死後でも間に合う相続税対策とは?節税ポイントと注意点を解説!

全国47都道府県(フルリモート対応)で、税務顧問や高度な財務コンサルティングを通じて企業の成長を強力にバックアップする東京・新宿の税理士事務所、BIZARQ(ビズアーク)グループ 代表(公認会計士・税理士・行政書士)の吉岡伸晃です。

「相続税対策」と聞くと、生前贈与や養子縁組のように、被相続人がお元気なうちに行う「生前対策」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実は、ご本人の死後に残されたご家族が実施できる相続税対策も数多く存在します。適切な手続きや制度の活用を行えば、相続税の負担を適法に軽減できる可能性があります。

確実な節税効果を得るためには、各制度の適用要件だけでなく、二次相続(残された配偶者が亡くなった際の相続)を見据えたシミュレーションや、法的な注意点も必ず押さえておくべきポイントとなります。今回は、死後にできる相続税の具体的な対策方法と注意点について、専門家の視点からスピーディーに解説します。

【プロの視点】死後の相続税対策は時間との勝負!最新税制の動向にも要注意

相続税の申告・納付期限は「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内」と厳格に定められています。さらに、相続放棄や限定承認を行う場合は「3ヶ月以内」、被相続人の所得税の準確定申告は「4ヶ月以内」と、ご遺族は悲しみの中で迅速な決断を迫られるタイムリミットが連続して訪れます。死後の対策は、期限を見据えた迅速な対応が求められます。

また、近年の税制改正のトレンドにも細心の注意を払う必要があります。例えば、令和8年度税制改正大綱においては、「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」が延長されずに令和8年3月末で終了する方針が示されるなど、これまで定番とされていた生前対策の選択肢が変化しています。過去の常識が通用しなくなるケースもあるため、最新の税制を熟知した専門家の知見を活用することが重要です。

東京・新宿エリアはもちろん、全国47都道府県のお客様をフルリモートで支援する当グループでは、平均年齢33歳という機動力とChatwork・LINE等を活用した迅速なコミュニケーション体制で、期限が迫った相続案件にもスピーディーに対応します。さらに、税理士だけでなく弁護士や社会保険労務士がワンチームとなっているため、遺産分割に伴う法務トラブル(争族)のリスクも未然に防ぐ「攻めと守りのサポート」を提供できるのが強みです。

死後に実施できる相続税の節税対策7つのアプローチ

被相続人の死後に実施できる相続税の節税対策として、有効な7つの手法を解説します。

各種控除・特例制度の漏れなき適用

控除制度や特例の活用は、税負担を適正な範囲に抑えるための最重要アプローチです。相続税の控除制度は効果が大きい傾向があるため、適用対象となる制度を見落とさないよう徹底的な確認が求められます。代表的な控除・特例制度には以下のものがあります。

  • 未成年者控除
    相続人が未成年の場合に、成人(18歳)に達するまでの年数に応じて一定額(1年につき10万円)を相続税額から直接控除できます。
  • 相次相続控除
    今回の相続開始前10年以内に、被相続人が別の相続(一次相続)で財産を取得し相続税を納めていた場合、一定の金額を今回の相続税額から控除できる制度です。
  • 贈与税額控除
    生前贈与等で既に納めていた贈与税がある場合に、二重課税を防ぐため、加算された財産に対応する贈与税額を相続税額から差し引くことができます。
  • 小規模宅地等の特例
    被相続人の自宅や事業用に使われていた宅地等を要件を満たす相続人が取得した場合、特定居住用宅地等であれば330㎡まで、特定事業用宅地等であれば400㎡まで、その土地の評価額を最大80%減額できる効果の高い制度です。

これらの特例は自動的に適用されるものではなく、申告期限内に適切な添付書類を添えて相続税申告を行うことが必須条件となります。

葬式費用・債務の正確な控除

被相続人が残した借入金や未払金などの「債務」、およびお亡くなりになった際の「葬式費用」は、プラスの相続財産から差し引く(控除する)ことができます。これを「債務控除」と呼びます。

特に見落としがちなのが葬式費用です。何が控除の対象となり、何が対象外となるのかを正確に仕分けることが節税の第一歩です。(参考:国税庁「No.4126 相続財産から控除できる債務」

費用の種類相続財産から控除できる費用(対象)相続財産から控除できない費用(対象外)
葬儀関連お通夜・告別式の費用、飲食代、葬儀場までの交通費香典返しにかかった費用、初七日や四十九日などの法要費用
宗教・手伝いお布施、読経・戒名料、運転手や手伝いへの心付け墓地や墓石の購入費、墓地の借入金
搬送・埋葬遺体や遺骨の搬送費、火葬・埋葬・納骨にかかる費用医学上または裁判上の特別の処置に要した費用

土地の評価の適正な見直し

財産を適正に評価することは極めて重要です。中でも評価の難易度が高く、税理士の実績によって評価額に差が出やすいのが「土地」です。土地は以下のような個別要因によって評価額を減額できる可能性があります。

  • 形が歪な土地(不整形地)
  • 一定以上の広さを持つ広大地(地積規模の大きな宅地)
  • 道路に接していない、または接している道路に路線価がついていない土地
  • 前面道路の幅が狭い、または間口が狭い土地
  • ハザードマップで危険地域(土砂災害警戒区域等)に指定されている土地
  • 高低差がある、または有効活用しにくい物理的要因を持つ土地

本来適用できるはずの減額補正を見落として高い評価額で申告・納付してしまった場合、税務署から指摘を受けることは原則としてないため適正な評価が求められます。不動産を活用した相続対策の詳細は、以下の関連記事もご参照ください。
不動産が相続税対策になる?メリットと注意点について解説!

