会社設立後すぐ建設業許可の取得は可能?手続きの流れとポイント

東京・新宿を拠点に全国47都道府県(フルリモート対応)で会社設立サポートや建設業専門・税務顧問を手掛ける、BIZARQ(ビズアーク)グループ 共同代表(公認会計士・税理士・行政書士)の吉岡 伸晃です。

「会社を作ってすぐに建設業許可を取りたいが、実績がなくて不安だ」
「特定建設業を取りたいが、設立時にどのような準備が必要か分からない」

建設業での独立・法人化において、このように悩まれる方は少なくありません。結論から申し上げますと、会社としての「事業実績」がゼロであっても、要件を満たしていれば設立直後に建設業許可を取得することは十分に可能です。

しかし、会社に実績は不要でも、そこに所属する「人」や「財務」には厳格な要件が求められます。この記事では、建設業の財務と許認可に精通したBIZARQ(ビズアーク)グループの専門家が、会社設立後なるべく早く事業を開始できるよう、建設業許可を取得する流れや、見落としがちな鉄則を詳しく解説します。

会社設立の基本的な流れや手続きについては、以下の記事をご覧ください。

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会社設立から建設業許可を取得するまでの流れ

会社設立の完了後、建設業許可を取得するまでの具体的な流れを紹介します。

1. 会社設立手続きを完了させる

建設業許可の取得を行うのは会社設立後です。そのため、まずは以下の流れで会社設立を完了させる必要があります。

  • 会社概要の決定と定款作成
    事業目的や資本金など、建設業許可を見据えた内容で定款を作成・認証します。
  • 資本金の払い込みと登記申請
    出資金を振り込み、法務局で法人設立の登記申請を行います。
  • 設立後の各種手続き
    社会保険の加入、税務署への届出、法人口座の開設などを並行して進めます。(※期日が早いものもあるため、許認可の申請と並行して確実に行いましょう)

2. 取得するべき許可および要件を確認する

自社が取得するべき許可と要件を確認します。建築業許可には以下の区分があります。

  • 特定建設業と一般建設業
    発注者から直接請け負った工事1件あたりの代金が4,500万円以上(建築工事業の場合は7,500万円以上)となる下請契約を締結する場合には「特定建設業」が必要です。それに該当しない場合や、下請負人としてのみ施工する場合には「一般建設業」で問題ありません。
  • 知事許可と大臣許可
    営業所をひとつの都道府県内のみに設ける場合は「知事許可」、2つ以上の都道府県に営業所を設けるのであれば「大臣許可」が必要です。(※営業所の数ではなく都道府県をまたぐかで判断します)

3. 必要書類を集める

建設業許可の取得申請に必要な書類を集めます。法人の必要書類の一部を紹介します。

  • 主な必要書類
    建設業許可申請書、役員等の一覧表、営業所一覧表、専任技術者一覧表、工事経歴書、定款、登記事項証明書など。
  • 書類に関する注意点
    必要書類や様式は国土交通省や各自治体の手引きで確認可能ですが、地域によってローカルルールが存在する場合もあるため、不明点がある場合は早めに専門家へ問い合わせることをおすすめします。

4. 申請書類を作成し、提出する

書類に不備や漏れがあると、申請が受理されず作り直しとなり、事業開始が遅れてしまいます。許可申請の手間を最小限に抑えるため、不備を起こさないよう注意して許可行政庁へ提出します。

また、許可申請の際には以下の登録免許税または許可手数料の納入が必要です。

  • 大臣許可を新規で取得する場合: 登録免許税として15万円
  • 知事許可を新規で取得する場合: 許可手数料として9万円

内容に問題がなければ受理され、通常1~2ヶ月ほどで許可通知書を受け取ることができます。

【プロの視点】許可申請を前提とした会社設立「4つの鉄則」

許可申請や取得がスムーズに進むよう、建設業許可の申請を前提に会社を設計することが極めて重要です。

① 個人事業主時代の許可は引き継げない

個人事業主として取得済みの建設業許可を、そのまま法人へ引き継ぐことはできません。会社設立後、会社として改めて「新規」の建設業許可を取得することになります。「更新」扱いにはならないため、事業が途切れることなく許可を移行できるよう、綿密にスケジュールを組む必要があります。

