不動産投資で会社設立!法人化のタイミングとメリット、注意点について解説!

2024.05.24

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不動産投資に限らず、個人の所得が一定を超える場合は法人化した方が税額を抑えられる可能性があります。

法人化によるメリットをなるべく大きくするためには、適切なタイミングで会社設立をすることが大切です。

 

なお、不動産投資での会社設立にはメリットだけでなく注意点も存在します。

不動産投資の会社設立に適したタイミングに該当しても、注意点を押さえなければかえって損失が発生してしまう恐れもあるため注意しましょう。

 

今回は不動産投資での会社設立について詳しく解説します。

 

個人の不動産投資の節税対策については以下の記事をご覧ください。

 

 

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CONTENTS

不動産投資で会社設立を検討するべきタイミング

前提として、個人の所得に対する所得税は超過累進課税制度が採用されており、所得が一定額を超えた部分にはより高い税率が適用されます。

一方、法人に課される法人税は所得額に関係なく税率が一定です。

そのため、所得が一定を超えると所得税より法人税の方が税額が低くなります。

つまり不動産投資に限らず、個人の所得が大きい場合は法人化した方が税額を抑えられる可能性が高いということです。

 

この章では不動産投資で会社設立を検討するべきタイミングの例を3つ紹介します。

不動産投資が専業で、不動産所得が330万円を超えている

不動産投資が専業の場合、不動産所得が330万円を超えている、もしくは超えそうな場合は会社設立を検討するべきでしょう。

 

不動産投資が専業で不動産所得が330万円を超えている場合に会社設立を検討するべき理由として、所得税と法人税の税率の違いが挙げられます。

所得が330万円~6,490,000円の場合の所得税率は20%、控除額は97,500円です。所得がさらに大きくなれば、その分税率も上がります。

所得330万円の場合、所得税額は330万円×20%-97,500円=652,500円になります。

 

一方、法人税率は15.0%~23.2%です。

資本金1億円以下の法人は原則として15%が適用されるため、法人成りの場合は法人税率15%で済むケースがほとんどでしょう。

所得330万円、法人税率15%の場合、税額は495,000円です。所得税より157,500円も

安く済みます。

 

このように不動産所得が330万円を超えると、法人成りした方が税額を抑えられる可能性が高いです。

ただし、所得税の計算では不動産所得の金額をそのまま使うのではなく、各種控除を差し引いた後の金額を使います。

そのため不動産所得が330万円を超えていても、所得控除の適用によっては課税所得が少なくなり、所得税額を抑えられる可能性もあります。

すぐに会社設立をするのではなく、まずは税額のシミュレーションやメリット・デメリットの比較をして検討しましょう。

不動産投資は副業かつ黒字で、給与所得が一定額を超えている

不動産投資が副業かつ黒字で給与所得が一定額を超えている場合、不動産投資で会社設立をするのがおすすめです。

具体的には給与所得が900万円を超える場合、不動産所得の金額を問わず会社設立をした方が税額を抑えられる可能性が高くなります

 

課税所得が900万円から17,999,000円までの場合、適用される所得税率は33%です。

所得税の計算時は給与所得と不動産所得を合算するため、給与所得が900万円を超えている以上、不動産所得に課される税率も33%になります。

 

一方、法人税率は前項でも紹介したように15.0%~23.2%です。

不動産投資について法人成りをすれば、不動産所得にかかる税率は15.0%~23.2%と所得税率に比べて非常に低くなります。

不動産事業の拡大を検討している

不動産事業の拡大を検討している場合、現在の所得額に関係なく早めに会社設立をするのも1つの選択肢です。

理由として以下の2つが挙げられます。

  • ・法人の方が社会的信用を得やすく、融資を受けやすくなる可能性が高い
  • ・法人名義で不動産登記をした方がトータルでの手間が少なく済む可能性がある
  • ※手間が減るため不動産事業の拡大を効率的に進められる効果が期待できます

不動産投資で会社設立をするメリット

この章では不動産投資で会社設立をするメリットについて、税率の違い以外のものを4つ紹介します。

経費計上できる支出が増える

会社設立をするメリットの1つが、経費計上できる支出が増えることです。

法人では経費として計上できるものの、個人事業主は経費にできない支出として以下の例が挙げられます。

  • ・生命保険の支払保険料(法人名義の場合)
  • ・初穂料、玉串料、祈祷料などの寺社に対する寄附金
  • ・自身への役員報酬や家族への給与

損失を繰り越せる期間が長くなる

会社設立をすることで、個人事業主よりも損失を繰り越せる期間が長くなります

 

