土地売却時にかかる税金とは?種類・計算方法・節税対策を徹底解説!

2025.07.06

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土地売却時にかかる主な税金は3種類で、それぞれ計算方法や納付期日が大きく異なります。

適切な納税を行うためには発生する税金の種類およびそれぞれの特徴についての正しい理解が必要です。

 

土地売却時にかかる3種類の税金のうち、譲渡所得税は節税対策ができる可能性があります。

税負担を最小限に抑えるためには、事前に節税手法について把握し、必要な手続きや作業を漏れなく行うことが大切です。

 

今回は土地売却時にかかる税金について詳しく解説します。

 

土地活用による節税対策については以下の記事をご覧ください。

 

 

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CONTENTS

土地売却時にかかる税金の種類

土地売却時にかかる税金は以下の3種類です。

  • ・譲渡所得税
  • ・登録免許税
  • ・印紙税

それぞれの性質や計算方法、納付方法について解説します。

譲渡所得税

譲渡所得税とは土地や建物等の資産売却時に発生する所得税、住民税、復興特別所得税の総称です。

 

前提として、譲渡所得は土地、建物、株式などの資産の譲渡によって発生する所得を意味します。

このうち土地や建物などの譲渡所得に対して課せられる税金は、給与所得などの他の所得と分けて計算が必要です。

このように他の所得と分けて税額を計算する方法を分離課税といいます。

 

土地の売却時にかかる譲渡所得税は、短期譲渡所得と長期譲渡所得で適用される税率が異なります。

それぞれの意味および適用される税率は以下の通りです。

 

  • 短期譲渡所得
  • 譲渡した年の1月1日時点における所有期間が5年以下
  • 税率:所得税30.63%(復興特別所得税含む)、住民税9% 計39.63%
  •  
  • 長期譲渡所得
  • 譲渡した年の1月1日時点における所有期間が5年超
  • 税率:所得税15.315%(復興特別所得税含む)、住民税5% 計20.315%

 

課税譲渡所得および譲渡所得税の計算方法は以下の通りです。

  • 課税譲渡所得=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
  • 譲渡所得税=課税譲渡所得×税率

前述の通り、土地売却による譲渡所得は他の所得と分けて税額の計算を行い、分離課税用の確定申告書を用いて確定申告を行います。

納付方法は一般的な所得税や住民税と同じです。

登録免許税

登録免許税とは登記や登録・特許・許認可・認定などに課せられる税金です。

法務局への登記申請時に所定の税額を納付する必要があります。

 

土地や家屋などをローンで購入した場合、対象の不動産には一般的に抵当権が設定されています。

土地を売却し所有権を移転するためには抵当権を抹消する手続きが必要であり、その際に行う「抵当権抹消登記」で登録免許税の支払いが必要です。

 

登録免許税の計算方法や税額は登記等の種類ごとに明確に定められています。

抵当権抹消登記にかかる登録免許税の額は、不動産1つにつき1,000円です。

 

なお、不動産売却による所有権の移転時には「所有権移転登記」も行う必要があります。

所有権移転登記でも登録免許税の支払いが必要ですが、新たに所有者となる買主側が負担するのが一般的です。

 

登録免許税については以下の記事でも詳しく解説しています。

 

印紙税

印紙税とは印紙税法で定められた課税文書を作成する際に発生する税金です。

課税文書の例として、各種契約書や領収書、約束手形・為替手形などが挙げられます。

土地売却において作成する売買契約書も印紙税の課税対象です。

 

売買契約書の作成時に納付するべき印紙税の額は、契約書に記載された売却金額ごとに定められています。

課税対象である文書に納付税額分の収入印紙を貼付することで納付したとみなされる仕組みです。

 

なお、印紙税の対象となる文書を作成した場合に必ずしも印紙税を課せられるわけではありません。

印紙税の課税対象になるのは文書に記載された金額が一定額を超える場合のみとなります。

土地売却にかかる税金の節税方法

土地売却時に発生する税金として、譲渡所得税、登録免許税、印紙税の3つを紹介しました。

これら3つの税金のうち、節税対策が可能なのは譲渡所得税です。

この章では土地売却時に発生する譲渡所得税の節税方法について紹介します。

取得費を明確にしてなるべく多く計上する

譲渡所得税の節税のために大切なのが、取得費を明確にしてなるべく多く計上することです。

 

