
派遣社員の特徴として、雇用主である会社と職場となる会社が異なる点が挙げられます。
しかし、年末調整や給与所得に対する課税の仕組みなどに正社員との違いは特にありません。
節税対策についても、ほかの給与所得者と同じようなテクニックが効果的です。
とはいえ、派遣社員の節税対策や課税の仕組みに関する疑問をお持ちの人も多いでしょう。
今回は派遣社員におすすめの節税対策の具体的なやり方や、派遣社員の税金に関するよくある疑問について解説します。
所得税の基本については以下の記事をご覧ください。
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CONTENTS
派遣社員におすすめの節税対策

はじめに、派遣社員におすすめの節税対策として4つの方法を紹介します。
控除制度を漏れなく活用する
所得税の節税対策の中でも最も効果的かつ重要なのが、控除制度を漏れなく活用することです。
所得税にはさまざまな控除制度が設けられていますが、要件を満たす場合に自動で適用されるわけではありません。
控除を受けるためには年末調整や確定申告での手続きが必要です。
手続きを漏れなく行い控除を最大限に受けるためには、そもそもどのような控除制度が存在するのが知る必要があります。
今回は数ある控除制度の中から、適用対象になる可能性が高い制度や、見逃しやすい制度の例を紹介します。
生命保険料控除・地震保険料控除
生命保険料や地震保険料の支払いがある場合に、所定の方法で計算した額を所得から控除できる制度です。
生命保険や地震保険に加入しているのであれば必ず控除の適用を受けましょう。
医療費控除・セルフメディケーション税制
医療費控除は医療費が一定額を超える場合に利用できる制度です。
セルフメディケーション税制は薬局などで自身が選択して購入した薬品の合計額が一定額を超える場合に適用を受けられます。
医療費控除とセルフメディケーション税制はどちらか一方しか適用を受けられないため、それぞれの控除額を計算し、有利な方を選びましょう。
扶養控除・配偶者控除・配偶者特別控除
扶養控除は控除対象の扶養親族がいる場合に、配偶者控除と配偶者特別控除は配偶者の所得額が一定以下の場合に適用を受けられる制度です。
基本的には、雇用主から提出を指示される「扶養控除等申告書」に家族等の情報を記載すれば、年末調整で控除が適用されます。
記載ミスや漏れがあると控除が適用されない恐れがあるためご注意ください。
年末調整や確定申告を必ず行う
源泉徴収等により所得税を納め過ぎている状態に対するペナルティは特にありません。
しかし所得税を多く払っている状態を放置してもメリットはなく、ただ損をしているだけとなります。
年末調整や確定申告を行えば、納付するべき税額よりも多い分については還付を受けられます。
税金を多く払いすぎている状態の場合、多少手間ではありますが年末調整や確定申告を必ず行いましょう。
なお、確定申告の義務を怠った場合は延滞税や無申告加算税などのペナルティを課せられます。
派遣社員で確定申告が必要になるケースについては、次章の「派遣社員が副業をしている場合の扱いは?」で詳しく解説します。
ふるさと納税を行う
ふるさと納税とは好きな自治体に対して寄付を行うと、寄付した自治体から返礼品を受け取れる制度です。
ふるさと納税による寄付金額から自己負担額を差し引いた額が翌年以降の税金から控除されます。
寄付金額に応じて翌年以降の税金が減る仕組みのため、支払う税額が減るというよりは税金の前払いのイメージに近いです。
そのため厳密には節税対策ではありませんが、自治体を選べる・返礼品を受け取れる等のメリットから高い人気を誇ります。
ふるさと納税については以下の記事で詳しく解説しています。
iDeCoやNISAを活用する
iDeCo(個人型確定拠出年金)は毎月一定額を拠出し、個人で積み上げていく年金制度です。
iDeCoが節税になる理由として以下の3つが挙げられます。
- ・掛金全額が所得控除の対象になる
- ・掛金は預金や投資信託として運用されるが、運用益は非課税
- ・積み立てたお金を受け取るときは退職所得控除や公的年金等控除が適用される
NISA(少額投資非課税制度)は金融商品の運用によって発生した運用益が非課税になる制度です。
iDeCoと違い拠出したお金が所得控除の対象になるわけではないため、iDeCoほどの節税効果はありません。
ただし税負担なく投資運用ができるため、節税対策として人気を誇ります。
iDeCoとNISAそれぞれのメリット・デメリットや、どちらを行うかの判断基準については以下の記事で解説しています。
派遣社員の税金に関するよくある疑問

派遣社員は雇用の仕組みが少し特殊なため、税金について疑問をお持ちの人や、わかりにくいと感じている人もいるでしょう。
この章では派遣社員の税金に関するよくある疑問5つについて解説します。
派遣社員も源泉徴収が行われる?
