
近年は業種や売上規模を問わずAIを活用する企業が増えています。
しかしAIの活用に興味はあるものの、コスト面の懸念から導入できないとお悩みの企業も多いでしょう。
AI導入にかかるコストに関する課題を解決する方法として、助成金や補助金の活用が挙げられます。
AI導入時に利用できる助成金や補助金制度は多数存在するため、上手く活用すればコスト面での負担を最小限に抑えられるでしょう。
今回はAI導入に使える助成金や補助金の具体例や、制度を利用する際の注意点について解説します。
会社設立時に利用できる助成金や補助金については以下の記事をご覧ください。
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CONTENTS
AI導入に使える助成金・補助金4選

はじめに、AI導入に使える助成金・補助金として4つの制度を紹介します。
中小企業新事業進出補助金
中小企業新事業進出補助金とは、既存事業とは異なる市場や、高付加価値事業への進出にかかる設備投資の支援を目的とした制度です。
令和7年4月に第1回公募が行われたばかりの比較的新しい補助金といえます。
概要
中小企業新事業進出補助金の概要を紹介します。
- 対象者
- 企業の成長や拡大のための新規事業への挑戦を行う中小企業等
- 補助額
- 750万円~7,000万円 補助上限額は従業員数によって異なる
- 補助率
- 2分の1
- 基本要件
- ・新事業進出要件
- ・付加価値額要件
- ・賃上げ要件
- ・事業場内最賃水準要件
- ・ワークライフバランス要件
- ・金融機関要件
- ・(賃上げ特例の適用を受ける場合)賃上げ特例要件
- なお事業場内最賃水準要件について、目標未達の場合には補助金の返還義務があるためご注意ください。
- 対象経費
- 公式サイトに記載されている対象経費の例は以下の通りです。
- ・機械装置およびシステム構築費
- ・建物費
- ・運搬費
- ・技術導入費
- ・知的財産権等関連経費
- ・外注費
- ・専門家経費(専門家報酬)
- ・クラウドサービス利用費
- ・広告宣伝費および販売促進費
申請方法
中小企業新事業進出補助金の申請の大まかな流れを紹介します。
- 1.申請に必要となる事業計画の検討および作成をする
- 2.必要に応じて認定支援機関に相談し、事業計画の修正を行う
- 3.補助金申請システムから応募申請を作成、提出する
応募申請にはG ビズ ID プライムアカウントが必要です。
アカウントをお持ちでない場合は早めにIDの発行手続きを行いましょう。
ものづくり補助金
ものづくり補助金とは、中小企業等が取り組む革新的サービス開発や生産プロセス改善のための設備投資等を支援する制度です。
名称に「ものづくり」と含まれていますが、ものづくり関連業に限らず、要件を満たすすべての事業者が利用できます。
AI導入に際して高額の設備投資を行う場合、ものづくり補助金を利用できる可能性が高いです。
概要
ものづくり補助金の概要を紹介します。
- 対象者
- ものづくり補助金の対象者は日本国内に本社および工場・店舗等を有する事業者のうち、以下のいずれかに該当する者です。
- ・中小企業者
- ・小規模企業者および小規模事業者
- ・中小企業等経営強化法第 2 条第 5 項に規定する特定事業者の一部
- ・特定非営利活動法人
- ・社会福祉法人
- 補助額
- 製品・サービス高付加価値化枠:100万円~2,500万円
- (上限額は従業員数によって異なる)
- グローバル枠:100万円~3,000万円
- 特例措置の要件を満たす場合は補助上限額が引き上げとなります。
- 補助率
- 中小企業:2分の1
- 小規模企業、小規模事業者、再生事業者:3分の2
- 基本要件
- 1.付加価値額の増加要件
- 2.賃金の増加要件
- 3.事業所内最低賃金水準要件
- 4.従業員の仕事・子育て両立要件(従業員数 21 名以上の場合のみ)
- 2と3は目標値未達の場合に補助金の返還義務があります。
- 対象経費
- 補助対象経費の例を紹介します。
- ・機械装置、システム構築費
- ・運搬費
- ・技術導入費
- ・知的財産権等関連経費
- ・外注費
- ・専門家経費
- ・クラウドサービス利用費
- ・原材料費
- ・海外旅費
- ・通訳、翻訳費
- ・広告宣伝、販売促進費
申請方法
ものづくり補助金申請の大まかな流れを紹介します。
- 1.要件を満たす事業計画を策定する
- 2.提出書類を用意する
- 3.電子申請システムから応募する
前述した中小企業新事業進出補助金と同様に、申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。
IT導入補助金
IT導入補助金とは、業務効率化やDX等に向けたITツールの導入を支援する補助金です。
