青色申告会とは、個人事業主を中心に組織される民間の税務関係団体です。
青色申告者が帳簿付けや確定申告を正しく行えるようさまざまなサポートを提供します。
青色申告会にはさまざまなメリットがありますが、同時に注意するべきデメリットも存在します。
メリットとデメリットの両方を把握した上で、加入するか検討が必要です。
今回は青色申告会の概要や活用方法、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
税金の相談先としておすすめの専門家については以下の記事をご覧ください。
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CONTENTS
青色申告会とは
青色申告会とは、個人事業主を中心に組織される納税者団体です。
青色申告者が正しい帳簿付けや確定申告ができるようさまざまなサポートを提供します。
全国組織としての全国青色申告会総連合と、都道府県単位の青色申告会連合会、税務署単位の地区青色申告会が存在します。納税地の青色申告会に加入するのが一般的です。
青色申告会のサポート内容・活用方法
青色申告会のサポート内容は5つに大別できます。それぞれの具体的な内容や活用方法について解説します。
記帳・決算・申告の相談
青色申告会で受けられるサポートの代表例が記帳・決算・申告の相談対応です。
複式簿記による帳簿の付け方や青色申告決算書(貸借対照表・損益計算書)の作り方など基本的な部分から教えてもらえます。
また、税務署単位で設立されているという性質上、その地域特有の事情を踏まえた相談も可能です。
ほかにも業種ごとの特徴を踏まえたサポートも行います。
経営相談
青色申告会では経営相談も可能です。
必要に応じて、税理士・弁護士・ファイナンシャルプランナーなどの専門家の紹介も受けられます。
会員同士の親睦や異業種交流
会員を対象とした研修旅行やサークル活動などを実施しています。
業界・業種問わずさまざまな事業者と交流できる可能性があるため、交流範囲が大きく広がるでしょう。
融資制度や各種サービスの紹介
事業者の課題に応じて、融資制度や各種サービスの紹介も行います。
青色申告会での直接的な解決ができない場合でも、専門家へつないでもらえる可能性が高いため安心です。
労働保険事務をはじめ専門知識が必要となる事務業務の代行も行なっています。
説明会・研修会
青色申告会は個別の相談対応だけでなく、説明会や研修会も開催しています。
また、各種テキストの販売や会員向け機関誌の発行などもしており、情報収集をしやすい環境が整っています。
青色申告会の入会方法
青色申告会は青色申告者になれば自動で加入するものではなく、入会手続きが必要です。
前提として、青色申告会は自発的に組織されているもので、自主独立して運営しています。
税務署や別の青色申告会へ連絡しても、その連絡では入会手続きはできないためご注意ください。
青色申告会へ加入するには、加入を検討している青色申告会へ直接連絡する必要があります。
以降の加入手続きは青色申告会の指示に沿って進めます。
なお、青色申告会の加入時には入会金と会費の支払が必要です。
正確な金額は地域によって異なるため、加入を検討している青色申告会へご確認ください。
青色申告会のメリット
青色申告会に加入するメリットを3つ紹介します。
青色申告をはじめさまざまな内容の相談が可能
青色申告会の大きなメリットが、青色申告をはじめさまざまな内容の相談が可能なことです。
相談できる内容として以下の例が挙げられます。
- ・複式簿記による記帳のやり方
- ・青色申告の方法
- ・会計ソフトの使い方
- ・源泉徴収や年末調整関連
- ・消費税やインボイス制度
- ・電子帳簿保存法
- ・経営相談
- ・融資などの資金調達関連
会計や税務に直接関係する内容だけでなく、事業活動に関する幅広い相談が可能です。
なお青色申告会で直接の対応ができない内容でも、専門家の紹介を受けられるケースがあります。
たとえば前述の例で挙げたうち経営相談については、税理士や弁護士、ファイナンシャルプランナーなどが対応することも多いです。
まずは青色申告会に相談し、専門家につないでもらうイメージとなります。
