法人の節税対策とは?おすすめテクニック10選!

東京・新宿を拠点に全国47都道府県(フルリモート対応)で税務顧問や未来財務サポートを手掛ける、BIZARQ(ビズアーク)グループ 共同代表(公認会計士・税理士・行政書士)の吉岡伸晃です。
「せっかく利益が出たのに、法人税が高くて手元にお金が残らない…」とお悩みの中小企業経営者の方は非常に多くいらっしゃいます。
法人が支払う税金の中で、特に大きなウェイトを占めるのが法人税です。適切な節税対策を行わずにいると、利益の3割近くが税金として流出してしまうため、会社の成長スピードが鈍化してしまいます。
この記事では、法人の経営者におすすめの節税テクニック10選を紹介します。会社のお金を守り、未来への投資に回すための具体的なノウハウを、プロの視点から分かりやすく解説します。
※個人事業主や会社員の方の節税については、以下の関連記事もご参照ください。
【プロの視点】節税で黒字倒産?キャッシュを残す未来の財務戦略
具体的なテクニックを紹介する前に、税理士として絶対にお伝えしておきたい鉄則があります。それは、「節税目的で無駄なお金を使ってはいけない」ということです。
例えば、税金を100万円減らすために、不要なものを300万円分購入したとします。確かに税金は減りますが、会社の手元からは300万円のキャッシュ(現金)が消えてしまいます。これでは資金繰りが悪化し、最悪の場合は黒字倒産を引き起こしかねません。
私たちBIZARQが考える本当の節税とは、単なる「経費の増産」ではありません。役員・従業員のモチベーションを上げる福利厚生や、売上を伸ばすための広告宣伝など、「会社の未来を加速させる投資」をしながら、結果として税金も減らすというアプローチです。手元のキャッシュフローを最大化させるための全体設計こそが、次世代の節税対策なのです。
法人税の基本知識と青色申告の絶対的なメリット

まずは、法人税の仕組みと、節税の大前提となるルールを確認しましょう。
法人税は企業の所得に対して課される国税です。中小企業の場合、年間所得800万円以下の部分には15%、800万円超の部分には23.2%の税率が適用されます(大企業は一律23.2%)。これに法人住民税や法人事業税が加わると、実効税率は約30%程度となります。つまり、利益が1,000万円出ても、約300万円は税金として徴収される計算です。
節税対策の第一歩は「青色申告」にすること
法人が本格的な節税対策を行うのであれば、「青色申告」の承認を受けることが大前提となります。青色申告には、以下のような絶大な節税メリットがあります。
- 欠損金(赤字)の繰越控除
発生した赤字を、最大10年間(※平成30年4月1日以後に開始する事業年度の場合)繰り越すことができます。翌期以降に利益が出ても、過去の赤字と相殺できるため、将来の法人税を大きく抑えられます。(参考:国税庁「青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除」) - 欠損金の繰戻還付
発生した赤字を「前期」の利益と相殺し、すでに納付した前期分の法人税を還付してもらうことも可能です。 - 少額減価償却資産の特例
中小企業の場合、取得価額が「30万円未満」の備品やパソコンなどを、購入した年度に全額一括で経費(損金)に落とすことができます。
青色申告は事前の申請や正確な帳簿付けが必要ですが、それを上回るメリットがあります。白色申告のままでは節税効果に限界があるため、必ず青色申告を選択しましょう。
法人の節税対策!おすすめテクニック10選

