会社設立の流れは?必要な手続きや注意点を徹底解説!

2023.01.31

CONTENTS

会社設立の流れ​

会社設立で必要な作業について、流れに沿って解説します。

会社概要を決める

最初に会社概要を決める必要があります。

会社概要は後の定款作成にあたって記載する事項にもなるため、時間をかけてしっかり準備しましょう。

以下に決定したい事項の具体例を紹介します。

商号

会社名のことです。社名と呼ばれることもあります。
商号には以下のように一定のルールがあるため、事前にきちんと確認しておきましょう。

・商号に使用できる文字や符号には決まりがある。記号や特殊文字は使用できない。
・社名の前後どちらかに法人格を入れる必要がある。(株式会社の場合は「○○株式会社」など)
・学校や銀行など特定の団体や、有名企業を連想させる名前は避ける。

本店所在地

会社の住所です。
法律上の住所となりますが、実際に事業を行う場所の住所と違っても登録できます。

(仕事は自宅で行うが、バーチャルオフィスの住所で登記する等)

事業目的

会社が行う事業について明示するための項目です。

記載する内容について、適法性・営利性・明確性の3つを兼ね備える必要があります。

資本金の額

資本金の額に条件はなく、自由な金額での設定が可能です。
ただし、資本金があまりにも小さい場合、融資申し込みに際して悪影響となる恐れがあるため、ある程度の金額を用意するのが理想です。

会計年度

会社の財務諸表を作成する区切りとなる期間です。

会計期間の最終日である決算日は、会社設立日から1年以内の日に設定する必要があります。

設立日

法務局に登記申請書を提出した日が会社の設立日となります。

希望する設立日がある場合、設立日から逆算して必要な手続きを進めていきましょう。

法人の実印を作成する

会社設立のためには、法人の実印も作成する必要があります。
登記申請と同じタイミングで印鑑登録をするのが一般的であり、余裕を持って早めに作成するケースが多いです。
実印と一緒に銀行印や角印も作成すると効率的です。

なお、実印作成は最短だと即日、遅くても数日以内と、それほど時間はかかりません。

定款を作成・認証を受ける

定款とは会社運営のルールをまとめたものです。会社の憲法とも表現されます。
株式会社を設立するためには、定款を作成し、公証役場で公証人による定款認証を受ける必要があります。

必要事項の漏れや誤りなどがあると定款認証を受けられないため、定款作成のルールを確認・誤りがないか事前のチェックが必要不可欠です。

 

定款の記載事項は3種類に分けられます。それぞれ詳しく解説します。

絶対的記載事項

絶対的記載事項とは、定款に必ず記載する必要のある事項です。

絶対的記載事項に漏れがあると、定款自体が無効になってしまいます。

絶対的記載事項に該当する項目は以下の5つです。


商号
事業目的
本社所在地
資本金の額
発起人の氏名または名称及び住所
※発起人:会社設立に際して出資する人


なお、会社法37条において、会社設立までに定款で発行済株式総数を定款に定める必要があると明記されています。

そのため絶対的記載事項ではありませんが、発行可能株式総数も記載が必要です。

相対的記載事項

相対的記載事項とは、記載がなくても定款認証には問題ないものの、定款に記載しなければ効力を発しない項目です。

 

相対的記載事項に該当する項目として、以下の例が挙げられます。

株式の譲渡制限に関する規定
株主名簿管理人の設定
取締役等の任期の延長

任意的記載事項

任意的記載事項とは、定款へ記載する・しないどちらでも問題のない事項です。

 

相対的記載事項と違い、ルールとしては決めているものの定款に記載していない場合でも効力を発することができます。

定款に記載する義務はありませんが、記載することでよりルールが明確になり安心です。

 

任意的記載事項に該当する項目の例を紹介します。

株券再発行の手続き方法
株主総会の議長
役員報酬の決定方法

資本金の払込をする

会社設立のためには資本金の払込も必要です。
会社設立が完了する前で会社名義の口座を持たないため、発起人の口座に振り込むのが一般的です。
資本金の払込は定款認証の前でも問題ありません。

 

