
リードインベスターとは特定の資金調達ラウンドを主導する投資家です。
「資金調達を成功させる」という目的を果たすため、資金調達に必要な各種業務のサポートや、ほかの投資家をまとめる等の役割を担います。
高額の資金調達を成功させ次のラウンドに進むためには、自社に適したリードインベスターを選ぶことが大切です。
今回はリードインベスターの役割や、自社に合うリードインベスターを選ぶためにチェックするべきポイントについて解説します。
関連用語であるエンジェル投資家やベンチャーキャピタルについて解説した記事もございますので、ぜひこちらもご覧ください。
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CONTENTS
リードインベスター(リード投資家)とは

リードインベスターとは特定の資金調達ラウンドを主導する投資家を意味する用語です。
リード投資家とも呼ばれます。
対象の資金調達ラウンドにおいて最も出資割合が多い人がリードインベスターになるのが一般的です。
資金調達ラウンドについては以下の記事で詳しく解説しています。
リードインベスターの役割

リードインベスターの最大の役割は、資金調達を成功させることです。
この章ではリードインベスターが資金調達を成功させるために行うことについて具体的に解説します。
資金調達に必要な各種業務のサポート
リードインベスターの主な役割といえるのが、資金調達に必要な各種業務のサポートです。
投資家としての豊富な経験を活かし、企業の資金調達を主導します。
リードインベスターが行うサポート業務として以下の例が挙げられます。
- ・企業に対するデューデリジェンスの実施、結果の共有
- ・資金調達戦略の立案サポート
- ・資金調達に向けてやるべきことの指示や提案
- ・各ラウンドにおける投資条件の策定に向けたアドバイス
- ・別の投資家の紹介および交渉支援
- ・資金調達後のアフターフォロー
- ・そのほか資金調達の進捗状況にあわせたアドバイスやサポート全般
経営層や財務責任者による重要な会議への参加や、事業戦略の指揮を行うリードインベスターも多いです。
各ラウンドの資金調達業務の中心といえる役割を果たすため、取締役に就任するケースも多くみられます。
一方で雑務や事業活動に関する相談など、日常的なサポートを行うリードインベスターもいます。
会社によって求める役割や必要な作業が異なる以上、リードインベスターの業務内容もさまざまです。
なお、リードインベスターの役割は「次のラウンドまでのサポート」ともいえます。
資金調達ラウンドが上がるとリードインベスターも別の投資家に変わるのが一般的です。
ラウンド全体をまとめる
リードインベスターは名前の通りリーダーのような役割を担う投資家です。
ここでいうリーダーとは、各資金調達ラウンドに参加する投資家のリーダーを意味します。
すなわちリードインベスターはラウンド全体をまとめる投資家ともいえるでしょう。
リードインベスター以外の投資家をフォロー投資家と呼びます。
ラウンド全体をまとめることに関連する業務の例は以下の通りです。
- ・会社(資金調達を行う側)と投資家間の調整
- ・フォロー投資家になり得る人を探す、集める
- ・必要に応じてフォロー投資家との協業による各種業務の実施
目的に向かって効率良く確実に資金調達を進めるためには、投資家全体がまとまっており、目指す方向が同じであるのが理想です。
資金調達ラウンドを主導する役割であるリードインベスターがフォロー投資家をまとめ、調整する役割も担うのが一般的です。
自社に合うリードインベスターを選ぶために確認するべきポイント

基本的に、ラウンド開始直後の段階ではリードインベスターは決まっていません。
条件の確認やコミュニケーションなどを経て、複数の投資家の中からリードインベスターを決めるのが一般的です。
この章では自社に合うリードインベスターを選ぶために確認するべきポイントを4点紹介します。
自社の業界・業種に合うか
適切な資金調達を実現するためには、自社の業界・業種に合う投資家をリードインベスターにするのが理想です。
一口に資金調達といっても、業界・業種によって進め方には大きな違いがあります。
具体的な金額というよりは「どのような場面で資金調達が必要か」「特に資金が必要になる事業や工程はどこか」等に違いがあります。
また、業界・業種によって企業としてのアピールポイントも異なるでしょう。
その業界・業種に詳しい投資家であれば、自社の強みや魅力などを上手く汲み取ってくれる可能性が高くなります。
リードインベスターは各ラウンドの資金調達で最も深く関わる投資家です。
前章で紹介した通り、リードインベスターは資金調達に関するさまざまな役割を果たします。
したがって、自社の業界・業種に強みをもつ投資家をリードインベスターにすることをおすすめします。
現在の資金調達ラウンドに合うか
自社が現在いる資金調達ラウンドに合うかも、リードインベスターを選ぶ上で重要な判断基準です。
例えば、起業直前や起業直後の段階であるシードラウンドは、会社としての実績がないため資金調達手段の選択肢は少ないという特徴があります。
また、軌道に乗る前で売上収益が発生する仕組みがないものの、設備投資や人材確保など支出の項目が多い点も特徴です。
このようなシードラウンドでは、開業資金の調達支援の経験が強みをもつ投資家が適しているでしょう。
シリーズBラウンドは黒字化しているため資金調達手段として複数の選択肢があります。
一方で、シード期よりもさらに高額の資金が必要なケースが多いです。
そのため高額の資金調達の支援が可能であり、かつ、自身も高額の出資ができるような投資家をリードインベスターにすることになります。
シードラウンドとは違い「いかに高額の資金調達の実施および支援が可能か」が判断基準になるのです。
このように、資金調達ラウンドによってリードインベスターに求められる要素は異なります。
リードインベスターを選ぶ際には、現在の資金調達ラウンドに適しているかを考える必要があります。
過去の投資実績や成功事例の有無
過去の投資実績や成功事例の有無もリードインベスターを選ぶ上でチェックが欠かせない要素です。
単純に、投資実績や成功事例が豊富な投資家であれば質の高いサポートを期待できる面もあります。
しかしそれだけでなく、フォロー投資家となり得る人からの関心や好印象を得る上でもリードインベスターの実績が重要になるためです。
フォロー投資家は出資に際して、投資先の企業そのものだけでなくリードインベスターも重視します。
資金調達ラウンドが成功するかはリードインベスターの力量に左右される部分も大きいためです。
投資するに値する企業であり、かつ、リードインベスターにリーダーとしての役割を果たせると信頼できる場合に出資を決めるのです。
リードインベスター以外からの出資も求めるのであれば、他の投資家からの信頼を得られるような投資家をリードインベスターに選ぶ必要があります。
相性が良く良好な関係構築が期待できるか
リードインベスターは各資金調達ラウンドで最も多く、そして最も深いコミュニケーションをとる投資家となります。
そのためなるべく相性が良く、良好な関係構築を期待できる投資家を選ぶのが理想です。
候補となる投資家が複数人いるのであれば、最も信頼できる投資家をリードインベスターにするのも1つの考え方といえます。
まとめ
リードインベスターとは特定の資金調達ラウンドを主導し、資金調達を成功させるための役割を担う投資家です。
資金調達に必要な各種業務のサポートや、フォロー投資家をまとめるための業務などを行います。
ラウンド開始直後の段階ではリードインベスターは決まっておらず、条件の確認やコミュニケーションなどを経て決めるのが一般的です。
自社の業界・業種や現在いるラウンドに合うか、投資経験や成功事例があるか等を確認しましょう。
また、投資家の中でも特にコミュニケーションを多くとることになるため、良好な関係構築を期待できる投資家を選ぶのが理想です。
今回紹介した内容を押さえ、自社の資金調達を支えてくれるリードインベスターを選びましょう。
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記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士








