
企業版ふるさと納税とは企業が自治体に寄附すると法人税等の税額軽減を受けられる制度です。
本来は令和7年3月31日で終了予定でしたが、令和7年度税制改正により期限が延長されました。
企業版ふるさと納税は高額の税額軽減を受けられる点以外にも様々なメリットがあります。
一方で、控除額の上限や対象となる自治体の制限等の注意点が存在するため、制度について事前に十分な確認が必要です。
今回は企業版ふるさと納税について詳しく解説します。
個人のふるさと納税については以下の記事をご覧ください。
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CONTENTS
企業版ふるさと納税とは

企業版ふるさと納税とは、企業が自治体に寄附すると法人税等の税額軽減を受けられる制度です。
企業から自治体に対する寄附のうち、地域再生計画に位置付けられた事業に対する寄附が対象となります。
税額軽減の程度
企業版ふるさと納税では、最大で寄附額の9割の税額軽減を受けられます。
内訳は以下の通りです。
- ・通常の損金算入額:約3割
- ・税額控除の対象額:最大6割
- うち3割は税制改正により令和2年度以降に拡充された分です
例えば企業版ふるさと納税に該当する寄附額が500万円の場合、法人税等が最大で約450万円軽減される可能性があります。
「最大」の表現が用いられているのは、税額軽減の額に上限が定められているためです。
控除額や上限額の計算方法は複雑なため、詳しくは専門家へご相談ください。
企業版ふるさと納税の実態
「ふるコネ」によると、企業版ふるさと納税の市場規模(受入額)は以下のように推移しています。
- 平成29年:2,355百万円
- 平成30年:3,475百万円
- 令和元年:3,380百万円
- 令和2年:11,000百万円
- 令和3年:22,570百万円
- 令和4年:34,107百万円
- 令和5年:46,999百万円
このように受入額は年々増加しており、市場規模は拡大を続けているといえるでしょう。
令和7年度税制改正による変更点
令和7年度税制改正では、企業版ふるさと納税に関する複数の変更が行われました。
最初に少し触れたように企業版ふるさと納税は令和6年度末、すなわち令和7年3月31日で終了予定であった制度です。
しかし市場規模が急激に成長している事実や、令和7年度以降の延長を希望する声が多いことから、令和9年度末まで延長されました。
そして令和9年度までの延長と同時に、以下の制度改善策が講じられました。
- ・寄附活用事業の実施に当たり自治体におけるチェック機能を強化
- ・寄附活用事業の実施状況を透明化
- ・地域再生計画の認定取消しを受けた場合の再申請に係る欠格期間を創設
地方創生のさらなる充実および拡充と、企業版ふるさと納税制度の健全な発展を両立させるための施策といえるでしょう。
企業版ふるさと納税のメリット

企業版ふるさと納税について、企業目線のメリットを3つ紹介します。
高額の税額軽減を受けられる
最も大きなメリットは、高額の税額軽減を受けられる点です。
前章で紹介した通り、企業版ふるさと納税では最大で寄附額の約9割の税額軽減を受けられます。
寄附額500万円であれば最大で約450万円、寄附額1,000万円であれば最大で約900万円の控除を受けられるイメージです。
寄附額が高額になればなるほど税額軽減の効果も大きくなります。
なお、寄附額が高額なほど効果が大きいとはいえ、少額の寄附でも控除適用を受けられます。
下限は10万円と低く設定されているため、中小企業等でも比較的利用しやすい制度といえるでしょう。
自治体との関係構築ができる
自治体との関係構築ができる点もメリットの1つです。
一概にはいえませんが、企業と自治体が共に事業へ取り組む機会はあまり多くありません。
あくまでも自治体が提供する公共サービスの利用および地方税の納付程度の関係性であり、親密な関係構築は難しいのが事実です。
特に、事務所や営業所の所在地以外の自治体とのコミュニケーションができる機会は限られています。
前述のように、企業版ふるさと納税は自治体が行う地方創生の取り組みに対する寄附が対象となる制度です。
応援したい自治体を主体的に選べる上、共に事業を作り上げるという関係性を作り上げられます。
また、寄附を機に自治体とのコミュニケーションが生まれるケースも多いようです。
このように、寄附を通じて自治体との関係構築やコミュニケーションの頻度を上げることができる可能性があります。
企業のブランディングやPRにつながる
企業のブランディングやPRにつながる可能性も高いです。
企業版ふるさと納税を行なった企業は、寄附先の公式サイトやパンフレット等に掲載されます。
また、自社の公式サイト等で寄附を行なった旨を発信もできます。
企業版ふるさと納税のポータルサイト等に事例として掲載されるケースも多いです。
このように自治体の地方創生の取り組みに対して寄附した旨が広く公表されるため、PRとしても効果的といえるでしょう。
実際に、寄附を機に取引先や金融機関からの信用力が向上した事例も紹介されています。
ブランド価値の向上やPR効果の面でもメリットの大きい手法といえるでしょう。
企業版ふるさと納税を行う際の注意点

続いて、企業版ふるさと納税を行う際の注意点を紹介します。
控除額に上限がある
最初に少し紹介したように、企業版ふるさと納税による控除額には上限があります。
税額控除の額および上限額は以下の通りです。
- 法人住民税
- 企業版ふるさと納税による寄附額の4割の税額控除を受けられます。
- 上限額は法人住民税法人税割額の20%です。
- 法人税
- 法人住民税で4割に達しない場合、残額部分について法人税の税額控除を受けられます。
- 上限額は寄附額の1割かつ法人税額の5%です。
- 法人事業税
- 寄附額の2割の税額控除を受けられます。
- 上限額は法人事業税額の20%です。
このように控除額に上限があるため、法人税等の額が少ない場合は控除しきれず、大きな節税効果は得られない可能性があります。
返礼品は受けられない
企業版ふるさと納税では返礼品の受け取りができません。
寄附の対価として経済的な利益を受け取る行為は禁止されています。
返礼品だけでなく、寄附の見返りとして補助金を受け取る行為や有利な条件で貸付を受ける行為も禁止事項に含まれます。
企業版ふるさと納税の対象外の自治体が存在する
- ・地方交付税の不交付団体である自治体(東京都)
- ・地方交付税の不交付団体で、かつ、三大都市圏の既成市街地等に所在する市区町村
まとめ
企業版ふるさと納税とは、企業が自治体の地域再生計画に位置付けられた事業に寄附をすると税額軽減を受けられる制度です。
通常の寄附に対する損金算入額とあわせて、最大で寄附額の約9割の税額軽減を受けられます。
税額軽減を受けられる点以外にも、自治体との関係構築や自社のブランディングなどさまざまなメリットもあります。
ただし、税額軽減の金額には上限があり、法人税等の金額によっては節税効果が弱い恐れがあるため注意が必要です。
返礼品を受け取れない点や、対象外の自治体が存在する点も押さえる必要があります。
企業版ふるさと納税の仕組みを正しく理解し、制度を上手く活用しましょう。
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記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士






