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記帳代行とは?アウトソーシングのメリットや費用相場を解説

全国47都道府県(フルリモート対応)で、クラウド会計導入や経理効率化を通じて企業の成長を強力にバックアップする東京・新宿の税理士事務所、BIZARQ(ビズアーク)グループ 共同代表の吉岡和樹です。
自身で会社を経営している方やフリーランスの方にとって、日々の取引を正しく記録する経理業務は避けて通れない重要な作業です。しかし、売上に直接つながらない事務作業に追われ、「本業に割く時間が足りない」と頭を悩ませている経営者様も多いのではないでしょうか。
そのようなバックオフィスの課題を解決する手段として広く活用されているのが、経理業務の中でも特に作業量が多いデータ入力を外部に委託できる「記帳代行」サービスです。記帳代行の依頼先としては会計事務所や専門業者が挙げられ、上手く活用することで人手不足の解消やコスト削減など、様々なメリットを享受できます。
今回は、記帳代行の具体的な仕組みや利用するメリット、気になる費用相場について、プロの視点を交えて詳しく解説します。
なお、会社設立直後の経理体制の構築や、幅広い業務を網羅する経理代行業者の選び方については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
【関連記事】会社設立後の経理業務はどうする?自社と代行業者それぞれのメリットと注意点を解説!
【プロの視点】インボイス・電帳法時代の記帳代行は「作業の外注」ではなく「経営の高速化」
特にインボイス制度や改正電子帳簿保存法(電帳法)が本格始動した現代のビジネス環境においては、領収書や請求書を1枚処理するだけでも、「相手方が適格請求書発行事業者(インボイス登録店)かどうか」「電子取引データの保存要件を満たしているか」といった、高度かつ厳格なダブルチェックが求められます。これらを知識のない自社スタッフや経営者様が自力で行おうとすると、せっかく会計ソフトを導入していても、確認の手間だけで膨大な時間が奪われ、バックオフィスの業務を大きく圧迫する原因となります。
東京・新宿エリアをはじめとするビジネスの激戦区では、人件費の高騰や経理人材の採用難も深刻化しています。このような時代だからこそ、記帳業務をプロにアウトソーシングすることは、単なる「コスト(費用)」ではなく、社内の貴重なリソースを売上に直結するコア業務へ集中させ、経営数字をリアルタイムにクリアにするための「未来への投資(経営の高速化)」に他なりません。私たちは、過去の数字をただ打ち込むだけの処理にとどまらず、最新のDXツールを駆使して経理フローそのものを美しく自動化し、未来の経営を加速させるための戦略的な経理インフラ構築をご提案しています。
記帳代行とは
会社の日々の営業活動に伴って発生する領収書、請求書、通帳のコピーなど、あらゆる会計取引に関する資料を基に、会計ソフトへの仕訳入力から各種帳簿の作成まで、記帳業務全般を専門家が事業者に代わって行います。
会計取引の内容を帳簿に記録する「そもそも記帳とは」
経理業務における記帳とは、会計取引の内容を帳簿に記録することです。仕訳の入力や帳簿作成などが記帳業務に該当します。
記帳業務によって作成される帳簿は、決算書や税務申告の基になる資料です。正確な税務申告や適正な納税のためには、正確な記帳が欠かせません。また、法人には帳簿書類を7年間(欠損金がある場合は最長10年間)保存する義務があります。個人の場合であっても、書類の種類や青色申告・白色申告という区分の違いによって保存期間は異なりますが、原則として帳簿は7年間、領収書や請求書などの書類は5〜7年間の保存が必要です。詳細な規定は国税庁の公式サイト等をご確認ください。仮に申告や納税の内容そのものが正しかったとしても、その根拠となる正確な帳簿が法律の要件を満たした状態で保存されていない場合、税務調査の際に青色申告の承認を取り消されたり、手厚い税制上の特例が受けられなくなったりするなどの重いペナルティを課されるおそれがあります。事業者にとって帳簿は非常に重要な存在であり、その帳簿作成につながる記帳業務は、会計税務のすべての基礎となる極めて責任の重い作業といえるでしょう。
税理士法人や専門業者など記帳代行の主な依頼先
記帳代行を外部にアウトソーシングする際の依頼先の選択肢は、主に以下の2つに大別されます。
- 会計事務所(税理士法人・税理士個人事務所)
