小規模企業共済の貸付制度とは?メリット・デメリットを解説!

2025.10.04

小規模企業共済には共済契約者のみが利用できる貸付制度が設けられています。

審査なしで利用できる・担保や保証人が必要ない等のさまざまなメリットがある一方で、注意するべきデメリットも存在します。

小規模企業共済の貸付制度に限らず、融資を利用する際は制度の概要やメリット・デメリットを深く理解することが大切です。

今回は小規模企業共済の貸付制度の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説します。

 

小規模企業共済の概要や注意点については以下の記事をご覧ください。

 

 

 

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CONTENTS

小規模企業共済の貸付制度とは

小規模企業共済には共済加入者のみが利用できる貸付制度である「共済契約者貸付」が存在します。

制度の内容について詳しく解説します。

共済契約者貸付の種類

共済契約者貸付は一般貸付と特別貸付に大別され、特別貸付は条件によってさらに細かく制度が分かれている仕組みです。

一般貸付と特別貸付それぞれについて詳しく解説します。

一般貸付

一般貸付は以下の借入資格要件を満たす場合に利用できる制度です。

  • ・貸付資格判定時(4月末および10月末)までに12ヵ月分以上の掛金を納付済み
  • ・納付済み掛金をもとに計算された貸付限度額が10万円以上

 

借入限度額は10万円以上2,000万円未満で、掛金の7~9割の借入が可能です。

利率は年1.5%で、担保や保証人は必要ありません。

 

借入期間は借入額によって以下のように異なります。

  • 100万円以下:6ヵ月または12ヵ月
  • 105万円から300万円:6ヵ月、12ヵ月、24ヶ月のいずれか
  • 305万円から500万円:6ヵ月、12ヵ月、24ヶ月、36ヶ月のいずれか
  • 505万円以上:6ヵ月、12ヵ月、24ヶ月、36ヶ月、60ヵ月のいずれか

 

借入期間が6ヵ月または12ヵ月の場合の返済方法は期限一括償還です。

それ以外では6ヵ月ごとの元金均等割賦償還となります。

 

参考:契約者貸付の概要 | 小規模企業共済

特別貸付

特別貸付は特別な事情がある場合に限り利用できる制度です。

2025年7月時点で設けられている制度として以下の6つが挙げられます。

  •  
  • 緊急経営安定貸付け
  • 市場や経済環境の変化等に伴う一時的な売上減少によって資金繰り困難に陥ったときに利用できる制度です。
  •  
  • 傷病災害時貸付け
  • ケガや病気によって一定期間の入院をした、もしくは災害等による被害を受けた際に利用できます。
  •  
  • 福祉対応貸付け
  • 福祉向上を目的としたリフォームや、福祉機器の購入に充てる資金の借入ができる制度です。
  •  
  • 創業転業時・新規事業展開等貸付け
  • 新規開業や転業を行う事業者を対象とした制度です。
  •  
  • 事業承継貸付け
  • 事業承継に伴う事業用資産や株式等の取得に必要となる資金の借入に利用できます。
  •  
  • 廃業準備貸付け
  • 廃業の準備に必要となる資金を低金利で借入できます。

 

加入条件は制度によって異なるため、詳しくは公式サイトをご確認ください。

貸付制度の手続きの流れ

貸付制度を利用するまでの流れは、申し込む制度の種類や申込者によって若干の相違があります。

今回は契約者本人が一般貸付制度を利用するまでの流れを紹介します。

1.必要書類を準備する

一般貸付制度の必要書類は以下の通りです。

  • ・本人の実印
  • ・印鑑証明書(3ヵ月以内に発行された原本が必要です)
  • ・顔写真や住所を確認できる本人確認書類
  • ・借入金額に応じた収入印紙
  •  金額は小規模企業共済の公式サイトをご確認ください
  • ・中小機構からの送付物のうち、共済契約者番号と氏名が掲載されたもの

2.窓口で申し込み手続き

一般貸付の申し込み手続きは窓口で行う必要があります。

電話やオンラインのみでの手続きはできません。

 

登録窓口がどこになるかはケースによって異なります。

  • ・借入窓口を中小機構に登録している場合:登録申出をした代理店
  • ・上記以外の場合:商工中金の本店または支店

 

