フリーキャッシュフローとは?計算方法と分析のポイントを解説

2026.01.19

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フリーキャッシュフローとは企業が自由に使えるお金のことで、営業活動と投資活動の後に残るお金が該当します。

借入等の他人資本を除いて会社が自由に使えるお金がいくらあるのかを示します。

 

フリーキャッシュフローはプラスであることが大前提ですが、「フリーキャッシュフローがプラス=経営状態が良好」とは限りません。

経営状況を正しく把握するためには、単純なプラス・マイナスだけでなく、内訳や原因まで細かな分析が必要です。

 

今回はフリーキャッシュフローの計算方法や分析のポイントについて解説します。

 

 

キャッシュフロー全般については以下の記事をご覧ください。

 

 

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CONTENTS

フリーキャッシュフローとは

フリーキャッシュフロー(FCF)とは、企業が自由に使えるお金のことです。

営業活動と投資活動の後に残るお金がFCFに該当します。

そもそもキャッシュフローとは

キャッシュフローは文字通り現金の流れのことです。

事業活動ではキャッシュフロー性質に応じて3種類に区分します。

それぞれ詳しく解説します。

営業活動によるキャッシュフロー

営業活動によるキャッシュフロー(営業CF)とは、本業の活動によるキャッシュの増減を示す区分です。

変動要因として以下の例が挙げられます。

  • ・現金売上
  • ・現金による仕入れ代金や経費支払い
  • ・売上債権(売掛金)の増減
  • ・買入債務(買掛金)の増減
  • ・棚卸資産の増減
  • ・利息の支払いや受取り

営業CFが多いほど本業が好調であり、本業で稼ぐ力があると判断できます。

投資活動によるキャッシュフロー

投資活動によるキャッシュフロー(投資CF)とは、設備投資や有価証券の売買などによる現金の増減を示す区分です。

投資CFの変動要因の例を紹介します。

  • ・有価証券の売買
  • ・定期預金の預入および払戻
  • ・設備投資(減少要因)
  • ・設備の売却(増加要因)

中小企業は有価証券の売買や定期預金の活用は行わないことが多いため、設備関連のみ計上されるケースが多いでしょう。

そして設備の売却が発生するのは稀なため、キャッシュの減少要因である設備投資のみが計上される企業が多くみられます。

したがって投資CFがマイナスであっても、適切な設備投資が理由であれば特に問題ないといえます。

財務活動によるキャッシュフロー

財務活動によるキャッシュフロー(財務CF)とは、資金調達や借入金の返済等によるキャッシュの増減を示す区分です。

財務CFの変動要因の例を紹介します。

  • ・借入金の入金および返済
  • ・社債の発行および償還
  • ・株式の発行による増資(増加要因)
  • ・配当金の支払い(減少要因)

なお、財務CFのプラスは借入金や社債など、将来返済が必要なキャッシュの増加が原因であるケースがあります。

また、財務CFがマイナスの場合は返済額が調達額を上回っている状態です。

このように、プラスであれば良い・マイナスは悪い等は一概にはいえない点に注意しましょう。

フリーキャッシュフローの計算方法

フリーキャッシュフローは「営業活動によるキャッシュフロー+投資活動によるキャッシュフロー」で計算します。

 

FCFは借入等の他人資本を除いて会社が自由に使えるお金がいくらあるのかを示す指標です。

そのため財務活動によるキャッシュフローは考慮しません。

 

以下のケースを例にFCFの計算方法を紹介します。

  • 1.現金売上:100万円
  • 2.現金による仕入および経費の支払い:50万円
  • 3.設備投資:40万円
  • 4.借入金の入金:50万円
  • 5.借入金の返済:10万円

 

上記のうち、FCFの計算に使うのは1~3のみです。
4と5は財務CFの変動要因のため、FCFの計算には使用しません。

 

営業CFの変動要因に該当するのは1と2です。
したがって、営業CFは100万円-50万円=50万円となります。

 

投資CFの変動要因は3のみのため、投資CFは-40万円です。

 

