中小企業におすすめの節税対策とは?今すぐ使えるテクニック12選!

全国47都道府県(フルリモート対応)で、戦略的な税務顧問を通じて企業の成長を強力にバックアップする東京・新宿の税理士事務所、BIZARQ(ビズアーク)グループ 代表(公認会計士・税理士・行政書士)の吉岡伸晃です。

中小企業は大企業と比べて税負担が重く感じられやすく、資金繰りの面でもシビアな経営を強いられる傾向にあります。納税は避けられないものですが、工夫次第で合法的に税金の額を抑えることは可能です。

今回は、中小企業におすすめの節税対策として、今すぐ使えるテクニックをご紹介します。

なお、法人全般や個人事業主向けの節税テクニックについては以下の記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。

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【プロの視点】節税の真の目的は「手元キャッシュの最大化」と「未来への投資」

数多くの中小企業の財務基盤を構築してきたプロの税理士の視点からまずお伝えしたいのは、「利益を減らして税金を払わないこと」が節税のゴールではないということです。節税の真の目的は、会社の手元に残る「キャッシュ(現金)」を最大化し、未来の事業成長に向けた投資の原資を生み出すことにあります。

世の中には「無駄なものを買って経費を増やす」という誤った節税に走る経営者の方もいらっしゃいますが、これは本末転倒です。例えば、実効税率が約30%だと仮定した場合、100万円の不要な経費を使えば30万円の税金は減りますが、手元からは100万円の現金が確実に出ていきます。結果として70万円のキャッシュを無駄に失っていることになります。

これからの時代を生き抜く財務戦略においては、「将来必ず必要になる支出を前倒しする」「国が用意している税額控除や特例措置を漏れなく活用する」という、キャッシュアウトを最小限に抑えつつ企業価値を高める「攻めの節税」が極めて重要です。専門家とタッグを組み、自社の状況に完全にフィットしたタックスプランニングを行うことで、経営の安定と事業の成長を両立させましょう。

中小企業が節税対策に取り組むべき理由

中小企業は、大企業と比較して内部留保が少なく、資金繰りが不安定になりがちです。そのため、適切な節税対策によって手元に残る現金を最大化し、財務基盤を安定させることが極めて重要です。

節税は単に納税額を減らすだけでなく、将来の事業投資や人材採用、不測の事態に備えるための資金を確保する経営戦略の一環と捉えるべきです。

特に、法人税率は企業の利益に直接課されるため、課税所得を合法的にコントロールすることで、経営の自由度を高めることができます。自社の状況に合った節税策を計画的に実行することが、持続的な成長の鍵となります。

法人の利益を圧縮して法人税を減らす節税テクニック

まずは、法人の利益(課税所得)を適正に圧縮し、法人税の負担を軽減するための効果的な手法をご紹介します。

法人保険に加入してリスクに備えつつ経費化する

法人保険とは、法人格を契約者とした法人向けの生命保険です。事業保障の他、経営者や役員、従業員向けの保障、退職金など従業員の福利厚生としても利用できる保障など、法人特有の様々なリスクに備える商品があります。これらの保険料は、一部または全額損金に算入できるため、節税に繋がります。

しかし、2019年に法人保険の損金取扱いに関するルールが変更となり、節税のみを目的とした法人保険の加入は実質不可となりました。法人保険の目的は企業の経営リスクに備えることであり、節税はあくまで副次的な効果です。そのことをきちんと理解した上で加入を検討しましょう。

【関連記事】法人向け保険に節税効果はない?税制改正の注意点について解説!

中小企業倒産防止共済を活用して掛金を全額損金にする

独立行政法人である中小機構が運営している共済の活用も節税に効果的です。民間の保険会社のような倒産リスクがなく安心です。

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)は、1年以上事業を継続している法人や個人事業主が加入できます。掛け金は全額損金として経費計上可能です。解約手当金は雑収入扱いで課税対象となるため、退職金や修繕など損金として大きな支出があるタイミングを狙って解約すると、税額を抑えることができます。

【関連記事】経営セーフティ共済は節税になる?概要や注意点を徹底解説!