会計事務所とは、税理士や公認会計士が運営する事務所の俗称です。個人が運営する小規模な事務所から、組織的に対応する税理士法人まで、会計関連のサービスを提供する事務所はまとめて会計事務所と呼ばれます。記帳代行の依頼先としての会計事務所は、税理士が運営する個人事務所や税理士法人を指すケースが多いです。顧問契約を締結する税理士に、オプションで記帳代行も依頼するパターンが多くみられます。記帳業務だけでなく、税務関連を含む経理業務全般をワンストップでシームレスに依頼できる点が大きな強みです。 - 記帳代行・経理代行の専門業者
税理士資格を持たない、記帳代行サービスに特化した民間の専門業者や、アウトソーシング会社に記帳業務のみを部分的に依頼するパターンもあります。業務の範囲が「仕訳の入力と帳簿の作成」という大枠の単純作業に限定されている分、会計事務所に依頼するよりも比較的リーズナブルな価格(低コスト)で手軽に依頼できるケースが多い点がメリットです。
自社に最適な依頼先を見極めるための、会計事務所と専門業者の主な違いは以下の通りです。
| 項目 | 会計事務所(税理士法人など) | 記帳代行の専門業者 |
|---|---|---|
| 対応可能な業務範囲 | 記帳から決算、確定申告、税務相談、税務調査立ち合いまで一元対応 | 仕訳データの入力、各種帳簿の作成(ノンコアの単純作業のみ) |
| 税務申告・税務相談 | 可能(税理士の独占業務) | 不可(税理士法違反となるため対応できない) |
| コスト感 | 顧問料や決算料等のパッケージ、または記帳追加費用 | 範囲が限定されている分、比較的リーズナブル |
| 向いている企業 | 確実な節税、税務調査対策、中長期の経営コンサルも求める企業 | 経理の入力作業のみが負担で、税務申告は自社で行える、または別途依頼する企業 |
領収書や通帳コピーなど記帳代行に必要な資料
記帳代行の依頼先に提出する必要がある資料として以下の例が挙げられます。
- 領収書やレシート、請求書などの証憑(しょうひょう)書類
- 銀行口座の通帳のコピー、またはネットバンキングの入出金明細画面のCSVデータ
- 取引先と交わした売買契約書や納品書など、証憑書類の事実を裏付ける付随資料
- クレジットカードの利用明細書
基本的には、会社のお金の動き(会計取引)に関する資料は、すべて漏れなく提出する必要があると考えて良いでしょう。提出した資料に不足や記載の漏れがあると、代行業者の側で正しい仕訳の入力や正確な帳簿作成ができなくなってしまい、決算の段階でトラブルの原因になるため注意する必要があります。
業務範囲や独占業務の有無で見極める経理代行業者との違い
前述のように、記帳代行は経理業務のうち記帳に特化しています。一方で経理代行は記帳を含む経理全般の対応が可能です。経理代行業者に包括して依頼できる業務として以下の例が挙げられます。
- 記帳業務(仕訳入力)
- 従業員の毎月の給与計算
- 月次決算書の作成
- 年末調整手続き
- 決算申告に関連する書類の整理
- 取引先への請求書の作成および発送代行業務
- 買掛金(支払うべきお金)や売掛金(回収すべきお金)の期日管理
- 銀行振込などの支払業務の代行
このように経理代行は非常に幅広い業務が可能ですが、税理士が在籍していない民間の経理代行業者の場合、税務署への「税務申告(確定申告書の作成や提出)」のような税理士法で定められた税理士の独占業務は、法律上対応することができません。そのため、もし自社の課題として「給与計算や請求書の発行、支払の管理など、記帳以外の経理業務全般に多大な負担がかかっている」という場合は、記帳代行ではなく、税理士が在籍する包括的な経理代行業者や会計事務所に依頼するのが良いでしょう。反対に、記帳業務が特に負担でそれ以外は社内で対応できる場合、記帳代行業者に依頼した方がコストを抑えられます。
記帳代行サービスを依頼する5つのメリット

記帳代行サービスを依頼するメリットを5つ紹介します。
ノンコア業務から解放され本業に集中できるようになる
財務諸表(決算書)の作成や正確な税額の計算などは、日々の記帳によってコツコツと作成された帳簿をもとに行われます。また、決算や税務申告の時だけでなく、自社の財務状態・経営成績を正しく把握するためにも経理業務をしっかり行う必要があります。しかし、記帳をはじめとする経理業務は売上に直接つながるものではありません。経理のようなバックオフィスに十分な人手を確保しようとすると、本業に割けるリソースが小さくなってしまう恐れがあります。経理は会社にとって欠かせない業務でありながらも、十分なリソースを確保するのが難しい部分です。記帳代行を利用すれば、経理の中でも特に作業量が多い記帳を自社で行う必要が完全になくなります。経理に割くリソースを大幅に削減できるため、本業に集中しやすくなります。
