個人事業主必見!高すぎる国民健康保険料を節税する方法3選!

2024.08.31

個人事業主が加入する国民健康保険の保険料は、社会保険に比べて「高すぎる」と感じやすいです。

「高すぎる」と感じる理由は複数ありますが、いずれも国民健康保険特有のルールや仕組みが原因です。

 

そんな国民健康保険料ですが、節税によって保険料の額を抑えられるケースがあります。

今回は国民健康保険料の節税方法について詳しく解説します。

 

国民健康保険料の追納について解説した以下の記事もぜひご覧ください。

 

 

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CONTENTS

国民健康保険料が「高すぎる」と感じる理由

国民健康保険料が「高すぎる」と感じる理由を3つ紹介します。

保険料全額を本人が負担するため

国民健康保険料は保険料全額を加入者自身が負担するため、社会保険料に比べて高いと感じやすいです。

 

前提として、国民健康保険と社会保険は保険料の計算方法が以下のように異なります。

 

  • 国民健康保険:世帯の加入人数や前年の所得をもとに計算
  • 社会保険料:給与額に応じて計算

保険料の算定方法は国民健康保険と社会保険で異なる上、適用される料率は自治体によって違います。

とはいえ、単純に保険料の総額だけで比較すると国民健康保険と社会保険に大きな違いがないケースも珍しくありません。

 

しかし、社会保険料は加入者と勤務先の労使折半となります。つまり、社会保険料の半分は勤務先である会社が支払う仕組みです。

加入者の負担分は保険料総額の半分となります。

 

前述の通り、国民健康保険料は加入者が全額負担する仕組みです。

そのため社会保険料よりも国民健康保険料の方が、加入者自身が支払う額が高くなります。

保険料の支払いを自分で行うため

社会保険料は毎月の給与から天引きされ、会社が代わりに納付する仕組みです。

自分では納付手続きをしない・支払われる給与は保険料等が控除された後の金額といった理由から、保険料をあまり意識しないケースも多いでしょう。

 

一方、国民健康保険は保険料の支払いを自分で行う必要があります。

納付方法は以下の5種類です。

  • ・納付書での支払い
  • ・口座振替による支払い
  • ・クレジットカードでの支払い
  • ・スマートフォンアプリでの支払い
  • ・Pay-easy納付

口座振替以外の方法では、毎月自身で支払い手続きが必要です。

給与からの天引きと違って金額に対する意識が強くなるため、どうしても高いと感じやすくなります

口座振替の場合でも、毎月保険料が引き落されて口座残高が減っていくため、保険料の額を実感しやすいでしょう。

扶養の概念がないため

社会保険では所得が一定以下の家族を扶養に入れることができます。

そして被扶養者の数に関係なく、支払う保険料は加入者である被保険者の分のみです。

 

一方、国民健康保険には扶養の概念がありません。一人ひとり国民健康保険に加入し、それぞれの保険料を納付する必要があります。

扶養する家族が多い場合、会社に勤めていた頃(社会保険に加入していた頃)より所得が少なくても、保険料の納付額が高くなるケースがあります。

国民健康保険料を節税する方法

前章で紹介したように、国民健康保険は社会保険に比べて加入者の負担する額が高くなりやすいです。

そのため「国民健康保険料は高すぎる」と感じるのも自然といえるでしょう。

 

そんな国民健康保険料ですが、制度を上手く活用することで節税できる可能性があります。

この章では国民健康保険料の節税につながる方法を3つ紹介します。

減免制度を利用する

国民健康保険には保険料の減免制度があります。減免制度を利用できれば国民健康保険料の減額が可能です。

 

