税務調査に入られやすい会社の特徴とは|事前にできる対策も解説

税務調査の対象となる事業者や時期に明確な条件はなく「いつ」「どの会社に」税務調査が入るかの断定はできません。

一方で、税務調査に入られやすい会社の特徴が存在するのは事実です。

目立つ動きや不自然な要素がある会社、これまでの傾向から不正の恐れが高いと考えられる会社等は税務調査の対象になりやすいです。

 

とはいえ「税務調査が入る=疑われている、調査後に必ず何らかの指摘を受ける」ではありません。

適切な対策・対応を行えば全く問題がない旨を押さえましょう。

 

今回は税務調査に入られやすい会社の特徴や、事前にできる対策について解説します。

 

税務調査の基本については以下の記事をご覧ください。

 

 

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士

CONTENTS

税務調査に入られやすい会社の特徴

はじめに、税務調査に入られやすい会社の特徴を7つ紹介します。

事業規模が大きい

事業規模が大きい会社は税務調査の対象になる可能性が比較的高いです。

 

事業規模が大きい会社は複雑な経理処理が必要なケースが多く、ミスが起こりやすいといえます。

そもそも会計取引の数自体が多いため、ミスや漏れが起こる可能性がある場面が多くもあります。

 

事業規模が大きい会社は売上や利益等の数字が大きい分、税額も高額になりやすいです。

各項目の金額が高額であるため少しのミスによって大きな額が動いてしまう、すなわち税額が大きく変わってしまう恐れがあります。

また単純に、納税額を抑えるために不正行為をしているという疑いをもたれやすい面もあります。

 

以上の理由から、事業規模が大きい会社は税務調査に入られやすいといえるのです。

売上が急激に伸びている

売上が急激に伸びている会社は税務署から注目されやすいです。

税務署側が疑う要素として、不正な取引の実施や、過去(売上が少なかった頃)の過少申告などが挙げられます。

 

特に、売上は急激に伸びているものの利益額の伸びがない会社は税務調査の対象になりやすいです。

法人税等は所得を基準に計算するため、売上が伸びても利益(所得)が変わらなければ税額も増えません。

そのため売上が急激に伸びていても利益に変化がない会社は、経費の水増しの疑いが強いとみなされやすいです。

売上や利益の変動が大きい

売上や利益の変動が大きい会社に税務調査が入りやすい理由として以下の2つが挙げられます。

  • ・税負担を抑える目的で意図的に売上や利益を調整している疑いをもたれやすい
  • ・数ある事業者の中でどうしても目立つため注目されやすい

特に、売上や利益の変動が数事業年度にわたって続いている場合は注意が必要です。

同業他社と比べて利益率が極端に高い・低い

同業他社と比べて利益率が極端に高い・低い場合も税務調査の対象になりやすいといわれています。

前項の「売上や利益の変動が大きい」と同様に、不正行為の疑いをもたれやすい上に、数ある事業者の中で特に目立つためです。

 

ただし会社によってビジネスモデルが異なる以上、利益率が極端に高い・低いについて明確な基準を定めることはできません

似た事業であっても、ある会社は黒字で好調な一方で、別の会社は赤字続きというケースが存在するのも事実です。

そのため「競合よりも利益率が低いから税務調査の対象になりそう」と過度に不安を覚える必要はないといえるでしょう。

過去に指摘を受けたことがある

過去に税務調査で指摘を受けたことがある会社は税務調査の対象になりやすいです。

過去に指摘した内容の再発がないか、指摘の通り改善されているか等が重点的にチェックされます。

過去の指摘事項に改善がみられない場合や別のミス・漏れが生じていた場合、今後税務調査の対象になる可能性がさらに上がるでしょう。

不正の多い業種である

不正の多い業種とは、不正行為を行いやすい・過少申告が多い業種とも言い換えられます。

税務調査によって不正が発覚する可能性が高いと考えられるため、税務調査の対象になりやすいです。

 

国税庁が公表する「法人税等の調査事績の概要」によると、法人税の不正発見割合の高い業種のトップ10は以下の通りでした。

順位業種目不正発見割合不正1件当たりの不正所得金額
1バー・クラブ62.3%44,664千円
2その他飲食45.2%31,759千円
3外国料理40.2%9,016千円
4美容34.5%31,664千円
5滞留酒場、小料理34.4%17,697千円
6自動車修理32.9%6,379千円
7船舶31.0%16,303千円
8土木工事30.4%17,496千円
9食別土木建築工事30.1%16,943千円
10中古品小売30.1%27,125千円

出典:令和6事務年度 法人税等の調査事績の概要

 

