
クレドとは全社員が心がけるべき信条や行動指針を明文化したものです。
企業の経営理念を体現するために作成されるもので、日々の業務における判断基準になります。
クレドの効果を最大限に発揮するには、自社の理念や目指す姿に合うものを作ることが大切です。
また、単にクレドを作成して終わりではなく、社内全体に共有・浸透させる必要もあります。
今回はクレドについて詳しく解説します。
なお、クレドの活用は事業規模がある程度大きくなった会社に適した手法です。
会社設立直後は事業計画書や創業計画書の策定等を優先させましょう。
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CONTENTS
クレドとは

クレドとは、企業の経営理念を体現するために、全社員が心がけるべき信条や行動指針を明文化したものです。
クレドはラテン語で「信条」「志」などを意味します。
クレドとMVVの違い
MVVはミッション、ビジョン、バリューの頭文字を組み合わせた造語です。
それぞれの意味を紹介します。
- ミッション
- ミッションは企業が果たすべき使命を言語化したものです。
- 恒久的なものと位置づけられており、原則として一度設定したものを変更することはありません。
- ビジョン
- ビジョンとは企業が目指す理想の姿を表すものです。
- 前述したミッションと違い、ビジョンは中長期的な目標と設定される場面も多くみられます。
- そのため一度設定したビジョンが変更されるケースもあります。
- バリュー
- バリューは社員の行動指針、行動基準、価値観を言語化したものです。
- ミッションやビジョンを実現するために大切にするべきことを、行動や考え方まで落としこんだものといえます。
クレドはMVVの中でも特にバリューと似ています。
クレドとバリューの大きな違いは軸とする要素です。
バリューの軸は企業であり、企業のミッションやビジョンを実現することを目的に定められています。
一方でクレドは個人軸であり、とるべき行動についてより具体的に定めている点が特徴的です。
クレドを導入するメリット
続いて、クレドを導入するメリットを5つ紹介します。
従業員の意識改革につながる
クレドの導入により、自社の従業員としてとるべき行動指針や大切にする価値観が明確になります。
仕事に対する姿勢が変わるため、自然と意識改革にもつながるでしょう。
結果として組織力の強化や一貫性の実現などが期待できます。
明確な判断基準ができる
クレドの導入により、事業活動や日々仕事における判断基準が明確になります。
判断に悩む心配や、自社の理念にそぐわない判断をしてしまうリスクを抑えられる点も大きなメリットです。
コンプライアンス強化を実現できる
クレドはもともとコンプライアンスの強化を目的に導入されたものです。
クレドの通りに活動することで、従業員のとる行動は自然と法令を遵守したものになります。
ブランディングや他社との差別化につながる
クレドは自社の行動指針および価値観を明文化したものといえます。
自社ならではの考え方が強く反映されるため、ブランディングや他社との差別化の面でも効果的です。
従業員のエンゲージメント向上につながる
クレドの導入により、従業員は自身のとるべき行動やあるべき姿を実感しながら仕事に取り組めるようになります。
結果として主体的・積極的な行動をとりやすくなり、充実感がアップする等、エンゲージメントの向上にもつながるでしょう。
クレドを導入するまでの流れ

