を実行に移していくことが大切です。

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士

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