事実として不正発見割合が高く不正所得金額が多い以上、該当する業種の税務調査は優先的に行われる傾向といえます。

その他不審な点がある

これまで紹介した要素以外にも、以下のように不審な点がある会社は税務調査の対象になりやすいです。

  • ・売掛金や在庫が大幅に減少した
  • ・未払金や買掛金が大幅に増加した
  • ・異常な変動のある項目が存在する
  • (特に貸借対照表項目の変動はマークされやすいです)
  • ・退職金や貸倒損失など高額の一時的損失が発生した
  • ・「少しだけ赤字」「少しだけ黒字」といった状態が続いている

事前に実施できる税務調査対策3選

税務調査対策といっても「指摘を避けるために帳簿を改ざんする」「都合の悪い書類を隠す」等は厳禁です。

税務調査での指摘を避けるための対策ではなく、税務調査をスムーズに進めるための対策と考えるべきでしょう。

この章では事前に実施できる税務調査対策を3つ紹介します。

帳簿や証憑を整理する

スムーズな税務調査のために欠かせない要素の1つが、調査に必要な書類が適切に保管・整理されていることです。

税務調査で用いる書類として以下の例が挙げられます。

  • ・過去に提出した税務申告書、決算書
  • ・仕訳帳や総勘定元帳などの帳簿書類
  • ・仕訳に用いた証憑書類
  • (領収書、請求書、売上明細など)
  • ・取引内容が記載された契約書

紙媒体の資料だけでなく電子データも必要です。

書類の不備や漏れがあると追加の資料提供を要求されますが、書類探しの時間が発生する分、税務調査にかかる時間も長くなってしまいます。

仮に書類が見つからなければ、当該会計処理が認められず修正が必要になり、追徴課税が発生する可能性が高いです。

以上の理由から、税務調査が決まり次第、調査に必要な帳簿や書類を漏れなく用意する必要があります。

なお調査直前に慌てることがないよう、税務調査の有無に関係なく、日頃から会計書類は適切に整理して管理するのが理想です。

過去の会計処理や申告内容に誤りがないか確認しておく

税務調査が決まった場合、なるべく早いうちに過去の会計処理や申告内容に誤りがないか確認しましょう

万が一誤りが見つかった場合は税務調査の実施前に修正申告を行うべきです。

 

申告額が本来納付するべき税額よりも少なかった場合、過少申告加算税が課されます。

過少申告加算税は修正申告のタイミングによって以下のように税率が異なります。

 

  • 1.税務調査の事前通知よりも前
  • 0%(過少申告加算税はかからない)
  •  
  • 2.税務調査の事前通知後、税務調査で指摘を受ける前
  • 原則:5%
  • 新たに納める税金が当初の申告納税額または50万円のいずれか多い金額を超えている場合:超えている部分に10%
  •  
  • 3.税務調査で指摘を受けた後
  • 原則:10%
  • 新たに納める税金が当初の申告納税額または50万円のいずれか多い金額を超えている場合:超えている部分に15%

 

追徴課税が発生する場合に加算税の負担を最小限に抑えられるよう、早めに過去の申告内容等に誤りがないか確認すべきといえます。

事前に税理士と打ち合わせをする

税務調査の実施が決まった場合、事前に必ず税理士と打ち合わせをしましょう。

 

税務調査では会計・税務について深い部分まで質問されるため、税理士の立ち合いを受けるのが一般的です。

基本的には税理士が受け答えを行いますが、自社の財務状態や過去の申告内容等については代表者自身も知っておくべきといえます。

当日の進み方や心構えに関する助言を受けるという意味でも、税務調査について税理士と話す時間は確保すべきです。

税務調査への備えはBIZARQへ

税務調査は調査が決まってから慌てて対応するよりも、日常的に帳簿・証憑・社内ルールを整えておくことが重要です。事前準備ができていれば、指摘事項の防止だけでなく、調査時の負担軽減にもつながります。

「自社に税務調査のリスクがあるのか確認したい」
「今のうちにできる対策を整理しておきたい」

こうした不安をお持ちの企業様は、BIZARQ(ビズアーク)までご相談ください。現状の経理体制や申告内容を点検し、税務調査を見据えた事前対策から調査当日の対応まで実務ベースでサポートいたします。

まとめ

税務調査の対象となる事業者や時期に明確な条件はありませんが、目立つ動きや不審な点がある会社は対象になりやすい傾向です。

売上や利益に大きな変動があった会社や、同業他社と比較して不審な点がある会社は税務調査に入られやすいと考えられます。

ほかにも、過去に指摘を受けたことのある会社や、不正が多い業種に該当する会社も税務調査が実施されやすいです。

 

税務調査がスムーズに進むよう、過去の税務申告書や証憑書類等は適切に整理する必要があります。

過去の税務申告の内容を確認し、万が一誤りがあった場合は税務調査の実施前に修正申告を行うのが理想です。

当日に慌ててしまうことがないよう、事前に税理士と打ち合わせをする必要もあります。

 

税務調査を必要以上に恐れるのではなく、税務調査について理解を深め、事前に適切な対策を行うことが大切です。

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