2025年度税制改正の概要:重要ポイントをわかりやすく解説!

2025.07.11

2025年度の税制改正による変更は多岐にわたり、生活や事業活動に大きな影響を及ぼす変更事項もあります。

また、税制改正によって効果的な節税対策の進め方にも変化が生じました。

適切な納税や節税対策を行うためには、税制改正によってどのような変更が行われたか確認が必要です。

今回は2025年度税制改正による重要ポイントについて、個人と法人それぞれに分けて解説します。

 

所得税および法人税の基本については以下の記事をご覧ください。

 

 

 

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CONTENTS

2025年度税制改正のポイント 個人編

はじめに2025年度税制改正のポイントのうち、個人に関するものを紹介します。

基礎控除の引き上げ

2025年度税制改正により、所得税の基礎控除額が最高48万円から58万円に引き上げられました

さらに2025年度と2026年度の2年間は、低~中所得者層を対象に最高37万円の上乗せ措置が行われます。

控除額の引き上げおよび上乗せにより、合計所得⾦額別の最終的な基礎控除額は以下のように変わりました。

  • ・132万円以下:95万円
  • ・132万円超336万円以下:88万円
  • ・336万円超489万円以下:68万円
  • ・489万円超655万円以下:63万円
  • ・655万円超2,350万円以下:58万円
  • ・2,350万円超2,400万円以下:48万円(変更なし)
  • ・2,400万円超2,450万円以下:32万円(変更なし)
  • ・2,450万円超2,500万円以下:16万円(変更なし)
  • ・2,500万円超:0円

※控除額上乗せは2025年度と2026年度のみ実施されるため、2027年分以後の基礎控除の最高額は58万円です。

 

基礎控除額の引き上げは「基礎控除が定額では、物価が上昇すると実質的な税負担が増えてしまう」という課題を解消するために行われました。

 

基礎控除の上乗せ特例は、物価上昇に賃金上昇が追いついていない状況を踏まえて決定された施策です。

高所得者優遇にならないよう、低~中所得者層のみを対象としています。

給与所得控除の引き上げ

物価上昇や就業調整への対応の観点から、給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に10万円引き上げられました。

年間の給与収入が162.5万円~190万円の人が給与所得控除の引き上げによる影響を受けます。

特定扶養控除の見直し・特別控除の創設

基礎控除の引き上げに伴い、扶養親族および同一生計配偶者の合計所得金額に係る要件も48万円から58万円に引き上げられています。

 

また、大学生のアルバイトの就業調整に対応するため、大学生年代の子等を扶養する親等を対象とした特別控除が創設されました。

19歳以上23歳未満の大学生年代の子等の合計所得金額が 123万円までの場合に、納税者である親等が所得控除を受けられる制度です。

対象の子等の合計所得金額が85万円以下の場合、最高額である63万円の控除が適用されます。

合計所得が85万円を超えると親等が受けられる控除の額が段階的に逓減していきます。

子育て世帯の住宅ローン減税の延長

2024年の入居分から、住宅ローン減税の対象となる借入額の上限が500万円~1,000万円引き下げられています。

しかし子育て世帯に対しては、子育て支援の観点から控除対象借入限度額の上乗せが行われていました。

実質的には、子育て世帯は控除額上限の引き下げが見送られており、据え置き状態であったといえます。

 

2025年度税制改正により、子育て世帯を対象とした当該優遇措置が1年間延長となりました。

2025年入居分についても、従来と同様の控除対象借入限度額が適用されます。

確定拠出年金に関する変更

2025年度税制改正により、iDeCoや企業型DCなど確定拠出年金について以下の変更が行われました。

  • ・掛金上限額の引き上げ
  • ・iDeCo加入対象者の拡大
  • ・確定拠出年金と退職金の両方で退職所得控除の満額適用を受けるために必要な期間が10年間に
  • (5年ルールから10年ルールへの変更)

 

確定拠出年金に関する変更については以下の記事で詳しく解説しています。

 

 

ガソリン税の見直しは検討段階

ガソリン税の見直しが期待されていますが、2025年度税制改正では特に変更が行われていません。

「ガソリンの暫定税率は廃止する」「具体的な実施方法等は引き続き協議を進める」と公表されているものの、現時点では検討段階です。

 