採用の手間を省き人手不足の解消につながる
自社ですべての経理・記帳を行う場合、当然ながら簿記の知識を持った専門の経理担当者を社内で確保し、維持し続けなければなりません。しかし、東京・新宿エリアのような激戦区においては、優秀な経理人材の採用市場は非常に競争が激しく、中小企業が自社で専任の経理スタッフを採用することは極めて困難です。また、せっかく採用できても「急に退職してしまい、経理が完全にストップしてしまった」というリスクも常に付きまといます。記帳代行を利用すれば、自社の貴重な正社員の労働力を記帳業務に充てる必要がなくなります。つまり、記帳業務の担当者を自社で確保する必要がなくなるのです。自社で記帳を行う場合よりも必要な人数が少なく済むようになるため、人手不足の解消が期待できます。
簿記のプロに任せて正確な記帳ができる
原則として、青色申告の恩恵(最大65万円の控除など)を受けるためには、複雑な「複式簿記」のルールに従って正確に記帳を行わなければなりません。しかし、簿記の専門知識や実務経験がない人が会計ソフトを使って自力で入力を行うと、「勘定科目の選択を間違える」「仕訳の入力時期(発生主義)を誤る」「インボイスの税額計算をミスする」といった深刻なエラーが多発し、正確な財務諸表の作成や正しい税額計算ができなくなる恐れが非常に高いです。たとえ意図しない誤りが原因でも、過少申告をしてしまうと追徴課税の対象になってしまいます。記帳代行業者は記帳のプロです。簿記を含む記帳関連の豊富な経験やスキルを活かし、スピーディーかつ適切な記帳を行います。そのため自社の負担を最小限に抑えながらも、税法に基づいた適正な帳簿作成が可能となり、将来の税務調査に対する強力なリスクヘッジにつながります。
人件費や採用費を抑えコスト削減につながる
もちろん、記帳代行を外部の業者に依頼する場合、業者に対する報酬の支払いは必要です。そのため外注費や業務委託費は増加するでしょう。しかし記帳担当者を社内で確保する場合、採用費や教育研修費、各種人件費が発生します。これらの費用の総額と業者に委託する場合の手数料を比較すると、後者の方が安く済むケースも多くみられます。
外部の目を入れ不正防止の効果を期待できる
経理は会社のお金に関する業務であり、不正の恐れが多い分野です。中でも記帳は意図的に誤った仕訳を入力することで、書類上の残高を操作するという不正が起こりやすいです。その上経理は属人化しやすくダブルチェックが難しいため、不正を見つけにくいともいえます。記帳代行サービスを利用すれば、正しい仕訳入力による正確な帳簿作成が可能です。帳簿の正確性が担保されるため、記帳以外を自社で行う場合でも、経理担当者による不正の恐れを大幅に抑えられるでしょう。
記帳代行の費用相場
記帳代行の料金システムは以下の2種類に大別されます。1つ目は仕訳数に応じた月額料金制、2つ目は1仕訳の単価×仕訳総数で精算するシステムです。なお、当事務所(BIZARQグループ)では、記帳代行を丸ごとお任せしたい個人事業主・フリーランスの方に向けて、マネーフォワードクラウド・freee会計限定で「月額記帳料:5,000円〜」という明朗な追加プランをご用意しています。実際の取引規模に応じた正確な費用については事前にお見積もりをご提示いたします。一般的な市場の費用相場は以下の通りです。
仕訳数に応じて決まる月額料金制の相場
月額料金制の場合、「100仕訳から200仕訳までは〇万円」のように決まります。月の仕訳数ごとの大まかな費用相場は以下の通りです。
- 50仕訳未満:5,000円程度
- 50~100仕訳:10,000円程度
- 101~200仕訳:15,000円程度
- 201仕訳~:20,000円~
あくまで目安ですが、100仕訳ごとに5,000円程度増加するケースが多くみられます。仕訳総数が増えるほど割安になるサービスもあります。
1仕訳あたりの単価で精算する従量課金制の相場
単価は固定されており、仕訳数が確定してからその月の報酬総額が決まるシステムです。1仕訳あたり50円~100円が相場となります。例えば、1仕訳あたりの単価が80円の契約において、ある月の取引(領収書や通帳の行数)が合計で150仕訳だった場合、その月の記帳代行費用は「80円 × 150仕訳 = 12,000円」と計算されます。
なお、これらの基本料金(仕訳入力費用)とは別に、通帳のデータ連動を行わずにすべて紙の通帳コピーから手動で入力する「手入力オプション」や、領収書を日付順にきれいに並べてノートに貼り付ける「領収書整理オプション」、あるいは急ぎで試算表を作成してもらう「特急対応オプション」など、付随業務を追加で依頼する場合は、それぞれ別途数千円〜数万円程度のオプション費用が加算される仕組みが一般的ですので、事前に見積もりを依頼して確認することが大切です。
