個人クリニックと医療法人どちらがいい?メリット・デメリット徹底比較!

2023.05.16

個人クリニックと医療法人はどちらも病院ですが、相違点がたくさんあります。

個人クリニックでなければできないこともあれば、医療法人のみできる業務も存在します。

それぞれ異なるメリット・デメリットを有するため、どちらが良いと一概には言えません。

個人クリニックと医療法人の違いを押さえた上で、自分に合う方を選ぶことが大切です。

今回は個人クリニックと医療法人の違いやメリット・デメリットについて詳しく解説します。

医療法人化のメリット・デメリットについては以下の記事でも詳しく解説していますので、是非こちらもご覧ください。

CONTENTS

個人クリニックと医療法人の違い

個人クリニックと医療法人の違いとして、大きく以下の5つが挙げられます。

 

  • 発生する税金
  •  個人クリニックの利益には所得税、医療法人の利益には法人税が課せられます。
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  • 営利活動の可否
  •  個人クリニックは営利活動が可能であり、利益の分配も認められています。
  •  医療法人は公益性が求められる非営利組織の位置づけで、利益の分配(配当)も禁止されています。
  •  
  • 実施できる業務範囲
  •  個人に認められた業務範囲は病院および診療所のみです。
  •  医療法人は病院・診療所のほか、介護老人保健施設のように幅広い業務が認められています。
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  • 必要な手続き
  •  個人クリニックの開設に必要なのは各種届出のみで、登記は必要ありません。
  •  医療法人開設のためには登記が必要です。
  •  また医療法人の方が必要な事務作業が多く、さまざまな面で厳しいルールが設定されています。
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  • 開設できる数
  •  個人の場合、開設できる診療所や病院の数は1か所のみです。
  •  医療法人は分院が認められています。

個人クリニックのメリット・デメリット

それでは、個人クリニックと医療法人それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

まずは個人クリニックのメリット・デメリットです。

個人クリニックのメリット

個人クリニックならではの大きなメリットは以下の4つです。

営利目的で活動できる

前章で紹介したように、医療法人は非営利組織であり営利活動が認められていません。

利益の分配も禁止されています。

利益を追求できる点は、個人クリニックならではの大きなメリットです。

手続きや事務処理が医療法人よりも容易

個人クリニックは以下のような特徴があるため、手続きや事務処理が医療法人よりも容易といえます。

  • ・設立にあたって登記が不要
  • ・必要な届出や手続きの数が医療法人よりも少ない
  • ・従業員5人以下であれば社会保険の加入義務がない
  • ・会計処理の手間が法人よりも少ない

資金の自由度が高い

個人クリニックで得た利益はそのまま経営者のものになります。

事業を通して得られる資金を自由にできる点も、医療法人にはないメリットです。

経営者による決定権が強い

個人クリニックは経営者自身が決定権を有するため、個人の意向に沿った運営ができます。

個人クリニックのデメリット

続いて、個人クリニックのデメリットを3つ紹介します。

社会的信用が医療法人よりも低い

個人クリニックの大きなデメリットの一つとして、医療法人と比較して社会的信用が低い点が挙げられます。

これは医療系の業界に限らず、個人事業主と法人ではどうしても個人事業主の方が社会的信用が得にくくなります。
具体的には、融資を受ける、ローンを組む、物件を借りるなど信用が求められる場面で不利になることがあります。

節税手段が限られる

個人クリニックは、医療法人と比べて節税手段が限られます。

その理由として、以下の2つが挙げられます。

 

  • 所得税が累進課税制度であるため
  •  所得税は所得が大きくなるにつれ税率も高くなる累進課税です。
  •  一方で法人は所得の大きさに関係なく一定の税率が課せられます。
  •  所得がある程度大きくなると、法人税よりも所得税の方が大きくなります。
  •  
  • 経費にできる支出の範囲が法人よりも狭い
  •  法人よりも個人事業主の方が、経費にできる支出の範囲が狭いです。
  •  (法人のみ経費にできる支出の例:生命保険料、退職金、給与、各種手当など)
  •  経費計上できる支出が多いほど節税しやすく、経費にできる範囲が狭い個人事業主は節税面で不利です。

