
STPDサイクルとはSee(現状を見る)、Think(よく考える)、Plan(計画する)、Do(実行する)の頭文字を組み合わせた言葉です。
STPDサイクルの最大の特徴はSeeから始まる点で、先入観を抜きにした現状把握を重視します。
また、サイクルを小さく早く回すのが前提のため、スピードが速い点もメリットです。
一方で、長い時間をかけてじっくり取り組む必要があるような業務改善には適しません。
STPDサイクルの効果を最大限に発揮するには、フレームワークの特徴を押さえた上で、適した場面に活用することが大切です。
今回はSTPDサイクルについて詳しく解説します。
STPDサイクルはスピード感の求められる業務改善に適しており、創業直後で改善するべき事項が存在しないうちには適しません。
創業直後は、創業計画や事業計画の策定を最優先にしましょう。
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CONTENTS
STPDサイクルとは

STPDサイクルとは、See(現状を見る)→Think(よく考える)→Plan(計画する)→Do(実行する)の頭文字を組み合わせたフレームワークです。
ソニーの厚木工場長であった小林茂氏によって提唱されました。
STPDサイクル 各プロセスの詳細
前述のように、STPDサイクルは4つの工程から構成されています。
各プロセスの詳細を解説します。
See(現状を見る)
See(現状を見る)は現状を深く観察し、正確な情報を集める工程です。
Seeのポイントとして以下の3つが挙げられます。
- ・主観や先入観にとらわれず、情報を事実としてそのまま受け入れる
- ・現地調査、アンケート、顧客情報の確認など、さまざまな方法で情報を集める
- ・この段階では情報の取捨選択は行わず、情報収集のみを徹底する
Think(よく考える)
Think(よく考える)はSeeで得た情報を分析し、現状について深く考える工程です。
STPDサイクルにおける「考える」には以下のような意味も含まれます。
- ・現在どのような状況にあるかを整理する
- ・現状の経緯を分析する
- ・課題および原因を洗い出す
Seeで収集した情報をさらに細かく掘り下げる工程ともいえます。
Plan(計画する)
Plan(計画する)はThinkで整理した情報をもとに、課題解決に向けた今後の行動計画を策定する工程です。
行動計画を策定する際は、5W1Hを意識しましょう。
When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)に沿うことで、具体的な計画を立てられます。
Do(実行する)
Do(実行する)はPlanで立てた計画を実行する工程です。
方向性のズレ防止や適切な効果検証のためにも、定期的な進捗確認を行いましょう。
STPDサイクルの特徴
STPDサイクルの最大の特徴はSeeから始まる点です。
最初に先入観を抜きにした情報収集を行い、集めた情報を深く分析して課題を洗い出した上で計画を策定します。
そのため、現状を深く理解した上で適切な計画を立てられる可能性が高いです。
業務改善や新規事業等の初期段階など、現状の正確な把握が求められる場面に適したフレームワークといえます。
PDCAサイクルとの違い
PDCAサイクルとはPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)からなるフレームワークです。
業務改善や効率化を図る目的で実施されるもので、1つのサイクルを何度も繰り返すことを前提としています。
定量的な目標を設定できる場面や、変化が少ない状況に適しています。
一つひとつのプロセスを丁寧に踏む前提のため、1サイクルにかかる時間は長めです。
STPDサイクルはPDCAサイクルよりも1サイクルのスピードが速いため、スピーディーな業務改善が可能です。
一方でサイクルを小さく早く回すことが前提のため、時間をかけてじっくり取り組むべき課題や目的には適しません。
OODAループとの違い
OODAループはObserve(観察)、Orient(状況判断)、Decide(意思決定)、Act(行動)から構成されているフレームワークです。
STPDサイクルやPDCAサイクルと違い、プロセスの順番は重要視されません。
例えばOrientの後に次のDecideへ進まずObserveへ戻ることも可能です。