事前にIT導入補助金事務局の審査を受けて、公式サイトに登録されたITツールの導入が補助対象となります。
概要
IT導入補助金の対象者は中小企業および小規模事業者です。
中小企業等に該当するかは、資本金の額または常時使用する従業員数で判断します。
IT導入補助金の特徴として、枠の種類が多くそれぞれ要件等に大きな違いがある点が挙げられます。
また、年度によって募集される枠が異なる可能性がある点にも注意が必要です。
要件や補助額・補助率などは最新の公募要項をご確認ください。
申請方法
IT導入補助金申請までの大まかな流れを紹介します。
- 1.GビズIDプライムアカウントを取得する
- 2.要件の1つである「SECURITY ACTION」の宣言を行う
- 3.IT事業者およびITツールの選定をする
- 4.IT導入支援事業者との間で商談を進めた後、事業計画を策定する
- 5.IT導入支援事業者から『申請マイページ』の招待を受け、交付申請を行う
IT導入支援事業者とのやり取りが必要になるため、補助金の申請を検討しているのであれば早めに準備を開始しましょう。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金とは、従業員に対して一定の要件を満たす職業訓練等を実施した場合に利用できる助成金です。
訓練経費や訓練期間中の賃金の一部について助成を受けられます。
AI人材を育成するための研修や技術習得で利用できる可能性があります。
2025年8月現在、募集されているコースは全部で6つです。
そのうち、AI導入に活用できる可能性があるコースとして以下の4つが挙げられます。
- ・人材育成支援コース
- ・教育訓練休暇等付与コース
- ・人への投資促進コース
- ・事業展開等リスキリング支援コース
助成率や上限額はコースおよび条件ごとに細かく設定されているため、詳しくは公式サイトの案内をご確認ください。
AI導入で助成金や補助金を利用する際の注意点

助成金や補助金は上手く活用すれば金銭的な負担を大きく軽減できる制度です。
ただし、利用するにあたって押さえるべき注意点も複数存在します。
この章ではAI導入で助成金や補助金を利用する際の注意点を3つ紹介します。
補助金は必ずしも受給できるとは限らない
今回紹介した制度は助成金と補助金の2種類に大別できます。
そのうち補助金に該当する制度は、要件を満たしている場合でも必ずしも受給できるとは限りません。
補助金は採択数や予算が設定されており、申請数が上回る場合は審査が行われます。
要件を問題なく満たしている場合でも、審査に通過しなければ補助金を利用できないのです。
このように補助金は利用できると限らないため、事業計画等を立てる際は補助金の利用を前提としすぎないよう注意が必要です。
どの制度が最適か見極め・判断が必要
前章で紹介したように、AI導入に利用できる助成金や補助金は複数挙げられます。
その中からどれが自社にとって最適な制度であるか十分な検討が必要です。
自社に合う制度を見極める上で特に重要なポイントとして以下の3つが挙げられます。
- ・制度の目的
- ・対象経費の範囲および補助対象外となる経費の例
- ・審査で重視される要素、加点項目および減点項目
- 審査項目に関する情報は公募要項に記載されているのが一般的です
交付決定から入金までに時間がかかる
助成金および補助金の支給が行われるのは交付決定の直後ではありません。
交付決定の後に補助または助成対象となる事業等を行い、かかった経費について報告する必要があります。
申請内容が正当なものであるか確認が行われた後に支給額が決定され、助成金や補助金の支払いが行われる仕組みです。
具体的な期間は制度によって異なりますが、経費の支出から補助金や助成金の支払いまでに数ヵ月かかるケースも多くみられます。
このように、交付決定後すぐに受給できるわけではない点に注意が必要です。
まとめ
助成金や補助金を上手く活用すれば、AI導入にかかる金銭的な負担を抑えられる可能性があります。
中小企業新事業進出補助金をはじめ、AI導入時に利用できる可能性のある制度として複数の選択肢が存在します。
それぞれの制度の特徴を押さえ、自社に合う制度を選ぶことが大切です。
なお、補助金は要件を満たしても利用できるとは限りません。
補助金の交付を受けられるのは審査に通過した場合のみとなります。
また、助成金・補助金いずれも交付決定から入金までに時間がかかる点にも注意が必要です。
助成金や補助金を上手く活用するため、制度ごとのポイントや注意点をしっかり押さえましょう。
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記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士






