
会社法とは会社の設営、組織、運営、管理などのルールや手続きなどを定めた法律です。
平成18年5月に施行された比較的新しい法律で、令和7年7月現在は第八編、第九百七十九条まで存在します。
会社経営は会社法を遵守して行うのが前提ですが、会社法のすべてを完璧に理解するのは物理的にも不可能です。
そのため広く深く理解しようとするのではなく、まずは会社法の中でも特に重要なポイントを押さえることを優先しましょう。
今回は会社法について経営者が押さえるべきポイントについて解説します。
本記事では取り上げませんが、設立した会社の経営・運営だけでなく、会社設立時のルールの遵守も必須です。
会社設立の流れや必要な手続きについては以下の記事をご覧ください。
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CONTENTS
会社法とは

会社法とは、会社の設営、組織、運営、管理など、会社に関するさまざまなルールや手続きなどを定めた法律です。
かつては会社に関するルールが商法や有限会社法などのさまざまな法律に分散されていました。
会社法の制定・制定により、会社に関するルールは会社法にまとめられています。
会社法で定められている内容
令和7年7月時点において、会社法は第八編、第九百七十九条まで存在します。
各篇で定められている大まかな内容を紹介します。
第一編 総則
第一編は会社法の目的や用語の意味、すべての会社に通じる基本的なルールなどが定められています。
以下4つの章から構成されています。
- 第1章:通則
- 第2章:会社の商号
- 第3章:会社の使用人等
- 第4章:事業の譲渡をした場合の競業の禁止等
第二編 株式会社
第二編は文字通り株式会社に関するルールを定めた部分です。
全八編のうち最もボリュームが大きく、全9章から構成されており、第25条から第574条までが第二編に該当します。
第三編 持分会社
第三編は合同会社、合名会社、合資会社といった持分会社に関するルールがまとめられています。
全8章構成、該当する条文は第575条から第675条までと、第二編よりボリュームが少なめです。
第四編 社債
第四編は社債についてのルールがまとめられています。
全3章構成で、それぞれの内容は以下の通りです。
- 第1章:総則(社債発行のルール、権利行使、社債原簿の記載事項などの基本事項)
- 第2章:社債管理者
- 第3章:社債権者集会
第五編 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付
組織再編、いわゆるM&Aについて定められています。
全5章構成で、各章の内容は以下の通りです。
- 第1章:組織変更
- 第2章:合併
- 第3章:会社分割
- 第4章:株式交換及び株式移転
- 第5章:組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付の手続
第六編 外国会社
第六編では外国の法令に基づいて設立された会社が日本国内で事業活動を行う際のルールを定めています。
該当するのは第817条から第823条までの7条のみで、会社法の中でも最もボリュームが少ない部分です。
第七編 雑則
第一編から第六編、および第八編のいずれにも該当しないルールがまとめられています。
具体的な内容は以下の通りです。
- 第1章:会社の解散命令等
- 第2章:訴訟
- 第3章:非訟
- 第4章:登記
- 第5章:公告
第八編 罰則
会社法に違反した場合の罰則が定められています。
会社法の歴史
会社法が制定されたのは平成17年(2005年)、施行されたのは平成18年(2006年)5月1日です。
会社法の施行前、会社に関する規定は商法、有限会社法、商法特例法といった複数の法律に分散していました。
会社法の制定により会社に関するルールが1つの固有の法律にまとめられたのです。
なお会社法は施行から20年弱と比較的歴史の浅い法律ではあるものの、令和7年までの時点で大きな改正が複数回行われています。
過去に行われた会社法改正について簡単に紹介します。
平成26年(2014年)
コーポレート・ガバナンスの強化を図る以下の改正が行われました。
- ・社外取締役の機能の活用
- ・社外取締役等の要件の厳格化
- ・社外取締役を置くことが相当でない理由の説明
- ・会計監査人の独立性の強化
また、親子会社に関する規律整備に関する改正も行われています。
令和元年(2019年)
令和元年改正による主な変更点は以下の通りです。
- ・株主総会に関する規律の見直し
