
ストレスチェックとは労働者のストレス状態を把握するために行う簡単な検査です。
平成27年12月以降、50人以上の労働者がいる事業所でのストレスチェックが義務化されています。
また、改正労働安全衛生法の可決により、労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックの義務を実施することが決定されました。
2025年8月時点では正確な導入時期は未定ですが、いずれは小規模な事業場でもストレスチェックの実施が必要になります。
今回はストレスチェックの義務化の最新動向や注意点について詳しく解説します。
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CONTENTS
ストレスチェックの義務化とは

ストレスチェックとは労働者のストレス状態を把握するために行う簡単な検査です。
ストレスに関する質問が記載された質問票に労働者が記入し、回答を基にストレスの度合いを判断します。
メンタルヘルス不調となることを未然防止する「一次予防」が主な目的です。
平成27年12月以降、50人以上の労働者がいる事業場でのストレスチェックが義務化されています。
【2025年8月時点】ストレスチェックの義務の詳細
前述のように、2025年8月時点では50人以上の労働者がいる事業場でのストレスチェックが義務化されています。
労働者数の要件を満たす事業場であれば、年に1回以上のストレスチェックの実施が必須です。
なお、ストレスチェックを実施しないこと自体に対する直接的な罰則は定められていません。
ただし以下のような法律違反に該当するとみなされる恐れがあります。
労働契約法第5条 労働者の安全への配慮(安全配慮義務)
ストレスチェックの実施は労働契約法第5条で定められた安全配慮義務の一環とされています。
そのためストレスチェックの未実施は労働契約法違反に該当する可能性が高いです。
労働安全衛生法第100条 報告
労働安全衛生法第100条では、法律の施行のために必要な事項の報告について定められています。
ストレスチェックを実施しなければ労働基準監督署への報告もできず、報告義務を怠ったとして罰則の対象になり得ます。
なお、虚偽報告および未報告に対するペナルティは最大50万円の罰金です。
【2025年8月時点】ストレスチェック実施の流れ
ストレスチェックの流れは大きく5つの工程に分けられます。それぞれ詳しく解説します。
1.導入前の準備
ストレスチェックをはじめて行う場合、導入前の準備が必要です。
導入前に行うべき作業として以下の例が挙げられます。
- ・ストレスチェックの実施責任や方針について決定
- ・ストレスチェック実施計画の策定
- ・ストレスチェックに関するルールの明文化(社内規定等に記載する)
2.質問票の配布、記入
ストレスチェックの質問票を労働者に配布し、記入してもらいます。
質問票の指定はありませんが、1から用意するのが負担であれば国が推奨する 57 項目の質問票を用いるのが良いでしょう。
記入が終わった質問票は、実施者および実施事務従事者が回収します。
実施者および実施事務従事者以外が質問票を閲覧するのは厳禁です。
3.ストレス状況の判断および面接指導の必要性の判定
医師等の実施者が、回収した質問票の内容からストレス状況の判断および面接指導の必要性の判定を行います。
4.検査結果の通知
ストレスチェックの結果は実施者である医師等から本人へ直接通知されます。
検査結果として通知する内容は以下の3つに大別されます。
- 1.ストレスチェックの結果(ストレスの特徴や程度などを数値や図表化したもの)
- 2.セルフケアに関するアドバイス
- 3.面接指導を希望する場合の申し出の方法
このうち、「1.ストレスチェックの結果」の通知は必須です。
その他2つは義務ではないものの、通知するのが望ましいとされています。
5.本人からの希望があれば面接指導の実施
労働者本人が希望する場合は医師による面接指導を実施します。
また、事業場は医師等による意見をもとに必要に応じて就業上の措置を行います。
ストレスチェック義務化の最新動向

