証書貸付とは?手形貸付との違いと仕組みをわかりやすく解説

証書貸付とは契約内容を証書に記載して貸付を行うもので、金銭消費賃借契約書を使用するケースが多いです。

事業用資金の融資は証書貸付形式で行うのが一般的です。

高額かつ長期の融資を受けやすいものの、審査が厳しい傾向という特徴があります。

 

証書貸付と比較されることの多い貸付形式として手形貸付が挙げられます。

証書貸付と手形貸付は全く異なる特徴を有するため、両者の違いをしっかり押さえましょう。

 

今回は証書貸付の特徴や仕組み、手形貸付との違いについて解説します。

 

公的融資と民間融資の違いについて解説した記事もぜひご覧ください。

 

 

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士

CONTENTS

証書貸付の概要

証書貸付とは、契約内容を証書に記載して貸付を行う形式です。

証書はいわゆる契約書のことで、証書貸付では金銭消費貸借契約書を用いるケースが多くみられます。

証書貸付の特徴

証書貸付の特徴を4つ紹介します。

高額かつ長期の融資を受けやすい

証書貸付は後述する手形貸付等、ほかの貸付形式に比べて高額かつ長期の融資を受けやすい傾向です。

多くの場合、高額の融資では証書貸付形式が採用されています。

元金均等返済方法が一般的

証書貸付の返済方式は元金均等返済方式が一般的です。

 

元金均等返済方式とは毎月返済する元金の額が均等である方式です。

元金を返済回数で割った金額と、借入残高に利率を乗じて計算した利息の合計額が毎月の返済額になります。

例えば借入金額4,500万円、返済期間15年、利率1.5%の場合、返済額は以下のように変化します。

 

  • 毎月の元金返済額
  • 4,500万円÷180ヵ月(15年×12ヵ月)=25万円
  •  
  • 返済初回(借入残高4,500万円)
  • 元金25万円+利息56,250円=306,250円
  • (利息:4,500万円×年利1.5%÷12ヵ月=56,250円)
  •  
  • 返済12回目(借入残高42,250,000円)
  • 元金25万円+52,812円=302,812円
  •  
  • 返済120回目(借入残高15,250,000円)
  • 元金25万円+19,062円=269,062円

 

返済が進むにつれて利息の基準となる借入残高が少なくなるため、返済総額も減っていく仕組みです。

他の貸付形式に比べて金利が低め

証書貸付は他の貸付形式に比べて金利が低めの傾向です。

同じ金融機関で証書貸付と他の貸付形式の両方を実施している場合、証書貸付の金利が最も低いケースが多いでしょう。

 

なお金利は貸付形式だけでなく、利用する金融機関やプラン、返済期間等の条件によっても大きく左右されます。

貸付形式はあくまでも金利に関係する要素の1つに過ぎない旨を押さえましょう。

審査が厳しい傾向

これまで紹介したように、証書貸付は高額かつ長期で借り入れでき、他の貸付形式に比べて金利が低めです。

このように融資契約者にとって有利な特徴が多い一方で、審査が厳しい傾向にあります。

前提として融資条件が厳しく、申し込み自体が難しいケースも多いです。

証書貸付は他の貸付形式に比べてメリットが多い分、契約までのハードルが高いといえるでしょう。

証書の記載事項

証書貸付で用いる証書の記載事項として以下の例が挙げられます。

返済期間・据置期間

返済期間は完済までにかかる期間のことです。

事業用資金の証書貸付の場合、設備投資は10~20年、運転資金は10年以内が目安となります。

契約内容によってはさらに長い期間が設定されているケースもあります。

据置期間は元金返済が猶予された期間です。

据置期間中は利息のみを支払うことになります。

利息の計算方法

証書貸付では利息の計算方法についての明記も必須です。

前述のように証書貸付は他の貸付形式に比べると金利が低い傾向にあります。

返済方法・支払期日

「毎月〇日までに××円支払う」のように、返済方法や支払期日についても明記されています。

事業用資金の融資では毎月所定の日付に口座振替により返済額が引き落とされるのが一般的です。

担保・保証人

担保や保証人を設定する場合は証書に記載が必要となります。

借入額が高額の場合や、金融機関にとってリスクの高い貸付である場合は、担保・保証人が必要なケースが多いです。

証書貸付の大まかな流れ

証書貸付に限らず、融資契約の手続きの流れは金融機関によって細かな違いがあるため、金融機関の案内の確認が必須です。

その上で、証書貸付の大まかな流れを紹介します。

 