前述のように、課税譲渡所得は「譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額」で計算します。

取得費とは売却対象となる土地を取得する際にかかった費用です。

取得費に含まれるものとして以下の例が挙げられます。

  • ・土地の購入価額
  • ・土地購入時に支払った登録免許税、不動産取得税、印紙税
  • ・土地の測量費

取得費や譲渡費用など、譲渡価額から差し引ける額が多いほど譲渡所得が少なくなるため節税につながります。

取得費を漏れなく計上するためには、取得費をハッキリさせることが大前提です。

 

なお、取得費がわからない場合は売却価額の5%相当を取得費として扱うルールであり、計上できるのがごく少額となってしまいます。

税負担を最小限に抑えるため、土地の取得時にかかった費用を明確化しましょう。

譲渡費用をなるべく多く計上する

取得費と同じく、譲渡費用をなるべく多く計上することも大切です。

譲渡費用に含まれる項目として以下の例が挙げられます。

  • ・仲介手数料
  • ・印紙税の売主負担分
  • ・土地売却のために立ち退きを要請した場合の立ち退き料
  • ・建物の取り壊し費用

土地を売るために直接支出した費用のみが譲渡費用として扱われます。

所有期間が5年を超えてから売却する

譲渡所得税の節税対策のためには、所有期間が5年を超えてから売却するのが理想です。

 

前述のように、土地や建物といった譲渡所得にかかる税率は所有期間が5年を超えるか否かで異なります。

短期譲渡所得の場合は計39.63%、長期譲渡所得の場合は計20.315%と、税率の差は約20%です。

所有期間の長さが少し違うだけで税額が大きく変動するため、可能であれば所有期間が5年を超えてから売却しましょう。

 

なお、所有期間は売却日時点ではなく、売却した年の1月1日時点で判定します。

例えば2020年6月1日に取得した土地を2025年6月30日に売却した場合、売却日時点では所有期間5年超です。

しかし売却した年の1月1日、すなわち2025年1月1日の時点では所有期間は5年に満たないため、短期譲渡所得とみなされます。

このように、所有期間の判定方法には注意が必要です。

特例を活用する

特例を活用し控除を受けることで課税譲渡所得が減り、税額も下げられる可能性があります。

特例の適用を受けるためには確定申告で所定の手続きが必要です。自動で適用されるわけではない点にご注意ください。

土地売却時に利用できる可能性のある制度の例を4つ紹介します。

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例

マイホーム(居住用財産)を売却した場合、所有期間の長さに関係なく最高3,000万円の控除を受けられる制度です。

特例の適用を受けるためには、確定申告書に「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]」を添付する必要があります。

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

相続等により取得した土地、建物、株式等の資産を譲渡した場合、相続税額のうち一定金額を取得費に加算できる制度です。

特例の適用を受けるには、対象の資産を相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡する必要があります。

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

被相続人の居住用財産(空き家)を売却した場合に、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。

平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売却し、かつ、一定の要件を満たした場合のみ適用を受けられます。

収用等により土地建物を売ったときの特例

土地や建物を収用権が認められている公共事業のために売却した場合に受けられる制度です。

最高5,000万円の控除、または課税の繰り延べが適用されます。

まとめ

土地売却時に発生する税金として、譲渡所得税、登録免許税、印紙税の3種類が挙げられます。

このうち特にインパクトが大きいのは譲渡所得税です。

納付額が高額になる可能性がある上、納税者自身による計算や確定申告が必要であるため、ミスや漏れがないよう注意しましょう。

 

3種類の税金のうち、節税対策が可能なのは譲渡所得税です。

ちょっとした工夫や事前の節税対策により税額を大幅に抑えられる可能性もあります。

効果的かつ確実な節税対策を行うためには、専門家である税理士のサポートを受けるのが安心です。

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士

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