既存の企業と同じ会社名で会社設立してもいい?注意点について解説!

2025.09.16

会社名を考えるにあたり「すでに存在する会社と会社名が被らないよう気をつけるべき?」とお悩みの人もいるでしょう。

結論として、同一住所でなければ既存企業と同じ会社名でも会社設立が可能です。

同一の商号を一律で禁じる法律は存在しません。

 

ただし、既存企業と同じ会社名での会社設立にはさまざまなリスクがあります。

そのため可能であれば既存企業と同じ会社名や、既存企業と混同の恐れがある会社名は避けるのが無難です。

 

今回は既存企業と同じ会社名をつけることについて解説します。

 

会社名の決め方やルール、注意点については以下の記事をご覧ください。

 

 

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CONTENTS

同一住所でなければ既存企業と同じ会社名でも会社設立できる

結論として、同一住所でなければ既存企業と同じ会社名でも会社設立が可能です。

同一住所・同一商号は、商業登記法第27条の「同一の所在場所における同一の商号の登記の禁止」で以下のように明確に禁じられています。

  • (同一の所在場所における同一の商号の登記の禁止)
  • 第二十七条 商号の登記は、その商号が他人の既に登記した商号と同一であり、かつ、その営業所(会社にあっては、本店。以下この条において同じ。)の所在場所が当該他人の商号の登記に係る営業所の所在場所と同一であるときは、することができない。
  • 引用:商業登記法 | e-Gov 法令検索

一方、同一の商号を一律で禁じる法律は存在しません。

したがって、同じ住所でなければ、すでに存在する企業と同じ会社名での会社設立も可能といえます。

同じ会社名とみなされる基準

同じ会社名かを判断する基準は表記です。

既存企業の会社名と読み方が違う場合でも、表記が同じ場合は同一住所での登記はできません

読み方は異なるものの表記が同じために同一住所で登記できないケースの具体例を紹介します。

 

  • ・既存企業の会社名:株式会社高山(たかやま)
  •  これから登記しようとする会社名:株式会社高山(こうざん)
  •  
  • ・既存企業の会社名:MIKE(まいく)株式会社
  •  これから登記しようとする会社名:MIKE(みけ)株式会社

違う会社名とみなされるケースの例

「同じ会社名とみなされる基準」で紹介した内容とは反対に、読み方が同じでも表記が異なれば同一住所での登記が可能です。

また、会社の種類が異なる場合や、「株式会社」「合同会社」等の位置が異なる場合も違う会社名とみなされます。

 

  • ・既存企業の会社名:株式会社高山(たかやま)
  •  これから登記しようとする会社名:株式会社たかやま
  •  読みが同じでも表記が異なるため問題ありません。
  •  
  • ・既存企業の会社名:株式会社高山
  •  これから登記しようとする会社名:高山株式会社
  •  株式会社の位置が異なるため、別の会社名とみなされます。
  •  
  • ・既存企業の会社名:株式会社高山
  •  これから登記しようとする会社名:合同会社高山
  •  会社の種類が異なる場合も同一商号とはみなされません。

【参考】旧商法における商号に関する規制

旧商法では、同じ市区町村内・同じ営業(事業内容)の場合、同一商号をつけることが禁止されていました。

また旧商業登記法では、他人が登記した商号と混同の恐れがある商号、すなわち類似商号も禁止されています。

そのため会社法施行前は会社設立に際して、同じ市区町村内に、同じ事業目的で、同一または類似する会社名の企業が存在しないか調査が必須でした。

 

