【2026年最新】会社設立と個人事業主はどちらがお得?メリット・デメリットを徹底解説

全国47都道府県(フルリモート対応)で、会社設立サポートを通じて企業の成長を強力にバックアップする東京・新宿の税理士事務所、BIZARQ(ビズアーク)グループ 代表(公認会計士・税理士・行政書士)の吉岡伸晃です。

個人事業主として順調に事業を拡大していくと、多くの方が直面するのが「会社設立(法人成り)をすべきか、このまま個人事業主を続けるべきか」という悩みです。所得額が大きくなるにつれて税負担が重くのしかかり、法人化したほうが有利なのではないかと考える方は非常に多くいらっしゃいます。

しかし、会社設立には大きな節税メリットや社会的信用の獲得といったプラス面がある一方で、社会保険への加入義務や事務手続きの複雑化といったマイナス面も存在します。自社の事業規模や将来のビジョンに合わないタイミングで法人化してしまうと、かえって資金繰りを圧迫する結果になりかねません。

本記事では、会社設立と個人事業主のそれぞれのメリット・デメリットを詳しく比較し、自社にとって最適な事業形態を判断するための重要なポイントを徹底解説します。

プロの視点令和8年度税制改正を踏まえた「会社設立」のベストな判断基準

会社設立を検討する上で、税制の最新動向を把握しておくことは不可欠です。2026年(令和8年度)の税制改正においては、物価高への対応として、所得税の課税最低限を特例的に178万円まで引き上げるほか、基礎控除や給与所得控除の最低保障額(65万円から69万円へ)の引き上げなど、個人の税負担を軽減する措置が盛り込まれました。また、インボイス制度導入に係る経過措置についても見直しが行われ、個人事業者については納税額を売上税額の3割とする経過措置(いわゆる3割特例)が設けられ、令和9年・令和10年分の2年間適用されることとなりました。

これらの改正は、個人事業主のままでいる場合の税負担に影響を与えるだけでなく、会社設立後に社長自身が受け取る「役員報酬」の所得税計算にも有利に働く傾向があります。基礎控除や給与所得控除の非課税枠が広がることで、法人化して会社の利益と個人の役員報酬に所得を分散させることの節税効果が、これまで以上に柔軟かつ効果的に設計できるようになっているのです。

さらに、企業向けには「大胆な設備投資の促進に向けた税制措置」などの投資促進税制が創設されており、事業を本格的に拡大・投資していくフェーズにあるならば、法人化のメリットは極めて大きくなります。

ただし、BIZARQグループとして全国47都道府県の多くの起業家を支援してきた現場の視点から申し上げると、法人成りのタイミングは「税金のシミュレーション」だけで決めるべきではありません。法人は社会保険への強制加入となるため、税金が減っても社会保険料の負担が増加し、トータルのキャッシュアウトが大きくなるケースも散見されます。

目先の節税や過去の処理だけでなく、3年後、5年後の経営ビジョンを見据え、「事業をどうスケールさせたいか」「誰を採用し、どんな企業と取引したいか」という未来の目標から逆算して、会社設立のタイミングを見極めることが成功の秘訣となります。

個人事業主が会社設立(法人化)する4つのメリット

まずは、個人事業主から法人成りをして会社を設立することによって得られる、主なメリットを4つご紹介します。

1.社会的信用の向上|金融機関の融資や取引先開拓に有利

個人事業主が会社設立をする最大のメリットのひとつが、社会的信用が飛躍的に高くなる点です。一般的に、個人事業主よりも法人のほうが、ビジネスの基盤がしっかりしており、コンプライアンス体制が整っていると評価されやすくなります。

具体的なメリットとしては、以下のような傾向があります。

  • 金融機関からのプロパー融資や高額な資金調達が通りやすくなる
  • 大手企業や官公庁など、取引先を「法人のみ」に限定している組織との契約が可能になる
  • 個人事業主として取引していた得意先から、コンプライアンスの観点で法人成りを求められるケースにスムーズに対応できる
  • 建設業や人材派遣業などの許認可事業において、法人の方が要件を満たしやすい、または信頼を得やすい場合がある

