貸借対照表(B/S)とは?読み方と作成方法、損益計算書との違いを解説!

2025.10.01

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貸借対照表とは特定の時点における財政状態を示す書類です。

貸借対照表を活用することで、企業の安定性や返済能力、自己資本の活用状況などを分析できます。

 

貸借対照表はすべての企業に作成が義務付けられている書類です。

そのため読み方だけでなく、作成方法についても理解を深める必要があります。

 

今回は貸借対照表について詳しく解説します。

 

貸借対照表に記載される項目の中でも特に「繰延資産」は特殊な性質を有しており、わかりにくいと感じる人が多いです。

繰延資産については以下の記事をご覧ください。

 

 

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CONTENTS

貸借対照表とは

貸借対照表とは特定の時点における財政状態を示す書類です。

英語表記である「Balance Sheet」を略した「B/S」や、そのまま「バランスシート」と呼ばれる場面も多くみられます。

損益計算書、キャッシュフロー計算書と同じく財務三表の1つです。

貸借対照表の左側を借方(かりかた)、右側を貸方(かしかた)といいます。

借方には会社が保有する財産が、貸方には財産の調達方法が示されています。

貸借対照表を構成する資産、負債、純資産とは

貸借対照表を構成する要素は資産、負債、純資産の3つです。

それぞれの意味や該当する勘定科目を紹介します。

資産

資産は会社が保有している財産のことです。

貸借対照表の左側、すなわち借方に表示されます。

 

資産は性質によってさらに3種類に分けられます。

 

  • 流動資産
  • 1年以内に現金化できる財産です。
  • 例:現金、普通預金、売掛金、短期貸付金、棚卸資産など
  •  
  • 固定資産
  • 現金化に時間がかかる財産や、1年以上の長期保有を前提とした財産が該当します。
  • 例:建物、工具器具備品、ソフトウェアなど
  •  
  • 繰延資産
  • 支出による効果が1年以上に及ぶ費用が一時的に計上されたものです。
  • 本来は費用に該当する支出を一時的に資産計上しているもので、必要に応じて費用化の処理をします。
  • 例:創立費、開業費、株式交付費など

負債

負債とは他人資本、すなわち将来的に返済する必要があるお金です。

貸借対照表の右側である貸方の上部に記載されます。

 

負債は返済期日までの長さに応じて2種類に分けられます。

 

  • 流動負債
  • 原則として1年以内に返済の必要があるお金です。
  • 例:買掛金、未払金、未払費用、短期借入金、預り金など
  •  
  • 固定負債
  • 貸借対照表日から1年以上後に返済するお金です。
  • 例:長期借入金、長期未払金、社債など

純資産

純資産とは資産から負債を差し引いた差額部分で、返済義務のないお金です。

純資産の部に記載する勘定科目として以下の例が挙げられます。

  • ・資本金
  • ・資本準備金
  • ・利益準備金
  • ・自己株式
  • ・新株予約権

損益計算書との違い

損益計算書とは企業の一定期間における収益、費用、利益を示す書類で、貸借対照表と同じく財務三表の1つです。

貸借対照表が財政状態を示すのに対し、損益計算書は経営成績を示します

 

貸借対照表と損益計算書は異なる要素を示す書類ですが、両者の関係は深く、金額が連動する箇所もあります。

例えば損益計算書に記載される当期純利益の額は、貸借対照表に記載される利益剰余金を構成する要素の1つです。

当期純利益が計上された場合、貸借対照表の利益剰余金も増加します。

貸借対照表の読み方の基本

貸借対照表は一つひとつの金額を見るのではなく、複数の数字を用いて分析することが大切です。

この章では貸借対照表を読む上で特に押さえるべき分析手法を5つ紹介します。

流動比率|短期的な安定性

流動比率とは流動資産と流動負債の割合です。

流動比率は以下のように計算します。

  • 流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100

流動比率が高いほど流動負債に対する流動資産の割合が大きく、資金状況が安定していると判断できます。

反対に流動比率が100%を切っている場合、流動負債が流動資産を上回っている状態です。

資金繰りが困難になる恐れがあるため注意する必要があります。

当座比率|会社の返済能力や支払い能力

当座比率とは当座資産と流動負債の割合です。

当座資産は流動資産の中でも早期に確実な現金化ができる資産のことで、現預金、売掛金、有価証券などが該当します。

 

