
アメーバ経営とは、組織を「アメーバ」と呼ばれる小さな単位に分け、それぞれを独立した企業のように運営する手法です。
各アメーバは独立採算で運営し、それぞれのリーダーが経営者視点で企業活動を行います。
アメーバ経営には多くのメリットがある一方で、無視できないデメリットも存在します。
アメーバ経営による失敗を避けるためには、事前にメリット・デメリットの両方を確認した上で、注意点をしっかり押さえることが大切です。
今回はアメーバ経営について詳しく解説します。
なお、アメーバは独立採算による運営ですが会社自体は同じであり、別会社として運営するホールディングスとは全く異なる仕組みです。
ホールディングスについては以下の記事で詳しく解説しています。
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CONTENTS
アメーバ経営とは

アメーバ経営とは組織をアメーバと呼ばれる小集団に分け、各小集団を1つの企業とみなして行う経営です。
共同経営のような仕組みであり、「全員参加経営の実現」を目的としています。
アメーバ経営の特徴
アメーバ経営の特徴は以下の2つです。
- ・部門別採算制度で経営する
- ・各リーダーが経営者の役割を果たす
それぞれ詳しく解説します。
部門別採算制度で経営する
部門別採算制度とは、会社の部門ごとに試算表を作成し利益を管理する制度です。
それぞれの部門が各々に利益を出すことを目的としているため、経営に関する決定権も各部門に委譲されます。
アメーバ経営における各アメーバ(小集団)は独立採算で運営します。
それぞれが生み出した成果が明確に示されるため、競争の促進や迅速な経営判断などが起こりやすいです。
また、同じ会社内であるアメーバ間で売買取引が発生する可能性がある点も特徴です。
各リーダーが経営者の役割を果たす
アメーバとして分けられた各集団は、前述のように独立採算により経営活動を行います。
すなわち各集団のリーダーは経営者のような役割を担う仕組みです。
なお、経営者の役割を果たすのはリーダーですが、利益を向上させるには各小集団に属する全員の協力が必要です。
アメーバ全体で経営目標を共有・意識すれば、リーダーに限らず、従業員全員が経営への参加意識をもつことができます。
アメーバ経営のメリット
アメーバ経営の主なメリットとして以下の3つが挙げられます。
- ・経営者視点をもつ人材を育成できる
- ・スピードアップが期待できる
- ・コミュニケーションの円滑化につながる
それぞれ詳しく解説します。
経営者視点をもつ人材を育成できる
前述のようにアメーバ経営は各リーダーが経営者の役割を担う仕組みです。
また独立採算という性質から従業員全員が経営への参画意識をもちやすいとも紹介しました。
このように経営者視点で物事を考える場面が発生しやすい手法といえます。
すなわち日々の業務そのものが経営者を育てる要素になり得るのです。
スピードアップが期待できる
アメーバ経営では各小集団が経営判断を行います。
原則として会社の上層部の指示を仰ぐ必要はありません。そのためスピーディーな意思決定が可能です。
また、各アメーバの利益や経営成績が明確に示されるため、アメーバ間での競争が促進されやすい仕組みです。
同じ会社とはいえライバルのような関係性のため、ほかのアメーバより早く利益を出せるよう意欲的に活動をします。
このように各々が他から遅れをとらないことを意識する結果、全体的なスピードアップにつながる可能性が高いです。
コミュニケーションの円滑化につながる
アメーバ経営は会社をアメーバに分割、すなわちチームや部門を細分化する方法ともいえます。
各アメーバに属する人数が少ない上に前述のようにスピード感が求められるため、必然的にコミュニケーションが活性化しやすいです。
また、リーダーがいるとはいえ、チームに属するのが少人数のために各々が経営への参画意識をもちやすい環境でもあります。
したがって上下関係やポジションの違い等に関係なく、円滑なコミュニケーションが期待できます。
アメーバ経営のデメリット
アメーバ経営の主なデメリットは以下の3つです。
