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会社設立費用の相場と安く抑える方法|株式会社・合同会社の実費解説

全国47都道府県(フルリモート対応)で、適正な会社設立手続きや資金調達・税務戦略を通じて企業の成長を強力にバックアップする東京・新宿の税理士事務所、BIZARQ(ビズアーク)グループ 代表(公認会計士・税理士・行政書士)の吉岡伸晃です。
会社設立を検討する際、「結局トータルでいくらかかるのか」「自分で手続きすれば最安値で済むのか」という費用の悩みは、多くの起業家や個人事業主の方に共通するテーマです。
結論から申し上げますと、会社設立費用の相場は株式会社で約25万〜30万円(最安値約20万円)、合同会社で約11万〜17万円(最安値約7万円)となります。
ただし、表面上の「最安値」だけを重視して自力で手続を行うと、手続の不備による修正対応で多くの作業時間を奪われるケースが見受けられます。
本記事では、会社設立に必要な法定費用の正確な内訳から、株式会社・合同会社の費用比較、公的制度を活用した節約ノウハウ、そして設立後の節税を見据えたポイントまで分かりやすく解説します。
なお、会社設立の全体の流れやスケジュール感については、以下の解説記事も併せてご参照ください。
【関連記事】会社設立の流れは?必要な手続きや注意点を徹底解説!
プロの視点会社設立費用は「自力最安」より「専門家依頼」が得な理由
会社設立の準備を進める中で「完全に自分で手続きを行い、最安値で抑えたい」と考える方は少なくありません。しかし、累計8億円超の資金調達や数多くの起業支援を行ってきた実務の現場から見ると、完全自力での作成よりも税理士等の専門家へ代行依頼する方が、トータルコストで得になるケースが多くあります。
専門家への依頼を推奨する主な理由は以下の3点です。
- 電子定款の環境準備コストを回避できる
定款に貼る収入印紙代(4万円)が不要となる「電子定款」を個人で作成する場合、電子署名に対応したソフトウェアや電子証明書環境の準備が必要となる場合があります。専門家に依頼すれば、事務所側の既設システムを利用するため、定款印紙代(4万円)がかかりません。 - 貴重な創業準備の時間を奪われない
慣れない定款作成や公証役場・法務局との調整をご自身で行うと、調べものや書類作成で数十時間の作業負担が生じる傾向があります。専門家に代行依頼することで、経営者は事業計画の策定や営業活動などの本業に専念できます。 - 設立後の節税・資金調達メリットが費用を上回る
税理士と顧問契約をセットで進めるプランを活用すると、実質的な代行手数料が大幅に抑えられる場合があります。さらに「創業融資を見据えた資本金設計」や「消費税の免税期間を最大限活かす決算期設定」など、設立初期の高度な財務戦略を実行できる利点があります。
単なる「目の前の手続き費用」の安さにとどまらず、「時間的コスト」や「設立後の節税・資金繰りを含めたトータルコスト」で判断することが、事業をスムーズに軌道に乗せるポイントです。
会社設立に必要な費用の内訳とは?必ずかかる「法定費用」の仕組み

会社設立において、国や公証役場などの公的機関へ支払う法律で定められた費用を「法定費用」と呼びます。法定費用はご自身で手続きしても専門家に代行依頼しても原則として必ず発生する実費です。
株式会社および合同会社の設立にかかる法定費用の内訳は以下の通りです。
定款用収入印紙代(4万円)紙定款と電子定款の違い
定款(ていかん)とは、会社の商号や本店所在地、事業目的、発行可能株式数などの根本ルールを定めた「会社の憲法」にあたる重要書類です。
紙の書類で定款を作成する場合、印紙税法上の課税文書に該当するため、一律40,000円の収入印紙代が必要となります。
一方で、PDFなどの電子データとして作成する「電子定款」を利用した場合は印紙税の対象外となるため、定款用収入印紙代の4万円は不要となります。
定款認証手数料(3万〜5万円)資本金額で変わる手数料
作成した定款が法律に基づいて適切に作成されているかを公証役場の公証人に証明してもらう手続きを「定款認証」と言います。
定款認証手数料は、資本金の額等に応じて段階的に設定されています。
- 資本金100万円未満
