インフレ(インフレーション)とはお金の価値が下がり、物価が継続的に上がる状態のことです。
インフレは良いインフレと悪いインフレに大別されます。
賃金が上昇せず物価のみが上がり、消費活動の冷え込みにつながる恐れのある場合は悪いインフレに該当します。
インフレ対策としておすすめなのが現預金以外の資産を増やすこと、すなわち投資です。
ただし投資対象によってはリスクも存在するため、まずはリスクの低い投資から無理のない範囲で始めるのが安心です。
今回はインフレ対策としておすすめの投資手法について詳しく解説します。
オンライン無料相談 受付中
CONTENTS
インフレによって個人が受ける影響
インフレ(インフレーション)とはお金の価値が下がり、物価が継続的に上がる状態を意味する言葉です。
前提として、インフレは良いインフレと悪いインフレに大別されます。
良いインフレとは好景気によって発生するインフレです。以下のような流れで発生します。
- 1.好景気により需要が増える
- 2.供給が追い付かなくなるため物価が上がる
- 3.物価上昇により企業の利益が増える
- 4.賃金の上昇や新商品やサービスの開発・提供につながる
賃金の上昇を伴うものであり経済成長にもつながるため、メリットが大きいといえるでしょう。
悪いインフレは原材料をはじめとしたコストの高騰によって発生するインフレです。
企業の利益を圧迫するため賃金の上昇につながらないものの、物価は上昇している状態となります。
現在の日本は賃金が上がっていないのに物価が上昇している悪いインフレ状態です。
悪いインフレによって個人が受ける影響を2つ紹介します。
生活費の負担が重くなる
インフレによる影響としてわかりやすいのが、生活費の負担が重くなることです。
インフレ状態ではモノやサービスの値段が上昇します。
そのため同じような生活を維持した場合、前年同月より支出額が増えるのが一般的です。
そして悪いインフレ状態の場合、賃金の上昇は起こりません。
収入額は変わらないのに支出額が増えるため、生活費が家計を圧迫する恐れや、同じ水準の生活を維持できない恐れがあります。
資産価値が下がる
インフレが起こるとお金の価値、日本においては日本円の価値が下がってしまいます。
例えば200円だった製品がインフレによって250円に上昇した場合、実質的には円の価値が50円下がった状態です。
インフレでは円の価値は下がっている状態のため、残高自体は同じでも保有している資産の価値も減少している状態となってしまいます。
日本人の多くは金融資産の大部分を現預金で保有しているため、インフレによって保有している資産の価値が下がるケースが非常に多いでしょう。
個人でできるインフレ対策
インフレ対策としておすすめなのが現預金以外の資産を増やすことです。
具体的には、円以外の資産で運用する方法や投資が挙げられます。
前述のように、インフレによって円の価値が下がれば保有している現預金の価値も下がってしまいます。
そのため物価上昇率よりも高い年利を期待できる資産への投資や、円以外の資産を増やすのがおすすめといえます。
資産運用や投資は無理のない範囲で行うのが大前提です。
資産価値が減少した時の影響を抑えるため、まずは投資について理解を深めた上で、リスクの低い投資から始めるのが安心です。
今回はインフレ対策におすすめできる運用・投資対象を6つ紹介します。
株式(株式投資)
株式投資とは企業に投資して株を取得し、配当金の受け取りや株の売却によって利益を得る投資手法です。
株式投資の主なメリットは以下の2つです。
- ・企業の成長次第で大きなキャピタルゲインを得られる可能性がある
- ・株の売却益だけでなく、配当金や株主優待による利益も得られる
デメリットとして以下の2つが挙げられます。
- ・価格変動が大きく、価値が急激に下がる恐れもある
- ・投資先の選び方や売買のタイミングなどを見極めるための知識やスキルが必要
株式は価格変動が大きいため、ハイリスク・ハイリターンといえるでしょう。
株式投資が不安であれば、まずは投資信託からはじめるのもおすすめです。
投資信託とは投資家から集めたお金を資金運用の専門家がさまざまな株式や債券などの金融商品に投資・運用する仕組みです。
投資信託は分散投資が可能であり、投資・運用はプロに任せられるため、通常の株式投資に比べてリスクを抑えられます。
