飲食店におすすめの節税対策11選!2026年最新税制と注意点を解説

全国47都道府県(フルリモート対応)で、税務顧問や未来財務サポートを通じて企業の成長を強力にバックアップする東京・新宿の税理士事務所、BIZARQ(ビズアーク)グループ 代表(公認会計士・税理士・行政書士)の吉岡伸晃です。

飲食業界は食材費の高騰や人件費の上昇などにより、利益率が圧迫されやすい傾向にあります。だからこそ、手元にしっかりとキャッシュを残し、安定した店舗経営を続けるための「節税対策」が不可欠です。
実は、飲食店だからこそ活用できる経費計上のコツや、最新の税制改正を味方につけた節税テクニックが数多く存在します。
本記事では、それらの中から明日から実践できるおすすめの節税対策11選と、税務調査で指摘を受けないための実務ノウハウを網羅的に解説します。なお、個人事業主全般の基礎知識については、個人事業主の節税対策とは?おすすめテクニック9選!でも詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

プロの視点過度な節税はNG!「未来の投資」を見据えたキャッシュフロー経営を

飲食店の節税を考える際、最も陥りやすい罠が「税金を減らすために、不要な経費を使いすぎて手元の現金(キャッシュ)を減らしてしまうこと」です。
私たちBIZARQグループは、単なる過去の数字の処理ではなく、5年後の経営を描く「未来財務サポート」を提供しています。その視点から申し上げると、節税の本来の目的は「事業拡大や不測の事態に備えるための資金を最大化すること」に他なりません。特に、令和8年度(2026年)の税制改正では、少額減価償却資産の特例が「40万円未満」に拡大されるなど、成長投資を後押しする制度が拡充されています。

「東京・新宿エリア」の最先端の財務スキームを活用し、全国47都道府県の飲食店経営者様へお伝えしたい結論は、「利益を隠す節税」ではなく、店舗の価値を高め、スタッフの労働環境を良くするための「投資型節税」へシフトすべきだということです。ルールを正しく理解し、攻めと守りのバランスが取れた財務戦略を構築しましょう。

飲食店経営にかかる税金の基礎知識

適切な節税対策を行うためには、そもそも自店舗にどのような税金が発生しているのかを正しく把握することが第一歩です。個人事業主と法人では、課税される税金の種類や構造が異なります。

個人事業主にかかる主な税金

個人事業主として飲食店を経営する場合、事業で得た利益に対して主に以下の税金が発生します。所得税は累進課税制度がとられており、利益が増えるほど税率が高くなる傾向があります。

税金の種類概要と飲食業における特徴
所得税事業による利益(所得)にかかる国税。利益が大きくなるほど税率が上がります(5%〜45%)。
住民税お住まいの都道府県および市区町村に納付する地方税。原則として所得に対して一律10%が課せられます。
個人事業税290万円以上の事業所得にかかる地方税。飲食業(第1種事業)の場合は、所得から事業主控除(290万円)を引いた額に5%の税率がかかります。
消費税基準期間の売上が1,000万円を超えた場合などに発生。預かった消費税から、仕入れ等で支払った消費税を差し引いて納付します。

その他、店舗の土地・建物などの固定資産を所有している場合は「固定資産税」が、記載金額が5万円以上の紙の領収書(5万円未満は非課税)を発行する場合には「印紙税」がかかります。この中で特に節税効果のインパクトが大きいのは、所得税と消費税です。

法人にかかる主な税金

法人成りをして株式会社や合同会社として飲食店を経営する場合、税金の仕組みは以下のように変わります。

税金の種類概要と特徴
法人税会社の所得にかかる国税。個人の所得税とは異なり、原則として税率が一定(中小法人の年800万円以下の部分は15%など)に保たれます。
地方法人税法人税額に対して10.3%が一律で課せられる国税です。
法人住民税法人の所在地がある自治体に納める税金。「法人税割」と、赤字でも必ず発生する「均等割(最低7万円程度)」で構成されます。
法人事業税法人の事業所得に対して課せられる地方税。都道府県によって税率が若干異なります。

法人の場合も個人と同様に、消費税、固定資産税、印紙税等は発生します。

軽減税率(8%・10%)の正しい経理処理

飲食店ならではの消費税の注意点として、「軽減税率制度」の正しい区分処理が挙げられます。
原則として、お客様が店内の客席で飲食する「外食」の場合は標準税率の10%が適用されますが、お弁当の「テイクアウト(持ち帰り)」や「デリバリー(宅配)」は、飲食料品の譲渡として軽減税率の8%が適用されます。
これを正確に区分せずにすべて10%の売上として処理してしまうと、本来納めるべき消費税額とズレが生じ、税務調査で指摘されたり追徴課税を受けたりするリスクがあります。POSレジの設定を見直し、日々の売上を税率ごとに正確に経理処理することが、無駄な税金の流出を防ぐ基本となります。