OODAループの特徴として、変化が起こりやすい状況に対応しやすい点や、個人の裁量が大きい点が挙げられます。
また、現状の把握から施策実行までのスピードが早い点もメリットです。
一方で、自由度が高いからこそ社員によって進め方のブレが起きやすい、業務改善が目的の場合は適さない等のデメリットがあります。
STPDサイクルはOODAループと違い、Think(よく考える)とPlan(計画する)の工程があります。
すなわちじっくり考えた上での施策を前提としているフレームワークです。
スピード感と精度の高さの両方を兼ね備えているため、早期に結果を出す必要のある業務改善に適しています。
STPDサイクルを回す際のポイント

STPDサイクルを回す際で押さえるべきポイントを3つ紹介します。
小さく・早く回すことを意識する
STPDサイクルを上手く活用するため、サイクルを小さく・早く回すことを意識しましょう。
STPDサイクルは現状を見る工程から始まるため、現状を正確に把握した上で計画策定を進められます。
そのため計画策定をスムーズに進めやすく、トータルの時間も短く済む傾向です。
PDCAサイクルでもPlanを行うものの、PDCAサイクルには現状を把握するフェーズがありません。
そのためSTPDサイクルに比べるとPlanにかかる時間がどうしても長くなりがちです。
また、一つひとつの工程を丁寧に踏むことを前提とするため、1サイクルにかかる時間も長めの傾向にあります。
このように、STPDサイクルはPDCAサイクルよりも早く回せる点がメリットの1つといえるでしょう。
そして同時に、スピードを意識せず丁寧に進める方法の場合、STPDサイクルのメリットを活かしきれないともいいます。
STPDサイクルならではの特徴を活かすためには、サイクルを小さく・早く回すことを意識する必要があります。
必要に応じてDoとSeeを同時並行で進める
STPDサイクルと比較されることの多いPDCAサイクルは、複数の工程を同時並行はできません。
新たにサイクルをスタートする場合も、Actionの工程で改善策を明確にしてからPlanに戻る必要があります。
一方、STPDサイクルはDoとSeeの同時並行が可能です。
課題解決に向けた行動計画を実施しながらも、次のサイクルに向けた現状把握の作業を進められます。
前述した「STPDサイクルはPDCAサイクルよりも早く回せる」の理由として、DoとSeeの同時並行が可能な点も挙げられます。
1つの工程だけを進める方法に固執せず、必要に応じてDoとSeeの同時並行を実施しましょう。
他のフレームワークも併用する
STPDサイクルは便利なフレームワークとはいえ、適さない場面も存在します。
すべての課題解決にSTPDサイクルを活用するのではなく、目的や状況に応じて他のフレームワークも併用しましょう。
例えば、変化が少ない状況における業務改善にはPDCAサイクルが適しています。
変化が少ないのであれば現状把握のための工程を毎回踏む必要はありません。
また、時間をかけてじっくり取り組むのが前提のため、中長期的な業務改善に効果的です。
スピードを最優先にする場合はOODAループの方が適している可能性があります。
変化が起こりやすい状況でフレームワークを活用したい場合もOODAループが良いでしょう。
1つのフレームワークにこだわりすぎず、複数のフレームワークを上手く使い分けることが大切です。
まとめ
STPDサイクルはSee(現状を見る)、Think(よく考える)、Plan(計画する)、Do(実行する)によって構成されたサイクルです。
先入観を抜きにした現状把握を重視しており、集めた情報を深く分析して課題を洗い出し、その上で計画策定を行います。
STPDサイクルはPDCAサイクルよりも小さく早く回せる手法です。
このようなメリットを最大限に発揮するためには、ある程度スピード感を意識する必要があります。
また、一つひとつの工程を丁寧に踏むことにこだわり過ぎず、必要に応じてDoとSeeを同時並行で進めましょう。
STPDサイクルに限らず、すべての状況に適したフレームワークは存在しません。
状況や目的に応じて複数のフレームワークを上手く使い分けることが大切です。
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記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士