当座比率の計算式は以下の通りです。

  • 当座比率(%)=当座資産÷流動負債×100

 

前節の流動比率は、棚卸資産のように換金性の低い資産も計算に含める必要がありました。

当座比率は確実に現金化できる資産のみを計算に用いるため、より正確な返済能力を測れます

流動比率と同様に、数値が大きいほど資金状況が安定しており返済能力が高い状態です。

固定比率|長期的な安定性

固定比率とは自己資本に占める固定資産の割合です。

以下のように計算します。

  • 固定比率(%)=固定資産÷自己資本×100

固定比率は企業の長期的な安定性を測る指標となります。

固定比率が100%以下の場合、企業の保有する固定資産の全額を自己資金でまかなえている状態です。

そのため、長期的な安定性が高いと判断できます。

 

ただし、固定資産の金額は設備投資の程度によって大きく変わります。

業種によっては設備投資によって高額の固定資産が計上されており、固定比率が高いのが当然なケースもあるでしょう。

したがって、固定比率が高いから危険とは言い切れない点に注意する必要があります。

自己資本比率|財務の健全性

自己資本比率とは企業の資本全体に対する自己資本の割合です。

以下の計算式で求めます。

  • 自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100

 

自己資本比率が高いほど負債の返済に左右されず安定性を保てる状態と判断できます。

また、社会情勢の変化により経営面での大きな影響を受けても、自己資本で持ちこたえられる可能性が高いです。

 

自己資本比率については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。

 

自己資本利益率|自己資本をどれだけ効率良く活用できているか

自己資本利益率は当期純利益に対する自己資本の割合です。

以下のように計算します。

  • 自己資本利益率(%)=当期純利益÷自己資本×100

 

自己資本利益率は返済義務のない自己資本をどれだけ効率良く活用できているかを示します。

すなわち自己資本利益率が高いほど、自己資本により利益を効率良く上げている状態といえるのです。

 

自己資本利益率については以下の記事もご覧ください。

 

貸借対照表の作り方

貸借対照表の作成の流れは大きく4つの工程に分けられます。

それぞれの工程について詳しく解説します。

仕訳をすべて終わらせる

貸借対照表に限らず、財務諸表を作成するためには仕訳をすべて終わらせる必要があります。

決算書として期末時点の貸借対照表を作成するためには決算整理仕訳も終わらせる必要がある点にご注意ください。

各取引を借方・貸方に振り分けた上で総勘定元帳に転記する

総勘定元帳とは全取引を勘定科目ごとに記録する帳簿です。

各勘定科目の動きや残高を把握できます。

 

貸借対照表を作成するには、仕訳帳に記載した各取引を借方・貸方に振り分けた上で総勘定元帳に転記する必要があります。

少しでも転記ミスや漏れがあると金額がズレてしまうため注意が必要です。

試算表を作成する

試算表とは帳簿に記載された全勘定科目の借方・貸方金額が記載される表です。

総勘定元帳の残高を転記して作成します。

 

本来、試算表の借方残高と貸方残高は一致します。

しかし総勘定元帳の内容にミスや漏れがあると、借方残高と貸方残高が一致しません。

すなわち試算表の作成により、仕訳帳から総勘定元帳への転記が正しく行われているかのチェックができるのです。

貸借対照表を作成する

すべての勘定科目の集計が完了することで、貸借対照表の作成が可能になります。

試算表から「資産」「負債」「純資産」に該当する勘定科目だけを抜き出して転記をしましょう。

正しく転記できていれば借方残高と貸方残高が一致します。

まとめ

貸借対照表とは特定のタイミングにおける財政状態を示す書類です。

資産、負債、純資産という3つの要素から構成されています。

 

貸借対照表に記載された金額を用いて企業の安定性や返済能力などを判断できます。

貸借対照表を用いた基本的な分析手法を知っておくことで、企業の財政状態をより深く理解できるようになるでしょう。

 

貸借対照表はすべての企業に作成が義務付けられた書類です。

そのため読み方だけでなく作成方法についても知っておく必要があります。

 

貸借対照表を正しく活用するため、今回紹介した内容をしっかり押さえましょう。

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士

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