ここに「店内飲食(10%)とテイクアウト(8%)の税率区分のフロー図」を挿入

飲食店におすすめの節税テクニック11選

ここからは、飲食店が合法かつ効果的にキャッシュを残すための具体的な節税テクニックを11個厳選して解説します。カテゴリごとに整理していますので、自店舗の状況に合わせて確認してください。

1.【経費・投資編】飲食店ならではの経費の漏れなき計上

事業に必要な支出を漏れなく経費計上することは節税の基本です。飲食店の場合、店舗の家賃や水道光熱費、アルバイトの人件費、食材の仕入原価、グルメサイトへの広告宣伝費、消耗品費などが該当します。
飲食店の場合、新メニュー開発のヒントを得るための他店での飲食代などが、事業との関連性が明確であれば「調査研究費」や「会議費」として計上できるケースがあります。ただし、単なるプライベートな飲食とみなされないよう、視察の目的やメニューの参考ポイントを記録に残すなどの対策が必要です。
また、従業員に提供する「まかない」などの食事代についても注意が必要です。従業員から食事代の半額以上を徴収していない場合などは、給料として課税されるリスクがあるため、社内ルールを適切に運用しましょう。

2.【経費・投資編】少額減価償却資産の特例(改正で40万円未満に拡大)を活用

通常、業務用冷蔵庫やPOSレジ、内装設備などで10万円以上のものを購入した場合、数年に分けて減価償却を行う必要があります。
しかし、青色申告を行う中小企業や個人事業主であれば、令和8年度(2026年)の税制改正により、取得価額「40万円未満」の減価償却資産を一括でその年の経費として計上できるようになりました(年間合計300万円まで)。
従来は30万円未満でしたが、この枠が拡大されたことで、高機能な厨房機器や予約システムの導入など、決算直前の利益対策・設備投資がより行いやすくなりました。(参照:国税庁:主な中小企業税制の見直し

3.【経費・投資編】中小企業経営強化税制による即時償却

大規模な店舗改装や、数百万円単位の高額な厨房機器・システムの導入を行う場合、「中小企業経営強化税制」による即時償却、または最大10%の税額控除の選択活用を検討しましょう。なお、令和8年度改正では投資下限額が5億円以上となる大規模投資向けの「特定生産性向上設備等投資促進税制」も新設されましたが、一般的な飲食店であれば経営強化税制をベースに検討するのが現実的です。
事前に「経営力向上計画」を作成し国の認定を受けることで、設備投資額の全額をその年の経費として落とせる「即時償却」、または「税額控除(取得価額の最大10%)」を選択できます。資金繰りの改善に大きく寄与しますが、事前の計画認定が必要なため、導入の数ヶ月前から専門家と準備を進める必要があります。

4.【経費・投資編】賃上げ促進税制の活用で税額控除

人材確保が最大の課題となっている飲食業界において、スタッフの給与を引き上げることは避けて通れません。その際、「賃上げ促進税制」を活用することで、給与支給総額の増加額の一部を法人税(または所得税)から直接差し引く(税額控除)ことができます。
2026年現在も中小企業向けの優遇措置(基本控除率15%〜30%、子育て支援等の要件を満たせば最大35%)は維持されており、従業員のモチベーションを向上させながら、企業の税負担をダイレクトに軽くする一石二鳥の施策です。ただし、継続雇用者の給与総額の計算など要件判定が複雑であり、令和8年度改正により教育訓練費の上乗せ措置が廃止される点にも留意が必要なため、実際の適用にあたっては税理士のサポートが不可欠です。

5.【経費・投資編】未来の売上に繋がる事業への投資

利益が出た際、単に税金を払うのではなく、将来の収益基盤を強化する「前向きな節税」を行うことが重要です。
例えば、集客力を高めるためのWeb広告やSNSマーケティングへの投資、新店舗の立地調査、顧客体験を向上させるための内装リニューアル、従業員のユニフォーム一新などが挙げられます。支出のタイミングを決算期前に合わせることで、当期の利益を圧縮しつつ、来期以降の売上基盤を作ることができます。

6.【個人事業主編】青色申告制度を利用して最大75万円に控除枠が拡大(令和9年分以降)

