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私募債とは?種類や活用方法、メリット・デメリットを解説!

全国47都道府県(フルリモート対応)で、最適な資金調達サポートを通じて企業の成長を強力バックアップする東京・新宿の税理士事務所、BIZARQ(ビズアーク)グループ 共同代表の吉岡和樹です。
企業の成長を加速させるためには、手元の資金(キャッシュ)をいかに確保し、戦略的に投資していくかが生命線となります。しかし、一般的な金融機関からの借入だけでは限度額や担保の壁にぶつかり、資金調達の選択肢が行き詰まってしまうケースも少なくありません。そこで注目されるのが「私募債(しぼさい)」という資金調達手法です。
私募債は、特定の投資家や金融機関に直接引き受けてもらう社債であり、条件設定の自由度や対外的な信用力向上といった独自のメリットを持っています。一方で、償還時の一括返済といったリスクも伴うため、自社の状況に合った活用方法を正しく理解することが重要です。
本記事では、これまで累計8億円超の資金調達を支援してきた専門家の視点から、私募債の概要や種類、メリット・デメリット、そして成功に導くための財務戦略を徹底解説します。自社の成長ステージに応じた調達方法全体について知りたい方は、以下の関連記事もあわせてご覧ください。
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【プロの視点】私募債は未来の経営計画を描ける企業だけが使うべき強力な武器

私募債の解説に入る前に、資金調達の最前線で数多くの企業を支援してきた私たちBIZARQグループからの結論をお伝えします。それは、「私募債は、5年後、10年後の明確な出口戦略(償還計画)を描ける企業にとって、最大の効力を発揮する武器である」ということです。
2026年現在、金融環境は大きな転換点を迎えています。金利のある世界へと移行し、金融機関の融資審査も過去の決算書だけでなく、将来の事業性評価へとシフトする傾向があります。こうした環境下において、まとまった資金を調達でき、毎月の支払いを利息のみに抑えられるケースもある私募債は、企業にとって非常に魅力的です。
しかし、現場の実務感覚から申し上げると、私募債の最大の注意点は「満期時の一括返済」にあります。調達した数千万、数億円の資金を事業に投資し、償還期限(例えば5年後)までに元本以上のキャッシュを生み出す事業構造を構築できていなければ、資金繰りが急激に悪化する恐れがあります。金融機関の融資のように、厳しい時のリスケジュール(返済条件の変更)に応じてもらうことは原則として困難な傾向にあります。
だからこそ、過去の会計処理をまとめるだけの税理士ではなく、未来の数字を共に設計し、投資対効果をシビアに測定できる「未来財務サポート(社外CFO機能)」の存在が不可欠です。東京・新宿エリアをはじめ、全国47都道府県で成長を目指す経営者の皆様には、私募債という手段ありきで考えるのではなく、「その資金を使ってどう未来のキャッシュフローを最大化するか」という事業計画を徹底的に練り上げることを強くお勧めします。
私募債とは?公募債との決定的な違い
私募債とは、金融機関や特定少数の投資家に引き受けを依頼して発行する社債のことです。企業が事業資金を集めるための有力な資金調達方法の一つとして位置づけられています。
社債は、募集の対象によって大きく「公募債(こうぼさい)」と「私募債」の2つに分類されます。公募債とは、証券会社を通じて広く一般の投資家から資金を集める社債です。上場企業などの大規模な企業が数十億から数百億円という高額な資金を調達するのに向いていますが、有価証券届出書の提出義務や社債管理者の設置など、発行手続きが非常に煩雑であり、手数料などのコストも高くつきます。
一方で、私募債は対象を特定の少数に絞るため、公募債のような厳しい情報開示義務が免除され、発行手続きが簡便です。それぞれの違いを以下の表にまとめました。
| 比較項目 | 私募債 | 公募債 |
|---|---|---|
| 募集対象 | 特定少数の投資家、金融機関等 | 不特定多数の一般投資家 |
| 調達規模 | 比較的小規模〜中規模(数千万〜数億円) | 大規模(数十億〜数百億円) |
| 発行手続き | 簡便(有価証券届出書が原則不要) | 厳格(有価証券届出書の提出が必要) |
| 発行コスト | 低め(社債管理者の設置不要等) | 高い(証券会社への手数料、専門家報酬等) |
| 適した企業 | 中小企業・スタートアップ | 上場企業・大企業 |
このように、私募債は中小企業が市場から機動的に資金を調達するための現実的な選択肢となります。
私募債の主な3つの種類と特徴

