土地購入時に発生する税金は?計算方法と節税のポイントを解説!

2025.07.07

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土地購入時に発生する主な税金は3種類です。

税金の種類によって計算方法や納付方法、納付期日が大きく異なります。

適切な納税を行うためには、発生する税金の種類について十分な理解が必要です。

 

また、土地は購入時以上に保有期間中や譲渡時に多額の税金が発生します。

そのため土地にかかる税金の節税対策は、購入時よりも購入後の方が重要といえるでしょう。

 

今回は土地購入時に発生する税金の種類や計算方法、土地購入後に行うべき節税対策について解説します。

 

土地購入後の節税対策については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。

 

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CONTENTS

土地購入時に発生する税金の種類

土地購入時に発生する主な税金は3種類です。それぞれの特徴や計算方法、納付方法について解説します。

不動産取得税

不動産取得税とは新たに不動産を取得した者に課せられる地方税です。

取得した方法や登記の有無に関係なく必ず発生します。

 

不動産取得税の計算方法は以下の通りです。

  • 不動産取得税の額=(取得した不動産の価格-控除額)×税率

税率は不動産の種類ごとに以下のように定められています。

  • ・土地:3%
  • ・家屋(住宅用):3%
  • ・家屋(非住宅用):4%

都道府県から送付される納税通知書を用いて納付を行います。

 

不動産を取得した後、不動産所在地のある都道府県に対して不動産取得について申告が必要です。

申告期限は自治体によって異なるため公式サイト等をご確認ください。

ただし、取得した不動産について一定期間以内に登記を行なった場合は原則として申告不要です。

登録免許税

登録免許税とは登記や登録、許認可等に際して発生する税金です。

 

土地を含む不動産の取得時に必要になる登記として以下の例が挙げられます。

  • ・土地所有権移転登記
  • ・建物の所有権移転登記、所有権保存登記
  • (土地とあわせて建物も取得した場合)
  • ・抵当権設定登記
  • (土地の購入に際してローンを契約・利用した場合)
  •  

登録免許税の税額や税率は、登記の種類ごとに定められています。

例えば土地の所有権移転登記は原則として2%、相続によって取得した場合は0.4%です。

参考:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表

 

登録免許税は法務局での登記申請時に納付します。

納付方法として現金納付、印紙納付、インターネットバンキングやクレジットカード等での納付が挙げられます。

登録免許税の納付をしなければ登記手続きができない仕組みです。

印紙税

印紙税とは経済取引に伴う契約書や領収書など、印紙税法で定められた課税文書を作成した際に課税される税金です。

土地の売買時に作成される売買契約書も印紙税の課税文書に含まれます。

 

印紙税の税額や計算方法は文書の種類ごとに定められています。

売買契約書は原則として、記載された契約金額に応じて税額が決まる仕組みです。

参考:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで

課税文書に税額分の収入印紙を貼付することで、印紙税を納付したとみなされます。

 

なお、印紙税を売り手と買い手どちらが負担するかの明確な決まりはありませんが、両者が平等に負担するのが一般的です。

土地購入時にかかる税金の節税方法とは?

続いて、土地購入時にかかる税金の節税方法について解説します。

住宅用地特例の活用

土地購入時に発生する主な税金は以下の3つと紹介しました。

  • ・不動産取得税
  • ・登録免許税
  • ・印紙税

これら3つの税金のうち、節税対策が可能なのは不動産取得税のみです。

 

土地の購入時にかかる不動産取得税を節税する方法として、住宅用地特例の活用が挙げられます。

住宅用地特例とは、住宅用の土地を取得した場合に以下のうちいずれか高い方を税額から控除できる制度です。

  • ・150万円×税率
  • ・土地1平方メートルあたりの価格×住宅の床面積の2倍(※)×税率
  • ※1戸あたり200平方メートルが上限

参考:総務省「不動産取得税-不動産取得税の納税額の計算方法

 

ただし、土地の取得から一定期間以内に住宅を建築する等、一定の要件を満たす必要があります。

土地の節税対策は購入時より購入後の方が重要

土地購入時に発生する3つの税金のうち、節税対策が可能なのは不動産取得税のみと紹介しました。

不動産取得税の節税方法も「住宅用地特例の活用」のみであり、適用されるケースは限定的です。

土地購入時に実施できる節税対策は限りがあるといえるでしょう。

 