ここからは、法人が取り入れるべき具体的な節税テクニックを10個に厳選して紹介します。
1. 役員報酬を適切な額に設定する
役員報酬は、要件を満たせば全額を損金(経費)に計上できるため、法人税を減らす効果があります。ただし、「定期同額給与(毎月同額を継続して支給し、変更は期首から3ヶ月以内に行う)」などの厳格なルールを守る必要があります。また、役員報酬を高くしすぎると、今度は役員個人の所得税や住民税、社会保険料の負担が跳ね上がります。法人と個人の税負担の合計が最も小さくなる、最適なバランスを見極めることが重要です。
2. 社宅制度を導入する
法人名義で賃貸物件を契約し、役員や従業員に「社宅」として住んでもらう制度です。法人の経費を増やせるだけでなく、従業員にとっても手取り額が増えるという双方にメリットがある手法です。ただし、役員・従業員から「一定の適正家賃」を徴収しなければ、給与として課税されてしまうため、面積や固定資産税評価額に応じた正確な家賃計算が必須となります。
3. 出張手当(日当)を導入する
出張が多い会社であれば「出張旅費規程」を作成し、出張手当(日当)を導入しましょう。交通費や宿泊費の実費とは別に、出張中の食事代や雑費の慰労として定額を支給するものです。法人側は経費で落としつつ消費税の節税(仕入税額控除)にもなり、受け取る従業員側は「非課税所得」になるという、非常に効果的なテクニックです。常識的な金額(役職に応じた数千円〜程度)に設定することがポイントです。
4. 決算賞与を支給する
決算直前に利益が大きく出そうな場合、従業員へ「決算賞与」を支給することで、当期の損金として計上できます。「事業年度終了の日までに全従業員に支給額を通知する」「決算日から1ヶ月以内に実際に支給する」といった要件を満たせば、未払いの状態でも当期の経費にできます。税金を払うくらいなら、頑張ってくれた従業員に還元して士気を高めたい経営者におすすめです。(※役員への決算賞与は原則として経費にできません)
5. 退職金制度を活用する
退職金は従業員にとって税制上非常に有利な所得であり、法人にとっても全額損金算入が可能な優れた手段です。特に「中小企業退職金共済(中退共)」や「企業型確定拠出年金(企業型DC)」を活用すれば、毎年の掛金を全額損金に落としながら、将来の退職金を着実に準備できます。中退共では国の掛金助成制度もあるため、実質的な負担をさらに軽減できます。
6. 福利厚生制度を充実させる
全従業員を対象とした福利厚生を充実させることも、素晴らしい節税対策です。健康診断の費用、社内イベント(忘年会や新年会など1人当たり5,000円程度)、資格取得の支援費用、要件を満たした社員旅行などは、福利厚生費として損金計上できます。一部の役員だけを対象とせず、社会通念上妥当な金額の範囲内で運用することが条件です。
7. 広告宣伝を活発にする
企業の認知度を高めるための広告宣伝費も、全額が経費となります。ホームページの作成、パンフレットの制作、Web広告の出稿など、未来の売上を作るための前向きな投資です。なお、中小企業は年間800万円まで「交際費」を経費にできますが、不特定多数に向けたカレンダーや手帳の配布などは「広告宣伝費」として交際費の枠外で処理できます。(参考:国税庁「交際費等の範囲と損金不算入額の計算」)
8. 保険や共済に加入する
いざという時のリスクに備えながら、掛金を経費にできる制度です。
- 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)
取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐための共済です。掛金(最大年間240万円)を全額損金に計上でき、40ヶ月以上納付すれば解約時に100%戻ってくるため、利益の繰り延べとして強力です。(参考:独立行政法人中小企業基盤整備機構「経営セーフティ共済」) - 生命保険(法人保険)
種類によって全額、または一部が損金算入されます。ただし、近年の税制改正により、かつてのような「全額損金で解約返戻率が高い」保険は制限されているため、最新のルールに則った活用が必要です。
9. 社用車(4年落ちの中古車)を購入する
営業や移動で車が必要な場合、社用車を購入することで、車両代やガソリン代、保険料などを経費にできます。特に「4年落ちの中古車」を購入した場合、定率法という減価償却の計算を用いることで、購入した初年度に車両代の多くを経費として計上できるため、突発的な利益が出た年の節税策として非常に有効です。
10. 在庫や古い器具備品を処分する
決算前に社内を見渡し、売れ残って価値が下がった不良在庫や、使っていない古いパソコン・備品があれば、思い切って廃棄しましょう。帳簿上から消し去ることで「廃棄損(除却損)」として経費に計上できます。確実に経費として認めてもらうため、廃棄業者からの「廃棄証明書」をもらっておくか、廃棄した状態の写真を証拠として残しておくことが重要です。
節税対策実施時の注意点とリスク管理(税務調査対策)

