YouTuberが経費にできるものは?節税のコツと注意点を解説!

2025.06.19

節税のためには必要経費を漏れなく計上して、収入から差し引く額をなるべく増やすことが大切です。

しかしYouTuberは経費とプライベートの支出が曖昧になりがちなため、経費として計上されたものが適切かを細かくチェックされます。

原則として、プライベートで使っていない旨を証明できない支出は経費計上が認められません。

経費計上の否認を避けるためには、YouTuberが経費計上できる支出について正しく理解し、注意点を押さえる必要があります。

 

今回はYouTuberが経費にできる支出・できない支出や、節税対策をする際の注意点について詳しく解説します。

 

経費の基礎知識や計上のポイント・注意点については以下の記事をご覧ください。

 

 

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CONTENTS

YouTuberの経費を漏れなく計上することで節税になる

所得税は収入額ではなく、収入から必要経費を引いた所得に対して課せられます。

(厳密には所得からさらに所得控除を差し引いた課税所得金額に税率を乗じて税額を計算します)

必要経費を多く計上するほど収入から差し引ける額が増えるため結果として税額も少なくなります。

すなわちYouTuberに限らず、節税のためには経費を漏れなく計上することが欠かせません

YouTuberが経費にできる支出の例

はじめにYouTuberが経費にできる支出の具体例を紹介します。

機材費

動画撮影に必要な機材や動画編集に使うソフトなどは経費計上が可能です。

例として、カメラ、マイク、照明、三脚、PC、動画編集ソフトなどが挙げられます。

実況系YouTuberであればモニターやゲーム機、ゲームソフトなども経費として認められるのが一般的です。

 

機材費に用いる勘定科目として以下の2つが挙げられます。

  • ・消耗品費(取得価額10万円未満の機材、ダウンロード購入するBGMや画像等の素材)
  • ・通信費(クラウド型で定期課金が必要なソフト)

 

なお、取得価額が10万円以上の機材は減価償却が必要なため、購入した年に全額の経費計上はできません。

減価償却については次の章で詳しく解説します。

小道具・大道具代

YouTubeにアップする動画内に使った道具類も経費計上が可能です。

例として、「〇〇してみた」系の動画に使用した飲み物・食べ物・その他各種道具や、レビュー企画で用いた商品などが挙げられます。

撮影セットや背景として使用する目的で購入した道具類も経費計上が認められます。

 

小道具・大道具系はプライベートとの明確な区別が必要です。

領収書やレシートの裏、会計ソフトの摘要欄等に使用目的や具体的な内容を必ずメモしましょう

取材費・書籍代

取材企画や情報収集のために要した支出も経費計上が可能です。

該当する支出の例を紹介します。

  • ・取材相手へ支払う報酬
  • ・取材や打ち合わせに際して発生した飲食代
  • ・動画制作の勉強のために購入した書籍

企画関連・打ち合わせ費

ほかのYouTuberとのコラボ企画やクライアントとの打ち合わせ等にかかった飲食代も経費計上が可能です。

贈答品を購入した場合も接待交際費として計上できます。

 

ただし、打ち合わせにかかった飲食代や接待交際費などが不相当に高額な場合は経費計上を認められない恐れもあります。

YouTuberに限った話ではありませんが、打ち合わせ費が高くなりすぎないよう注意しましょう。

また、打ち合わせに参加した人数やメンバー、贈答品を渡した相手等の記録も必要です。

場所代

場所代として以下の支出も経費計上が可能です。

  • ・カフェで動画編集や企画書の作成など作業を行なった場合の飲み物代
  • ・会議や企画のためにレンタルスペースを借りた場合の利用料
  • ・スタジオを借りた場合の利用料

その他

経費計上できるその他の支出として以下の例が挙げられます。

 

  • 旅費交通費
  • 取材や打ち合わせ場所に向かうための交通費、宿泊代
  •  
  • 外注費
  • 出演者への報酬、動画編集や素材作成を外注した場合の報酬など
  •  
  • 広告宣伝費
  • YouTubeやSNSの広告など