30,000円 - 資本金100万円以上300万円未満
40,000円 - 資本金300万円以上
50,000円
※定款認証が必要となるのは「株式会社」のみです。「合同会社」を設立する場合は定款認証の手続き自体が法律上不要であるため、この手数料は0円(不要)となります。
認証済み定款の交付等費用(約2,000円)定款の同一性証明・交付手数料
定款認証を受ける際、法務局での登記申請用および自社の保存用として、公証役場から認証済み定款の交付(同一性証明・正本や謄本の交付等)を受ける費用が発生します。
この交付等費用は1ページにつき250円と定められており、一般的な定款のページ数であれば合計1,500円〜2,000円程度となります。
登録免許税(15万円〜/6万円〜)資本金2,142万円以下の最低税額
登録免許税とは、法務局で設立登記申請(法人として国に登録する手続き)を行う際に納める税金です。法人形態や資本金の金額によって計算方法が異なります。
- 株式会社の場合
資本金の金額 × 0.7%(計算額が15万円に満たない場合は一律15万円) - 合同会社の場合
資本金の金額 × 0.7%(計算額が6万円に満たない場合は一律6万円)
株式会社の場合、資本金が2,142万円以下であれば一律で最低税額の15万円が適用されます。合同会社の場合は資本金857万円以下で最低税額の6万円が適用されます。
【参考】法務省:商業・法人登記の手続
法定費用以外にかかる「その他各種費用」と「資本金」
会社設立時には、法定費用のほかに法人用の実印作成代などの各種実費や、事業の元手となる「資本金」の準備が必要です。
法人用実印の作成費と証明書代1万円前後の実費
法人の印鑑登録や法人口座の開設、重要契約の締結には「法人実印(代表者印)」が必要となります。
- 法人印鑑セット代(代表者印・銀行印・角印)
5,000円〜20,000円程度(材質や印相による) - 発起人(代表者)個人の印鑑証明書発行手数料
1通300円前後 - 登記後の履歴事項全部証明書・法人印鑑証明書発行手数料
各1通400円〜600円程度
実印作成と各種証明書の発行費用を合わせ、合計1万円〜2万円程度の実費を見込んでおくとスムーズです。
電子定款作成に必要な環境整備自作する場合の初期準備
ご自身で電子定款を作成して印紙代4万円を浮かせる場合、環境によっては以下のソフトウェアや機器の準備が必要となる場合があります。
- 電子署名に対応したソフトウェアや電子証明書環境の準備
- マイナンバーカード読取用ICカードリーダー等の機器購入
- 各種証明・署名用ツールの初期設定や確認作業
すでに環境が整っている方を除き、これらの初期設定や準備作業の負担が生じる傾向があります。そのため、既設環境を持つ専門家に依頼する方がコストと手間の両面で効率的と言えます。
資本金の準備資本金1円起業のリスクと適切な設定
現行の会社法では資本金1円から会社を設立できますが、実務において「資本金1円起業」には一定のリスクが伴います。
資本金を極端に少なく設定した場合、以下のデメリットが生じる傾向があります。
- 法人口座の開設審査や創業融資の審査で慎重に判断されやすい
- 取引先からの与信審査(信用調査)において慎重な対応を求められる
- 設立直後に決算書上が「債務超過」の状態に陥る
小規模事業者やスタートアップにおける初期資本金は、運転資金の数ヶ月分を目安として100万円〜300万円程度に設定するのが一般的です。
なお、資本金を1,000万円未満に設定することで、設立1期目の消費税免税特例を受けられる税制上のメリットがあります。
※注意点
・特定期間(設立1期目の開始6ヶ月間)の給与支払額や課税売上高が1,000万円を超えた場合、2期目から課税事業者となる場合もあります。
・BtoB取引が中心の場合は、設立初年度からインボイス発行事業者(課税事業者)を選択する戦略も検討が必要です。
【関連サービス】資金調達・創業融資支援サービス
株式会社と合同会社の設立費用相場・最安値シミュレーション

「株式会社」と「合同会社(LLC)」のそれぞれについて、自力で設立した場合と専門家に依頼した場合の費用相場・最安値シミュレーションをまとめました。
株式会社を設立する場合相場25万〜30万円/最安値20万円の条件