申し込み手続きを行うにあたり、借入窓口の金融機関へ事前に電話連絡が必要です。

前述した必要書類等を持参して手続きを進めます。

3.貸付の実行

借入窓口が商工中金であれば、午後2時までに窓口での手続きが完了すれば当日中に貸付が実行されます。

その他の金融機関の場合、申し込みから貸付の実行までに2~3日程度の日数を要することがあります。

貸付実行までにかかる時間についての詳細は各金融機関へご確認ください。

小規模企業共済の貸付制度のメリット

小規模企業共済の貸付制度のメリットを4つ紹介します。

審査なしで利用できる

小規模企業共済の貸付制度は、掛金の納付期間やこれまでの納付額をもとに貸付資格があるかの判定を行います。

審査は毎年4月末および10月末に行われ、その時点で資格があると判定されれば貸付制度の利用対象者とみなされる仕組みです。

そのため、貸付制度の利用申込後に別途審査は行われません。

通常の融資と違い審査期間が存在しないため、迅速な資金調達が可能です。

 

なお、特別貸付は一般貸付の要件を満たしており、かつ、制度ごとに設けられた特別な要件を満たす場合のみ利用できます。

担保や保証人が必要ない

共済契約者貸付には複数の種類がありますが、いずれも担保や保証人をつける必要がありません

「担保や保証人を準備できないため融資を受けられなかった経験がある」といった場合でも、問題なく資金を調達できます。

約定利子を支払えば借り換えが可能

一般貸付制度には同額借換制度が設けられています。

借入期間内に借入金額の返済ができない場合、新たな借り入れに必要な約定利子を支払えば借り換えが可能です。

同額借換の制度を利用することで、借入期間の延長の効果を得られます。

ほかにも借入金の一部のみを返済し残額は借入を継続する「減額借入」や、借入額を増やす「増額借入」の制度もあります。

 

なお、借換の手続きができるのは返済期日の翌月末までです。

新規申し込みの場合と同様に、借入窓口となる金融機関での手続きが必要になります。

生活資金としても利用できる

一般貸付制度の借入金の使途として以下の3つが挙げられています。

  • ・事業に必要な運転資金
  • ・その他事業に関連する資金
  • ・生活資金

 

事業者向け貸付制度は、借入金の使途が事業資金に限定されているケースが多いです。

借入金を生活資金、すなわち事業以外の目的で利用できるのも共済契約者貸付ならではのメリットといえるでしょう。

小規模企業共済の貸付制度のデメリット

続いて、小規模企業共済の貸付制度のデメリットを2つ紹介します。

共済加入期間が1年超でなければ利用できない

前章で、借入資格要件の1つとして「貸付資格判定時に12ヵ月分以上の掛金を納付済み」の定めがあると紹介しました。

また、前納掛金は含まないと注意書きもされています。

すなわち共済契約者貸付は共済加入期間が1年超でなければ利用できません

共済に1年以上の長期にわたって加入しており、掛金もしっかり納付している事業者のみを対象とした制度といえるでしょう。

借入期間の選択肢が少ない

共済契約者貸付で選択できる借入期間は借入額ごとに定められていますが、選択肢が限られています。

例えば一般貸付で借入額が100万円以下の場合、借入期間は6ヵ月または12ヵ月のどちらかしか選べません。

 

一般的な融資は借入期間の選択肢が豊富であり、設定できる期間も長めの傾向です。

借入期間の自由度が低い点は共済契約者貸付のデメリットといえます。

まとめ

小規模企業共済の貸付制度は一般貸付と特別貸付に大別されます。

一般貸付は加入期間や掛金の納付額の要件を満たせば利用可能で、事前審査は必要ありません。

特別貸付は特別な事情がある場合に利用できる貸付制度で、例として「緊急経営安定貸付け」「傷病災害時貸付け」などがあります。

いずれの制度も納付済みの掛金をもとに借入限度額が計算される仕組みです。

 

小規模企業共済の貸付制度のメリットとして、審査なし、担保や保証人が不要、借換制度有り、生活資金としても利用可能などが挙げられます。

一方、共済加入期間が1年超でなければ利用できない点や、借入期間の選択肢が少ないといったデメリットがあります。

 

共済契約者貸付の特徴やメリット・デメリットをしっかり把握した上で、制度を上手く活用しましょう。

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吉岡 伸晃

記事監修
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