② 資本金は「500万円以上」でスタートする

建設業許可には自己資本や資本金の要件があります。

  • 一般建設業
    資本金(自己資本)500万円以上
  • 特定建設業
    資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上

会社設立初年度に一般建設業を取得する場合、設立時の資本金を500万円以上にしておけば要件を即座にクリアできます。特定建設業の場合は4,000万円以上の資本設定が必要です。要件を満たしていなければ、設立後に定款の変更や増資など余計な手間とコストがかかってしまいます。

③ 銀行融資を見据えた「事業目的」の書き方

定款の事業目的に「建設工事」という包括的な一文を含めておけば、将来的に建設業許可29業種のすべてに対応でき、定款変更の手間と費用を省けます。

ただし、この記載だけでは銀行から創業融資を受ける際に「この会社は何の専門家なのか」が伝わりません。そのため、包括的な記載に加えて「内装仕上工事」「管工事」など、メインとする工事を別途具体的に記載し、金融機関へ専門性をアピールするのが「勝てる定款」の作り方です。

④ 会社設立と許可申請にかかる費用

会社設立および建設業許可の申請にかかる費用の全体像を確認し、必要な資金を大まかに把握しましょう。会社設立費用の合計は25~35万円が相場となります。

項目費用の目安備考
定款用収入印紙代4万円電子定款を利用する場合は0円(不要)です。
定款認証手数料約5万円建設業許可を取得する場合は資本金が300万円以上となるため一律5万円が目安です。
謄本手数料約2,000円1ページにつき250円です。
登録免許税15万円〜資本金額×0.7%、または15万円のいずれか大きい金額です。
専門家報酬5~10万円程度会社設立の代行を依頼する場合の相場です。

これに加えて、先述した「建設業許可の法定費用(15万円または9万円)」と「行政書士の許可申請代行費用」が別途必要になります。

最大のハードル!「人」の要件を設立前に確定させる

会社に実績は不要でも、そこに所属する「人」には厳格な要件が求められます。以下の2つは特に高いハードルとなり得るため注意が必要です。

経営業務の管理責任者(経管)の証明は「地域」で異なる

許可を取得するためには、常勤役員のうち少なくとも1人が、建設業での経営経験(法人の役員や個人事業主としての経験)を5年以上有している必要があります。

ここで注意すべきは、その経験を「どうやって証明するか」です。例えば、東京都のように審査が厳格な地域では、過去5年分の「工事請負契約書」「注文書」「請求書+入金記録」を途切れなく準備しなければなりません。一方で他の地域では、確定申告書や他の業者からの証明で認められるケースもあります。申請する地域によってルールが全く異なるため、事前の確認が必須です。

専任技術者は「資格」か「実務経験」かで戦略を変える

各営業所には、有資格者や実務経験者等の「専任技術者」を常勤で配置することが定められています。

指定の国家資格(施工管理技士など)を保有していれば実務経験に関係なく認められ、複数の業種を一人でカバーできるため事業展開に有利です。一方、資格がなく実務経験(原則10年以上)で証明する場合、「10年の経験で証明できるのは1業種のみ」となるため、将来的に多業種展開をお考えの場合は、早い段階で有資格者の採用を検討されることをお勧めします。

将来の公共工事(経審)を見据えた決算設計とクラウド会計

単に「許可を取得する」だけであれば、行政書士に依頼するだけで十分かもしれません。しかし、建設業の決算はただ税金を計算すれば良いわけではなく、将来的に公共工事への入札(経営事項審査)を検討されている場合、自己資本額や利益などの「P点」が極めて重要になります。

