中小企業の社長の平均給与はいくら?相場と決め方を税務視点で解説

2026.03.11

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社長の給与額の決め方に特別なルールはなく、好きな金額に設定できます。

しかし高すぎる・安すぎるどちらもデメリットが大きいため、金額の決め方についてある程度ポイントを押さえることが大切です。

給与額を決める基準の1つになるものが相場です。

相場を参考としつつ、自社の状況や理想などを考慮した上で適切な金額に設定するのが良いでしょう。

 

今回は中小企業の社長の平均給与をはじめ、給与を決める上で知っておくべき情報を紹介します。

 

役員報酬の決め方については以下の記事をご覧ください。

 

 

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CONTENTS

中小企業の社長の平均給与を2つのデータから紹介

はじめに、2つの公的なデータから把握できる中小企業の社長の平均給与を紹介します。

民間給与実態統計調査結果|国税庁

国税庁が実施する民間給与実態統計調査では、給与階級、企業規模別の平均給与、性別や年代別の平均給与等が公開されています。

社長の平均給与に絞った調査結果は公表されていないため、代わりに役員の平均給与データを引用により紹介します。

 

(株式会社の平均給与)

資本金階級役員の平均給与
2,000万円未満665万円
2,000万円以上906万9,000円
5,000万円以上1,196万9,000円
1億円以上1,425万1,000円
10億円以上1,665万7,000円
823万2,000円

引用:令和6年度民間給与実態統計調査結果 第6表 企業規模別及び給与階級別の総括表(役員)|国税庁

 

税法上は資本金1億円以下の法人が中小企業とみなされます。

役員全体の平均給与のため一概にはいえませんが、600万円~1,400万円がボリュームゾーンといえるでしょう。

民間企業における役員報酬(給与)調査|人事院

続いて、人事院の公式サイトで公開されている「民間企業における役員報酬(給与)調査」の結果を引用して紹介します。

同調査では企業規模および役名ごとの平均年間報酬が公開されています。

同調査で公開されている社長の平均給与は以下の通りです。

 

企業規模社長の平均年間報酬
500人以上1,000人未満4,225.5万円
1,000人以上3,000人未満5,275.6万円
3,000人以上8,602.6万円
全規模5,196.8万円

 

企業規模500人未満の会社のデータは公開されていませんが、規模が大きくなるほど平均年間報酬も増えていることがわかります。

なお参考として、社長以外の役名の平均年間報酬も引用で紹介します。

 

役名平均年間報酬(全規模)
会長

6,391.1万円

副会長5,821.5万円
副社長4,494.4万円
専務3,246.9万円
常務2,480.0万円
専任取締役2,086.6万円
部長等兼任1,746.2万円
監査等委員2,054.0万円
監査役1,694.9万円
専任執行役員2,368.9万円

引用:民間企業における役員報酬(給与)調査  第3表 令和4年 企業規模別、役名別平均年間報酬|人事院

【中小企業】社長の給与の決め方

続いて、中小企業における社長の給与の決め方として、考え方を3つ紹介します。

利益を基準に決める

役員報酬の基準の1つとして「前年の利益額または想定利益額-2か月分の運転資金を上限にする」という考え方があります。

役員報酬を高くしすぎると資金繰りを圧迫する恐れがあるため、まずは上限額を設定し、それから具体的な報酬額を決めるのが良いでしょう。

 

会社設立時は前年の利益額が存在しないため、損益予測に基づく想定利益額が基準となります。

当然ですが、会社設立時に作成する損益予測が実態から大きく外れた内容では、社長の給与の適正額も計算できません。

利益とのバランスがとれた報酬額を決めるためには、客観的な根拠に基づく説得力のある損益予測が必要です。

 

会社設立時に作成する創業計画書や事業計画書については以下の記事をご覧ください。

 

 

相場・平均を参考に決める

社長を含む役員の報酬額の決め方に明確なルールや基準は存在しません。

一方で後述のように、極端な高額・低額どちらも好ましくないのも事実です。

特に不当に高額な金額では損金算入が認められない恐れがあるため、高すぎない金額に設定する必要があります。

 

明確な基準がない中で「高すぎ」「安すぎ」を考える上で参考になるものが、相場や平均です。

前章で紹介したような公的なデータから役員報酬の平均を把握し、同じぐらいの金額に設定すれば、相場を大きく外れるリスクを抑えられます。

多くの中小企業のサポート実績をもつ税理士に、役員報酬の目安について相談するのも1つの手段です。

従業員の給与とのバランスを考慮する

従業員を雇用している、もしくは雇用する予定がある場合、従業員の給与とのバランスも考慮する必要があります。

 

