
会社設立祝いや開業祝いをもらった場合、お披露目会や祝賀会など開業イベントを行うケースを除き内祝いを贈る必要があります。
内祝いには押さえるべきマナーが存在し、マナー違反をしてしまうとお礼の気持ちを伝えるどころかかえって失礼になってしまいます。
トラブルの恐れを最小限に抑えるため、内祝い選びのマナーや贈る際の注意点などをしっかり押さえましょう。
今回は会社設立祝いのお返しに関するルールやマナーについて詳しく解説します。
会社設立のお祝いを贈る際のマナーについては以下の記事をご覧ください。
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CONTENTS
開業祝いの内祝いは必要?相場はいくら?

開業祝いの内祝いの必要性は、開業イベントを行うかによって異なります。
お披露目会や祝賀会など開業イベントを行う場合は、イベント自体がお返しとなるため内祝いは不要です。
ただし、一人ひとりへの内祝いはしないものの、イベントの来場者向けに記念品や引出物を渡すのが一般的といえます。
記念品や引出物の相場は1,000円~3,000円程度です。
開業イベントを行わない場合やイベントに来場できない人から開業のお祝いをいただいた場合は内祝いを贈る必要があります。
内祝いの相場は、いただいた品の3割~半額程度となります。
いただいた品が高額のために半返しは難しい場合でも、5分の1から3分の1程度の品物を贈るのが理想です。
相場を上回る内祝いはかえってマナー違反とされるため、高額過ぎる内祝いは避けましょう。
反対に、相場を下回る安価な内祝いも好ましくありません。
なるべく前述した相場に収まるような品を選ぶ必要があります。
会社設立の内祝いを贈る際のマナー

会社設立祝いのお返しを贈る際に押さえるべきマナーを4つ紹介します。
会社設立後1~2週間以内に贈る
会社設立祝いのお返しは、会社設立後1~2週間以内に贈りましょう。
会社設立から2週間を過ぎてしまうと、お礼を後回しにしたという悪印象につながる恐れがあります。
また、お祝いをいただいてから時間が経過するほどお返し・お礼の意味合いが薄れてしまい、相手を戸惑わせてしまう可能性も高いです。
会社設立直後はやるべきことが多く忙しい時期ではありますが、内祝いに関する作業も忘れずに行いましょう。
熨斗のマナーを押さえる
会社設立祝いのお返しは熨斗(のし)を使うのが一般的であり、熨斗にもマナーが多く存在します。
前提として、熨斗は本来祝儀袋やのし紙の右上にある六角形の飾りを指す言葉です。
しかし実際のところ、単に「熨斗」という言葉でのし紙全般を表すケースが多くみられます。
また、のし紙・熨斗・水引それぞれをバラバラに用意するのではなく、熨斗と水引が印刷されたのし紙を使うのが一般的です。
お祝いや内祝いに使うのし紙は、以下4つの要素によって構成されています。
- 熨斗
- 前述のように祝儀袋やのし紙の右上にある六角形の飾りのことです。
- 水引
- 元々は贈答品を包む紙を結ぶ際に用いる紐状の飾りを指す言葉です。
- 前述のように水引が印刷されたのし紙を使う方法が一般的となります。
- 表書き
- のし紙の上段中央、水引の上に記載するものです。贈り物の目的を書きます。
- 名入れ
- のし紙の下段中央、水引の下に名前を記載することを意味します。
会社設立祝いのお返しでは、表書きに「開業内祝い」「御礼」等と記載するのが一般的です。
名入れは社名を省略せず正確に書きます。
また、のし紙は水引が蝶結びのものを選びましょう。
水引は大きく2種類に分けられ、それぞれ以下のような意味を持ちます。
- 蝶結び
- 何度も結び直せることから、何度起きても良い祝い事に使います。
- 結び切り
- 一度結ぶとほどくのが難しいことから「一度限りであるべきこと」に使用するものです。
会社設立や開業祝いは、何度起きても良い祝い事に該当します。
そのため蝶結びの水引が印刷されたのし紙を使うのがマナーです。
自社のロゴや社名を入れる場合は目立ちすぎないようにする
自社のロゴや社名を入れたノベルティ記念品を贈る場合、目立ちすぎないように入れるのが好ましいとされています。
前提として、内祝いに自社名等を入れた品を贈ること自体は問題ありません。
ノベルティを渡すタイミングとして自然でありPR効果も期待できるため、おすすめのテクニックともいえます。
ただし、内祝いはあくまでも感謝の気持ちを伝えるために贈るものです。
そのため自社の都合ではなく、贈る相手に喜んでもらえるものを選ぶ必要があります。
ロゴや社名入りが目立ちすぎると使いにくく、かえって迷惑になってしまう恐れがあります。
したがって使いやすさを考えて、自社のロゴや社名は控えめにするのが良いでしょう。
お礼の品とあわせてお礼状も送る
内祝いとして品物をそのまま渡すのではなく、あわせてお礼状を送るとより丁寧で好印象です。
お礼状を構成する要素として以下の5つが挙げられます。
- ・時候の挨拶(書き出しの言葉)
- ・会社設立祝いをいただいたことに対するお礼
- ・お返しを贈る旨
- ・今後の抱負や決意
- ・今後のお付き合いをお願いする言葉
印刷文を用いることも可能ですが、その場合は一言手書きのメッセージを添えるのが良いでしょう。
なお開業イベントで記念品や引出物を渡したために内祝いを渡さない場合は、後日イベント参加に対するお礼状を送るのが一般的です。
会社設立の内祝いを贈る際の注意点