私募債は、誰に引き受けてもらうか、誰が保証するかによって、主に3つの種類に分けられます。自社の信用力や調達希望額に応じて適切な種類を選択することが重要です。
少人数私募債縁故者向けの柔軟な設計
少人数私募債とは、6ヵ月の通算で50人未満の少人数に対して直接募集をかける私募債です。家族、知人、取引先、役員といった企業と関わりの深い狭い範囲に購入してもらうケースが多いことから、「縁故債」とも呼ばれます。
大きな特徴として、金融商品取引法に基づく有価証券届出書や有価証券報告書の提出が不要であり、担保および保証人も原則として設定しないケースが多いです。また、利率や償還期間などの条件を企業側で自由に設計できる点も魅力です。
ただし、これらの手軽なメリットを享受するためには、発行総額を1億円未満に抑えるのが一般的です。1億円以上となると法的な義務が発生し、手続きが煩雑になる傾向があります。さらに、発行後も常に所有者が50人未満であることを維持しなければならないため、無断で転売されないよう「譲渡制限」を付す必要があります。
銀行保証付私募債銀行の審査を通過した優良企業の証
銀行保証付私募債とは、発行会社が社債を発行し、投資家がそれを引き受け、銀行は保証人および財務代理人等として関与する私募債です。
企業側のメリットとしては、銀行が財務代理人等となり、発行手続きや期中の管理業務を支援するケースが一般的であるため、事務負担が大幅に軽減される点です。一方で、銀行がリスクを負って保証するため、当然ながら銀行による厳格な審査基準を通過しなければなりません。財務体質が健全で、安定した収益力を持つ企業でなければ発行のハードルは高いといえます。また、事務手数料や保証料などのコストが借入金以上に発生する場合がある点には留意が必要です。
信用保証協会保証付私募債保証制度を活用した資金調達
信用保証協会保証付私募債は、銀行と各都道府県の信用保証協会が共同で元利金の支払いを保証する私募債です。作業の多くは銀行保証付私募債と同様に銀行が引き受けますが、信用保証協会の保証制度を利用し保証リスクを分担することで、企業の多様な資金調達を支援する枠組みとなっています。
国や公的機関も中小企業の資金調達の多様化を支援しており、中小企業庁の公式サイト等でも、中小企業施策利用ガイドブック(特定社債保証制度など)としてその仕組みが紹介されています。ただし、銀行の手数料に加えて信用保証協会への保証料も支払う必要があるため、トータルでの調達コストが割高になる傾向があります。
企業が私募債を発行する5つのメリット
中小企業が通常の銀行融資ではなく、あえて私募債を選択することには明確なメリットがあります。ここでは代表的な5つの利点を解説します。
資金調達手段の多様化使途や条件が自由
私募債の大きなメリットは、資金調達のポートフォリオを多様化できる点です。通常の銀行融資では「設備資金」や「運転資金」といった厳格な資金使途が求められ、見積書や事業計画通りに資金を使うことが義務付けられます。
しかし、少人数私募債等においては資金使途の自由度が比較的高い傾向にありますが、保証付き私募債では金融機関等の審査において資金使途が確認されます。そのうえで、新規事業への投資や研究開発、M&Aの資金など、企業の戦略に合わせて自由に活用できるケースがあります。また、償還期限に一括返済する仕組みを利用すれば、期間中は利息の支払いのみとなるため、手元のキャッシュフローを潤沢に保ったまま事業を加速させることが可能です。
発行手続きが簡便公募債に比べてスピーディー
同じ社債であっても、公募債に比べて私募債は発行手続きが圧倒的に簡便です。少人数私募債であれば自社内での手続きで完結でき、銀行保証付私募債や信用保証協会保証付私募債であれば、専門的な事務手続きの大部分を銀行等に一任できます。スピード感が求められるスタートアップ企業や、急なM&A案件が舞い込んだ際など、迅速に資金を確保したい場面で非常に有効な手段となります。
調達コストの抑制少人数私募債ならではの強み
公募債を発行する場合、証券会社への引受手数料、有価証券届出書の作成に関わる弁護士や公認会計士への専門家報酬、社債管理者の設置コストなど、膨大な費用が発生します。私募債ではこれらのコストが原則不要となるため、資金調達にかかる諸経費を低く抑えることができます。
ただし、これは少人数私募債の場合に顕著であり、銀行保証付等の場合は手数料や保証料が発生するため、通常の融資とトータルコストを比較検討する必要があります。
信用力の向上対外的なアピール効果
銀行保証付私募債や信用保証協会保証付私募債を発行できたという事実は、それ自体が強力なPR材料となります。なぜなら、「銀行や保証協会の厳しい財務審査をクリアした優良企業である」という客観的な証明になるからです。
取引先からの信用獲得、新規顧客の開拓、さらには優秀な人材を採用する際のアピールポイントとしても機能し、企業のブランドイメージ向上に直結します。地方銀行などでは、SDGsや地域貢献をテーマにした私募債の発行を引き受けており、新聞やメディアで発行の事実が取り上げられることも少なくありません。
担保・保証人が原則不要資産の有効活用が可能
少人数私募債等においては不動産などの担保や経営者個人の連帯保証人を設定しないケースが多い一方で、保証付き私募債では金融機関等の審査内容によって担保や追加条件が求められる場合があります。
しかし、原則として無担保で発行できるケースも多いため、経営者は保証債務の重圧から解放され、よりアグレッシブに事業展開を図ることができます。また、自社の不動産などを担保に入れていないため、別途、通常の銀行融資を申し込む際の担保余力として温存しておくことができます。私募債と銀行融資を並行して活用することで、企業全体としてより高額な資金調達を実現することが可能になります。
私募債を発行する前に知っておくべきデメリットと注意点