したがって、今回の例におけるFCFは50万円-40万円=10万円です。

フリーキャッシュフローの分析方法

フリーキャッシュフローから経営状態を正しく把握するためには、単純な金額だけでなく原因や内訳まで細かな分析が必要です。

この章ではFCFの分析方法について、プラスの場合・マイナスの場合それぞれ詳しく解説します。

フリーキャッシュフローがプラスの場合

FCFがプラスの場合、自由に使える資金が豊富で健全な経営状態である可能性が高いです。

ただし、必ずしも「FCFがプラス=経営状態が良好」とは限りません

より正確な経営状態を把握するためには、以下の点についても分析を行う必要があります。

  • ・営業FCがプラスマイナスどちらであるか
  • ・最終的なキャッシュフローがプラスマイナスどちらであるか

各キャッシュフローの状態からわかることについて解説します。

営業活動によるキャッシュフローがプラスの場合

営業CFがプラスであれば本業で適切に稼げている状態です。

売上債権の回収も順調にできており、過剰な在庫が存在する可能性も低いと考えられます。

したがって、FCFと営業CFがともにプラスであれば経営状態が良好という判断が可能です。

 

なお、営業CFの範囲内であれば投資CFがマイナスでも特に問題ないとみなされます。

本業での稼ぎによって発生した余剰資金を、設備投資や新規事業に投資している状態と判断できるためです。

FCFがプラスであれば企業が自由に使えるお金は残っている状態のため、安全性が高く健全な状態といえます。

営業活動によるキャッシュフローがマイナスの場合

営業CFがマイナスでもFCFがプラスの場合、投資CFのプラスによってFCFがプラスになっている状態です。

すなわち、保有する設備や資産の売却などの一時的な現金流入が結果的に営業CFの赤字を補てんした状態である可能性が高いです。

持続可能な資金源ではないため、そのままの状態ではやがてFCFがマイナスになる恐れがあります。

FCFがプラスだからといって油断せず、営業CF改善のための早急な施策が必要です。

最終的なキャッシュフローがマイナスの場合

財務CFが大きなマイナスの場合、FCFがプラスでも最終的なCFはマイナスになることがあります。

この場合、過去の借入の返済に追われているために実際は自由に使える現金がない状態です。

このように、FCFがプラスでも資金繰りに問題がないとは限らない点にご注意ください。

フリーキャッシュフローがマイナスの場合

フリーキャッシュフローがマイナスの場合、企業が自由に使える余剰資金がない状態です。

ただしフリーキャッシュフローがプラスの場合と同様、経営状態を適切に把握するためには内訳を考慮する必要があります。

キャッシュフローから分析できることについて解説します。

営業CFがマイナスの場合

営業CFがマイナスかつFCFもマイナスの場合、事業活動の抜本的な見直しが必要である可能性が高いです。

営業CFのマイナスを設備の売却等による投資CFのプラスでも補えておらず、現金流入が圧倒的に足りていない状態といえます。

状態を放置すれば資金繰りのさらなる悪化をまねくため、早急な対応が必要です。

営業CFがプラスの場合

営業CFがプラスでもFCFがマイナスの場合、投資CFのマイナスが大きい状態です。

そのため、まずは投資CFがマイナスとなっている原因の分析をする必要があります。

 

成長過程に必要な設備投資や新規事業に向けた投資が理由の場合、一時的にマイナスになるのは自然です。

一過性のマイナスであれば特に問題ありません。

 

一方、投資CFのマイナスが長く続いている場合は過剰な投資をしている可能性があります。

そのまま投資を続ければ資金繰りの悪化をまねく恐れがあるため、投資計画の見直しが必要です。

まとめ

フリーキャッシュフローは会社が自由に使えるお金を示す指標です。

営業CF+投資CFで計算します。

 

FCFの単純なプラス・マイナスだけでは、経営状態が良好であるかの判断はできません。

経営状態を正確に把握するためには、営業CFや投資CFおよび最終的なキャッシュフローまで分析する必要があります。

 

FCFを用いて経営状態についてより深く分析するためには、今回紹介した内容を押さえることが大切です。

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士

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