なお2025年6月11日、立憲民主党など野党7党がガソリン税の暫定税率を廃止するための法案を共同で国会に提出した旨が報道されました。

ガソリン価格の抑制策をめぐる大きな動きが予想されます。

参考:野党7党 7月からガソリン税の暫定税率廃止の法案 共同で提出|NHK

2025年度税制改正のポイント 法人編

続いて、2025年度税制改正について法人が押さえるべきポイントを紹介します。

中小企業等の軽減税率の特例の延長

2025年度税制改正により、中小企業等を対象とした法人税の軽減税率の特例が延長されました。

 

2025年時点における法人税の原則的な23.2%ですが、中小企業等は所得800万円以下の部分により低い税率が適用されます。この仕組みが軽減税率です。

現在適用されている軽減税率15%は特例措置であり、本則の軽減税率は19%と定められています。

 

軽減税率15%の特例措置は令和6年度末(2025年3月末)までの予定でしたが、税制改正により2年間の延長が決定されました。

同時に、軽減税率の特例措置について以下2点の変更も行われています。

  • ・所得が年10億円を超える場合、その年度の軽減税率は17%に引き上げ
  • ・グループ通算制度の適用を受けている法人は特例の対象外とする

中小企業経営強化税制の拡充および延長

中小企業経営強化税制とは、一定の要件を満たす資産を取得した場合に、即時償却又は10%の税額控除の適用を受けられる制度です。

(資本金3,000万円を超える法人が税額控除を受ける場合は取得価額の7%相当額)

2025年度税制改正により、中小企業経営強化税制に関する以下4つの変更が行われました。

  • 適用期限を2年間延長(2027年3月31日まで)
  • ・B類型の拡充として、売上高100億円超を目指す中小企業の対象資産に建物を追加
  • ・C類型の廃止
  • ・A類型、B類型の適用要件の見直し

 

中小企業経営強化税制については以下の記事で詳しく解説しています。

 

中小企業投資促進税制の延長

中小企業投資促進税制とは、中小企業等が一定の設備投資をした際に特別償却または税額控除の適用を受けられる制度です。

個人事業主および資本金3,000万円以下の法人は、30%の特別償却または7%の税額控除いずれかを選択できます。

資本金3,000万円を超える法人の場合、30%の特別償却のみ適用可能です。

2025年度税制改正により2年間の延長が決定され、適用期限が2027年3月31日までになりました。

 

中小企業投資促進税制の詳細は以下の記事で解説しています。

 

防衛特別法人税の創設

2025年度税制改により、防衛力強化に係る財源確保を目的とした税金である「防衛特別法人税」が創設されました。

防衛特別法人税の基本情報を紹介します。

  • ・税額の計算方法:(基準法人税額-基礎控除額500万円)×4%
  • ・申告および納付期限:法人税と同様に決算日の翌日から2ヵ月以内

2026年(令和8年)4月1日に開始する事業年度から適用開始予定です。

企業版ふるさと納税の延長

企業版ふるさと納税とは、企業が一定の要件を満たす事業に対して寄附した場合に法人税の税額控除を受けられる制度です。

正式名称は「地方創生応援税制」といいます。

個人のふるさと納税と違い返礼品の仕組みはなく、あくまでも税額控除のみが適用されます。

 

企業版ふるさと納税の適用期限は2025年3月31日までの予定でしたが、2025年度税制改正により3年間の延長が決定されました。

あわせて以下の変更も実施されています。

  • ・地方公共団体におけるチェック機能の強化
  • ・一定条件に該当する契約手続等について、国への実施報告への義務化および寄附法人名を公表
  • ・地域再生計画の認定取消しを受けた場合、再申請に係る2年間の欠格期間を創設

まとめ

2025年度税制改正により、個人課税・法人課税ともに大きな変更が行われました。

税金に限らず、法律で「知らなかった」は通用しません。

ルールに則った適切な納税や節税対策を行うため、税制改正による変更点を確認し、最新情報までしっかり押さえるのが理想です。

 

税制改正の内容をはじめ、納税および節税対策のために確認するべき情報や注意点は多岐にわたります。

税務関連の手続きを正確に行うためには、専門家である税理士のサポートを受けるのが安心です。

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士

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