
リスキリングとはビジネスキャリアに直結するスキルや知識など、業務に必要となる新たなスキル等を身につけることです。
2020年に行われた世界経済フォーラムの年次総会を機にリスキリングの注目度が増しています。
自社に必要な人材を育成するためには、リスキリングの手順を押さえた上での適切なサポートが必要です。
リスキリングにはコストがかかりますが、支援制度である助成金の活用によって負担を軽減できるでしょう。
今回はリスキリングの基本情報や手順、助成金について解説します。
AI導入に活用できる補助金や助成金制度については以下の記事もご覧ください。
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CONTENTS
リスキリングとは

リスキリングとは、業務に必要となる新たなスキルを身につけることです。
スキル等の習得の中でも、特にビジネスキャリアに直結するスキル・知識の習得が該当します。
リスキリングが注目を集める理由
リスキリングが注目を集める理由として、2020年に行われた世界経済フォーラムの年次総会が挙げられます。
リスキリング革命が主要な議題に上がり、「2030年までに10億人により良い教育、スキル、仕事を提供する」と宣言されました。
リスキリングが主要な議題とされた背景には、DXの加速、バイオ革命、ロボティクスなどの第四次産業革命が存在します。
特にAIやIoTの進化は著しく、これまでのスキルや知識が通用しなくなる可能性が高いと考えられます。
ビジネス環境の変化に対応するためには、リスキリングによりAI時代を生き抜く人材を育てる必要があるのです。
リスキリングの重要性が明言されたことで、規模や業種を問わずリスキリングに関する取り組みを行う企業が増加しています。
リスキリングと似た用語との違い
リスキリングと似たイメージをもたれやすい用語3つについて、それぞれの意味やリスキリングとの違いを解説します。
リカレント教育
リカレント教育とは、一度仕事を離れて教育機関などで学び直すことを意味する言葉です。
「学び直し」を意味する点はリスキリングと同じですが、リスキリングとリカレント教育には以下のような違いがあります。
- 主体
- リスキリングは企業が従業員にスキルの習得を促すもの、すなわち企業が主体です。
- リカレント教育は従業員が自主的に行うものであり、個人が主体となります。
- 進め方
- リスキリングは仕事と並行して行うのが一般的です。
- リカレント教育は労働から離れて教育機関で学び直し、また労働に戻るように、別々に進めていきます。
生涯学習
生涯学習とは、職業や年齢に関係なく人生のあらゆる段階で行われる学習全般を指す言葉です。
リスキリングと生涯学習の主な違いを3つ紹介します。
- 主体
- リスキリングは企業、生涯学習は個人が主体です。
- 学ぶ内容
- リスキリングは仕事に必要な知識やスキルの習得を指します。
- 生涯学習は教育機関での学習に限らず、社会活動や文化活動、ボランティア活動などを通じて得る学びも含まれます。
- 目的
- リスキリングの目的はビジネス環境の変化に対応するための知識やスキルの周到です。特にAI時代に対応できる人材の育成を目的とします。
- 生涯学習は教養を深めることや、人生を豊かにすることが目的です。
アンラーニング
アンラーニングとはこれまでの仕事で得た経験や価値観を手放し、新しい考え方や知識・スキルを取り入れることです。
現在は活用できない陳腐化された知識やスキルを捨て、新たな学びを得ることを目的としています。
アンラーニングと違い、リスキリングは必ずしも既存の知識・スキルの棄却を条件とはしていません。
リスキリングのステップ

企業におけるリスキリングの取り組みは大きく4つのステップに分けられます。
ステップごとに詳しく解説します。
自社に必要な人材やスキルを明確にする
最初に、自社に必要な人材やスキルの明確化が必要です。
「なぜリスキリングが必要か」「リスキリングによってどのような人材を育成するべきか」等、リスキリングを行う目的の明確化ともいえます。
リスキリングはあくまでも目的を達成するための手段であり、最終的なゴールではありません。
リスキリング自体を目的としないよう注意が必要です。
リスキリングの方法を決める
続いて、リスキリングの方法を決めましょう。
リスキリングの方法として以下の例が挙げられます。
- ・社内での研修実施
- ・オンライン講座の活用
- ・ビジネススクールの活用
自社での体制整備が難しい場合、外部委託をするのも1つの手段です。
自社に合う方法を選ぶか、従業員が好きな方法を選べるよう複数の手段を用意するのが良いでしょう。
従業員に取り組んでもらう
リスキリングの準備が整い次第、従業員に取り組んでもらいます。
実際にプログラムを開始するにあたって以下の2点に注意が必要です。
- ・負荷が重くなりすぎるのを防ぐため、業務量の調整や小まめなヒアリングを行う
- ・強要をしすぎず本人の意思を尊重する
リスキリングの導入が原因で負担が増えすぎるのを防ぐため、体制整備や業務効率化、定期的な見直しなどを行う必要があります。
身につけたスキルや知識を業務で活かしてもらう
前述のように、リスキリングはゴールではなく、目的を達成するための手段です。
「学んで終わり」にならないよう、身につけたスキル等を活かせる機会を用意する必要があります。
実践結果のフィードバックも行い、よりスキルや知識を活かせる環境を整えることも大切です。
リスキリング支援制度|人材開発支援助成金

リスキリングの支援制度として「人材開発支援助成金」の「事業展開等リスキリング支援コース」が挙げられます。
リスキリングの実施において要件を満たす場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部の助成を受けられる制度です。
この章では人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースについて詳しく解説します。
人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」の基本情報
人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースの基本情報を紹介します。
- 制度の概要
- 新規事業立ち上げなどに伴い新たな分野で必要となる知識やスキルを習得させるための訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成
- 対象となる訓練等
- 以下の要件をすべて満たすもの
- ・職務に関連する訓練
- ・訓練時間数が10時間以上
- ・事前に提出する「職業訓練実施計画届」に基づいて行われる訓練
- ・講師または教育訓練機関等が一定の要件を満たす
- 助成率
- 経費助成:75%(中小企業以外は60%)
賃金助成:1人1時間あたり1,000円(中小企業以外は500円)
手続きの流れ
続いて、助成金の申請手続きの流れを紹介します。
- 1.職業訓練実施計画届を提出する
- 訓練開始日から起算して6ヵ月前~1ヵ月前の間に提出が必要です。
- 計画届および必要書類を用意し、各都道府県労働局に提出します。
- 2.訓練等を実施する
- 1で提出した計画の内容に沿って訓練等を実施します。
なお、訓練に係る費用は助成金の支給申請までに払い終える必要がある点にご注意ください。 - 3.支給申請書を提出する
訓練終了日の翌日から2ヵ月以内に支給申請書および必要書類を労働局に提出します。 - 4.審査の上、助成金の支給または不支給が決定される
提出するべき書類は訓練の内容等によって異なるため、詳しくは厚生労働省による案内をご確認ください。
まとめ
リスキリングとは業務に必要となる新たな知識やスキルを身につけることです。
AIやIoTの急激な進化といったビジネス環境の変化に対応するためには、リスキリングによりAI人材を育てる必要があります。
リスキリングは企業が主体となって行います。
リスキリングを行う目的の明確化や体制整備など、リスキリングを行うための準備が必要です。
従業員に負担がかかりすぎるのを防ぐため、業務量の調整や小まめなヒアリング、定期的なフィードバックも行いましょう。
リスキリングにかかる経費や訓練期間中の賃金は、人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」の対象になる可能性があります。
ほかにも、AI導入時に活用できる補助金や助成金として複数の選択肢が存在します。
支援制度を上手く活用しながらリスキリングを進めましょう。
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記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士