旧商法および旧商業登記法は2006年5月の新会社法施行に伴い廃止されています。

あわせて、前述した類似商号規制も撤廃されました。

現行制度では前述のように、同一住所・同一商号のみが禁止されています。

既存の会社と同じ会社名で会社設立するリスクとは

前章で紹介した通り、既存の会社と同じ会社名での会社設立は、同一本店でなければ法律上は問題ありません。

ただし既存企業と同じもしくは類似する会社名での会社設立にはさまざまなリスクがあるため、可能であれば避けるのが無難です。

この章では既存の会社と同じ会社名で会社設立するリスクを紹介します。

顧客や取引先を混乱させてしまう

同じ名前の会社が複数存在する場合、顧客や取引先を混乱させてしまう可能性が高いです。

同じ名前の別会社で起きた不祥事やトラブルにより、別会社である自社まで影響を受けることも有り得ます。

会社の所在地や事業目的も似ている場合はより誤認が起こりやすくなるため注意が必要です。

自社を認知してもらいにくくなる

既存企業の会社名と同じまたは似ていると他社と混同されやすく、自社を認知してもらいにくくなる恐れがあります。

例えば自社商品に人気が出たとしても他社のものと認識されてしまい、自社のイメージ向上につながらない事態が起こり得るのです。

不正競争防止法に抵触する恐れがある

不正競争防止法とは事業者間の公正な競争を維持することを目的とした法律です。

知名度や人気のある企業と同じまたは類似する会社名をつけると、当該既存企業の信用を利用して利益を得たと判断されてしまう可能性があります。

故意・過失どちらの場合でも、不正競争防止法に違反するとして商号利用の停止や損害賠償請求を受ける恐れがあるため注意しましょう。

商標権侵害の恐れがある

商標として登録されている単語を会社名として使ってしまうと、商標権侵害で訴えられる恐れがあります。

つけようとしている会社名が、商標登録されている会社名や商品名・サービス名等と類似していないか必ず確認しましょう。

ドメインやSNSアカウント等の取得が難しい

自社の名前をそのままドメイン名やSNSのアカウント名として用いるケースが多いです。

そのため、既存企業と同じ会社名ではドメイン取得やSNSのアカウント開設が難しくなる恐れがあります。

Webマーケティング難航の原因になり得るという理由からも、既存企業と同じ・類似した会社名は避けるのが理想です。

会社名をつける際の注意点

最後に、会社名をつける際の注意点を2つ紹介します。

既存企業と混同の恐れがある会社名は避ける

最初に解説したように、同一本店でなければ同じ会社名で会社設立をしても問題ありません。

ただし、前章で挙げたリスクを考えると既存企業と同じ名前や似た会社名は避けるのが無難です。

特に、商号と事業目的の両方が同じになるのは避けるべきといえます。

 

既存企業と混同の恐れがある会社名はリスクが高くメリットはほとんどないといえるでしょう。

意図せず会社名が被ってしまう事態を避けるためにも、事前に類似商号調査および商標権の調査を行うのが安心です。

 

既存企業の会社名と同じまたは類似していないかを調べる方法として、以下の3つが挙げられます。

 

また、商標権侵害のリスクを避けるために商標調査も行うのがおすすめです。

登録されている商標は「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」で調べられます。

社名の基本的なルールを守る

既存企業と同じもしくは似ている会社名を避けるために、会社名に特殊な表記を使いたいと考える人もいるでしょう。

しかし、会社名には使用できない文字や単語が存在します。

既存会社との差別化も大切ではあるものの、会社名をつける上での基本的なルールを守ることが大前提です。

 

会社名に使用できない文字や単語として以下の例が挙げられます。

 

  • 中黒(・)、アンド(&)、カンマ(,)、ピリオド(.)、ハイフン(−)、アポストロフィ(’)以外の符号
  • 上記以外の符号、例えば星マーク(☆)やエクスクラメーションマーク(!)などは使用できません。
  •  
  • 会社の部門を示す単語
  • 「支店」「部門」「営業部」「支社」を会社名に使うことは禁止されています。
  •  
  • 公序良俗に反する単語
  • 例として「暴力」「詐欺」などが挙げられます。

 

会社名のルールについては以下の記事もご覧ください。

 

まとめ

商業登記法第27条で、同一住所・同一商号の会社設立は禁止されています。

しかし、既存企業と同じ会社名を一律で禁止する法律はありません。

そのため法律上は住所が異なれば既存企業と同じ会社名での会社設立が可能です。

 

ただし、既存企業と同じもしくは類似した会社名での会社設立にはさまざまなリスクがあるため、なるべく避けるのが無難です。

意図せず会社名が被ってしまう事態を避けるため、事前に類似商号調査や商標権の調査を行うことをおすすめします。

既存会社と似た名前を避けることも大切ですが、会社名をつける上での基本的なルールの遵守が大前提です。

 

他社との混同が起こらない、自社ならではの会社名をつけるのが理想といえるでしょう。

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士

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