社長の給与が従業員の給与に比べて高すぎると、従業員からの不信感や不満、モチベーション低下を招く可能性が高いです。

また、株主等の利害関係者に「もっと従業員に利益を分配するべき」「人を大切にしていない」という印象を与えてしまう恐れもあります。

 

ただし、社長の給与が従業員の給与よりも安い場合もモチベーション低下を招く事態が起こり得ます。

悪い意味で上下関係が薄れ、帰属意識や愛社精神が薄れるリスクも高いです。

「役員に適切な報酬を支払う余裕がない」「経営が不安定」等の不信感につながる恐れもあります。

社長の給与は従業員よりも高く設定することを前提としつつ、高すぎる金額にはしないよう注意しましょう。

社長の給与を決める際の注意点

最後に、社長の給与を決める際の注意点を3つ紹介します。

役員報酬は原則として年の途中に変更できない

社長の給与を含め、役員報酬は原則として事業年度の途中に変更ができません

「とりあえず適当な金額を設定し、後で調整する」といった方法はとれない点に注意する必要があります。

 

前提として、役員報酬は「定期同額給与」「事前確定届出給与」「業績連動給与」の3種類です。

一般的な給与のように毎月支給する役員報酬は定期同額給与に該当します。

社長の給与という表現を用いる場合も、基本的には定期同額給与を指すものと考えて問題ありません。

 

定期同額給与の変更ができるのは年1回であり、かつ、事業年度開始から3ヵ月以内という期間に限ります。

事業年度開始から3ヵ月を経過した日以後に変更した場合、変更した部分の金額は損金算入が認められません。

 

一度決めた役員報酬の変更は原則として認められていないからこそ、金額を慎重に決める必要があります。

 

役員報酬の変更方法については以下の記事で詳しく解説しています。

 

 

極端な高額・低額どちらも避けるべき

前章ですでに紹介したように、社長の給与は極端な高額・極端な低額ともに避けるべきです。

 

極端な高額に設定した場合のリスクとして以下が挙げられます。

  • ・従業員からの不信感や不満、モチベーション低下を招く
  • ・社外からの「もっと従業員に利益を分配するべき」「人を大切にしていない」という意見につながる
  • ・相場を著しく上回る金額の場合、損金算入が否認される恐れがある

 

反対に極端な低額の場合、以下のような事態が起こり得ます。

  • ・従業員のモチベーション低下を招く
  • ・悪い意味で上下関係が薄れ、社長と従業員という立場の差がなくなる
  • ・「役員に適切な報酬を支払う余裕がない」「経営が不安定」等の不信感につながる

 

相場や平均額、利益とのバランスを考慮した上で、適切な金額に設定しましょう。

税負担や社会保険料も考慮する

社長の給与を決めるにあたって、税負担や社会保険料も考慮するのが理想です。

 

役員報酬が高額であるほど社長個人としての収入は増加します。

会社としては損金算入できる額が増えて所得を圧縮できるため、法人税等の節税も可能です。

 

一方、役員報酬が多いほど社長個人の所得税・住民税・社会保険料等の負担は増大します。

特に、所得税は所得が一定額を超える部分により高い税率が課される累進課税制度を採用しています。

役員報酬の額によっては想定以上の所得税額となり、税負担が重くなりすぎる恐れがあるのです。

 

社長に課される税金や社会保険料の負担が重くなりすぎるのを防ぐという意味でも、高すぎる役員報酬は避けるべきといえます。

役員報酬の節税対策はBIZARQへ

中小企業の社長の役員報酬決定には、利益計画や資金繰りを踏まえた慎重な判断が求められます。設定を誤ると、税負担が過大になったり会社の資金繰りに影響を与える可能性もあります。

 

「自社の規模だと役員報酬はいくらが適正なのか?」
「法人と個人を合わせた税負担を最適化したい」

 

このようなお悩みをお持ちの経営者様は、BIZARQ(ビズアーク)までご相談ください。会社の利益水準や将来計画を踏まえながら、税務面と資金計画の両方から最適な役員報酬の設計をサポートいたします。

まとめ

国税庁が公開するデータによると、株式会社の役員報酬の平均額は823万2,000円です。

資本金規模2,000万円以下の株式会社に絞ると、役員報酬の平均は665万円となります。

また、人事院の調査によれば、500人以上1,000人未満の会社における社長の平均年間報酬額は4,225.5万円でした。

会社の規模が大きくなるほど役員報酬の額も増える傾向にあります。

 

社長の給与を決める際は、公的なデータから推測できる平均や相場を参考にするのが良いでしょう。

その上で、極端な高額・極端な低額ともに避ける必要があります。

さらに、従業員の給与とのバランスや、社長個人の税負担や社会保険料も考慮するのが理想です。

 

金額を決めるのが難しいと感じた場合は、中小企業のサポート実績が豊富な税理士に相談することをおすすめします。

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ株式会社代表公認会計士

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