確定申告には「白色申告」と「青色申告」がありますが、個人事業主の節税の第一歩は、青色申告を選択することです。現行制度では、複式簿記での記帳や期限内申告に加え、e-Tax(電子申告)等の要件を満たすことで最大65万円の控除が受けられます。さらに令和8年度税制改正により、一定の電子帳簿保存等の要件をあわせて満たすことで、令和9年分からは最大75万円へと控除枠が引き上げられる予定です。
キャッシュの流出を伴わずに大きな所得控除を受けられるため、所得税・住民税・国民健康保険料などを総合的に大きく引き下げる効果があります。また、赤字が出た場合に最長3年間繰り越せる「純損失の繰越控除」も、初期投資がかさみがちな飲食店にとって強力なメリットです。
詳しくは個人事業主必見!青色申告特別控除の節税効果について徹底解説!の記事も参考にしてください。

7.【個人事業主編】各種共済制度への加入

国が用意している共済制度に加入し、掛金を支払うことで、全額を所得控除や損金(個人事業主は必要経費)に算入することができます。将来の退職金やリスクへの備えと節税を両立できる優れた手法です。

8.【個人事業主編】専従者給与による所得の分散

配偶者や親族が飲食店の手伝いをしている場合、「青色事業専従者給与」の届出を出すことで、支払った給与を全額経費にすることができます(白色申告の場合は上限あり)。
日本の所得税は累進課税のため、店主1人に所得が集中するよりも、家族に給与として分散させたほうが、世帯全体での税負担を低く抑えられる傾向があります。ただし、実態の労働に見合わない過大な給与設定は税務調査で否認されるリスクがあるため、適正額を見極める必要があります。
(参考:家族への給与を経費にして節税!専従者給与について解説

9.【消費税編】消費税の簡易課税制度の選択

消費税の計算方法には、原則である「本則課税」と、売上規模が5,000万円以下の中小企業が選択できる「簡易課税」があります。
簡易課税は、実際の仕入にかかった消費税額を計算せず、売上で預かった消費税額に業種ごとの「みなし仕入率」を掛けて納付額を算出します。飲食業(第4種事業)のみなし仕入率は60%です。
原価率が低い(利益率が高い)飲食店の場合、本則課税よりも簡易課税を選択したほうが消費税の納付額を低く抑えられるケースが多々あります。ただし、一度選択すると2年間は変更できないため、事前のシミュレーションが不可欠です。

10.【消費税編】インボイス制度の「2割特例」の活用

インボイス制度の導入を機に、免税事業者から課税事業者(インボイス発行事業者)となった飲食店の場合、期間限定の負担軽減措置である「2割特例」が活用できる可能性があります。
これは、消費税の納付額を「売上にかかる消費税額の2割」だけで済ませることができる特例です。飲食業の簡易課税(納税額4割)よりも有利になるケースが多く、事前の届出も不要です。
ただし、令和8年度税制改正により、令和9年分以降は納税額を3割とする『3割特例』へ移行する予定です。現在の2割特例の期間中は、食材仕入れや経費にかかる消費税額の実額計算と比較し、最も有利な申告方法を選択しましょう。

11.【法人化編】法人化(法人成り)による税率差の活用

個人事業主的所得が大きくなってきた場合、法人成り(株式会社などの設立)を検討するタイミングです。個人の所得税率が最大45%(住民税と合わせると55%)に達するのに対し、法人税率は中小法人の軽減税率を含め、概ね20%〜30%台で頭打ちとなります。
一般的に、事業所得が600万円〜800万円を超えたあたりから「法人」を活用するメリットが大きくなります。また、法人化により経営者自身の給与を「役員報酬」として受け取ることで、給与所得控除を適用できる点も大きな節税効果を生みます。

個人事業主と法人、飲食店で節税しやすいのはどちらか?

飲食店をこれから開業する、あるいは現在個人で経営している場合、「個人事業主と法人のどちらが得か」という疑問に直面します。結論から言えば、「事業の成長フェーズによって最適解は変わる」となります。
開業初期や所得が300万円〜500万円程度の段階では、法人化に伴う社会保険料の負担増(健康保険・厚生年金への強制加入)や、赤字でもかかる法人住民税の均等割(約7万円)の負担が重くのしかかるため、個人事業主のまま青色申告と共済制度を活用する方が手元にキャッシュが残る傾向があります。
しかし、多店舗展開を見据え、利益が継続して800万円を超えてくるようなフェーズになれば、法人税の低い税率や役員報酬の仕組みを活用できる「法人」を選択する価値が高まります。事業拡大のビジョンに合わせて、「個人事業主としてスタートし、適切なタイミングで法人成りする」という戦略を税理士と共有することが成功の鍵です。