ここで重要な実務上の注意点として、記帳代行は「丸投げできる」とはいえ、期限までに領収書や請求書、各種データを漏れなく提出するという、お客様側の最低限の協力は必要不可欠です。提出資料に不足や記載の漏れがあると、どれだけプロであっても正しい記帳や正確な帳簿作成ができなくなってしまいます。お互いのスムーズな連携が、経営の効率化を最大化させる鍵となります。
「記帳代行の活用と経理効率化」まとめ
- 記帳作業の外注により、本業のコア業務へ完全にリソースを集中できる
経理の中で特に膨大な作業量と時間を要する記帳業務を外部に委託することで、社内の貴重な人材や経営者自身が売上を拡大するための本業に専念できる環境が整います。 - 人手不足の解消とコスト削減、さらに社内の不正防止にも直結する
専門の経理スタッフを社内で採用・育成する高いコストや突然の退職リスクを排除でき、外部の客観的な目を入れることで社内の金銭トラブルや仕訳の不正操作を未然に防ぐ防犯効果も期待できます。 - 簿記のプロに任せることで、インボイスや電帳法に準拠した適正な帳簿が作成できる
複雑な複式簿記のルールや法改正に基づく処理を正確に行うため、意図しない入力ミスによる過少申告や追徴課税のリスクを最小限に抑え、税務調査に強い強固な経理体制を構築できます。
記帳代行サービスを上手く利用することにより、経営者様はノンコア業務のストレスから完全に解放されて本業の事業活動に集中できるようになるだけでなく、自社で高い人件費を払って経理スタッフを雇用・維持する必要がなくなるため、深刻な人手不足の解消や劇的なコスト削減など、様々な面で大きなメリットを享受できます。さらに、簿記のプロフェッショナルが実務を担当するため、自社の負担を最小限に抑えながらも、インボイスや電帳法に完全準拠した税法に基づいた適正な帳簿作成が可能となり、将来の税務調査に対する強力なリスクヘッジにつながります。経理の業務、特に日々の細かな仕訳入力や領収書の整理がボトルネックとなり、本業のスピード感を損なう負担になっているのであれば、企業の財務基盤を強固にし、未来の経営を加速させるためにも、最新のITツールを駆使した当法人のクラウド会計導入・経理代行サービスの活用をご検討ください。現状を正確に把握した上で最適なプランをご提案いたしますので、具体的なお悩みは以下の税理士無料相談窓口より、いつでもお気軽にお問い合わせください。
「記帳代行」に関するよくある質問
記帳代行の依頼先が会計事務所(税理士法人など)であれば、日頃の記帳内容の経緯を完全に把握しているため、税務調査の事前準備から当日の実地調査への立ち合いまでスムーズに対応を任せることができます。一方、税理士のいない記帳代行専門業者に依頼している場合は、税務調査の立ち合いや税務署との交渉は税理士法で定められた独占業務となるため業者が対応することはできません。その場合は、事業者自身で対応するか、別途スポットで税理士を探して依頼する必要があります。
はい、多くの記帳代行サービスでは、領収書や請求書が整理されていない状態であってもそのまま引き受けることが可能です。ただし、多くの場合は「領収書整理オプション」などの追加費用が月額料金にプラスされる形になります。また、丸投げできるとはいえ、資料の提出自体を忘れてしまったり期限に遅れてしまうと、正しい期間内での月次試算表の作成や正確な帳簿の保存ができなくなるため、定められた期日までにすべての会計資料を漏れなく提出するという最低限の協力は必要不可欠です。
はい、非常に大きなメリットがあります。クラウド会計ソフトの銀行口座やクレジットカードの自動同期機能を使えばデータ入力の手間は減りますが、同期された取引が「どの勘定科目に該当するか」「インボイス制度上の適格請求書に適合しているか」といった最終的な仕訳の確認・確定作業(マッチング)には、依然として簿記や税務の専門知識が必要です。この確定作業をプロに代行してもらうことで、入力漏れや勘定科目の間違いによる税務リスクを完全に排除し、本来のコア業務に全リソースを集中させることができます。
この記事の監修者

吉岡 和樹 Kazuki Yoshioka
BIZARQグループ 共同代表
上智大学を中退後、7年間にわたり中堅会計事務所に勤務し、2014年にBIZARQ Groupの前身となる会計法人を設立。「経営のアクセルを踏む『攻め』のコンサル」を信条とし、会計・税務だけでなく経営や財務の相談に幅広く対応。創業融資やリスケジュール支援など、資金調達を通じた伴走支援で企業の成長を力強く後押ししている。事業計画の策定と銀行対応に多数の実績を持つ。