経審の評価は直近の決算だけでなく複数年の実績で判断されるため、「後から急にAランクに上げたい」と希望されてもすぐには対応できません。また、建設業に不慣れな税理士が過度な節税を行うと、経審の点数がガタ落ちしてしまうリスクがあります。

BIZARQグループは、税理士と行政書士が完全に連携しているため、「P点を上げるためにどう資産計上すべきか」を設立の段階から逆算してアドバイス可能です。さらに、freeeやマネーフォワード等のクラウド会計を導入し、建設業特有の原価管理や月次決算をリアルタイムで「見える化」することで、圧倒的なスピード経営を実現します。

「建設業許可と会社設立」に関するよくある質問

A.いいえ、引き継ぐことはできません。個人事業主から法人成りをする場合は、会社として改めて「新規」の許可申請を行う必要があります。ただし、個人時代の経営経験や実務経験は要件のカウントに使用できるため、事業が途切れることなく許可を移行できるよう、綿密にスケジュールを組むことが可能です。

A.資本金として登記することは可能ですが、借入金は会社の「負債」となるため、建設業許可における「自己資本が500万円以上あること」の要件を満たさなくなるリスクがあります。その場合、別途「500万円以上の残高証明書」等で資金調達能力を証明する必要があります。自己資金の割合については設立前にご相談ください。

A.はい、専任技術者は役員である必要はなく、通常の従業員(正社員)でも問題ありません。ただし、その営業所に「常勤」していることが必須条件となります。他社での雇用保険の重複や、通勤が困難な遠方に住んでいる場合などは常勤性が否定されるため注意が必要です。

A.はい、十分に可能です。現在は建設業許可においても郵送や電子申請での対応が標準化しており、お客様が地元の行政書士事務所へ何度も足を運ぶ必要はありません。むしろ、東京・新宿の最先端の節税ノウハウや融資対策を、ZoomやLINEを通じて全国どこからでも受けられるメリットをご提供しております。

A.最大の違いは「数字の整合性と目的の一致」です。税理士が「税金を安くすること(節税)」だけを考えて決算を組むと、許可の財産要件を満たせなくなったり、経営事項審査のP点が下がってしまうことが多々あります。BIZARQは同じチーム内で情報を共有するため、税務と許認可のバランスを取り、将来の目標にプラスになる「強い決算書」を設立時から作り込むことができます。

A.はい、必要です。建設業許可を取得した業者は、毎年決算日から4ヶ月以内に「決算変更届(事業年度終了届)」を提出する義務があります。BIZARQであれば、税理士が作成した決算データをグループ内の行政書士がそのまま活用してスムーズに届出を行うため、提出忘れのリスクや資料を何度もやり取りする手間が省けます。

「会社設立後すぐ建設業許可の取得は可能?」まとめ

  • 会社としての事業実績がゼロでも、要件を満たせば設立直後の許可取得は可能
  • 「経営業務の管理責任者」の証明書類は地域で異なるため、設立前の精査が必須
  • 一般建設業許可をスムーズに取るため、資本金は「500万円以上」でスタートする
  • 税務と許認可を切り離さず、将来の融資や経審(P点)を見据えた決算を組む

建設業の設立・許可・財務の課題も、BIZARQにお任せください。

建設業特有の財務戦略については、当法人の建設業専門・税務顧問サービスもご覧ください。設立や許可に関するお悩みは、ぜひ税理士無料相談をご利用ください。

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この記事の監修者

BIZARQグループ 代表 / 公認会計士・税理士・行政書士 吉岡伸晃

吉岡 伸晃 Nobuteru Yoshioka

BIZARQグループ 代表 / 公認会計士・税理士・行政書士

大手監査法人での経験を経て、現在はスタートアップから医療法人まで幅広い企業の財務・経営戦略をサポート。事業計画策定や資金調達支援に強い。

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