資本金の変更は可能?手続き方法と費用、注意点について解説!

2025.09.15

資本金は必要な手続きを行えば好きなタイミングで自由な額に変更可能です。

ただし、手続きをせずに勝手に変更することはできず、過料の対象になる恐れがあります。

また、増資と減資で必要な手続きが異なる点や、条件によっては通常よりも手続きが増える恐れがある点に注意が必要です。

今回は資本金を変更する方法や手続きにかかる費用、資本金を変更する際の注意点について解説します。

 

会社設立時の資本金の決め方については以下の記事をご覧ください。

 

 

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資本金を変更するには法務局での登記手続きが必要

前提として、資本金は何度でも変更できます。

資本金を増やす・資本金を減らすどちらも特に制限はありません。

ただし資本金は登記事項のため、資本金を変更するには法務局での変更登記が必要です。

また、法務局での登記手続きの前に、株主総会による決議も必要となります。

 

この章では資本金を増資・減資それぞれの流れや、資本金の変更手続きにかかる費用について解説します。

資本金の変更手続きの流れ|増資の場合

前提として、増資は以下の2種類に大別できます。

  • ・投資家からの払込みによる増資(有償増資)
  • ・会社の剰余金や準備金を資本金に振り替える方法(無償増資)

一般的に選ばれることが多いのは、投資家からの払込みによる増資です。

 

投資家からの払込みによる増資は公募増資、第三者割当増資、株主割当増資の3種類に分けられます。

増資方法の種類によって手続きの一部に違いはありますが、基本的な手続きは同じです。

投資家からの払込みによる増資の大まかな流れを紹介します。

1.株主総会で資本金変更の決議をする

増資に際して、非公開会社の場合は特別決議が必要です。

公開会社では株主総会決議をせず、取締役会決議による株式の発行が認められます。

2.募集事項を決定する

第三者割当増資の場合、募集株式の数や払込金額などの募集事項を決定する必要があります。

決めるべき事項は増資の手段によって異なるため、詳しくは専門家へご相談ください。

3.募集株式の引受けの申込みを受け付ける

決定した募集事項を基に通知内容を作成し、募集株式の引受けの申込みを受け付けます。

4.割当内容を決議する(第三者割当増資の場合)

第三者(投資家)からの申し込みが集まった後、それぞれの投資家にどのように株式を割り当てるか検討します。

その後は資本金変更の決議と同様に、取締役会決議または株主総会の特別決議が必要です。

5.出資金の払込みを受ける

4で決定した割当内容を通知し、出資金の払込みを受けます。

6.新株の発行、割り当てを行う

出資金の払込みを確認でき次第、新株の発行および割り当てを行います。

それに伴い株主名簿の更新も必要です。

7.資本金の変更登記を行う

法務局で資本金の変更登記を行います。

変更登記の主な必要書類は以下の通りです。

  • ・会社変更登記申請書
  • ・株主総会や取締役会の議事録
  • ・株主リスト
  • ・募集株式の引受けの申込みを証明する書面または総数引受契約書
  • ・資本金の払込みを証明する書類
  • ・資本金の額の計上に関する書類

8.税務署、都道府県税事務所、市町村役場へ届出をする

資本金は税金の計算に関係する要素のため、税務署、都道府県税事務所、市町村役場への届出も必要です。

税務署へ提出する書類は「異動届出書」という名称で、異動等後速やかに提出するよう定められています。

都道府県税事務所や市町村役場への届出については、名称や添付書類等が自治体によって異なる可能性があるため、自治体の案内をご確認ください。

資本金の変更手続きの流れ|減資の場合

続いて、資本金を減らす場合の手続きの流れを紹介します。

1.減資について株主総会の特別決議を行う

減資の場合は原則として株主総会の特別決議が必要です。

例外として、以下2つの条件を両方とも満たす場合は普通決議でも良いものとされています。

  • ・定時株主総会で減資の決議を行う
  • ・減資の額が定時株主総会時点における欠損金の額を超えない

 

また、以下の条件を両方とも満たす場合は、株主総会の特別決議ではなく取締役会の決議による減資が可能です。

  • ・減資と株式の発行が同時に行なわれる
  • ・効力発生日後の資本金の額が、効力発生日より前の資本金の額を下回らない
  • (資本金の減少と同時に株式発行による増資が行われるため、結果として資本金総額は減少しない仕組み)

