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2026.08.28
個人事業主の節税対策9選!プロが教えるおすすめテクニック

全国47都道府県(フルリモート対応)で、確実な確定申告や節税対策を通じて企業の成長を強力にバックアップする東京・新宿の税理士事務所、BIZARQ(ビズアーク)グループ 代表(公認会計士・税理士・行政書士)の吉岡伸晃です。
個人事業主が納付する税金の額は、正しい節税対策を実施しているかどうかによって大きく変わります。制度を正しく知り、少しの工夫を取り入れるだけで手元に残るキャッシュを最大化できる方法が多数存在します。今回は、個人事業主の皆様にすぐ実践していただきたい、効果的な節税対策テクニックを9つ厳選して解説します。
プロの視点個人事業主の節税は「知る」ことから!令和8年度の最新動向も
節税において最も恐れるべきは「知らなかったことによる機会損失」です。税制は毎年のように改正・アップデートされるため、常に最新情報をキャッチアップし、自社の財務戦略に反映させることが求められます。
例えば、令和8年度の税制改正では、中小企業・小規模事業者にとって非常に影響の大きい改正が行われました。その最たる例が「少額減価償却資産の特例」の拡充です。これまで30万円未満だった対象資産の取得価額上限が「40万円未満」へと引き上げられました。これにより、高スペックなパソコンや専門機材など、少し高額なIT投資等も購入した年に全額必要経費(損金)として計上しやすくなっています。また、物価上昇に連動して控除額を見直す仕組みが新たに導入され、基礎控除の額は令和8・9年分について「62万円」へと引き上げられました。
私たちBIZARQ(ビズアーク)グループは、東京・新宿エリアというビジネスの最前線で培った最新の税制知識と、freeeやマネーフォワードといったクラウド会計を活用したDXノウハウを武器に、全国47都道府県の個人事業主・フリーランスの皆様へリアルタイムな財務戦略を提供しています。「過去の集計」で終わるのではなく「未来のキャッシュを最大化する」視点で、本記事のテクニックを自社に落とし込んでみてください。
個人事業主が納める主な税金の種類と仕組み

個人事業主が納める税金には、主に「所得税」「住民税」「個人事業税」「消費税」などがあります。この中で、最も節税効果を実感しやすいのが「所得税」と、それに連動する「住民税」です。
所得税は、以下の計算式で求められます。
「収入 - 経費 - 各種所得控除 = 課税所得」
算出された課税所得に対し、金額に応じた税率(累進課税:所得が高いほど税率が上がる仕組み)を掛けて税額が決まります。つまり、節税の基本は「経費と控除を適法かつ最大限に活用し、課税所得を減らすこと」に尽きます。
| 税金の種類 | 概要と特徴 |
|---|---|
| 所得税 | 1年間の所得に対してかかる国税。累進課税制度(5%〜45%)が適用されるため、利益が増えるほど負担が重くなる傾向があります。 |
| 住民税 | 都道府県と市区町村に納める地方税。前年の所得をもとに計算され、税率は原則として一律10%です。 |
| 個人事業税 | 一定の事業を営み、事業所得が事業主控除(原則290万円)を超える場合に課される地方税。業種により税率(3〜5%)が異なります。 |
| 消費税 | 基準期間(前々年)の課税売上高が1,000万円を超える場合などに納税義務が生じます。インボイス制度登録事業者も対象です。 |
特に年間の利益(所得)が300万円を超えてくると、税負担を重く感じる機会が増えるため、より計画的な節税対策が必要になります。
個人事業主の節税対策としておすすめのテクニック9選
ここからは、個人事業主が取り組むべき節税対策テクニックを9つ紹介します。
①青色申告の承認を受けて最大65万円控除を活用
確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類がありますが、節税効果を狙うなら青色申告が非常に有利です。青色申告を選択することで、以下のような大きなメリットを得られます。
- 最大65万円の青色申告特別控除
課税所得から無条件で最大65万円(e-Taxによる電子申告等の要件を満たす場合)を差し引くことができます。 - 青色事業専従者給与
事業を手伝う配偶者や親族に支払った適正な給与を、全額経費として計上できます(白色申告の場合は上限あり)。 - 純損失の繰越しと繰戻し
事業で生じた赤字を、最大3年間繰り越して翌年以降の黒字と相殺できます。
青色申告を行うには、事前に税務署へ「青色申告承認申請書」を提出し、複式簿記での記帳を行う必要があります。国税庁「青色申告制度」に関する案内にもある通り、一定の要件を満たすことが求められますが、現在はクラウド会計ソフトを利用すれば複式簿記の記帳も自動化しやすくなっています。
【関連記事】個人事業主必見!青色申告特別控除の節税効果について徹底解説!
