キャッシュフロー経営とは?メリットと黒字倒産を防ぐポイントを解説

2025.12.10

キャッシュフロー経営とは売上や利益よりもキャッシュフローを重視する経営スタイルです。

資金不足の予防や経営における自由度の拡大、外部からの信頼獲得等のメリットがあります。

黒字倒産を防ぐ方法として効果的な考え方といえるでしょう。

 

ただし、キャッシュフローを意識した経営をしても、資金繰り悪化の兆候がある時に適切な対策ができなければ効果は薄いです。

キャッシュフロー経営のメリットを最大限に活かすためには、キャッシュフロー経営のポイントをしっかり押さえる必要があります。

 

今回はキャッシュフロー経営について詳しく解説します。

 

キャッシュフローについては以下の記事をご覧ください。

 

 

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CONTENTS

キャッシュフロー経営とは

キャッシュフロー経営とは名前の通りキャッシュフローを重視する経営手法です。

売上や利益よりもキャッシュを重視する経営スタイルとも表現できます。

そもそもキャッシュフローとは

そもそもキャッシュフローとは、一定期間におけるお金の流れのことです。

事業活動においてはキャッシュフローを現金の変動要因に応じて以下の3種類に区分します。

  • ・営業活動によるキャッシュフロー
  • ・投資活動によるキャッシュフロー
  • ・財務活動によるキャッシュフロー

それぞれ詳しく解説します。

営業活動によるキャッシュフロー

営業活動によるキャッシュフローとは、本業の営業活動によるキャッシュの増減です。

変動要因として以下の例が挙げられます。

  • ・売掛債権の増減
  • ・買入債務の増減
  • ・棚卸資産の増減
  • ・利息の支払いおよび受取り

 

営業活動によるキャッシュフローの計上額が多いほど、本業が好調で売掛債権の回収も順調と判断できます。

投資活動によるキャッシュフロー

投資活動によるキャッシュフローとは、設備投資や有価証券の売買といった投資活動によるキャッシュの増減です。

投資活動によるキャッシュフローの変動要因として以下が挙げられます。

  • ・有価証券の取得、売却
  • ・設備投資
  • ・設備の売却
  • ・定期預金の預入、払戻

 

なお投資活動によるキャッシュフローはマイナスになるケースが多くみられます。

設備投資による支出は多くの企業で発生するものの、設備の売却が発生するのは稀で、収入が計上されないことが多いためです。

マイナスという事実だけで判断せず、マイナスの大きさや過年度との比較、異常な項目の有無など様々な要素を考慮する必要があります。

財務活動によるキャッシュフロー

財務活動によるキャッシュフローとは、資金調達や返済によるキャッシュの増減です。

該当する項目の例を紹介します。

  • ・借入金の入金、返済
  • ・社債の発行、償還
  • ・株式発行
  • ・配当金の支払い

 

財務活動によるキャッシュフローがマイナスの場合、返済額が調達額を上回っている状態です。

そのため、最終的なキャッシュフローが黒字であれば問題ないと判断して良いでしょう。

反対に財務活動によるキャッシュフローがプラスでも、理由が借入金や社債等による収入の場合、将来的な返済負担を考慮する必要があります。

キャッシュフロー経営のメリット

キャッシュフロー経営の主なメリットを3つ紹介します。

資金不足を予防できる

最も大きなメリットは資金不足を予防できる点です。

キャッシュの残高や変動要因を正確に把握できるため、迅速な対応が可能となります。

財務諸表上は黒字でもキャッシュ不足のために倒産するという「黒字倒産」のリスクも抑えられます。

黒字倒産については以下の記事をご覧ください。

 

経営の自由度が上がる

キャッシュフロー経営を意識することで、手持ち現金が多い状態を保てる可能性が高いです。

資金面での余裕が生まれるため経営の自由度がアップします。

資金を理由に何かを断念する事態や、時間をかけて検討する必要などが起こりにくくなるでしょう。

金融機関や投資家からの信用獲得につながる

キャッシュフロー経営によりキャッシュ残高が多い状態を保てれば、自己資本比率の向上をはじめ財務体質の強化にもつながります。

そのため金融機関や投資家など、外部からの信用を獲得しやすくなります

キャッシュフロー経営のポイント

キャッシュフロー経営のメリットを最大限に活かすためには、特徴に合わせた適切な活動が求められます。

この章ではキャッシュフロー経営を行う上で押さえるべきポイントを2つ紹介します。

黒字倒産の兆候を知っておく

キャッシュフロー経営を行う前に、黒字倒産の兆候について知っておきましょう

キャッシュフロー経営を意識していても、黒字倒産の兆候に気づけなければ対応が手遅れになる恐れがあります。

単純なキャッシュ残高だけでなく、お金の動きをしっかり確認することが、キャッシュフロー経営を成功させるためのポイントです。

 