事業を拡大し、より大きな舞台で勝負したい、社会的に強みのある肩書が欲しいと考えている経営者にとって、会社設立は強力な武器となります。

2.節税効果の最大化|法人税の税率と幅広い経費計上

一定の所得を超えた場合、法人成りをしたほうが手元に残る利益(キャッシュ)を最大化できる可能性が高くなります。

個人の所得税は、利益が大きくなるほど税率が高くなる「累進課税制度」を採用しており、最高税率は住民税と合わせると約55%にも達します。一般的に、課税される所得金額が800万円から900万円を超えてくると、個人事業主の税負担が非常に重くなります。一方、法人税は個人所得税のような急激な累進構造ではなく、年間800万円を超える所得に対しては税率が一定(中小法人の場合は800万円以下の部分に15%の軽減税率も適用)となるため、利益が一定ラインを超えると法人化によってトータルの税負担を抑えられるケースがあります。

また、法人は個人事業主よりも経費として認められる範囲が広いことも、大きな節税メリットです。法人ならではの経費の具体例は以下の通りです。

  • 経営者(事業主)本人への役員報酬(給与所得控除が適用され個人の税負担が軽減される)
  • 家族従業員への給与支払いの柔軟性(専従者給与のような厳しい要件がない)
  • 出張時の日当(出張手当)の非課税での支給
  • 一定の要件を満たした社宅家賃の経費計上(役員社宅)
    (※ただし、会社が全額負担するのではなく、役員から一定の賃貸料相当額を徴収しなければ、役員賞与とみなされ課税されるリスクがある点に注意が必要です。)
  • 経営者に対する退職金(退職所得控除を活用した大幅な節税が可能)

ただし、役員報酬を会社の経費(損金)として認めてもらうには、原則として毎月定額(定期同額給与)で支給する必要があり、期中に業績に応じて自由に金額を変更することはできない点には注意が必要です。

さらに、青色申告をしている個人事業主の純損失は原則として3年間繰り越せるのに対し、法人の欠損金(赤字)は最大で10年間繰り越すことが可能です。翌期以降に黒字が出た際、過去の赤字と相殺できるため、長期的な視点での節税に大きく貢献します。(※参考:法人税の額から控除される特別控除額の特例|国税庁)

3.事業拡大への対応力|資金調達と優秀な人材の確保

将来的に事業をスケールさせていく上で、法人の形態が有利に働く場面が多くなります。

社会的信用の高さから、日本政策金融公庫だけでなく民間金融機関からの融資も引き出しやすくなり、数千万円から億円単位の資金調達による大型投資(システム開発、設備投資、マーケティング強化など)が可能になります。

また、採用面でのメリットも無視できません。求職者の多くは、雇用や福利厚生が安定しているというイメージから、個人事務所よりも法人を好む傾向にあります。社会保険が完備されていることは採用の最低条件になりつつあり、会社設立をしたほうが求人に対する応募が集まりやすく、結果として優秀な人材を確保できる可能性が高まります。

4.事業承継の円滑化|口座凍結リスクの回避

個人事業主の場合、事業主本人が亡くなると、事業用の銀行口座であっても名義人の死亡により一時的に凍結されてしまいます。残された家族や従業員が事業を引き継ごうとしても、支払いや資金移動がストップし、最悪の場合はそのまま廃業に追い込まれるリスクがあります。

一方、法人の場合は、会社の財産と個人の財産が明確に分離されています。社長が亡くなった場合でも法人口座が凍結されることはなく、新たな代表取締役を選任したり、株式を譲渡したりすることで、事業への影響を最小限に抑えつつ事業承継やM&Aを円滑に進めることができます。

個人事業主が会社設立する3つのデメリット

会社設立には多くのメリットがある反面、あらかじめ把握しておくべきデメリットも存在します。以下の3点には特に注意が必要です。

①設立・維持コストの発生|赤字でもかかる法人住民税

会社を設立するためには、初期費用が発生します。株式会社の場合、定款の認証手数料や法務局への登録免許税などで最低でも約20万円強が必要となります(専門家に手続きを依頼する場合はその報酬も必要です)。合同会社であれば実費を6万円程度に安く抑えられますが、それでも一定のコストは免れません。

また、個人事業主であれば所得が赤字の場合は原則として所得税・住民税はかかりませんが、法人の場合は赤字であっても「法人住民税の均等割」(自治体によりますが年間約7万円程度)を毎年必ず納付する義務が発生します。

※会社設立にかかる具体的な費用については、以下の記事でも詳しく解説しています。
会社設立に必要な費用はいくら?相場から最安値まで紹介!