飲食店が節税を行う際の3つの注意点

節税は重要ですが、やり方を間違えると事業の首を絞める結果になりかねません。以下の3つのリスクを必ず押さえておきましょう。

過度な節税は資金繰りと融資に悪影響を及ぼす

「税金を1円も払いたくない」という理由で、不要な高額車を購入したり、無駄な接待交際費を使ったりするのは本末転倒です。経費を使えば税金は減りますが、同時に手元の「現金」も確実に減っていきます。
また、節税をやりすぎて決算書が「赤字」になってしまうと、いざ新店舗を出店したい、機材が壊れて買い替えたいという時に、金融機関からの融資審査で非常に不利になります。適正な利益を出し、適正な税金を納めて内部留保(自己資本)を厚くしていくことが、強い飲食店を作る王道です。

現金商売の飲食店は税務調査の対象になりやすい

飲食店は日々の現金売上が多く発生する業態であるため、税務署から「売上の計上漏れ(売上除外)」や「スタッフのまかないの経費混入」が起こりやすい業種として、厳しい監視の目を向けられる傾向があります。
特に、POSレジのデータと毎日の現金有高にズレがないか、年末の棚卸(食材や飲料の在庫)が正確にカウントされて利益に反映されているかは、税務調査で必ずチェックされるポイントです。プライベートな飲食代や生活費を経費に潜り込ませるような行為は、重加算税という重いペナルティの対象となるため絶対にやめましょう。

複雑な税務処理は専門家のサポートが不可欠

インボイス制度の導入や、毎年変わる税制改正(2026年の少額減価償却資産の40万円拡大、令和9年以降の青色申告特別控除75万円化など)に、経営者自身がすべてキャッチアップし、正確な経理処理を行うのは限界があります。
本来は店舗のオペレーション改善や新メニュー開発に使うべき時間を、領収書の入力や税務の勉強に奪われてしまうのは、経営上の大きな「機会損失」です。確実にリスクを回避し、自店舗に合った節税策を最大化するためには、飲食店の経営数字に強い税理士をビジネスパートナーとして迎え入れることを強くお勧めします。

「飲食店におすすめの節税対策11選!2026年最新税制と注意点を解説」まとめ

  • 制度のフル活用で手元資金を最大化
    青色申告や共済、2026年改正で40万円未満に拡大された少額減価償却資産の特例などを漏れなく活用する。
  • 飲食店特有の経費を適正に計上
    新メニュー開発のための他店での外食費(調査研究費・会議費)など、事業関連性が説明できる支出を正確に管理する。
  • 専門家と連携し税務リスクを回避
    過度な節税や不正確な経理は税務調査で重加算税等の対象となるため、税理士によるシミュレーションや指導を受ける。

東京・新宿をはじめ全国47都道府県の飲食店経営でお悩みなら、ぜひBIZARQグループへご相談ください。若さとスピード感を武器に貴社の店舗展開を強力にバックアップいたします。全国どこからでもオンラインでご対応可能です。ご希望の方は、当法人の税務顧問サービスをぜひご覧いただき、まずは税理士無料相談窓口よりお気軽にお問い合わせください。最適な経営の「次の一手」を共に見つけましょう。

「飲食店の節税」に関するよくある質問

A.理想は「開業準備段階」または「期首(事業年度の初め)」からです。青色申告の承認申請や、各種共済への加入などは期限が設けられているためです。遅くとも決算月の3ヶ月前には税理士と着地予測(シミュレーション)を行い、必要な設備投資や経費使用の判断を行うべきです。決算月を過ぎてからできる節税策はほとんどありません。

A.はい、非常に重要な対策があります。青色申告を行っていれば、その年の赤字を翌年以降3年間にわたって繰り越し、将来発生した黒字と相殺することができます(純損失の繰越控除)。将来大きく利益が出た時の税金を劇的に減らせるため、赤字であっても正確に記帳し、期限内に申告を行うことが必須です。

A.単なる「作業の代行」として考えるとコストに見えるかもしれませんが、私たちの未来財務サポートのように「経営のナビゲーター」として活用いただければ、投資効果は計り知れません。最新税制を活用した節税額や、スムーズな資金調達による成長スピードの加速、そして何より「税務調査の不安なく本業に100%集中できる時間」を得られることが最大のメリットです。

この記事の監修者

BIZARQグループ 代表 / 公認会計士・税理士・行政書士 吉岡伸晃

吉岡 伸晃 Nobuteru Yoshioka

BIZARQグループ 代表 / 公認会計士・税理士・行政書士

大手監査法人での経験を経て、現在はスタートアップから医療法人まで幅広い企業の財務・経営戦略をサポート。事業計画策定や資金調達支援に強い。

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