信用金庫とつきあうメリットとは?銀行との違いや選び方のポイントを紹介!

2024.08.30

信用金庫と銀行はまったく別の目的をもつ組織です。

個人事業主や中小企業などの小規模事業者にとって、信用金庫とのつきあいによって得られるメリットは非常に大きいものといえます。

とはいえ信用金庫によって特徴は大きく異なります。

信用金庫とのつきあいによるメリットを最大限にするためには、自社に合った信用金庫を選ぶことが大切です。

 

今回は信用金庫と銀行の違いや、信用金庫とつきあうメリット、信用金庫の選び方について詳しく解説します。

 

信用金庫から創業融資を受ける場合の手続きについては以下の記事をご覧ください。

 

 

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CONTENTS

信用金庫と銀行の違い

信用金庫と銀行の主な違いを7つ紹介します。

 

  • 組織形態
  • 銀行は株式会社であり、一般的な会社と同じく営利性法人に該当します。
  • 信用金庫は協同組織に該当する非営利組織です。
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  • 根拠となる法律
  • 銀行の根拠となる法律は「銀行法」、信用金庫の根拠法は「信用金庫法」です。
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  • 設立目的
  • 銀行の設立・運営目的は「国民経済の健全な発展に資すること」とされています。
  • また株式会社のため、一般の会社と同じく株主の利益を優先とします。
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  • 信用金庫は利用者や会員による相互扶助が目的です。
  • 個人ではなく地域の利益が優先される点も特徴であり、預かった資金は地域の発展のために活かされます。
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  • 営業地域
  • 銀行には特に営業地域の制限がありません。
  • 信用金庫の営業地域は一定の範囲に限定されます。前述のように、信用金庫が預かった資金は営業地域の発展のために活用される仕組みです。
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  • 会員資格
  • 銀行には会員資格に定めはありません。
  • 信用金庫は原則として、営業地域内に住む・勤務する・事業所をもつ人のみ会員資格が認められます。
  • 事業者の場合は従業員300人以下または資本金9億円以下と、規模の制限が定められています。
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  • 業務範囲
  • 銀行の業務範囲には特別な決まりや制限はありません。
  • 信用金庫は預金には特に制限がありませんが、融資は原則として会員のみを対象とします。
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  • 主な融資先
  • 銀行の主な融資先は、規模の大きい企業や一定以上の経営実績がある企業です。
  • 信用金庫の融資先は営業地域に限定され、中小企業や個人事業主が多くみられます。

信用金庫と付き合うメリット

個人事業主や中小企業が信用金庫と付き合うメリットを3つ紹介します。

小規模事業者にもしっかり対応してくれる

最も大きなメリットが、小規模事業者にもしっかり対応してくれることです。

 

前提として、小規模事業者でも銀行と取引をすることは可能です。

法人口座の開設はもちろん、銀行から融資を受けるケースもあります。

 

しかし銀行は利益を追求するという性質上、どうしても大企業との取引を優先させる傾向が強くなります。

規模の小さい事業者が銀行と親密につきあうことや、細かな対応を受けることは難しいのが事実です。

 

一方で信用金庫は、事業者の会員資格として従業員数や資本金の上限が設定されており、大企業は会員になれません。

したがって、信用金庫の会員は必然的に小規模事業者のみとなります。

 

そして、信用金庫の目的は地域の繁栄を図る相互扶助です。個人や組織としての利益は優先されません。

地域社会の利益が優先されるという性質上、創業直後の事業者を含むすべての会員に対して親身な対応を行うため、小規模事業者にとって心強い味方となるでしょう。

小規模事業者も融資を受けやすい

小規模事業者が融資を受けやすい点も、信用金庫ならではの大きなメリットです。

 

民間の銀行は株主の利益を優先するという性質上、どうしても融資審査が厳しい傾向にあります。

一定以上の売上や利益がなければ銀行からの借入は難しいでしょう。融資希望額が少ない場合は申し込みすらできないケースもみられます。

特にメガバンクは数億~数十億といった融資が一般的であり、少額の融資は受けられないケースがほとんどです。

 

反対に、信用金庫で億単位の大きな融資はできません。しかし、小規模事業者であれば数百万~数千万の融資で十分でしょう。

信用金庫で可能な融資額と、会員である小規模事業者の融資希望額が同じぐらいといえます。

 

