決算書の正しい見方とは?経営者が押さえておくべきポイントを解説!

2025.09.30

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決算書とは事業年度ごとの業績を示す書類の通称で、正式名称は「財務書類」や「計算書類」です。

貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表の5つが決算書に該当します。

 

決算書を上手く活用するためには、まずは各書類の読み方を知る必要があります。

中でも特に重要なポイントを押さえることで、より効率的な分析が可能になるでしょう。

 

今回は決算書を読む上で押さえるべきポイントについて解説します。

 

金融機関が決算書で特に重視するポイントについては以下の記事で詳しく解説しています。

 

 

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CONTENTS

決算書とは

決算書とは事業年度ごとの業績を示す書類の通称です。

正式には「財務書類」や「計算書類」と呼びます。

 

決算書に該当する書類は以下の5点です。

  • ・貸借対照表
  • ・損益計算書
  • ・キャッシュフロー計算書
  • ・株主資本等変動計算書
  • ・個別注記表

また、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つをまとめて「財務三表」と呼びます。

 

なお、非上場企業にはキャッシュフロー計算書の作成義務がないため、作成しなくても法的な問題はありません。

決算書に該当する書類それぞれの見方と押さえるべきポイント

決算書に該当する各書類について、それぞれの概要や見方、経営者が特に押さえるべきポイントを解説します。

貸借対照表

貸借対照表とは特定の時点における財政状態を示す書類です。

表の左側に会社が保有する財産が、右側に財産の調達方法が記載されています。

表の左側を「借方(かりかた)」、右側を「貸方(かしかた)」と呼びます。

 

貸借対照表を構成する要素は以下の3つです。

  • ・資産の部
  • ・負債の部
  • ・純資産の部

このうち資産の部が借方、負債の部と純資産の部が貸方に記載されます。

以下で各要素について解説します。

資産の部

資産の部は会社が保有している財産の種類および金額を示す部分です。

資産の部に記載される勘定科目は、財産の性質によってさらに以下の3種類に分けられます。

 

  • 流動資産:1年以内に現金化できる財産
  • 固定資産:現金化に時間がかかる財産や、1年以上の長期保有を前提とした財産
  • 繰延資産:支出による効果が1年以上に及ぶ資産
  • (一時的に資産計上されているイメージで、必要に応じて費用化の処理をします)

負債の部

負債の部に記載されるのは他人資本、すなわち将来的に返済の必要があるお金です。

返済期限までの長さによって2種類に分けられます。

 

  • 流動負債:原則として1年以内に返済の必要があるお金
  • 固定負債:貸借対照表日から1年以上後に返済するお金

純資産の部

純資産の部は返済の必要がないお金を記載する部分で、資産と負債の差額となります。

 

貸借対照表を読む際のポイントは、資産・負債・純資産のバランスです。

特に押さえるべきポイントとして以下の2つが挙げられます。

  • ・流動比率の高さ(返済能力があるか、短期的な資金繰りに問題がないか)
  • ・長期的な安定性の高さ(自己資本の割合が高いほど安定性が高いと判断できる)

損益計算書

損益計算書とは一定期間の収益、費用、利益を示す書類です。

損益計算書では収益・費用の性質を性質ごとに区分した上で5つの利益を表示します。

それぞれの利益について詳しく解説します。

売上総利益

売上総利益とは主たる営業活用による収益から売上原価を差し引いた利益です。粗利益や限界利益とも呼びます。

売上総利益の計算式は以下の通りです。

  • 売上総利益=売上高-売上原価

売上総利益が多いほど原価を抑えた製造・サービスが出来ていることを意味します。

また、売上高に占める売上総利益の割合が高いほど、企業の製品やサービスに付加価値があるとも判断できます。

営業利益

営業利益とは売上総利益から販売費及び一般管理費を引いた利益です。

以下の計算式で求めます。

  • 営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費

営業利益がプラスであれば、本業の活動が黒字であると判断できます。

経常利益

経常利益は本業以外による収益や費用を含めて計算した利益です。計算方法を紹介します。

  • 経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用

経常利益は名前の通り、企業の経常的な活動による利益を意味します。

経常利益が黒字であれば企業活動によって安定した利益を生み出しているといるでしょう。

そのため金融機関は融資の判断を行う際、経常利益が黒字か否かを特に重視します。

 