一方、購入後の土地活用によってはさまざまな税金の節税対策が可能です。

すなわち土地にかかる税金の節税対策は、購入時よりも購入後の方が重要となります。

土地購入・土地活用により節税対策ができる税金

前章で、土地にかかる税金の節税対策は購入時よりも購入後の方が重要と紹介しました。

この章では土地購入および土地活用により節税対策ができる税金について紹介します。

相続税

土地活用によって節税対策ができる税金の代表例が相続税です。

 

土地活用が相続税の節税対策になる理由として以下の4つが挙げられます。

  • 1.現金そのままの場合に比べ、同額の土地を相続する方が課税対象額が少なくなる
  • 2.不動産を対象とした特例制度が多く用意されている
  • 3.賃貸不動産の場合は相続税評価額が減額される
  • 4.土地購入時に組んだローンはマイナスの資産として課税対象から差し引ける

 

中でも特に重要なのが1の「現金そのままの場合に比べ、同額の土地を相続する方が課税対象額が少なくなる」です。

 

不動産を相続した際、課税対象額は相続税評価額を用いて計算します。

相続税評価額の計算方法は不動産の種類ごとに定められていますが、時価の7割程度になるのが一般的です。

仮に相続によって取得した土地の時価が5,000万円の場合、相続税評価額は3,500万円程度になると考えられます。

 

このような相続税評価額の仕組み上、現金をそのまま相続するよりも、不動産にした方が課税対象額を減らせる可能性が高いのです。

 

他にも前述のように、不動産には課税対象額を減らせる仕組みや制度が多く設けられています。

特例にはさまざまな要件が定められていますが、多くの場合は何らかの方法で土地を活用する必要があります。

購入した土地を特に活用せず更地のまま相続するのでは、相続税の大きな節税効果は得られません。

節税対策のためには、特例の要件を満たせるような活用方法をとるべきといえるでしょう。

 

土地活用による相続税の節税方法については以下の記事でも詳しく解説しています。

 

贈与税

前述した相続税と同様に、贈与税の課税対象額も相続税評価額を用いて計算する仕組みです。

相続税評価額は一般的に時価の7割程度になるため、同額の現金をそのまま贈与するよりも課税対象額を減らすことができます。

 

土地を贈与する場合に利用できる特例として通称「おしどり贈与」が挙げられます。

おしどり贈与とは以下の要件を満たす場合に、基礎控除110万円に加えて最高2,000万円までの控除を受けられる制度です。

  • ・婚姻関係20年以上の夫婦間で行われる贈与
  • ・居住用財産、および居住用財産を取得するための金銭の贈与
  • ・贈与を受けた年の翌年3月15日までに、取得した居住用財産に実際に居住している
  • (その後も引き続き住み続ける見込みである必要もある)

相続税に比べ、贈与税の特例は数が少なく限定的といえます。

固定資産税・都市計画税

固定資産税や都市計画税について「住宅用地の特例」の適用を受けられる可能性があります。

 

住宅用地の特例とは土地に居住用の家屋を建てることで、固定資産税課税標準額の減額を受けられる制度です。

特例の適用を受ける場合、固定資産税評価額に以下の割合を乗じた額が課税標準額になります。

 

  • 200平方メートルまでの部分(小規模住宅用地)
  • 固定資産税6分の1、都市計画税3分の1
  •  
  • 200平方メートル超の部分(一般住宅用地)
  • 固定資産税3分の1、都市計画税3分の2

まとめ

土地購入で発生する税金として、不動産取得税・登録免許税・印紙税の3つが挙げられます。

このうち節税対策が可能なのは不動産取得税のみです。

ただし、不動産取得税の節税ができるのは「住宅用地特例」の要件を満たす場合のみとなります。

すなわち、土地購入時に実施できる節税対策は限定的であり、大きな節税効果を得るのは難しいといえるでしょう。

 

土地に関する節税対策は、土地購入時よりも購入後の方が重要です。

土地活用により、相続税や贈与税、固定資産税・都市計画税の税額を抑えられる可能性があります。

早めの対策や細かな要件を満たすべきテクニックも存在するため、どのような節税手法が存在するか事前にチェックしておきましょう。

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吉岡 伸晃

記事監修
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