また、「地域内の小規模事業者の支援」は信用金庫の目的の1つです。

そのため融資を希望する小規模事業者に対しては、基本的に前向きな対応を行います。

 

もちろん必ず融資が受けられるわけではありません。

しかし赤字決算や業績が良くない場合でも、親身に相談に乗ってもらえたり、長い目で見て融資判断をしてくれるなどの傾向があります。

融資の貸し剥がしや貸し渋りのリスクが低い

信用金庫は銀行に比べて融資の貸し剥がしや貸し渋りのリスクが低いです。

 

貸し剥がしとは、金融機関から事業者に対して、借入残高の返済を前倒しさせようとする行為です。

貸し渋りとは、返済能力や信用面での問題がない事業者に対しても、融資に対して消極的になる・融資を拒否するといった行為を指します。

 

銀行が貸し剥がしや貸し渋りを行う理由は、これらの行為が自己資本の改善につながるためです。

借入金を返済できない企業が増えれば、銀行側では不良債権が増加して自己資本比率が下がります。

また銀行には「融資ができるのは自己資本の〇倍まで」というルールが課されているケースがほとんどです。

つまり、自己資本が悪化すると最悪の場合融資ができなくなってしまいます。

銀行は自己資本が一定以上悪化するのを避ける必要があるため、貸し渋りや貸し剥がしといった強制的な手段をとるケースがあります。

 

貸し渋りや貸し剥がしは、資金繰り悪化の原因になる行為です。資金繰りの急激な悪化が倒産につながる恐れもあります。

信用金庫では、積極的な貸し渋りや貸し剥がしはほとんど行われません。そのため安心して融資を受けられます。

信用金庫を選ぶ上でのポイント

信用金庫によって特徴や強みが異なるため、自社に適した信用金庫を選ぶことが大切です。

ここでは信用金庫を選ぶ上でのポイントを5つ紹介します。

自社のエリアに強みを持つか

大前提として、自社の所在するエリアに強みを持つ信用金庫を選ぶことが大切です。

営業地域としてはカバーされていても、特別強みをもっているとは限りません。

自社の所在するエリアでの実績や事例などを確認し、質の高いサポートを期待できるか確認しましょう。

取引規模やニーズに合うか

信用金庫全体で「利用者や会員による相互扶助が目的」という点が共通しているとはいえ、取引規模や得意分野などの細かな点には違いがあります。

自社に適したサポートを受けるためには、取引規模やニーズが合う信用金庫を選ぶのが理想です。

融資に積極的であるか

融資への積極性もチェックしたいポイントです。

融資に積極的な信用金庫と契約をすれば、資金調達が必要な場面で柔軟な対応を受けられる可能性が高くなります。

融資実績や取引数を確認する、もしくは信用金庫の窓口で直接相談するのがおすすめです。

担当者との相性が良いか

信用金庫は対応が丁寧で深くつきあえるからこそ、担当者との相性が利用しやすさを大きく左右します。

直接の担当者に限らず、スタッフの対応や店舗の雰囲気などから、対象の信用金庫と自社との相性についても検討した上で決めるのが良いでしょう。

歴史や評判から信頼性があると判断できるか

信用金庫に限らず、新たな取引先を選ぶときは対外的な評価を確認するのが理想です。

地域密着型の信用金庫の場合、その地域における歴史や評判が有力な判断基準となります。

信頼性があると判断できそうな信用金庫を利用するのが安心です。

まとめ

信用金庫は利用者や会員による相互扶助が目的であり、地域社会の利益を優先させます。

小規模事業者は地域社会の繁栄に欠かせない存在です。

そのため、信用金庫は小規模事業者に対しても丁寧なサポートを提供し、融資に対しても積極的な姿勢をとっています。

個人事業主や中小企業にとって、信用金庫とつきあうメリットは非常に大きいといえるでしょう。

 

一口に信用金庫といっても選択肢は複数あり、それぞれ異なる特徴をもっています。

良い取引や良いつきあいのためには、自社に適した信用金庫の会員になることが大切です。

自社に合う信用金庫を選ぶため、今回紹介した内容をしっかり押さえましょう。

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士

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