今回は黒字倒産の兆候の例を3つ紹介します。より詳しい内容は以下の記事で解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。

 

売掛債権の回収が遅れている

黒字倒産の前によくみられる事態の1つが売掛債権の回収遅れです。

売掛債権は流動資産として計上されるものの、そのままの状態ではキャッシュとして利用できません。

取引先から入金されて初めて自由に使えるキャッシュとなります。

 

売掛債権の回収が遅れるとキャッシュフローが悪化し、支払いや返済に影響を及ぼす恐れがあります。

売掛債権の回収遅れが発生している場合は注意が必要です。

未回収の売掛金が多い

入金期限の面では特に問題がない(遅れは生じていない)場合でも、未回収の売掛金残高が多い場合は注意する必要があります。

売掛金が多ければ多いほど、回収遅れや取引先の倒産によるリスクが高くなるためです。

特に取引件数が少なく一社あたりの売掛金が高額なほど、一社からの返済遅延や貸倒れが与える影響が強くなります。

在庫過多の状態

原材料や棚卸資産などの在庫は貸借対照表上では資産として計上されるため、一見すると資産が多い印象を受けやすいです。

しかし在庫はあくまでも在庫であり、実際に販売しなければ資金としては活用できません。

また、在庫が多い場合は以下のような状態に陥っている可能性もあります。

  • ・原材料や棚卸資産の管理にコストがかかりすぎている
  • ・仕入による現金流出が多すぎる
  • ・製造や販売の工程に何らかの課題があり売上につながっていない

在庫過多の状態が長く続いている場合も、黒字倒産につながるのを防ぐために早急な対策をするべきでしょう。

キャッシュフローの改善策について知っておく

キャッシュ残高の減少や黒字倒産の兆候が起きた際に迅速・適切な対応ができるよう、改善策についても知っておくことも大切です。

今回はキャッシュフローの改善策を3つ紹介します。

売掛金を減らす

前述のように売掛金は流動資産として計上されるものの、自社が自由に使える資金ではありません。

キャッシュフローを改善するためには売掛金を減らす、すなわちなるべく早期に現金化するのが理想です。

 

売掛金を減らす方法として以下の例が挙げられます。

  • 1.回収サイトを短くする
  • 2.未回収の売掛金を回収する
  • 3.必要に応じてファクタリングを利用する

 

3のファクタリングとは、売掛金等の債権を期日前に買い取るサービスです。

売掛金を早期に現金化できるだけでなく、貸し倒れリスクを防止できる点もメリットとして挙げられます。

ただし手数料が高い等のデメリットもあるため注意しましょう。

ファクタリングについては以下の記事で詳しく解説しています。

 

経費を削減する

キャッシュ残高を増やすためには支出を減らすことも大切です。

経費を細かい部分まで見直し、削減できるものがないか検討しましょう。

余分な在庫を処分する

前述のように、在庫が多い状態では財務諸表上は黒字になりやすいものの、資金繰りの面では悪影響を及ぼしている可能性が高いです。

キャッシュフローを改善するためには余分な在庫を処分する必要があります。

在庫処分の方法として以下の例が挙げられます。

  • ・低価格での売却
  • ・在庫処分業者への引き取り依頼
  • ・売却が難しい場合は廃棄処分

まとめ

キャッシュフロー経営とはキャッシュフロー、すなわちキャッシュ残高やキャッシュの動きを重視する経営スタイルです。

資金不足や黒字倒産のリスク低減、経営の自由度向上、外部からの信頼獲得といったさまざまなメリットがあります。

 

ただし、ただキャッシュフローを確認・把握するだけで何も対策をしなければ意味がありません。

キャッシュフロー経営によるメリットを最大限に活かすためには、黒字倒産の兆候やキャッシュフロー改善策について知る必要があります。

その上でキャッシュフローに気になる点が見つかれば、すぐに検討・対策を行うべきといえます。

 

適切なキャッシュフロー経営を行うためには、キャッシュフロー経営についての理解を十分に深めることが大切です。

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吉岡 伸晃

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