設備や人的投資を行い最大30%の税額控除を受ける

会社の設備や人材へ投資すると税額控除などの優優が受けられるため節税になります。それぞれ利用できる制度をご紹介します。

  • 中小企業経営強化税制
    設備投資による企業力強化や生産性向上の支援を目的とした、特別償却・税額控除制度です。一定の要件を満たすことで、取得価格の最大10%の税額控除が受けられます。
  • 所得拡大促進税制(賃上げ促進税制)
    前年度より給与を増加させた企業に対し、増額分の一部を控除する制度です。一定の要件を満たすことで、最大30%の税額控除が受けられます。
  • 各種助成金や雇用に関する優遇措置
    人材の新規採用や育成を積極的に行う企業に対し、給与支給額の一部を支援する制度や優遇措置が存在します(※制度は年度により変動します)。

これらの優遇措置は、期間限定で行われることがほとんどです。中小企業庁が発行する「中小企業施策利用ガイドブック」を参照するなどして、申請前に必ず最新の情報をチェックしましょう。

少額減価償却資産の特例を活用して40万円未満の物品を一括経費にする

通常、10万円未満のものは消耗品費として経費にできますが、10万円以上のものは減価償却資産として数年かけて資産計上する必要があります。

しかし、中小企業の場合は少額減価償却資産の特例を申請することで、40万円未満の物品を年間合計300万円まで購入した年に一括で経費にすることができます(※令和8年度改正により30万円から引き上げ。常時使用する従業員数400人以下の法人が対象となります)。パソコンなどの物品で事業に必要なものがある場合は、この制度を活用することで当期の利益を圧縮でき節税となります。申請の際は明細が必要ですので、申告書へ忘れず添付しましょう。

【関連記事】少額減価償却資産の特例とは?節税効果と注意点について解説!

福利厚生を充実させて従業員満足度と節税を両立する

福利厚生費は経費として計上可能です。具体的な内容として懇親会、レクリエーション、社員旅行、健康診断などが挙げられます。

福利厚生を充実させる方法は、節税になるだけでなく、社員のモチベーション向上と社内の雰囲気づくりにも役立ちます。また、福利厚生の内容そのものを充実させるだけでなく、金額を見直し必要であれば改訂するのも良いでしょう。なお、福利厚生費として経費計上するためには、職位に関わらず全ての社員に平等の福利厚生を付与する必要があります。

別会社を設立して軽減税率の適用と利益分散を図る

新たに別会社を設立して利益を分散すると、一つの会社で運営するより節税となります。通常、法人税率は23.2%ですが、利益が800万円以下の中小企業には15%の軽減税率が適用されるためです。

ただし、取引内容については税務調査で厳しい指摘が入ります。節税目的で別会社を新たに立ち上げる際は、運営方針を含め税理士などのプロに相談するのがおすすめです。

【関連記事】子会社の設立方法は?メリットとデメリット、注意点も解説!
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固定資産を見直し除却損の計上や中古資産を購入する

使用していない物や廃棄済みの資材などが帳簿上残っていないか、決算前に確認しましょう。帳簿から削除することで償却資産税の負担を減らせるだけでなく、除却損として損金計上できることもあります。常日頃から帳簿と実態を一致させておくことも、節税のために非常に重要です。

また、新たに固定資産を購入する際に中古資産を選ぶのも効果的です。中古資産は減価償却において新品よりも短い耐用年数で計算します。購入価額および残りの耐用年数によっては、購入した年に高額の減価償却費を計上できるため節税に効果的です。不要な固定資産の除却と中古資産の購入は、いずれも簡単に節税効果を得られる方法です。

決算賞与を支給して当期の損金に算入する

予想以上に利益が出た年度の決算対策として、決算賞与の支給は非常に有効な手段です。従業員への賞与は通常、支払った事業年度の損金となりますが、決算賞与は一定の要件を満たすことで、未払いであっても当期の損金に算入できます。

主な要件は、決算日までに全対象従業員へ支給額を通知すること、通知した金額を決算日から1ヶ月以内に全員へ支払うこと、通知した金額を当期の損金として経理処理すること、の3点です。従業員のモチベーション向上にも直結するため、利益を適切に還元しつつ節税できる効果的な方法です。ただし、役員賞与は原則として損金に算入できないため注意が必要です。

【関連記事】決算賞与の法人税節税効果は?メリットと注意点について解説!