事業活動や経営に関する課題・悩みについて「まずは青色申告会に相談する」という行動がとれるようになります。
すべての課題を解決できるわけではありませんが、有用な相談先が存在するようになるのは大きなメリットといえるでしょう。
ほかの個人事業主と交流できる
青色申告会への加入により、ほかの個人事業主と交流できる機会を得やすくなります。
青色申告会では以下のように会員向けのさまざまなイベントを開催しています。
- ・研修旅行
- ・レクリエーション
- ・サークル活動
- ・研修会、説明会
多くの参加者がいるイベントに参加することで、ほかの個人事業主と交流できるチャンスが増えるでしょう。
また、青色申告会は全国的に存在しますが、税務署単位の地区青色申告会は地域に根付いた組織です。
地域との結びつきが非常に強いため、青色申告会への加入によって地域のイベントにも参加しやすくなります。
地域のイベントの内容によっては、青色申告会の会員以外との接点を得られる可能性も高いです。
共済制度を利用できる
青色申告会は会員向けに以下3つの共済制度を運営しています。
- ・全青色共済(傷害特約付):病気、けが、日常賠償、火災の補償
- ・全青色傷害:日常賠償、火災の補償
- ・疾病入院補償:病気の入院や手術の補償
医師による事前審査は不要で、簡単な告知のみで加入可能です。
共済制度に加入する場合は追加で掛金の拠出が必要ですが、1口数百円~数千円といった低額に設定されています。
また、以下のような共済制度の窓口も務めています。
- ・小規模企業共済制度
- ・中小企業退職金共済制度
- ・中小企業倒産防止共済(経営セーフティー共済)制度
青色申告会を通じて共済制度に加入することで、万が一のケガ・病気への備えができます。
なお、地域によっては共済制度の取り扱いをしていない可能性があるため、事前に確認するのが安心です。
青色申告会のデメリット
続いて青色申告会のデメリットを2つ紹介します。
入会金や会費がかかる
青色申告会は入会金や会費がかかります。
前述した共済制度に加入する場合は、通常の会費に加えて掛金の拠出も必要です。
なお入会金や月額費用は加入する青色申告会によって異なるため一概にはいえません。
例として一般社団法人新宿青色申告会の入会金・会費を紹介します。
- ・入会金:3,000円
- ・年会費:24,000円(月額2,000円)
- 入会時に入会金と年会費の計27,000円の支払いが必要
なお、青色申告会の会費は経費計上が可能です。
専門的な相談はできない
青色申告会ではさまざまな相談を受け付けていますが、専門的な相談はできません。
青色申告会は個人事業主を中心に組織される民間の税務関係団体です。
すなわち相談対応も基本的には個人事業主が行います。
したがって回答できるのはあくまでも一般的な内容であり、個々の事情を踏まえたものや、税務の細かな相談については範囲外です。
青色申告や記帳の基本的な知識がある人には、青色申告会でのサポートは不十分な可能性があります。
ただし、青色申告会では専門家の紹介サービスも行なっています。
まずは青色申告会に相談し、必要に応じて専門家を紹介してもらうのがおすすめです。
まとめ
青色申告会は個人事業主を中心に組織される納税者団体でさまざまなサービスを行なっています。
青色申告や事業に関する直接的なサポートを受けられるだけでなく、ほかの個人事業主と交流する機会も得やすくなります。
追加で掛金の拠出は必要ですが、会員向けの共済制度に加入できる点もメリットです。
青色申告会に加入するには入会金と会費の支払いが必要です。
また、青色申告会では専門的な相談には対応できません。
人によっては青色申告会のサービス内容では不十分なケースもあるため、対応できる内容を確認した上で加入を検討する必要があります。
青色申告会のメリット・デメリットの両方を把握し、自分に適していると判断できた場合に加入するのが良いでしょう。
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記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士