減免制度を利用できるのは一定の要件を満たす場合に限られます。例として東京都新宿区の減免制度について紹介します。

  •  
  • 均等割額の減額
  • 前年の所得が一定以下の場合に均等割額が減額される制度です。減額割合は前年の所得額によって異なります。
  •  
  • 一般減免
  • 以下の要件を満たす場合に減免を申請できる制度です。
  • ・災害、解雇、倒産、病気などによって生活が著しく困難になった
  • ・預貯金など利用できる資産を活用しても保険料を納められなくなった
  •  
  • 非自発的失業者の保険料軽減
  • 会社都合によって退職した場合は保険料の軽減対象になるケースがあります。

 

要件は自治体によって多少の違いがあるため、詳しくは自治体の公式サイトや窓口等でご確認ください。

 

減免制度は国民健康保険料の節税に効果的ではあるものの、全員が利用できる制度ではありません。そのため、減免制度の利用を前提とするのは危険です。

自身が利用できる減免制度があるか必ず確認しましょう。

世帯分離や世帯合併を行う

世帯分離や世帯合併によって国民健康保険料を節税できるケースもあります。

 

前提として、国民健康保険料は以下の3つによって構成されています。

  • 所得割:世帯の加入者全員の算定基礎額(所得額)に一定料率を乗じて計算する部分
  • 均等割:「所定の金額×世帯の加入者数」で計算する部分
  • 平等割:国民健康保険に加入する全世帯が平等に負担する金額
  • ※平等割を採用していない自治体も多く存在します。平等割が設定されているかは自治体の公式サイトでご確認ください。

 

そして、年間保険料には上限が設定されています。

たとえば東京都新宿区の場合、令和6年度の保険料額の上限は106万円です。世帯に40~64歳の加入者がいない場合の上限額は89万円となります。

参考:新宿区「保険料の計算方法について」

 

世帯分離をすれば一世帯の前年度の所得額合計および加入者が少なくなります。

結果として各世帯の国民健康保険料が安くなるため、保険料の負担を抑えられるでしょう。

 

反対に、世帯合併をした方が節税になるケースもあります。

前述のように、国民健康保険料には上限の定めがあり、上限を超える保険料を支払う必要はありません。

たとえば二世帯住宅でそれぞれの世帯が高額の保険料を支払っていれば、世帯合併によって保険料の上限に達する可能性が高いです。

二世帯それぞれで国民健康保険料を支払っていた場合と違い、上限を超えた分の納付が必要なくなるため、節税効果が期待できます。

 

世帯分離や世帯合併の利用可否や、どちらの方が節税効果が大きいかはケースによって異なるため、必ずご確認ください。

所得税の節税対策を実施する

所得税の節税対策を実施することで、国民健康保険料も節税できるケースがあります。

 

前項で、国民健康保険料は所得割・均等割・平等割から構成されていると紹介しました。

そして、所得税の節税対策によって所得額が少なくなれば、国民健康保険の所得割の算定基礎も少なくなります

結果として、国民健康保険の所得割額が少なくなる、つまり国民健康保険料の節税効果を得られるのです。

 

国民健康保険の軽減にもつながる所得税の節税手段として以下の例が挙げられます。

  • ・青色申告による確定申告を行い、青色申告特別控除の適用を受ける
  • ・経費を漏れなく計上する

ただし、国民健康保険の保険料算定は所得控除前の所得で計算します。

そのため医療費控除や生命保険料控除などの「所得控除を漏れなく適用する」という方法では、国民健康保険の節税はできない点にご注意ください。

まとめ

国民健康保険は加入者が全額負担する・扶養の概念がないなどの理由から、社会保険料よりも負担が大きくなりやすいです。

しかし、減免制度の活用や世帯合併・分離などの方法により国民健康保険料を節税できるケースもあります。

また、所得税の節税対策として効果的な方法は、国民健康保険料の節税にもつながる可能性が高いです。

 

今回紹介した方法のうち、どの方法が効果的かは加入者の状況によって異なります。

自身に合わない方法を選んでしまうと、手間がかかるだけで節税効果は得られないという恐れがあります。

国民健康保険の節税効果を確実に得るためには専門家に相談するのが安心です。

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士

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