信用保証協会とは?仕組みとメリット・デメリットを解説!

2023.05.24

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信用保証協会とは、創業者や中小企業のスムーズな資金調達の支援を目的とする公的機関です。

創業直後で事業実績がない状態では返済能力の判断に利用できる情報が少ないため、融資を受ける難易度が高くなります。

融資を受けられる場合でも、条件が厳しかったり融資額が希望よりも少ないといったケースが多くなります。

しかし、信用保証協会を利用すれば債務保証を実施してもらえるため、創業直後でも好条件で融資を受けられる可能性が高くなります。

その一方で、保証料の支払いが必要で金銭的負担が大きくなるなどのデメリットにも注意が必要です。

今回は信用保証協会の概要や、創業融資に際して信用保証協会を利用するメリット・デメリットを紹介します。

創業融資の概要については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

CONTENTS

信用保証協会の概要・創業融資との関係

まずは信用保証協会の概要と、創業融資との関係について解説します。

信用保証協会とは

信用保証協会とは、創業者や中小企業のスムーズな資金調達の支援を目的とする公的機関です。

融資を受ける人の債務保証を行い、返済が不可能になったときは信用保証協会が残債の返済を肩代わりします。

 

債務者による返済が不可能になれば金融機関は債務を回収しきれず、大きな損失を受けてしまいます。

返済能力に懸念がある事業者に対しては融資を行わないか、融資の条件を厳しくするのが一般的です。

 

しかし、信用保証協会による債務保証があれば、万が一の事態が起きても金融機関は貸付金をしっかり回収できます。

そのため、返済能力の懸念がある事業者でも融資を受けられる可能性が高くなります。

信用保証協会と創業融資の関係

信用保証協会はさまざまな融資制度に対する債務保証を行う機関です。

中でも創業融資の申し込みに際して、信用保証協会を利用するケースは多くみられます。

 

通常、創業時に民間の銀行のような金融機関からの直接の融資を受けることは困難です。

融資申し込みでは必ず審査が行われ、様々な情報から返済能力の有無や高さを判断されます。

創業直後の事業者は事業実績がないため返済能力の判断がしにくく、融資で不利になりやすいです。

※銀行の創業融資については以下の記事で詳しく解説しています。

 

創業者を対象とした融資であっても、創業計画書の内容や面接の厳しいチェックが実施されます。

書類作成や面接対策など、融資を受けるために必要な準備が多く、事業者にかかる負担も大きくなものとなります。

 

一方、信用保証協会の保証がついた融資であれば創業時でもスムーズに利用できる可能性が高くなります。

特に利用しやすいのが、地方自治体・金融機関・信用保証協会の三者が連携して実行する制度融資と呼ばれるものです。

制度融資の申し込み窓口は自治体であり、やり取りを行うのは自治体と金融機関の二者がメインとなります。

制度融資の場合、信用保証協会への保証申し込みは基本的に金融機関を経由して実施されるため、事業者自身の手間は最小限で済みます。

 

制度融資の詳細は自治体によって異なるため一概にはいえませんが、創業者を対象とした制度も多く存在します。

創業融資で信用保証協会の保証を利用したい・創業融資を好条件で利用したい場合におすすめです。

創業融資で信用保証協会を利用するメリット

創業融資で信用保証協会の保証制度を利用するメリットを2つ紹介します。

銀行からの融資を受けられる可能性が高い

信用保証協会を利用する大きなメリットとして、銀行からの融資を受けられる可能性が高くなる点が挙げられます。

 

前述したように、創業直後に銀行の融資を利用するのは困難です。

銀行が行う融資制度は、創業から一定以上の年数が経過していることを要件にしているケースがほとんどです。

融資では返済能力の有無や高さが重要であり、創業直後で事業実績がない場合は返済能力を判断する材料が不十分なためです。

 