土地の分筆による評価減戦略

一つの大きな土地を複数の小さな土地に分ける「分筆(ぶんぴつ)」は、有効な手段となる可能性があります。それぞれの土地の形状や接道状況が変わり、不整形地補正や間口狭小補正などの評価減を適用しやすくなるためです。また、分筆した土地ごとに「居住用」や「事業用」といった異なる用途を設定し、相続人別々に分割することで、「小規模宅地等の特例」の適用限度面積を有効に引き出すことも考えられます。

ただし、単に税負担を減らす目的だけの不合理な分割とみなされると税務調査で否認されるリスクがあるため、例えば建物の敷地と駐車場の敷地をフェンス等で明確に区分するなど、利用単位が明確に区分される合理的な実態が必要です。さらに、測量費や登記費用などのコストがかかるため、節税効果と費用のバランスをプロの目線で見極める必要があります。

死亡保険金・死亡退職金の非課税枠活用

生命保険の死亡保険金や、勤務先からの死亡退職金は、民法上の相続財産ではなく受取人の固有財産となりますが、税法上は「みなし相続財産」として相続税の課税対象に含められます。

しかし、これらの財産には残された家族の生活保障という側面があるため、それぞれに以下の「非課税枠」が設けられています。

  • 死亡保険金の非課税枠 = 500万円 × 法定相続人の数
  • 死亡退職金の非課税枠 = 500万円 × 法定相続人の数

法定相続人の数には、相続放棄をした人がいても「放棄がなかったもの」として計算に含めることができます。また、養子がいる場合、実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までを法定相続人の数に含めることができるといったルールがあります。非課税枠を利用できるのは受取人が「法定相続人」である場合に限られる点に注意が必要です。

相続財産の寄付による課税対象額の圧縮

被相続人の遺志や相続人全員の合意に基づき、申告期限までに国や地方公共団体、一定の要件を満たす公益法人等(認定NPO法人など)へ相続財産を寄付した場合、その寄付した財産は相続税の課税対象から除外(非課税)される特例制度(租税特別措置法第70条)があります。

生前に寄付を行う場合と異なり、相続発生後に遺族が寄付を行うことで、社会貢献を果たしながら課税対象となる遺産総額そのものを直接圧縮することが可能です。これにより、結果として相続税額を引き下げる効果が期待できます。なお、本特例の適用を受けるためには、相続税の申告期限(死亡後10ヶ月以内)までに寄付の手続きを完了させ、申告書に所定の領収書や証明書類を添えて税務署へ提出する必要があります。

配偶者居住権の活用と二次相続対策

「配偶者居住権」は、2020年4月から施行された制度です。被相続人の配偶者が、亡くなった方の所有していた自宅に、終身または一定期間、無償で住み続けることができる権利を保障します。

この制度を活用すると、自宅の評価額が「配偶者居住権(住む権利)」と「負担付所有権(建物の所有権)」に分離されます。配偶者が居住権を取得し、子どもが所有権を取得する形をとることで、配偶者の死亡時(二次相続時)において、配偶者居住権は消滅するため相続財産にカウントされず、結果として子ども世代が負担する二次相続の税額を軽減できる可能性があります。
配偶者居住権で相続税を節税できる?ポイントと注意点を解説!

配偶者の税額軽減を最大限に活用する戦略と落とし穴

死後の相続対策として高い効果が期待できるのが「配偶者の税額軽減(配偶者控除)」です。この制度を利用すると、配偶者が取得した正味の遺産額が「1億6,000万円」まで、あるいは「配偶者の法定相続分相当額」までのどちらか大きい金額まで、配偶者にかかる相続税が非課税となります。

しかし、一次相続(今回)で配偶者に財産を集中させて税額をゼロにした結果、配偶者が亡くなった際の「二次相続」で、残された子どもたちに想定以上の相続税がのしかかるという落とし穴が存在します。

相続税の基礎控除額は「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」(※法定相続人の数に含める養子の数には制限があります)で計算されます。一次相続で配偶者が相続した場合、二次相続時には法定相続人が1人(配偶者)減るため、基礎控除額が600万円下がります。さらに配偶者の税額軽減そのものが使えなくなるため、課税されやすくなります。

そのため、当グループの「未来財務サポート」のノウハウを活かし、一次相続と二次相続のトータルの税負担をシミュレーションした上で、最適な遺産分割割合を決定することが重要となります。