②社会保険の加入義務|保険料の負担増に注意

法人は、従業員の人数に関わらず、社長1人だけのいわゆる「一人社長」であっても、社会保険(健康保険・厚生年金保険)への加入が法律で強制的に義務付けられています。

社会保険料は会社と個人で折半する仕組みですが、実質的には会社負担分が法人のキャッシュフローを圧迫します。国民健康保険や国民年金と比較すると、支払う保険料の総額が高額になるケースが多いため、税金が安くなっても社会保険料を含めたトータルの支出が増えてしまう「社会保険料貧乏」に陥らないよう、法人化前の綿密なシミュレーションが必要です。

③事務手続きの複雑化|会計処理や各種届出の増加

法人は個人事業主と比較して、社会的責任が重くなる分、求められる手続きや会計処理が格段に複雑化します。

例えば、法人税の確定申告は個人事業主の所得税申告よりもさらに高度な専門知識が求められ、ご自身だけで作成して申告するのは非常に困難です。また、社会保険への加入に伴う「算定基礎届」の毎年の提出や、本店所在地を移転した際の法務局での登記変更、各役所への届出など、バックオフィス業務の負担が大幅に増加します。

しかし、これらのデメリットは、税理士などの専門家を活用し、クラウド会計(freeeやマネーフォワードなど)を導入して業務を自動化・DX化することで、負担を最小限に抑えることが可能です。東京・新宿エリアをはじめ全国の企業を支援するBIZARQでは、この事務負担の軽減を徹底的にサポートしています。

個人事業主のままでいるメリット・デメリット

ここまで会社設立の視点でお伝えしてきましたが、あえて「個人事業主のままでいる」という選択肢にも独自のメリットとデメリットがあります。

継続するメリット|手間の少なさとコスト削減

個人事業主の最大のメリットは、手続きの身軽さと維持コストの低さです。会社設立時の初期費用(約20万円〜25万円)や、毎年の法人住民税均等割(約7万円)はかかりません。

また、日々の経理や確定申告も、クラウド会計ソフトなどを活用すれば、ある程度ご自身で対応することが可能であり、税理士報酬などのランニングコストを低く抑えることができます。利益が少ない立ち上げ期や、固定費を極限まで削りたいフリーランスの方にとっては、キャッシュの流出を防ぐことができる堅実な形態といえます。

継続するデメリット|信用力や節税手段の限界

一方で、利益が拡大してきた際にはデメリットが顕著になります。所得税の累進課税により、利益が増えれば増えるほど税率が跳ね上がり、最大で約55%の税金が課されます。法人ならではの税務上の選択肢を活用できないため、役員社宅や退職金制度、給与所得控除を組み合わせた高度な税負担の軽減策を実行することには限界があります。

また、社会的な信用力という面でも、大手企業との新規口座開設や、数千万円規模のプロパー融資の獲得、そして優秀な正社員の採用において、法人と比較して不利になる傾向は否めません。

【ケース別】会社設立と個人事業主、どちらを選ぶべきか?

会社設立をするべきか、個人事業主のままでいるべきかは、現在の事業状況と将来のビジョンによって異なります。以下に判断基準の目安となる比較表と、それぞれのケースをまとめました。

比較項目個人事業主のままでいる場合会社設立(法人成り)する場合
主な目的手間とコストを最小限に抑える税負担の軽減、信用力向上、事業拡大
初期費用開業届の提出のみ(0円)約6万〜25万円程度(設立形態による)
税負担の傾向所得が少ないうちは有利(累進課税)所得が大きいほど有利(一定税率)
社会的信用法人と比較すると低い高い(融資やBtoB取引、採用に有利)
社会保険国民年金・国民健康保険厚生年金・健康保険(強制加入・負担増)
事務負担比較的容易(自身での申告も可能)複雑(税理士等の専門家のサポートを強く推奨)

会社設立がおすすめのケース|所得が大きく事業拡大を目指す方

  • 現状の課税所得額が概ね800万円を超え、税負担を大幅に減らしたい方
  • 金融機関からの数千万円規模の融資を積極的に活用し、事業拡大を目指している方
  • 社会保険を完備し、優秀な人材を採用して組織として事業を展開したい方
  • 取引先から法人化を求められている、または大手企業とのBtoB取引を狙う方
  • 将来的に事業承継や会社の売却(M&A)を視野に入れている方

利益が安定的に出ており、さらなる飛躍を目指すのであれば、会社設立が最適な選択となります。各種手続きは複雑になりますが、BIZARQの会社設立サポートのような専門チームに任せることで、本業に集中しながら法人のメリットを最大限に享受できます。