株式会社は日本で最も認知度が高い法人形態であり、対外的な信用力や将来的な出資・株式発行による資金調達面で優れています。
- 紙定款・自力作成の場合
法定費用約24.2万円 + 印鑑代等 = 約25万円 - 電子定款・自力作成の場合
法定費用約20.2万円 + 備品購入・印鑑代等 = 約21万〜22万円 - 電子定款・専門家代行(税理士顧問セット等)
法定費用約20.2万円 + 報酬 = 相場25万〜30万円(条件次第で約20万円)
※最安値約20万円の条件:資本金100万円未満、電子定款の利用、新たな備品購入なし、専門家代行手数料の割引が適用されたケース。
合同会社を設立する場合相場11万〜17万円/最安値7万円の条件
合同会社(LLC)は公証役場での定款認証が不要で、登録免許税も低く抑えられるため、初期コストを節約したい起業家や個人事業主の法人成りで選ばれています。
- 紙定款・自力作成の場合
法定費用10万円 + 印鑑代等 = 約11万円 - 電子定款・自力作成の場合(最安値)
法定費用6万円 + 印鑑代等 = 約7万円 - 電子定款・専門家代行
法定費用6万円 + 報酬 = 相場11万〜17万円
【比較表】法人形態・作成方法別設立コスト一覧
法人形態や手続方法による費用の違いは以下の表の通りです。
| 法人形態 | 定款形式 | 手続き主体 | 定款印紙代 | 定款認証料 | 登録免許税 | その他実費 | 費用合計の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 株式会社 | 紙定款 | 自分で行う | 40,000円 | 30,000円〜 | 150,000円 | 約12,000円 | 約23.2万〜25.2万円 |
| 株式会社 | 電子定款 | 自分で行う | 0円 | 30,000円〜 | 150,000円 | 約15,000円※ | 約19.7万〜21.7万円 |
| 株式会社 | 電子定款 | 専門家に依頼 | 0円 | 30,000円〜 | 150,000円 | 約10,000円 | 約20万〜30万円※1 |
| 合同会社 | 紙定款 | 自分で行う | 40,000円 | 0円 | 60,000円 | 約10,000円 | 約11.0万円 |
| 合同会社 | 電子定款 | 自分で行う | 0円 | 0円 | 60,000円 | 約10,000円 | 約7.0万円(最安値) |
| 合同会社 | 電子定款 | 専門家に依頼 | 0円 | 0円 | 60,000円 | 約10,000円 | 約11万〜17万円 |
※自分で電子定款を作成する場合の「その他実費」にはICカードリーダー等の環境整備費が含まれる場合があります。
※1 専門家への依頼時、税務顧問契約とのセット割引等を活用することで代行報酬が実質軽減され、最安条件(約20万円)に近づく場合があります。
会社設立費用を賢く抑える公的制度と注意点

設立初期のコストを抑え、手元の運転資金を厚く保持するための公的制度や実務上のノウハウをご紹介します。
特定創業支援等事業の活用登録免許税が半額になる公的制度
産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業」を活用すると、会社設立時の登録免許税が半額に軽減されます。
- 株式会社の登録免許税
15万円 → 7万5,000円(7.5万円軽減) - 合同会社の登録免許税
6万円 → 3万円(3万円軽減)
この軽減特例を受けるには、創業予定地の市区町村(東京都新宿区など)が実施する創業セミナーや個別相談を一定期間(1ヶ月以上・複数回)受講し、自治体から証明書の発行を受ける必要があります。
事前に日程の調整が必要となりますが、株式会社であれば7.5万円の費用節減となるため、積極的な活用をご検討ください。
【参考】中小企業庁:産業競争力強化法に基づく創業支援
専門家(税理士)への代行依頼印紙代4万円の削減とセットプラン
税理士や行政書士へ代行依頼をする場合、専門家のシステムを用いて電子定款を作成するため、定款印紙代(4万円)が不要となります。
また、BIZARQグループをはじめとする税理士事務所では、設立後の税務顧問契約やクラウド会計(freee・マネーフォワード)の導入支援とセットで進めることで、設立代行手数料の割引やパッケージプランが適用されるケースが多くあります。