- ・取締役等に関する規律の見直し
経営者は要チェック!会社法の重要ポイント4点

会社経営は会社法に則って行うことが大原則です。
とはいえ会社法の膨大な条文をすべて完璧に理解するのは現実的とはいえません。
そのため、会社法の中でも特に重要なポイントを押さえることを最優先にするべきでしょう。
この章では経営者が押さえるべき会社法の重要ポイントを4点紹介します。
設立できる会社の種類
会社法で認められているのは、株式会社と持分会社の2種類です。
持分会社は合同会社、合名会社、合資会社の3種類が存在するため、設立できる会社の種類は4種類となります。
株式会社と持分会社の主な違いは以下の2点です。
- 株式発行による資金調達の可否
- 株式を発行できるのは株式会社のみです。
- 持分会社は株式発行による資金調達ができません。
- 所有と経営の分離の有無
- 株式会社は会社の所有者である出資者と経営者が分かれており、「所有と経営の分離」と表現されます。
- 持分会社に該当する3種類は出資者と経営者が同じです。
会社の種類別の違いについては以下の記事で詳しく解説しています。
株式会社の二大原則
会社法で定められている株式会社の二大原則は「株主平等の原則」と「株式譲渡自由の原則」です。
それぞれ詳しく解説します。
株主平等の原則
株主平等の原則とは、株主が保有する株式の内容および数に応じて平等に取り扱うべきとする原則です。
会社法109条1項で定められています。
少数株主の権利保護や、投資家が安心して出資できる環境を実現する等の役割を有します。
株式譲渡自由の原則
会社法127条で、株主は自身のもつ株式を自由に譲渡できると定められています。
このような仕組みが「株式譲渡自由の原則」です。
株式譲渡自由の原則により株主が投資を行う上でのリスクが低くなるため出資しやすくなり、会社は出資者を集めやすくなります。
例外として、定款に株式の譲渡を制限する旨が定められている場合、株式の自由な譲渡ができません。
このような株式を「譲渡制限株式」といいます。
株式会社の機関
会社法では株式会社に設置するべき機関についても細かく定められています。
株式会社の機関について解説します。
株主総会
株主総会とは株主が集まって会社の運営に関する重要事項を決定する場です。
株式会社の最高意思決定機関であり、すべての株式会社に設置が義務付けられています。
取締役・取締役会
取締役は株式会社の業務執行を担う役員で、最低1名以上の設置が義務付けられています。
取締役が3人以上いる場合は、重要な業務執行の決定等を行う場である取締役会の設置が可能です。
監査役・監査役会
監査役は職務遂行を監査する役職です。取締役会設置会社には監査役の設置が義務付けられています。
監査役会は3人以上の監査役により構成される機関で、監査方針の決定や監査報告作成などを行います。
会計参与・会計監査人
会計参与は取締役と共に会社の計算書類等を作成する機関です。
会計監査人は会社の計算書類等が法律に則って適切に作成されたものであるかを監査する役割を担います。
指名委員会
経営者の選任・解任を決議する機関で、取締役会内に設置されます。
監査委員会
指名委員会等設置会社において取締役を監査する機関です。
M&A手続き
前述の通り、会社法の第五編「組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付」ではM&Aについて定められています。
会社法の第五編で認められているM&A手法は以下の通りです。
- ・合併(吸収合併、新設合併)
- ・会社分割(吸収分割、新設分割)
- ・株式交換
- ・株式移転
- ・株式交付
第五編で認められた上記5つの手法のほか、事業譲渡や株式譲渡によるM&Aも可能です。
まとめ
会社法とは会社の設立から運営、清算まで、会社に関するあらゆるルールを定めた法律です。
全八編構成、第九百七十九条まで存在するという膨大なボリュームのため、すべてを完璧に理解するのは物理的に不可能です。
そのため会社法全体ではなく、まずは中でも特に重要なポイントを押さえることを優先するのが良いでしょう。
会社法に限らず、法律で「知らなかった」は通用しません。
優先順位の高い要素から押さえつつも、少しでも疑問や不安があれば専門家のサポートを受けるのが安心です。
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記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士








