会社設立日はいつがいい?決め方や節税のポイントを紹介!

2023.03.29

会社設立をする上で決めたい要素のひとつに、会社設立日が挙げられます。

一度決まった会社設立日を変えることはできません。

大切な日であるからこそ、会社設立日をこだわって決める・希望の日になるよう調整する起業家はたくさんいます。

また、会社設立日によっては、初年度の法人住民税を少し抑えることもできます。

節税という面でも、会社設立日は大切な要素です。

今回は会社設立日を決める上で知っておきたい情報について紹介します。

会社設立の流れについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

CONTENTS

会社設立日はいつになる?

会社設立日として登録されるのは登記申請を行った日です。

法務局での登記が完了した日ではありません。

会社設立日に希望がある場合、設立日から逆算して会社設立の準備を進める必要があります。

 

会社設立日と似た言葉に、事業開始日があります。

事業開始日は文字通り事業をスタートした日です。

売上につながる活動を始めた日・営業を始めた日と言い換えても良いでしょう。

 

会社設立日と事業開始日は似た言葉ではありますが、別々の日になるケースが多いです。

一般的に本格的な事業活動は法人口座の開設後に始めますが、法人口座は会社設立後でないと開設できません。

また、会社設立後も社会保険の加入手続きや税務署への書類提出などやるべきことが多くあるため、本格的な事業活動は後回しになりがちです。

 

会社設立日は登記申請をした日と明確に規定があり、土日祝は設定できないなど制約もあります。

そのため、事業開始日の方が事業主の希望する日に設定しやすいです。

ただし、登記簿謄本に記載されるのは会社設立日のみなので、会社設立日はより重要性が高いといえるでしょう。

会社設立日の決め方例

会社設立日は登記簿謄本に記載される日であるため、慎重に決めたいと考える人もいるでしょう。

この章では会社設立日の決め方について、いくつかの例を紹介します。

縁起の良い日

古くから、何かを始める・大切なタイミングとなる日は、ゲンを担ぐため縁起の良い日に合わせるケースが多いです。

 

縁起が良いといわれる日の具体例を紹介します。

  • 大安
     六曜において、すべてのことに吉とされている日です。
     凶となる時間帯がなく、大きなトラブルに遭わない日とされています。

  • 一粒万倍日
     一粒の種籾から立派な稲穂になり万倍ものお米がとれること、すなわち「小さなものが大きく育ち飛躍的に増えること」という意味が込められています。
     会社設立をはじめ、新しいことを始めるのに最適な日です。

  • 天赦日
     日本の暦で最高の吉日とされており、1年に5~6回ほどしかありません。
     天赦日に始めたことはすべて上手くいくといわれています。

  • 寅の日
     十二支の寅にあたる日で、12日に1度と比較的高頻度で訪れる日です。
     金運が良いといわれています。

  • 8がつく日
     漢字の八の形から、末広がりで縁起が良いとされる日です。

自身にとって特別な日

世間や暦における縁起の良し悪しではなく、自身にとって特別な日を会社設立日にするケースも多いです。
具体的な例を紹介します。

  • ソウルナンバー
     個人の生年月日を足して導き出す数字です。
     その人の性格・性質・運命などの考察に使われます。

  • 誕生日や記念日
     自身や近しい人の誕生日など、何らかの記念日に合わせて会社設立を行うケースもよくあります。

キリが良い日

4月4日や11月11日のようなゾロ目や、10月10日・12月12日など、キリが良い日を会社設立日とするケースも多いです。

 

キリが良い日を選ぶメリットとして、文字に起こしたときに見栄えが良い点が挙げられます。

何となく気持ちが良い・書くのが楽しいなどのちょっとしたワクワク感は、事業に対する明るい気持ちにつながります。

 

覚えやすい点もメリットです。

キリが良い日は頭に残りやすいため、会社設立日を答える必要がある場面ですぐに思い出せるでしょう。

決算作業を考慮した日

実務的な面から考えると、決算作業を考慮した上で会社設立日を決めるのもおすすめです。

 

法人の事業年度は原則として1年です。

1年を超えなければ自由に設定できますが、会計処理等の都合により、初年度もなるべく会計期間が1年に近くなるよう設定するケースが多くみられます。

(例:会社設立を5月17日にする場合→事業年度は5月1日から4月30日、初年度は5月17日から翌4月30日を事業年度とする)

 

法人税の申告および納付期日は決算日の翌日から2ヶ月後です。

この時期は通常の業務に加え決算作業が必要となるため、非常に忙しくなります。

業務の繁忙期と決算作業が重なると大きな負担です。

そのため、業務が忙しくない時期に決算作業ができるよう決算時期を調整し、そこから逆算して会社設立日を決めるケースもあります。

特に気にせず自由に設定することも可能

会社設立日の決め方として、いくつかの例を紹介しました。

いずれも目的や込められた意味が違うとはいえ、何らかの理由に基づいて会社設立日を決めている点は同じです。

 

しかし、特に意味を込めずに会社設立日を決めるのも当然問題ありません。
日付を気にすることなく、会社設立の準備が整い次第すぐに登記申請を行うケースも多くみられます。

事前に会社設立日を決めず、なりゆきや自身のペースに合わせて会社設立を進めるのもひとつの手段です。

会社設立日の決め方によって節税につながる?

会社設立日の決め方は基本的に自由ですが、節税という面で考えると、毎月1日以外にすることをおすすめします。

会社設立日を毎月1日以外にすることで、初年度の法人住民税の均等割が安くなるためです。

 

法人住民税は法人が納付する地方税であり、以下の2つによって構成されています。

  • 法人税割
     法人税額の〇%というように、法人税額に応じて課税されます。
     法人税が発生しない(=赤字)場合は法人税割も発生しません。

  • 均等割
     資本金等の額や従業員数のように、規模に応じて定額が課される部分です。
     赤字・黒字に関係なく必ず発生します。

法人住民税の均等割は、事務所を有していた期間が1年に満たない場合、以下の式で計算を行います。

均等割の年額×事務所を有していた月数÷12

上記の「事務所を有していた月数」において、1ヶ月に満たない期間は切り捨ての対象です。

 

前述したように、会計処理の都合から、決算日は月の末日にするのが一般的です。

したがって会社設立日が1日以外であれば、事務所を有していた月数を11か月として計算するため、均等割を1ヶ月分節税できます。

会社設立日の注意点

会社設立日として設定できるのは平日のみです。

土日祝日は会社設立日にできない点に注意しましょう。

 

前述したように、法務局への登記申請を行った日が会社設立日となります。

すなわち法務局が営業していない土日祝日は法務局への申請ができないため、会社設立日にすることもできません。

オンライン申請の利用可能時間も平日のみであるため、いかなる方法でも土日祝日は会社設立日にできないのです。

 

郵送で申請する場合はタイムラグの発生にも注意する必要があります。

郵送による登記申請では、書類が法務局に到着し、申請が受理された日が会社設立日となります。

発想のタイミングや配送遅延などのトラブルによってはタイムラグが生じ、希望した会社設立日にならない可能性があります。

会社設立日として希望する日がある場合、少し手間はかかりますが、法務局の窓口で直接申請を行うのが安心です。

まとめ

会社設立日の決め方として、いくつかの例を紹介しました。

会社設立日は会社にとって特別な日です。
こだわって決めたい方も多いですが、縁起の良し悪しや覚えやすさだけでなく節税面や注意点などを押さえることも大切です。
設立日の決め方で悩んでいる人の参考になれば幸いです。


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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士

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