最後に、会社設立祝いのお返しを贈る際の注意点を3つ紹介します。
いただいた金額以上の品物を選ばない
内祝いを贈る際は、いただいた金額以上の品物を選ばないよう注意しましょう。
「開業祝いの内祝いは必要?相場はいくら?」で紹介したように、相場を上回る内祝いは好ましくないものとされています。
特に、いただいた品よりも高価なお返しは失礼にあたります。
会社設立の内祝いに限らず、いただいた品よりも高額なものを贈るのは厳禁です。
NGな品物を避ける
内祝いにNGとされる品物を贈らないよう注意しましょう。
NGな品物を贈ってしまうと相手にマイナスな印象を与え、今後の関係性に悪影響を及ぼす恐れがあります。
会社設立祝いのお返しで避けるべき品物を4つ紹介します。
現金
会社設立祝いのお返しに現金を贈る行為はタブー視されているため避けましょう。
なお、会社設立祝いのお返しに限らず、内祝いとして現金を贈ること自体に賛否両論があります。
人によって考え方の違いが大きい品を内祝いに選ぶのは避けるのが無難です。
ハンカチ
ハンカチは漢字で「手巾」と表しますが、巾の訓読みは「きれ」です。
手巾は「てきれ」とも読めることから別れ・手切れの意味をもつため、縁起が良くないとされています。
ハンカチの贈り物が完全NGなわけではありませんが、会社設立祝いのお返しに贈る品としては避けるべきです。
お茶
お茶はお葬式や法事など弔事のお返しとして使われる品です。
弔事用の贈り物というイメージが強いため、会社設立祝いを含む慶事用の贈り物にはふさわしくないとされています。
その他目上の人に贈るのがタブーの品
目上の人に贈るべきではない品として以下が挙げられます。
- カバン、腕時計、万年筆
- 入学祝いや進級祝いの定番ですが、これらは「もっと勉学に勤しむように」というイメージがあるため目上の人に贈るのは避けましょう。
- 靴下や下着
- 洋服の下に身につける品は「見下している」という印象を与えてしまう恐れがあるため厳禁です。
- マットやスリッパ
- 足で踏んで使用するものは「踏みつけにする」という意味となるため、目上の人への贈り物としてはNGです。
ただし、上記の品について相手からリクエストがあった場合にはNGにあたりません。
NGな品物を避けることより相手の希望に応える方を優先するべきです。
宣伝やPRはしない
会社設立祝いのお返しを贈る際に、宣伝やPRをするのは避けましょう。
内祝いはお礼の気持ちを伝えるために贈るものです。
宣伝やPRは利己的な考えに由来するものであり、お礼とあわせるのは好ましくありません。
自社のサービス等について記載する場合は軽く触れる程度にし、宣伝の意味合いをもたせないよう注意する必要があります。
まとめ
開業イベント等を行わない場合は、会社設立祝いをいただいたらお返しをするのがマナーです。
相場はいただいた品の3割から半額程度であり、高額のお返しはマナー違反となります。
会社設立祝いをいただいたら、会社設立後1~2週間以内に内祝いを贈りましょう。
のし紙の書き方・選び方や、お礼状を書く際のマナーを押さえることも大切です。
また、NGな品物を選ばない、宣伝やPRはしない等の注意点も押さえる必要があります。
今後の良好な関係を維持するためにも、内祝いのマナーをしっかり押さえましょう。
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記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士