クレドを導入するまでの流れは大きく5つの工程に分けられます。それぞれ詳しく解説します。
クレドを作成するためのチームをつくる
まずはクレドを作成するためのチームをつくります。
具体的な行動指針であるクレドを作成するためには、企業理念やミッションのような抽象的な概念の掘り下げが必要です。
ごく少人数で行うとどうしても考えの偏りが生まれやすく、従業員の共感を得にくいクレドになる恐れがあります。
特に、経営陣だけでクレドを作成するのは厳禁です。
経営陣に都合が良いだけの内容になり、クレドのメリットを活かせない恐れがあります。
クレドの作成チームを結成する際は、なるべくバラバラの部署や役職からメンバーを集めるのが理想です。
クレド作成のスケジュールや目標を設定する
クレドは自社の在り方に大きく影響する可能性のある要素です。
そのためクレドの作成は時間をかけて取り組むべき一大プロジェクトと考えるべきでしょう。
チームをまとめるため、そして本業への支障を起こさないためにも、スケジュールや目標の設定が必須です。
経営層や従業員へヒアリングする
クレド作成はチームが中心になって行うとはいえ、全社員に関係する要素です。
そのため経営層から従業員まで社内全体へヒアリングをする必要があります。
経営層に対しては企業理念や将来像を、従業員に対しては個々人の意向やクレドに対する考えをヒアリングしましょう。
クレドを明文化・文章化する
社内へのヒアリングを通じて得た情報をもとに、クレドの明文化および文章化を進めます。
クレドを明文化・文章化する際のポイントは以下の3点です。
- ・頭に残りやすいようシンプルかつ短く表現する
- ・行動指針としてすぐに活かせるようなるべく具体的に書く
- ・数を多くしすぎない
社内に共有する
クレドが完成したら社内に共有します。
朝礼やメールでの連絡、社内掲示の活用などを行い、全社員がクレドの存在を認知できるようにしましょう。
あわせて、クレドを記載した「クレドカード」を配布し、いつでもクレドを見られる状態にするのが一般的です。
クレドの導入事例

最後に、クレドの導入事例として3社の例を紹介します。
※クレドは項目が多いため一部のみを抜粋して紹介しております。
サントリーグループ
サントリーグループは全部で17のクレドを設定しています。
一部を抜粋して紹介します。
- 「お客様のお役に立ちたいという心を常にもちながら
- 誠心誠意、お応えします。」
- 「私たちは、
- お客様の心を動かすのは、誠意ある
- おもてなしの心であることを忘れません。」
- 「私たちは、
- 一緒に働く仲間とのダイレクト(face to face)
- コミュニケーションを大切にします。」
全体を通じて、誠意や誠実といった言葉が多く登場する点が特徴です。
お客様志向の考えを大切にするというグループの取組方針が反映されたクレドといえます。
タイガー魔法瓶
タイガー魔法瓶は2012年2月に翌年の創立90周年を見据え、それまでの社是社訓をベースに企業理念を再制定しました。
あわせて行動指針となるクレドの制定も行なっています。
タイガー魔法瓶のクレドは全部で10項目です。
- ・志を高く持て
- ・主体的に動け
- ・アイデアを出せ
- ・技を磨き抜け
- ・挑戦し続けよ
- ・スピードを上げよ
- ・仲間に貢献せよ
- ・妥協するな
- ・感謝の心を持て
- ・規律を考えよ
タイガー魔法瓶は企業理念、MVV、そしてクレドが記載されたコンセプトブック・ポケットカードを全社員に配布しています。
いつでもクレドを確認できる体制が整っているため、クレドが自然に浸透しているようです。
ジョンソン・エンド・ジョンソン
ジョンソン・エンド・ジョンソンは「我が信条(Our Credo)」としてクレドを設定しています。
我が信条の中で自社には4つの責任があると示しており、それぞれの責任を果たすための行動指針を定めているイメージです。
4つの責任のうち、第一の責任を抜粋して紹介します。
- 「我々の第一の責任は、我々の製品およびサービスを使用してくれる患者、医師、看護師、そして母親、父親をはじめとする、すべての顧客に対するものであると確信する。
- (中略)
- 我々は価値を提供し、製品原価を引き下げ、適正な価格を維持するよう常に努力をしなければならない。顧客からの注文には、迅速、かつ正確に応えなければならない。我々のビジネスパートナーには、適正な利益をあげる機会を提供しなければならない。」
まとめ
クレドは全社員が心がけるべき信条や行動指針を明文化したものです。
クレドの導入により、従業員の意識改革やコンプライアンスの強化、他社との差別化の実現などが期待できます。
クレド作成は短時間で実施できるものではなく、チームを組んでひとつのプロジェクトとして進める必要があります。
クレド導入までの流れをしっかり押さえ、適切な方法でクレド作成を進めることが大切です。
今回紹介した内容を参考に、自社の理念やミッションに適したクレドを作成しましょう。
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記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士