  • 1.証書貸付を申し込む金融機関を選ぶ
  • 事業用資金の融資はすでに取引のある金融機関か、政府系金融機関である日本政策金融公庫を利用するのが一般的です。
  •  
  • 2.融資制度を利用したい旨について金融機関に連絡する
  • 事前相談なく申し込みができるケースもあります。
  •  
  • 3.必要書類を用意し申し込み手続きをする
  • 金融機関の指示に従い、書類の用意および申し込み手続きを進めましょう。
  •  
  • 4.金融機関で審査が行われる
  • 申込手続き後、審査の前に面談が行われるケースも多いです。
  •  
  • 5.融資契約を締結する
  • 審査に通過し、契約条件に問題がない場合は金銭消費貸借契約書を作成して融資契約を締結します。
  •  
  • 6.融資が実行される
  • 融資実行後は、契約書に記載された通りの方法で返済を進めます。

証書貸付と手形貸付の違い

手形貸付とは利用者が金融機関に対して約束手形を差し入れて借入を受ける形式です。

貸付形式の一種として証書貸付と比較される場面が多くみられます。

この章では証書貸付と手形貸付の違いについて解説します。

借入できる額

証書貸付は数十万円から数百万円、ケースによっては数千万円を超える借入が可能です。

一方で、手形貸付で借入できる額は多くても数百万円程度であり、高額の資金調達には向いていません。

返済期間の長さ

証書貸付は返済期間を年単位で設定するのが一般的です。

前述した借入できる額の多さからも、証書貸付は長期的な融資に適した形式といえます。

 

手形貸付の返済期間は原則として1年以内です。

あくまで短期的な資金調達手段であり、長期的な融資を受けられない点に注意する必要があります。

担保の必要性

証書貸付で担保が必要になるかはケースによって異なります。

担保や保証人が不要な融資も多く存在するものの、担保・保証人不要の場合は融資額が少ない傾向です。

担保を提供する方が金利が低くなる等、有利な条件で融資を受けられるケースも多くみられます。

 

手形貸付は融資契約に際して金融機関に差し入れる約束手形がそのまま担保になります

約束手形以外に別途担保を用意する必要はありません。

 

なお手形貸付は約束手形が担保としての役割を果たす性質上、審査項目が少なく済むため、審査にかかる時間が短い傾向です。

申し込みから融資実行まで数日程度で済むケースも多くみられます。

返済方法

証書貸付は元金均等返済方式を採用しているケースが多いです。

中には毎月の返済額が同額である元利均等返済方式を採用している制度もみられます。

 

手形貸付の返済方法は原則として一括返済方式です。

利息は借入時または毎月一定のタイミングで支払い、元金は支払期日に一括返済します。

分割返済できるケースもあるものの、多くの金融機関が一括返済方式を採用していると考えて良いでしょう。

参考|手形貸付は2026年度末までに廃止予定

紙の手形および小切手の交換は2026年度末(2027年3月末)に廃止される予定です。

手形および小切手の廃止に伴い、すでに手形貸付を廃止した金融機関も多く存在します。

現時点では手形貸付を行なっている金融機関も、近いうちに手形貸付を終了すると考えられます。

今後は手形貸付以外の貸付形式を検討するべきといえるでしょう。

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融資は単に資金を借りるだけでなく、返済計画や資金繰り、金融機関との関係性まで含めた設計が求められます。借入条件や期間の設定を誤ると、将来的なキャッシュフローに負担が生じる可能性もあります。

 

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まとめ

証書貸付は契約内容を証書に記載する貸付形式です。

高額かつ長期の融資を受けやすく金利が低めの傾向という点から、事業用資金の融資で多くみられます。

ただし他の貸付形式に比べて審査が厳しいため、利用するハードルは高いといえるでしょう。

 

証書貸付と比較されることが多い貸付形式として手形貸付が挙げられます。

手形貸付は返済期間が原則1年以内と短く、かつ、基本的に元金一括返済方式のため長期的な資金調達には適しません。

証書貸付は長期的な資金調達、手形貸付は短期的な資金調達として使い分ける必要があります。

ただし2026年度末の手形の廃止に伴い、すでに手形貸付の受付を終了している金融機関も多く存在します。

 

貸付形式は複数の種類があり、それぞれ異なる特徴を有します。

融資を利用する目的や希望条件に合わせて、適した貸付形式を選びましょう。

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