月次決算とは?具体的な手順とメリット、効率化のポイントを解説

2025.12.12

月次決算とは1ヵ月単位で行う決算作業です。

月次とはいえ、年次決算と同じような会計処理を行います。

 

年次決算と違い月次決算には義務がないため、実施しなくても法的な問題は一切ありません。

ただし月次決算には様々なメリットが存在するため、なるべく行うのが理想です。

決算作業の回数が増える分担当者の負担が重くなる恐れがあるため、作業をなるべく効率化することも大切です。

 

今回は月次決算について詳しく解説します。

 

決算作業で作成する決算書については以下の記事をご覧ください。

 

 

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CONTENTS

月次決算とは

月次決算とは1ヵ月単位で行う決算作業です。年次決算と同じような会計処理を行います。

月次決算のメリット

最初に紹介したように、月次決算に実施義務はありません。

ただし月次決算にはさまざまなメリットがあるため、可能であれば実施するのが理想です。

今回は月次決算の主なメリットを4つ紹介します。

経営状況を正確に把握できるようになる

月次決算を行えば貸借対照表や損益計算書といった財務諸表が毎月作成されるため、経営状況を正確に把握できるようになります。

結果として、実態に基づいた判断が可能になる、予算や計画とのズレが起こりにくくなる等の効果を得られるでしょう。

スピーディーな経営判断が可能になる

前述のように、月次決算により毎月財務諸表を作成すれば、経営状況についてリアルタイムに近い情報を把握できます。

必要な情報がそろっている状態のため、スピーディーな経営判断が可能になります。

円滑な融資につながりやすい

銀行の融資審査では直近の決算書および試算表を用いるのが一般的です。

しかし通常の試算表は仮勘定や経過勘定の整理が行われていないため、実態とは異なる情報である可能性があります。

そのため融資審査において細かな調査が必要になり、審査が長期化するケースが多いです。

 

月次決算をしていれば実態を正確に反映させた資料を提示できるため、金融機関側は融資審査を進めやすくなります。

融資審査のスピードが早くなり、円滑な融資につながる可能性も高くなります。

年次決算の負担が減る

年次決算の負担が重い理由の1つが、普段よりも作業量が多くなるためです。

実地棚卸や仮勘定・経過勘定の整理などを1年分まとめて行うため単純に作業量が多くなります。

中でも仮勘定の整理は過去の分ほど遡って調査をするのに労力を要するため、それだけで膨大な時間が必要です。

 

月次決算で毎月勘定科目の整理をすれば、年次決算の作業量が極端に多くなる事態を回避できます。

決算業務の負担を年1回から毎月に分散できるため、繁忙期と閑散期の業務量の差を小さくできる点もメリットです。

月次決算の手順

最初に紹介した通り、月次決算の作業内容に年次決算と大きな違いはありません。

税務申告書の作成有無を除いて、作業内容はほぼ共通しているといえます。

今回は月次決算の手順を6つの工程に分けて、各工程について詳しく解説します。

1.現預金の残高を確認する

最初に行うのは現預金残高の確認です。

現金は帳簿上の残高と実際の現金残高が一致しているか確認しましょう。

預金については帳簿残高と通帳残高を照らし合わせます。

万が一帳簿と実際の残高にズレがあった場合、原因の特定および修正が必要です。

2.棚卸を行う

棚卸は作業量が多く時間もかかるため、月次決算を行う会社でも実地棚卸は省略するケースが多くみられます。

ただし経営状況を正確に反映した財務諸表を作成するには実地棚卸が欠かせません

棚卸を省略してしまえば、月次決算のメリットが小さくなるともいえるでしょう。

なお棚卸では在庫や貯蔵品の数を確認するだけでなく、評価額の見直しも行うのが理想です。

3.仮勘定を整理する

「仮払金」や「借受金」などの仮勘定を整理します。

内容が確定している場合は適切な勘定科目に振り替えましょう。

あわせて入金漏れや支払漏れなど、精算漏れの有無についても確認が必要です。

4.経過勘定を整理する

「未払費用」「未収収益」などの経過勘定を整理します。

当月に発生した費用・収益のうち支払いや入金が翌月以降になるものは経過勘定で計上します。

前月以前に経過勘定で計上していたもののうち当月中に解消された分の振替も必要です。

月次決算の作業中に発生した未払費用や未収収益は計上漏れが起こりやすいため注意しましょう。

5.月次決算書を作成する

仕訳がすべて完了したら月次決算書を作成します。

前述のように月次決算は法的な義務はなく、作成する書類の定めもありません。

そのためどの書類を作成するか自社で自由に決められます。

 