節税対策を行う上で絶対に忘れてはいけないのが、税務調査への備えです。過度な節税や、事業の実態がない架空の経費計上は「脱税」とみなされ、重加算税などの重いペナルティが課されます。
特に、役員報酬の変更タイミング、交際費と会議費・広告宣伝費の区分、出張手当の妥当性などは、税務調査で非常に厳しくチェックされます。対策を実施した際は、契約書、領収書、議事録、稟議書などの証拠(証憑書類)を体系的に保存し、「なぜこの支出が必要だったのか」を税務署に対して論理的に説明できるようにしておくことが重要です。電子帳簿保存法にも対応したクラウド会計などを導入し、日頃から透明性の高い経理体制を構築しておきましょう。
「法人の節税対策とは?」まとめ
- 節税の大前提として「青色申告」を選択し、欠損金の繰越や少額減価償却資産の特例を活用する。
- 役員報酬、出張手当、退職金制度などを整備し、法人と個人の税負担バランスを最適化する。
- 広告宣伝、福利厚生、共済への加入など、手元のキャッシュを確保しながら会社を成長させる「未来への投資」を行う。
法人の節税対策にはさまざまな手法がありますが、会社の状況やキャッシュフローに合わせて最適なものを選択し、組み合わせることが重要です。短期的な節税だけを追うと、かえって会社の体力を奪うことになりかねません。
「自社に合った節税対策を知りたい」「税負担を抑えながら資金繰りも安定させたい」とお考えの経営者様は、ぜひBIZARQにご相談ください。私たちは、税理士・弁護士・社労士の4士業連携とクラウド・DXを駆使し、過去の会計処理だけでなく「未来の経営を加速させる」次世代型のパートナーとして伴走します。
節税や財務戦略に関するご相談は、当法人の税務顧問サービスもご覧ください。税務調査対策やセカンドオピニオンに関するお悩みは、ぜひ税理士無料相談をご利用ください。
法人の節税対策についてよくある質問
決算直前でも間に合う対策としては、「決算賞与の支給(※要件を満たし通知すること)」、「30万円未満の少額減価償却資産の購入」、「不要な在庫や備品の廃棄(廃棄損の計上)」、「経営セーフティ共済への年払い加入」などが挙げられます。ただし、慌てて不要なものを買うと資金繰りが悪化するため、慎重な判断が必要です。
はい、非常に重要です。青色申告をしていれば、その年の赤字(欠損金)を最大10年間繰り越して、将来黒字になった際の利益と相殺できるためです。赤字を正確に申告しておくこと自体が、未来の強力な節税対策となります。
過去に流行した「保険料が全額経費になり、解約返戻率が極めて高い」タイプの保険は、度重なる税制改正により規制されました。現在は単純な節税商品としての魅力は薄れていますが、経営者の退職金準備や、万が一の際の事業保障(リスクヘッジ)という本来の目的と組み合わせることで、現在でも有効な経営ツールとして活用できます。
【全国フルリモート対応】
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この記事の監修者

吉岡 和樹 Kazuki Yoshioka
BIZARQグループ 共同代表
上智大学を中退後、7年間にわたり中堅会計事務所に勤務し、2014年にBIZARQ Groupの前身となる会計法人を設立。「経営のアクセルを踏む『攻め』のコンサル」を信条とし、会計・税務だけでなく経営や財務の相談に幅広く対応。創業融資やリスケジュール支援など、資金調達を通じた伴走支援で企業の成長を力強く後押ししている。事業計画の策定と銀行対応に多数の実績を持つ。








