IT導入補助金とは?個人事業主も利用できる?概要と申請方法について解説!

全国47都道府県(フルリモート対応)で、IT導入支援や資金調達サポートを通じて企業の成長を強力にバックアップする東京・新宿の税理士事務所、BIZARQ(ビズアーク)グループ 共同代表の吉岡和樹です。
IT導入補助金とは、小規模事業者などのITツール導入支援を目的とした補助金です。現在、複数の申請区分が設けられており、それぞれ補助の対象や割合、ツールの要件などが細かく異なります。そのため、まずは自社の課題や目的に合った申請区分を正しく選ぶことが最初の第一歩となります。
今回は、IT導入補助金の概要や5つの申請区分の詳細、そして具体的な申請方法(8つのステップ)について分かりやすく解説します。一部の枠を除き、中小企業だけでなく要件を満たせば個人事業主でも利用可能です。
※会社設立時に利用できるその他の補助金については、以下の記事もぜひご参照ください。
【プロの視点】IT導入補助金はツール選びよりパートナー選びで決まる
各枠の解説に入る前に、専門家として経営者の皆様にお伝えしたい鉄則があります。それは、「IT導入補助金は、どのツールを入れるかよりも、どの『IT導入支援事業者』と組むかで成否が分かれる」ということです。
この補助金は、自社だけで勝手に申請することはできず、必ず国に登録された「IT導入支援事業者」と共同で申請・導入を進めるルールになっています。ここで、単にソフトを売って終わりにするような業者を選んでしまうと、導入後に現場のスタッフが使いこなせず、結果的に無駄な投資になってしまうケースが後を絶ちません。
私たちBIZARQが考える本当のDX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、ツールを入れることではなく、それを使って「未来の経営を加速させる(生産性を上げ、利益を残す)」ことです。会社の財務や業務フロー全体を理解している専門家をパートナーに選ぶことが、補助金を最大限に活かす絶対条件です。
IT導入補助金とは?5つの申請区分の詳細
現在、IT導入補助金には5つの申請区分が設けられています。それぞれの対象経費や補助率を整理してみていきましょう。
1. 通常枠
自社の課題に合ったITツールを導入し、業務効率化や売上アップを目指すための基本的な申請枠です。
要件として、「顧客対応・販売支援」「決済・債権債務・資金回収管理」「供給・在庫・物流」「会計・財務・経営」「総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システム」「その他業務固有」という6つの業務プロセスのうち、1種類以上を保有するソフトウェアであることが求められます。(※汎用・自動化・分析ツール単体での申請はできません)
- 補助率
2分の1以内 - 補助額
保有プロセスが1つ以上の場合は「5万円以上〜150万円未満」、4つ以上の場合は「150万円以上〜450万円以下」 - 対象経費
ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、拡張機能やセキュリティなどのオプション、導入コンサルティングや保守サポート等の役務
2. インボイス枠(インボイス対応類型)
インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフトや、それに付随するハードウェア(パソコンやレジなど)の導入を支援する枠です。
【ソフトウェアの場合】
- 補助額50万円以下
補助率4分の3以内(※小規模事業者は5分の4以内) - 補助額50万円超~350万円以下
補助率3分の2以内
【ハードウェア等の場合】
- PCやタブレット等
補助率2分の1以内(上限10万円) - レジや券売機等補
助率2分の1以内(上限20万円)
インボイス制度に対応し、かつ「会計・受発注・決済」のいずれかの機能を1種類以上有するソフトウェアの導入が必須となります。
3. インボイス枠(電子取引類型)
取引における「発注者」側がインボイス対応の受発注ソフトを導入し、そのアカウントを「受注者(下請けの小規模事業者など)」に対して無償で利用させる取り組みを支援する制度です。
- 補助率
中小企業・小規模事業者は3分の2以内、その他の事業者は2分の1以内 - 補助額
350万円以下(下限なし)
4. セキュリティ対策推進枠
サイバー攻撃などのインシデントに関するリスク低減を支援する枠です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載され、かつITツール登録されているサービスの利用料(最大2年分)などが対象となります。
- 補助率
2分の1以内 - 補助額
5万円以上〜100万円以下
5. 複数社連携IT導入枠
業務上のつながりをもつ「サプライチェーン」や、特定の商圏で事業を営む「商業集積地(商店街など)」に属する複数の中小企業・小規模事業者が、連携してITツールを導入する取り組みを支援する枠です。制度の性質上、補助率や経費が細かく区分されているため、個別の確認が必要になります。
IT導入補助金の申請方法(8つの工程)