死後に相続税対策を行う際の重要なポイント・注意点

ここからは、手続きを進める上で留意すべき注意点とリスクを解説します。

相続開始前7年以内の贈与に対する加算措置

相続開始前に被相続人から暦年贈与等で取得した財産がある場合、一定期間内の贈与財産は相続税の計算に持ち戻して加算しなければならないというルールがあります。この加算期間が、令和5年度税制改正により段階的に延長されています。

制度の適用時期持ち戻し(加算)の対象期間緩和措置の内容
令和5年12月31日以前の贈与相続開始前「3年以内」の贈与分なし
令和6年1月1日以降の贈与相続開始前「7年以内」の贈与分へ段階的に延長延長された4年間(相続開始前4〜7年)に受けた贈与については、総額100万円まで加算対象外

この延長により、過去にさかのぼって贈与記録を正確に精査する負担が増加しています。持ち戻し計算を漏らしてしまうと過少申告となり、ペナルティの対象となる恐れがあるため注意が必要です。詳細な要件については、公的機関の情報も併せてご確認ください。
(参考:国税庁「令和5年度 相続税及び贈与税の税制改正のあらまし」

特例・控除適用に向けた期限内申告の必須性

「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」は、適用することで大幅に軽減されるケースもあります。

しかし、最大の注意点は「納税額がゼロであっても、申告期限(10ヶ月以内)までに相続税の申告書を税務署へ提出しなければ、原則として特例の適用自体が認められない」という点です。無申告のまま放置すると、特例が適用されない高い税額をベースに、無申告加算税等のペナルティが課される可能性があります。

もし遺産分割協議がまとまらず、期限内の申告に間に合わない場合は、実務対応として「法定相続分で一旦申告・納税を行い、分割確定後に更正の請求を行って特例を適用する」という流れをとるのが原則です。その際、申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出しておくことで、後日遺産分割が確定した日の翌日から4ヶ月以内に「更正の請求」を行い、納めすぎた税金の還付を受けることが可能になります。

専門家への相談におけるタイミングと総合力の重要性

相続が発生した後は、四十九日の法要や預金口座の凍結解除など無数の手続きに追われます。そのため、遅くとも被相続人の死亡後1〜2ヶ月以内には、相続に強い税理士へ初回相談を行うのが理想的です。

また、相続対策の手段として、不動産管理会社の設立など法人を活用したスキームの検討が有効な場合もあります。
相続税対策の会社設立は有効?メリットと注意点について解説!

さらに、相続税申告には「税務」だけでなく、遺産分割協議書の作成(法務)など複数の士業領域が絡み合います。個別の事務所をたらい回しにされることなく、ワンストップで課題を解決できる体制を持つ専門家を選ぶことが、ご遺族の精神的・時間的負担を軽減するポイントとなります。

「死後でも間に合う相続税対策」まとめ

  • 各種控除・特例制度の漏れなき適用
    小規模宅地等の特例や葬式費用の控除などを適正に活用することが重要です。
  • 二次相続を見据えた遺産分割
    配偶者居住権の活用や土地の分筆など、将来の税負担まで考慮した長期的視点での分割が求められます。
  • 特例適用のための期限内申告
    特例の適用には期限内の申告が必須となり、未分割の場合も手続きが必要なため、速やかに総合力のある税理士へ相談しましょう。

東京・新宿をはじめ全国47都道府県の相続税申告や二次相続対策でお悩みなら、税務・法務・労務をワンストップで解決する「BIZARQ(ビズアーク)グループ」へお任せください。若さとITを駆使した実行力で、ご遺族の負担を軽減し、適正な手続きをサポートいたします。詳しくは当法人の税務顧問ページをご覧ください。ご相談は、以下の税理士無料相談窓口よりいつでもお気軽にお問い合わせください。

死後でも間に合う相続税対策に関するよくある質問

A.相続税の申告・納付期限は「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内」です。財産調査や遺産分割協議には時間がかかる傾向があるため、四十九日法要が終わった直後、遅くとも死後1〜2ヶ月以内には専門家への相談を開始されることをお勧めします。

A.原則として、香典返しにかかった費用や、初七日・四十九日などの法要にかかった費用は、相続財産から控除することができません。また、墓地や墓石などの購入費用も控除の対象外となります。控除できるのはお通夜や告別式、火葬・埋葬にかかった「通常葬式にかかせない費用」などに限られます。(参考:国税庁「No.4126 相続財産から控除できる債務」

A.はい、全く問題ありません。私たちBIZARQ(ビズアーク)グループは、全国47都道府県のお客様をフルリモート体制で支援しています。ZoomやLINEなどのオンラインツールを駆使し、東京・新宿の最先端の税務・法務ノウハウを、距離の壁を感じさせることなくご提供いたします。

この記事の監修者

BIZARQグループ 代表 / 公認会計士・税理士・行政書士 吉岡伸晃

吉岡 伸晃 Nobuteru Yoshioka

BIZARQグループ 代表 / 公認会計士・税理士・行政書士

大手監査法人での経験を経て、現在はスタートアップから医療法人まで幅広い企業の財務・経営戦略をサポート。事業計画策定や資金調達支援に強い。

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