個人事業主がおすすめのケース|事務負担を抑えたい方

  • 現状の所得額がそれほど大きくなく、所得税の税率がまだ低い方
  • 社会保険料の負担増(会社と個人のトータル負担)をどうしても避けたい方
  • 事務手続きや法人ならではの複雑な会計処理にかける時間とコストを最小限にしたい方
  • 人を雇わず、フリーランスとして身軽に事業を継続したい方

事業がまだ軌道に乗り切っていないフェーズや、会社を大きく組織化することにこだわらないライフスタイル重視の方であれば、無理に法人化せず、まずは個人事業主として足元を固め、キャッシュを蓄積することをおすすめします。

「会社設立と個人事業主の比較」まとめ

  • 社会的信用の向上と節税効果の最大化
    法人化することで大手企業との取引や銀行融資に有利になり、利益拡大時には法人税の一定税率や役員報酬・社宅などの幅広い経費枠が大きな節税につながる。
  • 設立・維持コストと社会保険料の負担増
    初期費用や赤字でもかかる均等割に加え、一人社長でも社会保険の強制加入となるため、税金だけでなくトータルの支出が増えるリスクには要注意。
  • 事業の未来像から逆算して総合的に判断
    目先の税金シミュレーションだけでなく、事業拡大、採用戦略、事業承継など3〜5年後のビジョンに合わせて最適な事業形態を選択することが重要。

東京・新宿をはじめ、全国47都道府県での会社設立や法人成りのタイミングでお悩みなら、東京・新宿の税理士事務所 BIZARQ(ビズアーク)グループにご相談ください。私たちは平均年齢33歳の機動力とITリテラシーを駆使し、クラウド会計(freee 5つ星 / MFプラチナ)の導入から、税理士・公認会計士・弁護士・社労士・行政書士が連携したワンストップ体制で、あなたの起業と経営を「加速」させます。過去の数字の処理だけでなく、最新の税制(令和8年度改正等)を踏まえた未来の財務戦略を共に描くパートナーとして全力で伴走いたします。法人化のシミュレーションや事業計画に不安がある方は、まずは当グループの会社設立サポートをご覧いただき、税理士無料相談からお気軽にご活用ください。

「会社設立と個人事業主」に関するよくある質問

A.一般的な目安として、個人の「課税される所得金額(売上から経費や青色申告特別控除などを引いた額)」が800万円〜900万円を超えてくると、所得税の累進課税により税負担が重くなるため、法人税の税率との逆転現象が起きやすくなります。また、消費税の免税事業者である場合、売上が1,000万円を超えた翌々年から課税事業者になるため、そのタイミングで法人成りをして免税期間を再度活用(※BtoB取引等でインボイス登録が必要な場合は初年度から課税事業者となるため、主にBtoC事業で有効な手法です)するケースも多いです。

A.手続き自体はご自身で行うことも可能ですが、定款の作成・認証、登記申請書類の作成など非常に手間がかかります。また、資本金の設定額や事業目的の記載方法、決算月の決め方ひとつで、設立後の「創業融資の審査」や「許認可の取得」に影響を及ぼすばかりか、例えば、会社の信用力を高めようと資本金を1,000万円以上で設立してしまうと、初年度から消費税の納税義務が強制的に発生し、最大2年間の免税メリットを失うといった落とし穴があります。こうした機会損失を防ぐためにも、設立前から税理士や行政書士などの専門家に相談することを強く推奨します。

A.はい、完全オンラインで全国47都道府県どこからでもご依頼可能です。BIZARQグループは東京・新宿に拠点を置いていますが、電子定款や電子申告(e-Tax)、ZoomやChatwork・LINEを活用することで、地方の起業家様にもタイムラグのない最先端の財務・設立サポートを提供しています。地元の銀行融資対策などもオンラインで徹底伴走いたします。

この記事の監修者

BIZARQグループ 代表 / 公認会計士・税理士・行政書士 吉岡伸晃

吉岡 伸晃 Nobuteru Yoshioka

BIZARQグループ 代表 / 公認会計士・税理士・行政書士

大手監査法人での経験を経て、現在はスタートアップから医療法人まで幅広い企業の財務・経営戦略をサポート。事業計画策定や資金調達支援に強い。

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全国47都道府県(フルリモート対応)で、戦略的な節税対策と税務調査ディフェンスを通じて企業の成長を強力にバックアップする東京・新宿の税理士事務所、BIZARQ(ビズアーク)グループ 代表(公認会計士・税理士・行政書士)の吉岡伸晃です。 税務調査の対象となる事業者や実施される時期に明確な条件はなく、「いつ」「どの会社に」税務調査が入るかを事前に100%断定することはできません。 一方で、税務署の調査...

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