IT導入補助金の申請フローは大きく8つの工程に分けられます。(※複数社連携IT導入枠を除く)
① 制度の概要を把握し申し込む枠を決める
まずは自社に適した申請区分を選びます。制度が複雑なため、IT導入補助金に詳しい専門家のサポートを受けるのが確実です。
② 申し込みに際して必要な手続きを行う(事前準備)
申請の前に、以下の3つの手続きを済ませておく必要があります。
- gBizIDプライム アカウントの取得
行政の各種サービスにログインするための共通IDです。取得に時間がかかる場合があるため早めに手続きしましょう。 - 「SECURITY ACTION」宣言の実施
情報セキュリティ対策に取り組む旨の自己宣言(1つ星または2つ星)を行います。 - 「みらデジ経営チェック」の実施
経営課題やデジタル化の状況を確認し、課題解決に向けた気付きを見つけるためのWebサービスです。
③ IT導入支援事業者およびITツールを選定する
IT導入補助金の公式ポータルサイト等も活用しながら、自社の課題解決に最適なITツールと、伴走してくれる「IT導入支援事業者」を選定します。
④ 必要書類を用意し交付申請を行う
IT導入支援事業者から「申請マイページ」への招待を受け、アカウントを開設します。要項に従って必要書類を提出し、共同で交付申請を行います。その後、審査結果を待ちます。
⑤ 【最重要】ITツールの発注・支払いを行う
審査を通過し、「交付決定通知」が届いてから、初めてITツールの契約・発注・支払いを行います。交付決定前に発注や支払い等の手続きを進めてしまうと、補助金の対象外となってしまうため絶対に注意してください。
⑥ 事業実績を報告する
ツールの納品や支払いが完了したら、その証拠となる証憑(請求書や振込明細など)を申請マイページから提出します。IT導入支援事業者が内容を確認した後、事務局へ「事業実績報告」として提出します。
⑦ 補助金が交付される
実績報告の内容が審査され、補助金額が確定すると、マイページ上で確認できるようになります。その後、指定した口座へ補助金が振り込まれます。
⑧ 事業実施効果を報告する
補助金を受け取った後も、所定の期限内に「事業実施効果報告」を行う義務があります。導入したツールによって生産性がどう変化したかなどをマイページから入力し、支援事業者の確認を経て提出します。
「IT導入補助金とは?」まとめ
- 通常枠やインボイス枠など複数の区分があり、対象経費が異なる。要件を満たせば個人事業主も利用可能。
- 申請前に「gBizIDプライム」の取得や「みらデジ経営チェック」などの事前準備が必須。
- 補助の対象になるのは「交付決定後」に行われた発注・支払いのみ。事前の契約は対象外となるため要注意。
ITツールの導入は、日々の業務効率化だけでなく、経営状態をリアルタイムで可視化し、未来の戦略を立てるための強力な武器になります。しかし、補助金制度は複雑であり、自社だけで要件を読み解き申請を完遂するのは非常に困難です。
「自社に合ったツールを提案してほしい」「面倒な申請手続きをプロにサポートしてほしい」とお考えの経営者様は、ぜひBIZARQにご相談ください。私たちは「経営のアクセルを踏む攻めのコンサル」として、ツール導入から資金調達、その後の財務改善までを見据えた本質的なDXをワンストップでサポートします。
IT導入による業務効率化や資金調達については、当法人のクラウド会計導入サポートもご覧ください。補助金の活用や自社に最適なシステムに関するお悩みは、ぜひ税理士無料相談をご利用ください。
IT導入補助金についてよくある質問
基本的には個人事業主も対象となりますが、「インボイス枠(電子取引類型)」の発注者になる場合など、一部の要件や申請区分において個人事業主では要件を満たしにくい、あるいは対象外となるケースもあります。自社の業態でどの枠が使えるか、事前にIT導入支援事業者へ確認することをおすすめします。
いいえ、パソコンやタブレットといった「ハードウェアのみ」の購入ではIT導入補助金は使えません。インボイス対応の会計ソフトや受発注システムなどの「ソフトウェアの導入」とセットで申請する場合に限り、インボイス枠を活用してパソコンやレジなどのハードウェアも補助の対象に含めることができます。
適用できません。IT導入補助金は、原則として「新たに導入するITツール」が対象であり、補助金の『交付決定通知』を受けた後に契約・発注・支払いを行ったものだけが補助対象となります。すでに導入済みのツールや、交付決定前に支払ってしまったものは対象外となるためご注意ください。
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この記事の監修者

吉岡 和樹 Kazuki Yoshioka
BIZARQグループ 共同代表
上智大学を中退後、7年間にわたり中堅会計事務所に勤務し、2014年にBIZARQ Groupの前身となる会計法人を設立。「経営のアクセルを踏む『攻め』のコンサル」を信条とし、会計・税務だけでなく経営や財務の相談に幅広く対応。創業融資やリスケジュール支援など、資金調達を通じた伴走支援で企業の成長を力強く後押ししている。事業計画の策定と銀行対応に多数の実績を持つ。