②必要経費を漏れなく計上する
経費の計上漏れを防ぐことは、節税の第一歩です。事業のために支払った支出は、きちんと領収書やレシートを保管し、もれなく経費として計上しましょう。
- 旅費交通費
取引先への訪問や出張にかかった電車代、バス代、航空券代、宿泊費など。Suicaなどのチャージ履歴も事業用であれば対象です。 - 消耗品費
文房具、インク代、パソコン周辺機器など。 - 通信費
事業で利用するインターネット回線料、スマートフォンの通信費、サーバー代、切手代や郵送料など。 - 接待交際費
取引先との会食費用、お中元・お歳暮、差し入れ代など。事業に直結する関係構築のための支出が対象です。 - 会議費
取引先や社内スタッフとのカフェでの打ち合わせ時のお茶代など。
【関連記事】節税に欠かせない経費を徹底解説!基礎知識から計上のポイント・注意点も紹介
③家事按分で自宅兼事務所の費用を適正化
自宅の一部を仕事場として利用しているITエンジニアやフリーランスの方にとって、「家事按分」は見落とせない節税ポイントです。
家事按分とは、家賃や電気代、インターネット通信費など、事業とプライベート(家事)の両方で使っている支出について、合理的な基準で事業使用割合を算出し、経費計上する仕組みです。
- 家賃の按分例
床面積や使用時間で計算します。例えば、60㎡の自宅のうち15㎡を仕事専用スペースとしている場合、家賃の25%(15÷60)を経費にできます。 - 電気代・通信費の按分例
コンセントの数や使用時間、営業日数などを基準に按分します。
税務調査が入った際にも「なぜこの割合なのか」を客観的に説明できるよう、根拠となる平面図や利用時間の記録を残しておくことが大切です。
④各種所得控除を抜け漏れなく申告する
収入から経費を引いた所得から、さらに個人の事情に合わせて差し引けるのが「所得控除」です。控除の適用もれがないか、確定申告前に必ず確認しましょう。
- 基礎控除
すべての納税者に適用される基本の控除です。物価上昇に連動する仕組みが導入されたことにより、令和8年・9年分については控除額が62万円(合計所得金額2,350万円以下の場合)に引き上げられました。 - 社会保険料控除
国民健康保険料や国民年金保険料など、支払った全額が控除対象になります。 - 医療費控除
年間10万円(または総所得金額等の5%のいずれか低い額)を超える医療費を支払った場合に適用されます。 - 配偶者控除・扶養控除
要件を満たす配偶者や扶養親族がいる場合に受けられます。 - 寡婦控除・ひとり親控除
特定の要件を満たすひとり親や寡婦の方が対象です。(令和9年分より、ひとり親控除の額が38万円に引き上げられます)
⑤生命保険・個人年金の控除枠を使い切る
生命保険料や個人年金保険料を支払っている場合、「生命保険料控除」として一定額を所得から差し引くことができます。一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の3つの枠があり、それぞれ最大4万円(合計で最大12万円)の所得控除が受けられます。
加入しているだけでは自動的に適用されないため、年末に保険会社から届く「控除証明書」をもとに、忘れずに確定申告書へ記載しましょう。
【関連記事】個人年金保険の節税効果はどれくらい?個人年金保険料控除について解説!
⑥共済制度(小規模企業共済・経営セーフティ共済)の活用
国が用意している中小企業・個人事業主向けの共済制度は、節税効果と将来の備えを兼ね備えた非常に強力なツールです。独立行政法人 中小企業基盤整備機構の制度案内でも推奨されています。
- 小規模企業共済
個人事業主のための「退職金制度」です。掛金は月額1,000円〜7万円(年額最大84万円)の範囲で設定でき、支払った掛金の「全額」が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)になります。事業を廃業した際などに、退職金として受け取ることができます。 - 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)
取引先が倒産した際の連鎖倒産を防ぐための制度ですが、掛金(月額5,000円〜20万円)を全額経費(損金)に計上できます。要件を満たせば、解約時に掛金が100%戻ってくるため、実質的な利益の繰り延べとして機能します。
【重要:経営セーフティ共済の注意点】
解約時の受取金は全額「収入(事業所得等)」として課税されるため、設備投資や退職金の支給など、大きな経費が発生するタイミングに合わせて解約する「出口戦略」が必須です。また、令和6年10月の法改正により、解約後2年間は再加入しても掛金を経費算入できなくなりましたので、計画的な運用が求められます。
【関連記事】小規模企業共済とは?概要と節税効果、注意点について解説!
【関連記事】経営セーフティ共済は節税になる?概要や注意点を徹底解説!
⑦iDeCo・NISAで将来の資産形成と節税を両立
個人の資産運用制度を活用することも、実質的な手残りを増やす重要な戦略です。
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
自分で作る年金制度です。個人事業主(第1号加入者)の場合、月額最大68,000円(年額81万6,000円)まで掛金を拠出でき、全額が所得控除になります。さらに運用益が非課税となり、受け取り時にも控除が適用されるという、節税メリットが非常に大きい制度です。 - 新NISA
掛金に対する所得控除はありませんが、投資で得た運用益や配当金が非課税になる制度です。事業資金の余剰分で中長期的な資産形成を行う際に不可欠です。
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⑧ふるさと納税で実質的な返礼品メリットを享受
ふるさと納税は、応援したい自治体に寄附をすることで、寄附金額から自己負担額2,000円を差し引いた金額が所得税や住民税から控除される制度です。
税金を先払いする仕組みであるため純粋なキャッシュの節約にはなりませんが、寄附額の最大30%相当の返礼品(地域の特産品や日用品など)を受け取ることができるため、生活費の削減という面で大きなメリットがあります。ただし、所得に応じて「控除限度額」が決まっているため、ご自身の事業所得を正確にシミュレーションした上で上限枠の範囲内で行うことが重要です。
【関連記事】ふるさと納税の節税効果はどれくらい?仕組みとメリット・デメリットを徹底解説!