月次決算で作成する書類として以下の例が挙げられます。

  • ・貸借対照表
  • ・損益計算書
  • ・資金繰り表
  • ・キャッシュフロー計算書
  • ・予算実績対比表

6.報告資料を作成、経営層や関係者へ報告する

月次決算書とあわせて報告用の資料も作成するのが一般的です。

例として、数値の変動要因や異常な項目の有無、部門別・事業所別の試算表などが挙げられます。

すべての書類作成が完了次第、経営層や関係者へ報告をします。

月次決算を効率化するためのポイント

月次決算は正確性とスピードの両方が求められる上に作業量が多いため、担当者の負担が重くなりすぎる恐れがあります。

月次決算の負担を抑えるためには業務の効率化が必要です。

この章では月次決算を効率化するためのポイントを5つ紹介します。

月次決算で行うことを明確化する

月次決算の導入にあたって最初にやるべきことが、月次決算で行う作業の明確化です。

年次決算と違い明確なルールがなく自由度が高い分、担当者が考えるべき要素が多いというデメリットがあります。

「何をすれば良いかわからず、何もしないまま時間が過ぎてしまう」「自己判断で作業を進めた結果、不要な作業までしてしまった」

このような状態は非常に非効率です。

無駄をなくし効率的に決算業務を進められるよう、行うべき作業を明確にする必要があります。

月次決算のマニュアル化

月次決算の属人化や実施時期・担当者の違いによるブレなどを防ぐため、月次決算のマニュアル化も行うべきでしょう。

前述した行うべき作業ごとに手順やルールを明確に定め、誰がみても理解できるようわかりやすい内容にまとめるのが理想です。

必要書類の提出日・情報の報告日などの締め切りを徹底する

月次決算が遅れる原因の1つとして「想定していた日までに必要な資料が揃わない」が挙げられます。

経理担当者以外は月次決算の重要性を認識しておらず、書類提出の期日を守らないケースが多いのも事実です。

しかし書類が揃うのが遅れれば作業に着手できるのも遅くなり、短期間で膨大な業務をこなす事態が起こり得ます。

月次決算の負担が重くなりすぎるのを防ぐため、社内全体で必要書類の提出日・情報の報告日などの締め切りを徹底しましょう。

会計システムやツールを活用する

業務効率化を実現する方法としておすすめできるのが、会計システムやツールの活用です。

多くの会計システムには、財務諸表の自動作成やデータ分析、レポートの作成などの機能が搭載されています。

外部ツールとの連携機能があるシステム・ツールは、取り込んだデータを基にした自動仕訳なども可能です。

すべて手書きや手入力の場合に比べて、会計システムやツールを活用した方がミスのリスクが低い点もメリットといえます。

アウトソーシングを行う

月次決算業務を自社で行うのではなく、アウトソーシングサービスを利用するのも1つの手段です。

月次決算作業における自社の負担が最小限で済み、浮いたリソースを他の業務に充てられるようになります。

経理のアウトソーシングサービスを提供する業者は経理の経験やノウハウが豊富なプロです。

プロに依頼するため正確な月次決算が可能になる点も、アウトソーシングを行うメリットとして挙げられます。

まとめ

月次決算は年次決算と違い義務ではないため、実施しなくても法的な問題はありません。

しかし月次決算には多くのメリットがあるため可能であれば実施するのが理想です。

 

月次決算は作業量が多い上に正確性とスピードの両方が求められます。

月次決算を確実にこなしつつも経理担当者に負担がかかりすぎるのを防げるよう、月次決算業務の効率化が必要です。

マニュアル作成やシステム・ツールの導入、必要に応じてアウトソーシングの依頼など、効率化に向けた対応を進めましょう。

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吉岡 伸晃

記事監修
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