メリットが多い私募債ですが、活用にあたっては致命傷になりかねないデメリットやリスクも存在します。導入前に以下の点に必ず留意してください。
調達額の限界超大型の資金調達には不向き
私募債は、公募債のように市場から無尽蔵に資金を集められるわけではありません。少人数私募債の場合は、規制の手間を省くために総額1億円未満に設定するのが実務上のセオリーです。また、保証付き私募債では、保証制度の利用限度額や金融機関の審査内容などが調達可能額に影響します。そのため、数十億円単位の超大型の資金調達が必要なフェーズに入った企業にとっては、調達規模の面で限界が生じる可能性があります。
一括返済のリスク償還時の資金繰り計画が必須
私募債の最大の注意点は、元金返済方法が原則として一括返済のみであるという点です。例えば、5,000万円の私募債を5年満期で発行した場合、5年間は利息の支払いだけで済みますが、5年後に突如5,000万円の現金を用意する必要があります。
通常の銀行融資であれば、業績が悪化した際に毎月の返済額を減らしてもらう「リスケジュール(条件変更)」の交渉の余地がありますが、私募債においてリスケジュールは原則不可能です。満期日に一括返済できなければ、債務不履行(デフォルト)となり、企業の信用や存続に重大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、毎年利益から計画的に積立(減債基金など)を行うか、償還に合わせて別の資金調達(借り換え)を行うなど、高度な未来財務の設計が強く求められます。
法務・税務リスク勧誘人数の制限や源泉徴収の事務負担
私募債を発行するうえで、見落としがちなのが法務面と税務面の実務的リスクです。
少人数私募債の要件である「50人未満」は、実際の購入者数ではなく「勧誘した人数」を指します。そのため、無差別に声をかけると公募扱いとなる法務リスクがある点には十分注意する必要があります。また、利息を投資家に支払う際、企業側で所得税等の源泉徴収を行い、税務署へ納付する事務負担(税務リスク)が発生します。手続きを怠るとペナルティの対象となる恐れがあるため、事前に税理士へ確認しておくことが推奨されます。
「私募債とは?種類やメリット・デメリット」まとめ
- 私募債は条件設定の自由度が高く手続きが簡便
少人数私募債等においては資金使途の自由度が比較的高い傾向にあります。 - 保証付私募債は企業の信用力向上に直結する
厳しい審査を通過した証となり、対外的なブランド力が高まります。 - 満期時の一括返済に向けた緻密な計画が必須
リスケジュールができないため、確実なキャッシュフローを生む事業計画と財務サポートが不可欠です。
東京・新宿をはじめ全国の資金調達や創業融資でお悩みなら、BIZARQ(ビズアーク)グループへご相談ください。私たちは単なる手続きの代行ではなく、過去の処理にとどまらず「未来の経営を加速させる」次世代型パートナーとして、4士業連携のワンストップ体制で貴社をサポートします。平均年齢33歳の機動力で、全国47都道府県の皆様へフルリモートにてスピーディーに対応いたします。資金繰りや財務戦略にご不安がある方は、ぜひ一度当法人の資金調達・創業融資サポートをご検討いただき、以下の税理士無料相談窓口よりお気軽にお問い合わせください。
私募債に関するよくある質問
取締役や従業員、その親族、取引先など、会社と密接な関係がある人が中心となります。不特定多数に対する勧誘(新聞広告など)を行うと公募扱いとなるため、あくまで縁故者など直接アプローチできる範囲に限定する必要があります。なお、「勧誘した人数」が50人未満である必要があり、実際の購入者数ではない点に注意が必要です。
銀行保証付や信用保証協会保証付の私募債は、過去の決算書に基づく厳格な審査があるため、創業直後や赤字の企業が利用するのは困難な傾向にあります。ただし、少人数私募債であれば、自社のビジネスモデルに共感してくれる縁故投資家を見つけることができれば、創業期であっても発行することは可能です。
私募債の利息を支払う際は、企業側で源泉徴収を行い、税務署へ納付する事務負担が発生します。この手続きを怠ると税務上のペナルティを受ける恐れがあるため、事前に税理士などの専門家に確認しておくことが重要です。
銀行融資のようなリスケジュールはできず、債務不履行(デフォルト)となります。企業の存続に重大な影響を及ぼす可能性があるため、満期を見据えた事業計画と、万が一に備えた借り換え(リファイナンス)の準備を、専門家と共に計画的に進めておくことが強く求められます。
この記事の監修者

吉岡 和樹 Kazuki Yoshioka
BIZARQグループ 共同代表
上智大学を中退後、7年間にわたり中堅会計事務所に勤務し、2014年にBIZARQ Groupの前身となる会計法人を設立。「経営のアクセルを踏む『攻め』のコンサル」を信条とし、会計・税務だけでなく経営や財務の相談に幅広く対応。創業融資やリスケジュール支援など、資金調達を通じた伴走支援で企業の成長を力強く後押ししている。事業計画の策定と銀行対応に多数の実績を持つ。