非課税で投資信託の運用が可能な新NISAについては、以下の記事で詳しく解説しています。
不動産(不動産投資)
不動産投資とはアパートやマンションなどの投資用不動産を所有し、家賃収入を獲得する手法です。
不動産投資のメリットとして以下の2つが挙げられます。
- ・不動産はインフレなどの変化に強いため、長期的に安定した利益を得られる可能性がある
- ・不動産所得が赤字であれば所得税の節税ができる
主なデメリットは以下の2つです。
- ・入居者がいなければ家賃収入が入らないため、立地や需要によっては利益を得られない恐れがある
- ・投資用不動産を購入するためにまとまった資金が必要
不動産は上手くいけば安定した収入源になりますが、入居者が入らないというケースも有り得ます。
また、不動産投資をはじめるために高額の資金が必要という点から、ハードルが高い方法といえるでしょう。
貴金属
金、銀、プラチナなどの貴金属に投資するのもおすすめです。
貴金属に投資するメリットとして以下の3つが挙げられます。
- ・インフレによる物価上昇率と同じように価格が上がるため、相対的な価値の変動が起こりにくい
- ・価値が比較的安定している
- ・少額からでも始めやすい
なお価値が比較的安定しているとは、資産価値の下落が起こりにくいと同時に、価値の上昇も起こりにくいということです。
株や不動産と違い高額のリターンは得にくい手法といえるでしょう。
投資によるリターンを期待するよりは、安全性の高い資産を保有したいという目的に適しています。
FX
FXとは「外国為替証拠金取引」のことで、外貨の売買で発生する差額による利益を目的としています。
FXの特徴は証拠金として預けた資金以上の取引を行えることです。
預けた資金以上の取引ができる、すなわち少額の資金で高額の取引が可能であり、このような仕組みを「レバレッジ効果」と呼びます。
FXは元手が少なくても高額の取引ができるため、上手くいけば高額のリターンを得られる手法です。
しかし同時に、判断を誤ると大きな損失が出るリスクがあります。
かなりのハイリスク・ハイリターンであるため、余裕資金で行うこと・知識を身につけてから行うことが大切です。
外貨預金
外貨預金は日本円を外貨に換えて預金口座に預けることです。
前述したFXと違いレバレッジ効果はなく、預けたお金以上の取引は行われません。
外貨預金の主なメリットは以下の2つです。
- ・インフレ、円安の対策になる
- ・必要な手続きが少なく実践しやすい
デメリットとして以下の2つが挙げられます。
- ・取引コストが高め
- ・高額の利益は狙いにくい
前述した貴金属と同様に、高額のリターンを狙うのではなく、資産価値の安定を確保する目的に適しています。
個人向け国債
個人向け国債とは日本政府が個人に対して発行している国債です。
主なメリットとして以下の2つが挙げられます。
- ・元本割れのリスクがない
- ・国が発行しているため安心して取引ができる
デメリットを2つ紹介します。
- ・金利が低く高額のリターンは狙えない
- ・国が破綻し国債を返せない状態になれば資金の回収ができない
今回紹介したインフレ対策の中でも特に安定性が高いですが、得られるリターンは低いといえるでしょう。
まとめ
インフレはお金の価値が下がり、物価が継続的に上がる状態のことです。
インフレが発生すると、個人は生活費の負担が増大する・保有している資産の価値が下がる等の影響を受けます。
インフレ対策として、日本円以外の資産を増やす、もしくは物価上昇率を上回る年利の商品に投資するのがおすすめです。
一概にはいえませんが、高額のリターンを期待できる方法はリスクも高く、大きな損失を被る恐れもあります。
反対に損失のリスクが低い方法は得られるリターンも低い傾向です。
どちらが良いか一概にはいえませんが、いずれの場合も事前に理解を深め、余裕資金で行うことが大切です。
投資や資産運用を上手く行い、無理のない範囲でインフレ対策を進めましょう。
節税に強い税理士によるオンライン無料相談受付中
法人・個人事業主の税務相談・節税対策はBIZARQ会計事務所にお任せください。
現在30分から1時間程度のオンライン無料相談を実施中です。
記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士