- ・導入のハードルが高い
- ・部門間の関係悪化のリスクがある
- ・利益第一主義につながる恐れがある
それぞれ詳しく解説します。
導入のハードルが高い
最も大きなデメリットは導入ハードルが高い点です。
リーダーとなり得る人の育成やアメーバ経営を可能とする仕組み作り、従業員に対する十分な説明など、さまざまな課題があります。
多大なコストや労力を要するため、ある程度の余裕がある企業でなければ実施するのが難しい方法です。
部門間(アメーバ間)の関係悪化のリスクがある
前述のようにアメーバ経営は独立採算制であり、同じ会社とはいえライバルのような関係です。
しかし競争が激化するとアメーバ間の関係が悪化し、ライバルというより、攻撃や排除の対象である敵状態になる恐れがあります。
各々の成長や切磋琢磨による競争ではなく、嫌がらせや不正行為が起こるリスクがあるのです。
利益第一主義につながる恐れがある
これまで紹介したように、アメーバ経営には以下の特徴があります。
- ・独立採算制をとり、各アメーバがそれぞれ1つの企業のように活動する
- ・経営成績が明確に示されるため、アメーバ間での競争が促進されやすい
- ・競争が激化すると敵対関係になる恐れがある
このような性質の都合上、利益第一主義につながる恐れがあります。
品質低下や悪質な手段の横行、労働環境悪化による退職者の発生等のリスクがあるでしょう。
アメーバ経営を導入する際の注意点

前述のようにアメーバ経営にはさまざまなメリットがある一方で、無視できないデメリットも複数存在します。
したがって、やみくもに導入しても成功する可能性は低いでしょう。
この章ではアメーバ経営を導入する際の注意点を3つ紹介します。
理念や行動規範を徹底的に浸透させる
アメーバ経営における大きな懸念として、社内の関係悪化や利益第一主義に陥る恐れがある点が挙げられます。
これらを防ぐのに効果的な方法の1つが理念や行動規範を徹底的に浸透させることです。
アメーバ同士はライバルのような関係ではあるものの、本来は同じ会社の仲間です。
理念や行動規範は会社が理想とする在り方を実現するためのもので、会社に属する人の指針にもなります。
社内全体に理念や行動規範が浸透していれば、別のアメーバの人も同じ社員と実感しやすくなる旨が期待できます。
「ライバルであり仲間」として切磋琢磨できる良い関係になるでしょう。
ワークライフバランスに気を配る
アメーバ経営は利益第一主義に陥りやすい経営手法です。
そのため従業員のワークライフバランスに気を配る必要があります。
労働時間や作業量、労働環境などを定期的にチェックし、負担がかかりすぎないよう注意しましょう。
リーダー教育や研修を疎かにしない
アメーバ経営は経営者視点をもつ人材を育成できる手法と紹介しました。
しかし当然ですが、アメーバ経営を導入するだけで良い経営者になり得る人材が育つわけではありません。
何の対策やフォローもしなければリーダーとしての適切な振る舞いがされず、アメーバの環境が悪くなる恐れがあります。
リーダーに経営者の役割を任せるとはいえ、丸投げにはせず、リーダー教育や研修なども適時行いましょう。
まとめ
アメーバ経営とは会社をアメーバと呼ばれる小集団に分割し、各アメーバが1企業のように活動する方式です。
部門別採算制度や各集団のリーダーが経営者の役割を果たすといった特徴があります。
アメーバ経営には経営者人材を育成しやすい等のメリットがある一方、アメーバ間の関係悪化のリスクがある等のデメリットも存在します。
労力やコストの面から導入のハードルも高く、やみくもに実施しても成功する可能性は低いでしょう。
アメーバ経営を行う際は、メリット・デメリット両方を理解した上で注意点を押さえることが大切です。
アメーバ経営の導入が最適であるか、入念に検討するべきといえます。
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記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士