事業承継や相続対策が難しい

個人事業主は法人よりも事業承継の手続きが複雑かつ膨大です。

また、多額の相続税が課せられる恐れもあります。

医療法人のメリット・デメリット

続いて、医療法人のメリット・デメリットを紹介します。

医療法人のメリット

個人クリニックと比較すると、医療法人には以下のようなメリットがあります。

節税しやすい

個人クリニックのデメリットのひとつとして、節税の難しさを紹介しました。

医療法人は、個人クリニックよりも節税しやすい形態です。

利益が大きい、または今後利益が大きくなる見込みがあるクリニックの場合、節税のために医療法人化を検討するのも良いでしょう。

社会的信用が向上する

前述したように、個人事業主と法人では、法人の方が社会的信用を得やすいです。

医療法人化することで、融資やローンを組みやすくなるでしょう。

企業によっては信用の面から取引を法人に限定しているケースもあります。

このように、社会的信用の向上は事業の進めやすさに直結します。

事業展開しやすくなる

医療法人は個人クリニックよりも認められている業務の範囲が広いです。

分院できるのも医療法人のみとなります。

事業展開をしやすい点も、医療法人ならではの大きなメリットです。

安定的な医療提供や地域貢献が可能になる

医療法人は事業展開がしやすく、またルールが厳格だからこそ、安定した運営を進めやすいといえます。

そのため安定的な医療提供や地域貢献が可能になり、病院や診療所としての使命を果たせます。

医療法人のデメリット

続いて医療法人ならではのデメリットを3つ紹介します。

営利目的の活動ができない

医療法人は営利目的の活動が認められていない、非営利組織の位置づけです。

個人クリニックと違い、運営を通じて得た資金を理事長が自由に使うことも認められていません。

運営管理が煩雑化する

医療法人化することで、個人クリニックよりも運営管理が複雑化します。

まず、医療法人は設立にあたって登記申請が必要です。

設立後も社会保険の加入手続きや各種届出の提出など、必要な手続きは多岐にわたります。

会計処理や決算手続きのルールが厳しい上に必要な作業も多いため、日常の事務作業も煩雑になります。

簡単には解散できない

医療法人は設立だけでなく、解散の手間も非常に大きいです。

一度医療法人を設立すると、簡単には解散できないと認識する必要があります。

個人クリニックと医療法人どちらが良いのか

これまで紹介したように、個人クリニックと医療法人はまったく異なる形態です。

それぞれに特徴やメリット・デメリットがあり、どちらが良いか一概に断言はできません。

個人クリニックと医療法人の違いを押さえた上で、目的や状況に合う方を選ぶことが大切です。

 

個人クリニックと医療法人どちらが良いかを検討する判断基準の例を紹介します。

 

  • 実施したい業務範囲は何か
  •  医療法人にしか認められていない業務範囲もあるため、希望する業務範囲の明確化は必須です。
  •  
  • 将来の事業承継を検討しているか
  •  事業承継を検討しているのであれば医療法人、そうでなければ個人クリニックを選ぶという方法もあります。
  •  
  • 事業拡大を検討しているか
  •  事業拡大がしやすいのは医療法人の方です。
  •  事業拡大は望まない・近いうちに引退も考えているといった場合、医療法人化するメリットは小さいでしょう。
  •  
  • 求める自由度の高さ
  •  経営面・資金面での自由度が高いのは個人クリニックです。
  •  自分が求める自由度の高さを一度検討することをおすすめします。

まとめ

このように、個人クリニックと医療法人にはさまざまな相違点があります。

できること・できないことだけでなく、やらなければならないことの違いも大きいです。

どちらが良いかは一概には言えません。自分に合う方を選ぶことが大切です。

 

個人クリニックと医療法人の違いを押さえるとともに、自分の希望を明確にした上で、自分にとって適した方を選びましょう。


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吉岡 伸晃
吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士

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