2.債権者保護手続きを行う

減資を行うには債権者保護手続きとして、官報公告と債権者への個別催告の2つが必要です。

また、債権者による異議申し立てが可能な期間を1ヵ月以上設ける必要があります。

3.資本金の変更登記を行う

減資の効力が発生した日から2週間以内に法務局での変更登記が必要です。

減資の効力は、株主総会等で定められた効力発生日に生じます。

ただし、効力発生日までに債権者保護手続きが完了しなければ無効となります。

4.税務署、都道府県税事務所、市町村役場へ届出をする

増資の場合と同様に、税務署や自治体等への届出が必要です。

資本金の変更手続きにかかる費用

資本金の変更手続きで必ず発生するのが登記申請時に支払う登録免許税です。

登録免許税の額は増資と減資で以下のように異なります。

 

  • 増資の場合
  • 以下のうちいずれか高い方の金額
  • ・増資額×1,000分の7
  • ・3万円
  •  
  • 減資の場合
  • 3万円

 

さらに減資では官報公告のための官報掲載料が発生します。

官報掲載料の金額はケースによって異なりますが、減資公告のみの場合は約6万円、減資公告+決算公告の同時公告の場合は約15万円が目安です。

 

登記手続きを専門家に依頼する場合は専門家報酬も発生します。

専門家報酬は5万円前後が目安となります。

資本金の変更手続きに関する注意点

資本金の変更手続きに関する注意点を4つ紹介します。

変更登記の期限は2週間

資本金に限らず、登記事項に変更があった場合は2週間以内に変更登記が必要です。

変更登記の期限を過ぎると登記懈怠とみなされ、代表者個人に100万円以下の過料を処される恐れがあります。

定款の記載事項によっては定款変更が必要なケースがある

資本金は定款の絶対的記載事項ではないため、資本金を変更しても基本的には定款の変更手続きは必要ありません。

ただし、以下のケースに該当する場合は定款変更が必要になります。

 

  • 増資に伴い発行可能株式総数を超えた株式発行をする場合
  • 発行可能株式総数は定款の絶対的記載事項のため、発行可能株式総数を超えた株式発行をする場合は定款変更が必要です。
  •  
  • 新株発行とあわせて株券発行の有無を変更する場合
  • 定款に株券発行の旨を定めない限り、自動的に株券不発行会社とみなされます。
  • そのため、新株発行とあわせて株券発行の有無を変更する場合も定款の変更が必要です。
  •  
  • (合同会社の場合)増資により社員や出資額が変わる場合
  • 合同会社の定款には社員ごとの出資額等が記載されているため、増資に伴い変更が生じる場合は定款の変更も必要です。

 

なお、定款変更そのものには特に費用はかかりません。

公証役場での認証も不要です。

資本金変更の方法によって必要書類に違いがある

資本金の変更手続きにおける必要書類は、増資と減資、さらには増資の方法などによって異なります

 

すべてのケースで共通する必要書類は以下の通りです。

  • ・変更登記申請書
  • ・株主総会議事録
  • ・取締役会議事録(取締役会による決議をした場合)
  • ・株主リスト
  •  

増資の場合は以下の書類が必要です。

  • ・募集株式の引受けの申込みを証明する書面または総数引受契約書
  • ・資本金の払込みを証明する書類
  • ・資本金の額の計上に関する書類

 

減資で必要になる書類として以下の例が挙げられます。

  • ・一定の欠損の額が存在することを証する書類
  • ・公告及び催告の実施を証する書類

資本金が一定額を超えると税負担が重くなる

増資の場合に注意するべき事項として、資本金が一定額を超えると税負担が重くなる点が挙げられます。

資本金の額によって税率や金額が変わる税金の具体例は以下の通りです。

法人税

資本金1億円以下の中小法人の場合、所得800万円以下の部分は税率15%、800万円超の部分は税率23.2%が適用されます。

一方、資本金1億円超の法人は所得額に関係なく税率は一律で23.2%です。

法人住民税

法人住民税は所得割と均等割という2つの要素から構成されています。

このうち均等割額は資本金や従業員数などを基準に一定額が課せられる仕組みであり、資本金が一定を超えると税額も増える点に注意が必要です。

消費税

資本金1,000万円未満の新設法人は、設立1期目は消費税が免税、2期目以降も要件を満たせば免税が適用されます。

資本金1,000万円以上の場合、1期目から消費税の課税事業者となります。

まとめ

資本金の額は自由に変更できますが、資本金は登記事項のため、変更する場合は法務局での変更登記が必要です。

変更登記は、登記事項の変更が行われてから2週間以内に行う必要があります。

2週間を過ぎてしまうと当期懈怠として代表者個人に過料を処される恐れがあるためご注意ください。

 

変更登記以外にも、資本金の変更に際して必要な手続きや押さえるべき注意点は複数存在します。

万が一にもミスや漏れを起こさないためにも、今回解説した内容を参考に、適切な方法で資本金の変更を行いましょう。

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士

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