個人事業主が損失を繰り越せる期間は最長で3年間です。

繰り越せる期間があまり長くないため、不動産投資により赤字が発生しても、金額によっては相殺しきれない恐れがあります。

 

一方、法人の欠損金(法人で計上する赤字を意味する言葉)は最長10年間の繰り越しが可能です。

繰り越せる期間が長いため、欠損金を相殺しきれない恐れが小さく、納税額を大幅に抑える効果が期待できます。

 

ただし、法人の欠損金を繰り越すには以下2つの要件を満たす必要がある点にご注意ください。

  • ・期日までに青色申告承認申請書を提出し、青色申告による法人税申告を行う
  • ・事業としての不動産貸付と認められるための基準を満たす
  •  集合住宅の場合はおおむね10室以上、戸建ての場合はおおむね5棟以上が目安です

融資を受けやすくなる

前章で紹介したように、個人事業主よりも法人の方が社会的信用を得やすい傾向です。

そのため、事業内容が同じでも法人の方が融資を受けられる可能性が高くなります。

相続税対策にもつながる

不動産投資の会社設立が相続税対策につながる理由として以下の2つが挙げられます。

不動産の名義人が法人になる

不動産の名義人が個人の場合、相続によって名義変更が必要です。そして、相続人は不動産の相続税評価額をもとに算出した相続税を支払う必要があります。

しかし不動産の名義人が法人であれば、オーナーが亡くなっても不動産の名義人は法人のままでかわりません。

不動産は相続財産に含まれずに済むため、相続税の節税対策につながります。

所得の分散により相続対象となる現預金を少なくできる

会社から家族に対して役員報酬を支給すれば、オーナーである自身の所得を分散できます。

相続財産となる預貯金の額が減るため、相続税の節税ができる可能性が高いです。

不動産投資で会社設立をする際の注意点

不動産投資で会社設立をする際の注意点を3つ紹介します。

会社設立や運営にコストがかかる

会社設立や運営には以下のようなコストがかかります。

 

  • 会社設立費用
  • 設立費用は株式会社の場合で20~30万円、合同会社の場合でも6~10万円程度です。
  •  
  • 社会保険料
  • 法人は社長1人だけの場合でも社会保険への加入が必須です。そのため社会保険料の支出が必ず発生します。
  •  
  • 専門家への報酬
  • 法人の会計処理や税務申告は個人よりも複雑なため、専門家に依頼するのが一般的です。

 

個人で不動産投資を行う場合よりも支出が増える可能性が高い点に注意しましょう。

赤字でも発生する税金がある

法人住民税は法人税額を基に計算する法人税割と、法人規模を基に計算する均等割の2つから構成されています。

このうち、均等割の方はたとえ赤字でも納付する必要があります。赤字でも税負担が発生する点は法人ならではの注意点といえるでしょう。

長期譲渡所得の優遇制度を受けられない

不動産の売却益にかかる税金の計算方法は、個人と法人で異なります。

 

個人の場合、売却した不動産を所有していた期間の長さによって税率が変わります。

5年以下の場合は所得税30%・住民税9%、5年超の場合は所得税15%・住民税5%です。つまり不動産の保有期間が5年を超えている場合、税率20%で済みます。

 

一方、法人には短期・長期の区別がありません。15%~23.2%の法人税に加え、法人住民税や法人事業税等の支払いも発生します。

長期譲渡所得の優遇制度を受けられないため、長期保有の不動産の売却時にかかる税負担は個人よりも重くなります。

まとめ

所得税は超過累進課税制度で所得が一定を超えるとより高い税率が適用される仕組みです。一方、法人は所得額に関係なく一律の税率が適用されます。

そのため不動産投資による所得が一定を超える場合は、不動産投資について会社設立をした方が税額を抑えられる可能性が高いです。

 

不動産投資の会社設立には、税率の違い以外にも様々なメリットがあります。

ただし、会社設立や運営にコストがかかる、赤字でも税金の支払いが必要等の注意点も存在します。

メリットと注意点の両方を考慮した上で、不動産投資について会社設立をするべきか検討しましょう。

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士

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