⑨特例制度(少額減価償却資産・短期前払費用など)の適用
一定の要件を満たす個人事業主は、経費を前倒しで計上できる特例を活用できます。
- 少額減価償却資産の特例
通常、10万円以上のパソコンや器具備品は数年に分けて減価償却を行いますが、青色申告を行っている中小事業者等は、取得価額が一定額未満であれば購入した年に全額を経費計上(即時償却)できる特例です。令和8年度税制改正により、この対象が「30万円未満」から「40万円未満」へと拡充されました。これにより、高スペックなPCや専門機材の取得価額全額を、取得した年に必要経費として計上して利益を圧縮しやすくなっています(年間合計300万円まで等の要件あり)。 - 短期前払費用の特例
家賃、サーバー代、事業用の損害保険料など、継続的なサービスに対して1年分を前払いした場合、一定の要件を満たせば支払った年に全額経費計上できるルールです。利益が多く出た年の決算月(12月)に翌年1年分の費用を前払いすることで、当年の所得を抑えられます。
【関連記事】少額減価償却資産の特例とは?節税効果と注意点について解説!
節税と脱税の境界線を正しく理解しよう

ここまで多くの節税テクニックを紹介してきましたが、最も注意すべきは「節税」と「脱税」の違いです。
節税は、法律で認められた特例や控除を最大限に活用し、適法に税負担を軽減する行為です。一方で、脱税は「架空の経費を計上する」「売上の一部を隠す」「プライベートの旅行費を事業用と偽る」など、法律に違反して税金を逃れる犯罪行為です。
税務調査が入った際、疑わしい経費については必ず根拠が問われます。「事業にどう関連しているのか」を堂々と説明できるよう、領収書の裏に会食相手の名前や目的をメモしておくなど、日頃から透明性の高い経理を心がけましょう。適切な節税は、事業を永続させるための正しい経営戦略です。
【関連記事】脱税とは?申告漏れと所得隠しとの違いについても解説!
利益拡大時は法人化(法人成り)も視野に
個人事業主として順調に売上と利益が伸びてきた場合、そのまま個人で事業を続けるよりも「法人化(株式会社や合同会社の設立)」した方が、トータルの税負担が軽くなるケースがあります。
個人の所得税が累進課税(所得が増えるほど税率が最大45%まで上がる)であるのに対し、法人税等の実効税率(法人税、法人住民税、法人事業税などを合わせた実質的な税負担率)は、おおむね20%〜30%台となります。さらに、法人化することで「社長自身の給与(役員報酬)を経費にできる(給与所得控除が使える)」「生命保険の損金算入枠が広がる」「退職金制度を構築しやすい」といった大きな節税メリットが生まれます。
業種や控除の状況にもよりますが、一般的に「個人の課税所得が600万円〜800万円」を超えてきたタイミングが、法人化を検討する一つの目安と言われています。
【関連記事】会社設立すると節税になる?法人化によるメリットを紹介!
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「個人事業主の節税対策9選」まとめ
- 青色申告と経費・控除の徹底
最大65万円の青色申告特別控除や家事按分を活用し、課税所得を圧縮する。 - 共済やiDeCoで将来に備える
小規模企業共済やiDeCoを利用し、掛金の全額控除を受けながら資産形成を行う。 - 最新税制と法人化の検討
令和8年度の少額減価償却資産拡充(40万円未満)等の特例を最大限に活用し、利益拡大時は法人化も検討する。
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「個人事業主の節税対策」に関するよくある質問
最も優先すべきは「青色申告」の承認を受けることです。最大65万円の青色申告特別控除や赤字の繰り越しなど、非常に有利なメリットがあるため、クラウド会計ソフトなどを活用して必ず取り組むことをおすすめします。
掛金を全額経費にできるため当年の節税にはなりますが、解約時に受け取るお金は「収入」として課税されます。そのため、退職金の準備や大規模な設備投資など、大きな経費が発生するタイミングに合わせて解約するという「出口戦略」をセットで考えることが必須です。また、令和6年10月の法改正により、解約後2年間は再加入しても掛金を損金算入できなくなっています。
決算直前や確定申告の時期(2月〜3月)では、実施できる対策が限られてしまいます。事業年度の途中、あるいは利益が大きく出そうだと予測できた段階で、できるだけ早く税理士に相談することをおすすめします。
この記事の監修者

吉岡 伸晃 Nobuteru Yoshioka
BIZARQグループ 代表 / 公認会計士・税理士・行政書士
大手監査法人での経験を経て、現在はスタートアップから医療法人まで幅広い企業の財務・経営戦略をサポート。事業計画策定や資金調達支援に強い。