前述のように、2025年8月時点では、ストレスチェックが義務付けられているのは労働者数が50人以上の事業場のみです。
しかし改正労働安全衛生法の可決により、労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックの義務を実施することが決定しました。
この章では、ストレスチェック義務化の最新動向について解説します。
ストレスチェック義務化の時期
2025年8月時点において、労働者数50人未満の事業場におけるストレスチェック義務化の時期は未定です。
対象となる事業場にかかる負担を考慮し、十分な準備期間を確保すると公表されています。
ただし、義務化のタイミングは「公布後3年以内に政令で定める日」である旨は確定です。
改正労働安全衛生法が公布されたのは2025年(令和7年)5月14日のため、義務化は2028年中と予想されます。
ストレスチェック義務化が実施される理由
労働者数50人未満の事業場でもストレスチェックが義務化される理由として、以下の2つが挙げられます。
- ・メンタルヘルスの不調による休職者や退職者が年々増加傾向にある
- ・義務化がされていない50人未満の事業場ではストレスチェックの実施率が著しく低い
メンタルヘルス不調の未然防止の必要性が高まり、全ての事業場でストレスチェックを行うべきと考えられるようになったためといえるでしょう。
労働者数50人未満の事業場が抱える課題
改正労働安全衛生法により、労働者数50人未満の事業場でもいずれはストレスチェックが義務化されるのは確定しています。
しかし労働者数50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施には、以下のような課題があります。
- ・産業医不在の事業場が多く、ゼロから実施者を探す必要がある
- ・プライバシー保護の環境を整備するのが難しい
- ・人数が少ないため、社内規程の整備、質問票の用意や配布など作業関連の負担が重い
労働者数50人未満の事業場は規模が小さく、リソースに余裕がないことが多いです。
そのため、 ストレスチェックに関する作業が負担になりすぎてしまい、本業や経営に影響を及ぼす恐れがあります。
ストレスチェックの義務化に向けて押さえるべき注意点

最後に、労働者数50人未満の事業場におけるストレスチェックの義務化に向けて押さえるべき注意点を3つ紹介します。
ストレスチェック実施に向けた準備を早めに開始する
ストレスチェックの義務化の実施時期は現状未定ですが、ストレスチェック実施に向けた準備をなるべく早めに開始しましょう。
前述のように、労働者数50人未満の事業場ではリソースの余裕がないことが多いです。
そのため、ストレスチェック実施に向けた体制整備のための時間を確保することも難しい可能性があります。
ギリギリのタイミングで準備を開始した結果、想定以上に時間がかかり間に合わないという事態も起こり得ます。
本業や経営への負担を抑えつつもストレスチェックの実施体制を整えるためにも、余裕をもって早いうちから準備を始めるのが理想です。
必要に応じて外部委託も検討する
人数が少なくリソースに余裕がない状態であれば、自社ですべて対応するのではなく、外部委託するのも1つの手段です。
専門業者にすべて任せれば、自社の負担を最小限にしながらも適切なストレスチェックを実施できます。
ただし、外部委託をする場合でも、社内規程の整備や労働者への通知・説明などは自社で行う必要があります。
業者によって対応できる範囲が異なる可能性もあるため、事前のすり合わせや依頼できる範囲の確認はしっかり行いましょう。
労働者に対する十分な説明が必須
ストレスチェックの準備を行なっても、労働者がストレスチェックについて認知していなければ適切な検査はできません。
ストレスチェックを行う旨やルールなどについて、労働者に対する十分な説明です。
なお、ストレスチェックの義務を課せられるのはあくまで事業場側であり、労働者に回答義務はありません。
ただしメンタルヘルスの不調を予防するためにはストレス状態を把握すべきであり、ストレスチェックが効果的といえます。
ストレスチェックを行う理由や未然予防の重要性についてもしっかり説明しましょう。
まとめ
平成27年12月以降、50人以上の労働者がいる事業所でのストレスチェックは義務とされています。
また、改正労働安全衛生法の可決により、労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックの義務を実施することが決定しています。
義務化の具体的な時期は未定ですが、改正労働安全衛生法の公布から3年以内、すなわち令和10年には義務化されると考えられます。
ストレスチェックを実施するには社内規程の整備をはじめ、さまざまな作業が必要です。
人的リソースが少ない場合、本業への影響を抑えながらも体制整備を行うため、早めに準備を始めるのが良いでしょう。
必要に応じて外部委託をするのも1つの手段です。
適切なストレスチェックを実施できるよう、労働者への十分な説明も欠かせません。
ストレスチェックの義務化に際して慌ててしまうことがないよう、注意点を押さえつつ早めに準備を進めましょう。
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記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士







