
所得税や住民税などの税金は避けられない支出とはいえ、大きな負担になるのも事実です。
なるべく税金の額を小さくしたいと考える人も多いのではないでしょうか。
実は所得税や住民税などの税金は、ちょっとしたテクニックを活用するだけで減らせる可能性があります。
今回は会社員が個人で簡単に実施できる節税対策として、6つのテクニックを紹介します。
法人の節税テクニックについては、以下の記事をご覧ください。
個人事業主の節税テクニックについては、以下の記事をご覧ください。
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会社員が個人でできる節税テクニックを紹介

会社員の人でも、ちょっとしたテクニックを活用するだけで節税することは可能です。
それぞれのテクニックについて、具体的なやり方や注意点などを解説します。
適用可能な控除制度を漏れなく活用する
納税額を最小限に抑えるためには、適用可能な控除制度を漏れなく活用することが大切です。
所得税にはさまざまな控除制度が存在します。
制度を漏れなく活用し申告するだけでも、納税額に大きな違いが出るケースが少なくありません。
サラリーマンや会社員の人に適用される可能性が高いにも関わらず、見逃しやすい控除制度をいくつか紹介します。
医療費控除
自分や生計を一にする配偶者・親族のために支出した医療費が一定額を超える場合に利用できる所得控除制度です。
治療費・医薬品購入費のほか、出産費用や入院費用なども対象となります。
ただし、予防目的や審美目的など対象外の支出もあるため、医療費控除の対象になるか確認する必要があります。
セルフメディケーション税制
薬局などで、自身で選択・購入した医薬品の合計額が一定額を超える場合に適用できる制度です。
医療費控除とセルフメディケーション税制は一方の適用しか受けられないため、どちらがお得になるか確認してから申請しましょう。
特定支出控除
会社員やサラリーマンなど給与所得者で、仕事に関する支出の自己負担が一定額を超えた場合に適用できる制度です。
通勤費・転勤に伴う転居費用・資格取得費・職務関連の書籍や必要な衣類の購入といった勤務必要経費など、さまざまな費用が該当します。
なお、特定支出控除の適用を受けるためには、給与支払者である会社から特定支出に関する証明書を発行してもらう必要があります。
生命保険や個人年金に加入する
生命保険料や個人年金保険料の支出があれば、生命保険料控除の活用ができます。
もし現時点で生命保険等に加入していなければ、加入によって今後の税額が大きく変わる可能性が期待できます。
ただし、所得控除の対象となる金額は所定の計算によって算出されるため、支払っている保険料が大きい場合は全額控除できるとは限らないため注意しましょう。
生命保険や個人年金による所得控除は、会社の年末調整で適用を受けられます。
年末調整の必要書類を会社へ提出する際に、保険会社から届く控除証明書もあわせて提出が必要です。
もし会社の年末調整時に控除証明書を出し忘れてしまった場合、自身で確定申告を行う必要があります。
ふるさと納税を行う
ふるさと納税とは、好きな自治体を選び寄付を行うとその自治体からお礼として返礼品を受けられる制度です。
寄付した金額のうち自己負担額2,000円を引いた額が控除対象となり、翌年の住民税が減額されます。
ただし、自己負担額2,000円を引いた全額が控除対象になるとは限りません。
控除を受けられる金額の上限は、総所得金額等の40%です。
節税効果をしっかり得るため、自身の上限がいくらであるかを考えたうえでふるさと納税を実施しましょう。
会社員・サラリーマンがふるさと納税を行う場合は、ワンストップ特例制度を利用するのが便利です。
ワンストップ特例制度とは、必要な書類を自治体に提出するだけで控除に必要な手続きが完了するという制度ですが、1年間に寄付した自治体の数が5つを超えてしまうとこの制度は活用できないため注意が必要です。
iDeCoやNISAを活用する
iDeCoやNISAの活用も、会社員が手軽に実施できる節税対策の一つです。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
個人で積み上げる年金制度です。