とはいえ「営業利益が赤字でも経常利益が黒字なら良い」わけではありません。

本業で利益を出せておらず、他の事業でマイナスを補てんしている状態のためです。

本業に課題があることが明らかなため、安定した経営ができているとはいえない点に注意する必要があります。

税引前当期純利益

税引前当期純利益とは臨時的な収益や費用を含めて計算した利益です。以下のように計算します。

  • 税引前当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失

 

前述した経常利益と違い、経常的な業務とは関係のない臨時的な取引を考慮して計算する利益です。

すなわち、特別利益・特別損失は翌期以降には発生しないのが前提と考えられます。

したがって、特別利益・特別損失が原因による大幅な利益の変動は、融資審査等においてあまり重要視されません。

当期純利益

当期純利益は法人税等を差し引いた最終的な利益です。

  • 当期純利益=税引前当期純利益-法人税等

 

法人税等は所得の約3割程度とされています。

そのため税引前当期純利益が黒字で当期純利益は赤字、ということは基本的に起こりません。

当期純利益が赤字であれば、その期は赤字であったと意味します。

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書は名前の通り現金の流れを示す書類です。

お金の動きの性質別にキャッシュフローを3種類に区別して表示します。

営業活動によるキャッシュフロー

商品の仕入・製造や販売、サービスの提供など、本業によるキャッシュフローを示す区分です。

営業活動によるキャッシュフローがプラスであれば、本業でしっかり収益を上げると同時に現金の回収もできています。

反対にマイナスの場合や金額が少ない場合、収益性に問題がある、もしくは現金の回収が上手く出来ていない可能性があります。

投資活動によるキャッシュフロー

設備投資や資産の売却、有価証券の売買など、投資活動によるキャッシュフローを示す区分です。

中小企業は設備投資関連の収入・支出が大部分を占めるでしょう。

 

事業活動に設備投資が欠かせない以上、投資活動によるキャッシュフローはマイナスになるのが一般的です。

マイナスという事実そのものではなく、金額の大きさや過年度との比較等をもとに判断する必要があります。

財務活動によるキャッシュフロー

資金調達や借入の返済等によるキャッシュフローを示す区分です。

財務活動によるキャッシュフローがプラスの場合、借入や出資による資金調達額が返済を上回っている状態を意味します。

反対にマイナスの場合は、資金調達額よりも返済が上回っている、すなわち返済が進んでいる状態です。

前述の投資活動によるものと同様、マイナスだから悪いとも言い切れません。

金額のバランスや動きなど全体をみて判断する必要があります。

株主資本等変動計算書

株主資本等変動計算書とは、事業年度における純資産の部の変動を示す書類です。

記載事項として以下の例が挙げられます。

 

  • 株主資本
  • 株主からの出資金や内部留保などの合計額です。
  • 資本金、資本準備金、その他資本剰余金、利益準備金、別途積立金、繰越利益剰余金が該当します。
  •  
  • 評価・換算差額等
  • その他有価証券に評価差額が生じた場合に用いる項目です。
  •  
  • 新株予約権
  • 将来的に、あらかじめ決められた価額で株式を取得できる権利です。
  • 権利行使により株式の発行が行われると資本金等に振り替えられます。

 

なお、中小企業の株主資本等変動計算書では株主資本以外の項目が登場することは稀です。

個別注記表

個別注記表とは、ほかの決算書の注記事項をまとめた書類です。

個別注記表に記載するべき事項として以下の例が挙げられます。

  • ・資産の評価方法
  • ・減価償却の方法
  • ・引当金の計上方法
  • ・会計方針の変更に関する事項
  • ・過去の決算書の誤りに関する事項
  • ・税効果会計に関する事項
  • ・新株発行、係争中の事件、重大な損害など次期以降の決算書に重大な影響がある事象

まとめ

決算書は貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表といった、事業年度ごとの業績を示す書類です。

各書類を読むことで、企業の財務状況や経営成績などを分析できます。

 

とはいえ、単に記載された金額を見るだけで企業の重要な情報がわかるわけではありません。

決算書を上手く活用するためには、各書類が示す意味や分析方法などを正しく理解する必要があります。

まずは今回紹介した内容をもとに、基本となる活用方法を押さえましょう。

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士

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