派遣社員も雇用契約である以上、雇用主によって源泉徴収が行われます。
派遣会社にとっての雇用主は派遣元会社です。
そのため勤務先(派遣先)の会社ではなく、派遣元の会社で源泉徴収を受けることになります。
ほかの雇用形態と同じように年末には年末調整が行われ、源泉徴収票の交付および源泉所得税の過不足の精算も実施されます。
派遣会社によって控除額に違いがあるのは何故?
派遣先や仕事内容が同じでも派遣会社によって控除額に違いがある主な理由として、以下の2つが挙げられます。
- ・派遣会社によって、派遣社員に対して提供するサービスの内容が異なるケースがある
- ・独自の健康保険等を運営している派遣会社が存在する
前述のように、派遣社員の雇用主は派遣先会社ではなく派遣会社、すなわち派遣元の会社です。
派遣会社によって派遣社員に適用されるルールや控除制度が異なる可能性があります。
控除額について気になる点があれば、そのままにせず派遣会社に直接確認しましょう。
それでも解決しない場合や、法的な疑問・懸念がある場合、外部の専門家に相談するのも1つの手段です。
1年間に複数の会社で働いた場合の年末調整はどうなる?
1年間に複数の会社で働いた場合、12月時点で所属している派遣元会社で年末調整を受けることになります。
退職した派遣元会社から受け取った源泉徴収票を12月時点で所属している派遣元会社に渡す必要があります。
年の途中に入社した場合の手続きのルールは派遣会社によって異なる可能性があるため、会社からの案内に従いましょう。
派遣社員が副業をしている場合の扱いは?
派遣社員の副業について確定申告が必要かどうかの判定方法は正社員と同じです。
以下のようなケースに該当する場合は副業について確定申告を行う必要があります。
- ・副業による所得が20万円を超える
- ・本業の勤務先である派遣元会社で年末調整を受けていない
- ・副業がアルバイト等である
- (2か所以上で給与所得を得ている)
副業による確定申告の義務がない場合でも、以下のいずれかに該当する場合は確定申告を行うことで還付金を受け取れる可能性があります。
- ・副業収入から源泉徴収をされている
- ・年末調整で対応できない控除の適用要件を満たしている
副業の確定申告についての詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
確定申告をしないとどうなる?
確定申告義務があるのに怠った場合はペナルティの対象になります。
確定申告をしないことに対するペナルティとして以下の2つが挙げられます。
- 延滞税
- 税金が期日までに納付されなかった場合に発生するペナルティです。
- 納期限からの経過日数に応じて課せられるもので、利息の性質を有します。
- 無申告加算税
- 期日までに確定申告をしなかった場合に課せられる税金です。
- 納付するべき税額に一定の税率を乗じた金額を支払う必要があります。
なお前述のように、源泉徴収済み等の理由で税金を払いすぎている状態の場合、無申告によるペナルティは特にありません。
ただし、確定申告をしなければ還付金を受け取れず損をすることになります。
税金を払いすぎている状態の場合でも、確定申告はするべきといえるでしょう。
確定申告をしなかった場合のペナルティについては以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
派遣社員は雇用主である会社と職場となる会社が異なる点から、特殊な雇用形態といえます。
しかし、実施できる節税対策や課税の仕組み等について、他の会社員と大きな違いはありません。
派遣社員におすすめの節税対策として、控除の活用やふるさと納税、iDeCo、NISAの実施などが挙げられます。
税金を多く払っている状態を放置せず、年末調整や確定申告を行うことも大切です。
適切な納税を行うためには、税金についての疑問や不安を解消する必要もあります。
ただし、税に関するルールは複雑な部分も多く、専門知識のない人が完璧に理解するのは難しい面もあるでしょう。
税金について気になることがあれば、1人で抱え込まず、専門家である税理士にご相談ください。
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記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士