個人の税負担を減らし手取りを増やす節税テクニック

次に、法人税だけでなく、経営者個人の所得税や社会保険料などの負担を軽減し、手取り額を増やすためのテクニックをご紹介します。

役員報酬を上手く活用して所得を分散する

役員報酬を上手く活用できれば、大きな節税効果が期待できます。ただし、役員報酬は従業員に支払う給与と違いルールが非常に厳格です。役員報酬を活用した節税を行う際は、必ず関連する法やルールをしっかり確認しましょう。

  • 事前確定届出給与を支給する
    事前確定届出給与とは役員に対する賞与(ボーナス)のようなものです。役員に対しても通常の報酬だけでなくボーナスを支給すれば、その分経費が大きくなります。なお、事前に税務署へ支払日・支払額の届出が必要です。届出書の内容と実際の支給日や支給額に少しでも相違がある場合、該当の会計期間に支給した事前確定届出給与すべてが損金不算入になるためご注意ください。
  • 経営者の家族を役員にして役員報酬を分散させる
    所得税は、所得が多いほど税率が高くなる累進課税です。そのため、経営者一人に報酬を集中させるのでなく、配偶者など家族を役員にして所得を分散させた方が、総収入は変わらずに税金を抑えることができます。ただし、勤務の実態がなければ役員報酬は認められないため注意しましょう。
【関連記事】役員報酬の手取りを増やすためのおすすめ節税対策を紹介!

小規模企業共済へ加入して個人の所得控除を受ける

小規模企業共済は、中小企業の経営者や個人事業主が自身の退職金を積み立てるための制度です。掛金は全額控除対象となります。廃業時や退職時に解約手当金を受け取ることができますが、退職所得または雑所得として課税対象となる点は認識しておきましょう。

※注意点:小規模企業共済の掛金は「法人の経費(損金)」ではなく、「役員個人の所得税計算における所得控除」となります。法人税を減らすものではない点に強くご留意ください。

【関連記事】小規模企業共済とは?概要と節税効果、注意点について解説!

社宅制度を導入して法人と個人の税負担を軽減する

役員や従業員が住む物件を会社名義で契約し、社宅として貸し出すことで大きな節税効果が期待できます。会社が受け取る一定の家賃(賃料相当額)と、実際に支払う家賃との差額を経費(地代家賃や支払手数料)として計上できるためです。

役員個人が家賃を全額負担する場合と比較して、会社は法人税の負担を軽減でき、役員は社会保険料や所得税・住民税の負担が軽減されるメリットがあります。賃料相当額の計算方法は物件の規模によって異なるため、専門家と相談の上で適切な家賃設定を行うことが重要です。

【関連記事】社宅を経費にして節税する!社宅制度の概要と注意点について徹底解説!

社長所有の不動産を会社へ貸し出し家賃を経費にする

社長個人が所有する不動産を会社に貸し付け、社宅や事業所として利用します。会社から社長に支払う家賃は経費として損金計上できるため、節税となるのです。しかし、社長が受け取った不動産収入は個人の所得税の対象となるため、結果的に節税にならない可能性もあります。全体のバランスを考えて運用を行いましょう。

車両を社用車に切り替えて減価償却費や維持費を経費化する

社長が個人で所有している車を法人に売却し社用車にすることで、節税となります。中古車扱いとなり、新車より短い年数で減価償却できる他、ガソリン代やメンテナンス代なども経費として申請することができます。保険も法人名義に変更するのが望ましいですが、業務に使用しているという実態が伴っていれば個人名義のままでも経費にできます。

【関連記事】車の購入が節税対策になる?法人・個人事業主それぞれのケースを解説!