掛金は預金や投資信託として運用され、発生した運用益は非課税となります。
また、掛金は全額所得控除の対象となります。
月々掛金を支払うだけで運用のために必要な作業は特になく、自身の負担を最小限にしながら資金運用と年金の積み立てができます。
NISA
投資信託などの金融商品運用で発生した運用益に税金がかからない制度です。
NISAは掛金の所得控除が受けられるわけではないため、iDeCoほどの節税効果はありません。しかし、所得税を抑えつつ投資運用できる点で節税につながる方法です。
雑損控除・災害減免法の適用を受ける
災害や盗難などの被害にあった場合、雑損控除を計上することで所得税の軽減が可能です。
震災や火災などの災害や、盗難・横領によって生活に必要な財産に損失があった場合に適用できます。
ただし、骨董品や美術品といった生活必需品ではない財産には雑損控除は適用できないため注意が必要です。
雑損控除で控除できる金額は、以下のいずれかです。
{(損失額の合計+災害関連の支出額-支払われた保険金) -総所得金額}×10%
災害関連の支出額-5万円
また、災害によって住宅や家財に大きな損失があった場合、災害減免法の適用を受けられます。
災害減免法とは、税金を直接軽減・免除できる制度です。
雑損控除と災害減免法は、どちらか一方を選択する必要があります。
要件を満たしていれば好きな方を選択できますが、どちらの方が有利かはケースによって異なります。
また、これらは災害や盗難による被害が前提なので、誰もが使える節税方法ではありません。
しかし税額に与える影響が大きいため、知識として押さえておくメリットは十分にあります。
要件を満たす場合は忘れずに申請しましょう。
税金をクレジットカードで払う
税金の支払いはクレジットカードを利用するのがおすすめです。
クレジットカードでの支払いによって税金が直接安くなるわけではありませんが、納付額に応じたポイントが付与されるという点でお得です。
なお、クレジットカードでの税金支払いはコンビニ等ではできず、専用のホームページから手続きする必要があります。
一定の手数料がかかる点と、領収書が発行されない点にも注意が必要です。
所得税や住民税のほか、自動車税・固定資産税などさまざまな税金がクレジットカードで支払えます。
自治体によって細かな違いがありますので、詳しくは自治体のホームページをご確認ください。
個人で節税をする際は確定申告が必要なケースが多い!

会社員は会社による年末調整で所得税の精算を行うため、多くの人は確定申告の必要がありません。
しかし、特定支出控除・雑損控除など、年末調整では適用できない控除制度も存在します。
これらのテクニックを活用するためには、会社員の人でも確定申告が必要です。
確定申告は、毎年1月1日から12月31日までに生じた所得について、翌年の2月16日から3月15日まで(土日祝にかぶる場合は翌平日)に行う必要があります。
確定申告の方法は、大きく以下の4種類です。
・確定申告書を税務署に直接持参する
・確定申告書を税務署の時間外収集箱に投函する
・確定申告書を税務署に郵送する
・e-Tax(Web上で実施できる国税電子申告・納税システム)で提出する
e-Taxを実施するためには、e-Taxに必要な番号やマイナンバーカードの取得など、事前の準備が必要です。
節税効果をしっかり得るため、実施する節税対策における確定申告の必要有無や、確定申告のやり方を押さえることが大切です。
まとめ
このように、サラリーマンや会社員などの個人であっても実施できる節税対策は複数存在します。
節税対策をした場合としなかった場合では、納税額が大きく変わるケースも珍しくありません。
今回紹介した節税対策はいずれも簡単にできるものばかりですが、適用条件が設定されているものも多いため、まずは自身が要件を満たしているか確認する必要があります。
もしご自身で判断できない・具体的なやり方がよくわからないなどのお悩みの場合は、ぜひ専門家にご相談ください。
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記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士