手続の不備による再提出や確認作業の手間を考慮すると、専門家に依頼する選択は非常にバランスの良い節約ノウハウと言えます。
設立費用の経費化創立費・開業費として節税に活かす方法
会社設立のために個人が一時的に立て替えた費用は、設立後に会社の経費(創立費・開業費)として計上可能です。
- 創立費
会社を設立するために直接要した費用(定款認証手数料、登録免許税、専門家報酬、法人印鑑作成代など) - 開業費
会社設立後から事業を開始するまでにかかった準備費用(名刺・パンフレット作成代、セミナー参加費、開設準備の交通費・通信費など)
これらは会計上「繰延資産」として処理され、税務上は「任意償却(任意のタイミングと金額で経費化できる制度)」が適用されます。
利益が多く出た年度にまとめて経費化して所得を圧縮したり、赤字の年度は経費化を据え置いたりと、将来の税負担のコントロールに有効に活用できます。領収書やレシートは紛失しないよう大切に保管しておきましょう。
設立後の税務署への届出や確定申告手続については、以下の解説記事も併せてご覧ください。
【関連記事】会社設立後に必要な手続きは?必要書類や注意点まとめ
「会社設立に必要な費用と安く抑えるノウハウ」まとめ
- 法定費用の内訳と相場
株式会社の設立費用相場は約25万〜30万円、合同会社は約11万〜17万円であり、電子定款を活用することで印紙代4万円が不要となります。 - 公的制度と専門家の活用
特定創業支援等事業の利用により登録免許税が半額になる特例があり、専門家に依頼することで自作に必要な備品等の準備負担を抑えられます。 - 資本金設定のバランス
資本金1円起業のリスクを避け、適正な資本金設定や創立費・開業費の計上により、将来の節税や資金調達を有利に進めることが可能です。
東京・新宿エリアをはじめ、全国47都道府県で会社設立や資本金設定、創業融資、節税対策についてお悩みなら、ぜひBIZARQ(ビズアーク)グループにご相談ください。当グループでは、平均年齢33歳の若さと機動力を活かし、クラウド会計導入(freee 5つ星/マネーフォワードプラチナメンバー)から資金調達、税務顧問までワンストップでサポートいたします。くわしくは当法人の会社設立サポートをご覧いただき、まずは税理士無料相談よりお気軽にお問い合わせください。
「会社設立費用と手続き」に関するよくある質問
法律上は1円でも設立可能ですが、実務上は推奨いたしません。資本金を1円にした場合、法人口座の開設審査や創業融資の審査で慎重に判断される傾向があり、取引先からの与信面でも支障をきたすリスクがあります。運転資金や信用度を考慮し、最低100万円程度の資本金を確保するのが一般的です。
登録免許税は収入印紙や電子納付(Pay-easy等)で納付するため、原則クレジットカード払いはできません。公的費用は収入印紙・電子納付・現金等での対応となります。一方、専門家へ支払う代行報酬や印鑑作成代、備品購入費などについては、依頼先や購入先によってクレジットカード払いに対応している場合があります。
設立コスト削減を優先するなら合同会社、社会的信用や資金調達を重視するなら株式会社が適しています。外部からの出資獲得や株式上場(IPO)を目指す場合、または対外的なブランド力を重視する場合は株式会社が適しています。初期コストを10万円以上抑えたい方や、BtoC事業、ITフリーランスの法人成りであれば合同会社も有力な選択肢となります。
法務局の審査期間自体は変わりませんが、専門家に依頼することで書類作成や補正対応の手間を大幅に削減でき、スムーズに登記申請・完了まで進められます。ご自身で一から書類を作成・提出する場合、不備の修正や手続の調べ直しで多くの時間を費やすケースが散見されます。専門家に依頼することで不備のない書類が速やかに作成され、手戻りなく申請が進行します。
この記事の監修者

吉岡 伸晃 Nobuteru Yoshioka
BIZARQグループ 代表 / 公認会計士・税理士・行政書士
大手監査法人での経験を経て、現在はスタートアップから医療法人まで幅広い企業の財務・経営戦略をサポート。事業計画策定や資金調達支援に強い。