信用保証協会の債務保証があれば、債務者による返済が不可能になった場合に信用保証協会が代わりに返済を行います。

金融機関は確実に貸付金の回収ができるため、返済能力に対する懸念があっても融資を行いやすくなります。

そのため、銀行の融資でも利用できる可能性が高くなるのです。

 

特に前章で紹介した制度融資は、創業直後の事業者を対象とした制度が多くみられます。

信用保証の申し込みは金融機関を経由して実施されるため、事業者にかかる手間は大きくありません。

手軽かつ高確率で、好条件の創業融資を利用できる方法といえます。

融資の申し込みがしやすい・金利が低いケースが多い

信用保証協会の保証を受けるもうひとつのメリットが、創業融資をより好条件で利用できる可能性が高くなることです。

具体的には、信用保証を受けない場合よりも融資の申し込みがしやすくなり、金利が低くなるケースが多くなります。

 

創業直後は、過去の事業実績から返済能力を判断することができません。

返済能力を判断する手段として創業計画書や事業計画書を用いますが、あくまで計画である以上、どうしても厳しい見方をされてしまいます。

融資が無事決定しても、希望額より少ない融資額になったり、金利が高いといった厳しい条件になる恐れがあります。

担保や保証人がない場合は、より厳しい条件になってしまうでしょう。

 

しかし、信用保証協会による債務保証があれば、金融機関は確実な貸付金回収が可能です。

返済可能性に対する懸念が少なくなるため、結果として融資を受けられる可能性が高くなるだけでなく、責務補償がない場合と比較してより好条件で融資を受けられることが期待できます。

創業融資で信用保証協会を利用するデメリット

信用保証協会には大きなメリットがある一方、注意するべきデメリットも存在します。

創業融資で信用保証協会を利用するデメリットを2つ紹介します。

保証料の支払いが必要

信用保証協会の債務保証を利用するデメリットのひとつが、保証料の支払いが必要となる点です。

信用保証を利用するための対価と表現できます。

 

信用保証協会の保証を利用することで融資の条件が有利になり、金利が低くなる可能性があると紹介しました。

しかし、金利が低くなっても保証料の支払いが必要である分、トータルでの負担は変わらない、もしくは大きくなる可能性もあります。

 

「信用保証を利用すれば金利が低くなり負担を減らせる」という認識をしないようご注意ください。

公庫の創業融資よりも融資実行までの期間が長い傾向

創業融資に際して信用保証協会を利用する場合、公庫(日本政策金融公庫)の創業融資よりも融資実行までの期間が長くなる傾向です。

 

信用保証協会は申し込めば必ず保証を実施するわけではありません。

信用保証協会による審査も実施されます。

金融機関と信用保証協会両方での審査が必要になるため、必然的に審査に要するトータルの期間が長くなります。

地方自治体・金融機関・信用保証協会の三者が連携する制度融資は、それぞれの機関で審査を行うため、より長い時間が必要です。

 

創業直後の時期において、資金調達のスピード感や入金されるタイミングは重要な要素といえます。

審査にかかる時間が長く融資実行が想定よりも遅い場合、イメージ通りの事業展開が進められない恐れもあります。

融資実行に時間がかかる点を押さえた上で、早めの準備や余裕のあるスケジュール設定が必要です。

まとめ

信用保証協会の債務保証を利用すれば、金融機関からの融資を受けられる可能性が高くなります。

希望通りの融資を受けることができ、通常よりも金利が低くなるといったメリットも期待できます。

一方で、保証料の支払いが必要であったり、融資実行までに時間がかかるといったデメリットに注意が必要です。

 

一口に創業融資といってもさまざまな制度があり、信用保証を受けるか否かによって条件が変わるケースもあります。

融資申し込みの経験がない人が、自分に適した方法を選択するのは容易ではありません。

創業融資の利用を検討している・信用保証を受けるか迷っているなど、創業融資に関するお悩みがあれば、融資支援に強みを持つ専門家へご相談ください。


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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士

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