YouTuberが経費にできない支出

続いて、経費にできない支出の例を紹介します。

プライベートでも使用できるものの購入代

プライベートでも使用できるものの購入にかかった費用は原則として経費計上ができません

具体例として以下2つが挙げられます。

  • ・普段着にできる一般的な衣服や化粧道具
  • ・レビュー企画用に購入したブランド物の高価な品など、動画撮影後も資産として使えるもの

動画制作と関係ない人との飲食代や交際費

動画制作と関係ない飲食代や贈答品の購入費用も経費として計上できません。

経費計上ができるのは、あくまでも活動における関係者との飲食代や交際費のみとなります。

プライベートの比重が高い支出

動画との関係がゼロではないものの、プライベートの比重が高い支出については経費計上が認められません。

例として主な目的がプライベートの旅行で、ついでに動画を撮影した場合の旅行にかかった費用等が挙げられます。

例に挙げた旅行の場合、旅行全体にかかった費用ではなく、動画撮影に直接かかった費用のみ経費計上が可能となります。

カフェで作業を行なった場合の食事代

経費計上できる支出として、カフェで作業を行なった場合の飲み物代を挙げました。

「飲み物代」と指定しているように、カフェで作業を行なった場合でも食事代は経費にできません

カフェを利用した場合に経費計上できるのは、あくまでも場所代として最低限の支出のみとなります。

YouTuberが節税対策をする際の注意点

続いて、YouTuberが節税対策をする際の注意点を3つ紹介します。

事業だけに使った費用である旨を証明できるようにする

前章で、プライベートでも使用できるものにかかった費用は原則として経費計ができない旨を紹介しました。

ここで重要なのは、実際は動画撮影のみに使用した場合でも、その事実を証明できなければ経費計上を否認される恐れがある点です。

たとえば動画撮影でしか着用していない衣服でも、普段着として使用できるものは経費計上を認められない恐れがあります。

 

プライベートと混同の恐れがある支出については、動画のためだけに使用した事実を証明できるよう準備しておくべきでしょう。

具体的な対策として以下の例が挙げられます。

  • ・衣装は着ぐるみやコスプレ衣装など、動画用と明確なものを経費計上する
  • ・化粧品は自費扱いとし、プロにメイクを依頼した場合の報酬のみを経費にする
  • ・撮影ついでに旅行をした際は、経費計上するのは撮影に直接かかった費用のみにする

取得価額が10万円以上の機材等は減価償却が必要

撮影機材やPCなどの取得価額が10万円を超える場合は、購入した年に全額を経費計上するのではなく減価償却が必要です。

 

減価償却とは固定資産の取得価額を耐用年数に応じて配分し、少しずつ費用計上する会計処理です。

高額の固定資産は購入した年以外の利益にも貢献するため、費用収益対応の原則から減価償却が必要とされます。

10万円以上の固定資産の取得価額を購入した年に全額経費計上するのは誤りのため注意しましょう。

 

ただし、青色申告であれば少額減価償却資産の特例の適用が可能です。

少額減価償却資産の特例とは、取得価額が30万円未満である減価償却資産を購入した場合に利用できる特例制度です。

少額減価償却資産の特例の適用を受ければ、取得価額30万円未満の機材等について、購入した年に全額を経費計上できます。

少額減価償却資産の特例の適用を受ける場合は確定申告書にその旨を記載する必要があります。

 

少額減価償却資産の特例については以下の記事をご覧ください。

 

帳簿書類は一定期間の保存義務がある

経費計上した支出に関する領収書やレシートなどを含め、確定申告に用いた帳簿書類には一定期間の保存義務があります。

保存期間を経過するよりも前に破棄してしまうと税務調査の際に経費を証明できず、経費計上を否認されてしまう恐れがあるためご注意ください。

また、帳簿付けの不備や漏れがある場合も追徴課税の対象になる恐れがあります。

 

保尊期間の詳細は国税庁の公式サイトをご確認ください。

国税庁公式サイト「記帳や帳簿等保存・青色申告」

まとめ

YouTuberが経費計上できるものとして様々な支出が挙げられます。

機材など動画撮影に直接要した費用だけでなく、打ち合わせ代や交通費なども経費計上ができます。

節税対策のためには経費を漏れなく計上することが大切です。

経費計上できる支出にどのようなものがあるか事前にチェックしておきましょう。

 

YouTuberの節税対策で特に注意するべきなのが、経費とプライベートの支出を明確に区別することです。

動画のために購入したものであっても、プライベートでも使用できるものにかかった費用は原則として経費計上ができません。

動画のためだけに購入した事実を証明できるよう準備する必要があります。

 

効果的かつ確実な節税対策のため、経費にできる支出についてだけでなく注意点もしっかり押さえましょう。

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吉岡 伸晃

記事監修
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