資本金払込の一般的な流れは以下のとおりです。

1.資本金払込をする発起人の口座を決めます。
2.資本金の払込を実行します。現金預入ではなく、必ず振込で行うようご注意ください。
3.資本金払込を行なった通帳について、以下のページをコピーします。
 ・通帳の表紙
 ・支店名・口座番号・口座名義人などの基本情報が記載されたページ(通帳表紙の裏面)
 ・振込金額が確認できるページ
4. 払込証明書を作成します。
 払込証明書は法務局での登記申請に必要な書類のひとつです。

法務局で登記申請を行う

本店所在地の管轄法務局で登記申請を行います。

登記申請に必要な書類は以下のとおりです。

登記申請書
 法務局の公式サイトで株式会社設立登記申請書のフォーマットおよび記載例が公開されているため、そちらを利用するのが便利です。
定款
発起人の決定書
代表取締役の就任承諾書
取締役の印鑑証明書
印鑑届書
 ・資本金の払込証明書
「登記すべき事項」を記載した書面又は保存したCD-R
登録免許税分の収入印紙を貼り付けた納付用台紙
 株式会社の場合、15万円または資本金の0.7%のいずれか高い方の金額です。


不備がなければ申請から10日程度で登記が完了します。

登記申請書を提出した日が会社設立日となります。

会社設立の流れで注意したいポイント​

会社設立の流れで必要な工程を一通り紹介しました。
続いては、会社設立の流れのなかで特に注意したいポイントについて解説します。

不備や漏れがあると修正・やり直しが必要

会社設立の流れのなかで不備や漏れがあると、修正・やり直しが必要となります。

会社設立の手続きはやることが多いうえにルールが細かいため、不備や漏れが起こるケースが珍しくありません。


特に起こりやすい不備・漏れとして、以下の例が挙げられます。


・定款に必要な記載事項に漏れが生じた
・資本金払込をした通帳について、コピーするページを誤った・漏れが生じた
・登記申請時に必要な書類に漏れがあった


会社設立の手続きは当事者が自身で行うことも可能です。

しかし、会社設立の知識や経験がない人が対応した場合、修正・やり直しの必要が発生する可能性が高く、かえって手間が増える恐れが大きくなります。

自身で対応するのであれば、会社設立に関する十分な理解と、工程ごとの入念な確認が必要です。

効率的かつ確実な会社設立のためには、専門家に代行依頼するのもひとつの手段です。

会社設立後も必要な作業が多数ある​

法務局での登記が完了すれば会社設立自体は完了です。
ただし、会社設立後も必要な作業が多数あるため、それらも漏れなく実施するよう注意が必要です。

 

会社設立後に必要となる手続きについて、以下の例が挙げられます。

保険関係の手続き​

株式会社には社会保険の加入義務があるため、会社設立後に保険関係の手続きが必要です。

従業員や他の役員がいない、一人社長の株式会社でも社会保険に加入する必要があります。

会社設立から5日以内に、本店所在地を管轄する年金事務所に届出書を提出しましょう。

税務関係の手続き​

税務関係の手続きも必要です。

会社設立から2か月以内に、本店所在地を管轄する税務署に以下の書類を提出します。

法人設立届出書
給与支払事務所等の開設届出書


以下の書類は必須ではありませんが、法人設立届出書等と同じタイミングで提出するのがおすすめです。

青色申告の承認申請書
源泉徴収税の納期の特例の承認に関する申請書


都道府県税事務所および市町村役場にも届出が必要です。

法人口座開設​

法人口座は個人口座と比べ、開設するハードルが高くなります。

金融機関によって多少の違いはありますが、必要書類が多い・時間がかかる・申請しても開設できるとは限らないなどの点に注意が必要です。

まとめ​

会社設立の流れを簡単に紹介しました。

一言で会社設立といっても、必要な作業は多岐にわたります。

細かなルールも多く、知識・経験がない人が対応しようとすると、不備や漏れが起きるケースが少なくなく、会社設立後もやるべき作業が多く存在します。

確実かつスムーズな会社設立を実現するため、専門家に代行依頼するのもおすすめです。


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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士

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