出張手当を支給して非課税で手取りを増やす

出張のある業種であれば、出張手当の支給を検討しましょう。出張手当は、会社側は経費に出来て、支給された従業員側は非課税になるという非常にメリットの多い制度です。ただし、出張旅費規程を制定すること、全従業員に同じ条件で支給することなど諸条件があるため、きちんと確認しましょう。

【関連記事】出張旅費規程を活用した節税対策とは?企業が押さえるべきポイントを解説

「中小企業の節税対策」まとめ

  • 法人の利益を適切に圧縮し、法人税を軽減する
    倒産防止共済や少額減価償却資産の特例、各種税額控除などを活用し、将来の事業継続に必要な資金を確保しましょう。
  • 法人と個人の税負担バランスを最適化する
    役員報酬の分散や社宅制度の導入、小規模企業共済による所得控除などを用いて、個人の手取り額を増やす工夫も重要です。
  • 税務の専門家に相談し、最新のルールに則って実行する
    特例の適用要件や最新の期限(令和8年改正事項など)については、必ず実行前に顧問税理士にご相談ください。

中小企業ができる節税対策について述べてきました。節税対策は中小企業にとって会社を維持するために非常に重要な施策です。しかし、あまりに行き過ぎた節税はトータルで考えた時に逆に損失に繋がるリスクがあり、また税務署から指摘が入る可能性もあります。きちんと税法に則り、節度を守った節税対策を心がけましょう。自社に最適な節税シミュレーションを実施し、持続的な成長を実現するための財務戦略を構築したいとお考えの経営者様は、全国47都道府県でオンライン対応が可能な当法人の税務顧問サービスをぜひご検討ください。初回のご相談は無料でお受けしておりますので、決算対策などに関するお悩みは、以下の税理士無料相談窓口よりいつでもお気軽にお問い合わせください。貴社のこれからの攻めの経営を、私たちが全力でバックアップいたします。

「中小企業の節税対策」に関するよくある質問

A.残念ながら、誰にでも当てはまるような「裏ワザ」的な節税方法は存在しません。税法は公平性が原則であり、特定の企業だけが有利になるような抜け道は基本的にないと考えるべきです。インターネット上には過激な節税手法が紹介されていることもありますが、その多くは脱税と判断されるリスクを伴います。最も効果的で安全な節税は、税法で認められている制度の中から、自社の業種、規模、将来計画に合ったものを正しく理解し、組み合わせて実行することです。どの方法が最適か判断に迷う場合は、税務の専門家である税理士に相談することをおすすめします。

A.年間の利益が想定を大幅に上回った場合、納税額も大きくなるため、決算期末にかけて実行できる節税対策の重要性が増します。具体的な対策としては、従業員への「決算賞与」の支給、来年度に必要な備品や消耗品を「短期前払費用」として前倒しで購入・経費化、40万円未満の資産を即時償却できる「少額減価償却資産の特例」の活用などが考えられます。重要なのは、決算間近になって慌てないよう、月次決算などを通じて早期に利益状況を把握し、計画的に対策を検討することです。これにより、納税資金の準備もスムーズに行えます。

A.節税と脱税は全く異なるものです。節税は、税法が認めているルールや特例制度を活用し、合法的な手続きによって納税額を抑える行為です。例えば、共済への加入や社宅制度の導入などがこれにあたります。一方、脱税は、売上を意図的に除外したり、架空の経費を計上したりするなど、事実を偽って不正に納税を免れようとする違法行為です。脱税が発覚した場合、本来の税金に加えて、延滞税や過少申告加算税といった重いペナルティが課され、悪質なケースでは刑事罰の対象にもなります。会社の社会的信用を失墜させる重大なリスクを伴うため、両者の違いを正しく理解し、必ず法律の範囲内で対策を行う必要があります。

この記事の監修者

BIZARQグループ 代表 / 公認会計士・税理士・行政書士 吉岡伸晃

吉岡 伸晃 Nobuteru Yoshioka

BIZARQグループ 代表 / 公認会計士・税理士・行政書士

大手監査法人での経験を経て、現在はスタートアップから医療法人まで幅広い企業の財務・経営戦略をサポート。事業計画策定や資金調達支援に強い。

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全国47都道府県(フルリモート対応)で、適切な税務顧問を通じて企業の成長を強力にバックアップする東京・新宿の税理士事務所、BIZARQ(ビズアーク)グループ 代表(公認会計士・税理士・行政書士)の吉岡伸晃です。 「売上や事業規模が拡大してきたが、今の税理士ではこれ以上の相談が難しいかもしれない」「節税の提案がまったくなく、質問しても返信が遅い」など、現在の顧問税理士に対して違和感や不満を抱えている...

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